母子癒着~大人の理性的な私と子どもの感情的な私の分離~



昨日、PCC(個人セッションの連続コース)で「母子癒着」について熱く語っていたところ、「えー、そんなことブログに書いてない!書いてよー!」とのことだったので、頑張って書いてみたいと思います。

なんでこの話を書かないか?というと理由は「めんどくさい」という至極真っ当な理由でございまして、言葉で説明するのはなかなか難しいんでございます。

個人セッションや、リトリートセミナーなどのセッションでは本人とのやり取りが生まれますから、そこで「ええ?どういうこと?」「ああ、なるほど」「え?この場合はどうなるの?」「え?イマイチ、ピンと来ない」みたいな反応が出てきて、その都度、説明を加えられるので楽なんですけど。

さて、言い訳はその辺にして本題に話を移したいと思います。

「癒着」というのはこのブログでもちょくちょく出てくるテーマですが、日本人には意外と多い関係性でもあります。

ちなみに近々心理学講座もあります。

★*「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』

母子癒着というのが最も有名なのですが、その他にも「父との癒着」もあれば、「恋人の癒着」「夫婦の癒着」などもよくあります。
皆さんが大好きな野良猫&ロックマンとも癒着してる場合がありますし、不倫や障害のある恋などでも癒着は起こりやすいものです。

また、人ではなく、モノと癒着している場合もあり、アルコール依存、ワーカホリック、ギャンブル依存、買い物依存などもその傾向があるものですね。

また、親との癒着があるといわゆる「癒着体質」になり、恋人にも癒着するし、仕事とも癒着するし、と大人になってから、あちこちで癒着を引き起こすことも多いものです。

さて、本日はそんな癒着の中でもメジャー中のメジャーである「母子癒着」についてお話ししますので、適宜、自分のケースに置き換えてみてください。

さて、母子癒着が生まれる裏には、おかん(母)とおとん(父)があまりうまく行っていない(心理的距離が空いている)ことが多く、旦那(父)に向かえない思いが子どもに向くことによって生じるケースによく出会います。

そもそもお母さんが「過干渉」「過保護」「心配性」だったり、「精神的に弱い人」だったり、「子どもに興味がない放任主義」だったりすると、心理的にはこの癒着が起こりやすくなります。

この「過保護・過干渉・心配性」というのはセット販売されていることも多いわけでございますね。

さて、子ども時代は過干渉な母親という認識はなく「世の母親はみんなそんなもんだ」と思って甘んじて受け入れているのですが、何かと距離が近く、母親が感情的にヒステリーを起こしたり、あれやこれやと干渉してくるものですから、楽っちゃ楽だけど(甘えられるから)、鬱陶しいっちゃ鬱陶しいわけです。

しかし、子ども側もあれやこれやと心配されて、手取り足取りしてもらえるわけですから、そこに甘えてしまい、母親の言いなりになってしまうことも珍しくないですね。

あるいは、言うことを聞かなきゃヒステリックに怒りまくる母もいるわけで、結果的に「母親の支配下」に置かれることも珍しくありません。

何をするにも母親の顔色を伺ってしまうし、母親がOKを出さなければやりたいこともできないという思い込みが生まれます。

はい。この思い込み、大人になっても他人に対して抱いてしまうこともありますよね?
それは母親との関係(パターン)を投影しちゃっているわけです。

そうした「支配される関係」(=癒着)もだんだん居心地が悪くなってきます。

そこで「反抗期」が思春期にやってくるわけですね。

つまり、母親に反旗を翻して自立するわけです。

ここでは母親がヒステリックに娘(息子)の自立を阻んだり、様々な嫌味や攻撃、正当化などを使って自分の支配下に置き続けようとするなどの争いが起こります。

「早くこの家を出たい」「手に職を付けて自立しなきゃ」という思いを持つ人も珍しくないですし、母親と毎日のようにケンカしていた人もいるでしょう。

あるいは、ヒステリックなお母さんに「理路整然」と立ち向かい、お母さんを論破することでやりこめちゃった娘(息子)もいるでしょう。

さて、問題なのはそうして「自立」を果たしたとしても、「癒着は切れていない」ということなのです。

昨日のPCCのセッションでもこんな図を書いて説明していたのですが、思春期などに無理やり母親から自立するときに、いわば自分の心を真っ二つに割ってしまう(切り離してしまう)ようなことをするんです。

つまり、理性的・物理的に母親と距離を置く「大人な私」と、感情的・心理的には癒着したままの「子どもの私」に自分自身を分離させてしまうのです。

いわば、自分の一部を母親に人質として献上し、その残りの部分で母親の影響を受けない生活を新たに送ろうとするようなものです。

だいたいこの時点では母親と離れて暮らしていることが多いでしょう。

さて、この時にどんな状態になるか?というと、いわば、自己矛盾を感じる現象が頻繁に起こるようになるのです。

理性(意識レベル)では「もう母親は関係ねえ。距離も置いているし、母親の言う通りにはならないし、母親には影響受けない」と思っています。

しかし、そんなときに母親から連絡が入ると、心がざわつきます。不快です。気持ち悪いです。そして、母親が何かを頼んできたら(あるいは、命令して来たら)、その通りにしなきゃいけないような気がしてしまいます。

しかも、理性的には「無視すりゃいい」と思っている母親からの連絡も、そんなことをしたら母親に悪いとか感じちゃって、ついつい反応してしまう自分がいます。
なぜか、母親のことを「可愛そうな人」とか思っちゃってるわけですね。

さて、こういう心理状態にあると何が起きるか?というと、いわゆる「親密感への怖れ」が出てきます。

親密な関係=癒着と感じてしまっているから、人と必要以上に距離を縮めることができなくなります。

そうすると野良猫とかロックマン(ロックウーマン)とか言われるようになるわけです。

このパターンのややこしいところは「理性(意識レベル)」と「感情(潜在意識レベル)」で認識がズレちゃっているところなんですよね。

だから、自分がなぜパートナーと親密になれないのか?なぜ自分が人との距離を縮められないのか?自分がなぜ刺激の強いものに依存し続けてしまうのか?が理解し辛くなるのです。

一方では成熟した大人の女性(男性)であり、もう一方ではまだ母親の支配下にある少女(少年)が同時に存在しているわけですから無理もありません。

※さらに話をややこしくするならば、「大人の私」には大人の感情があり、「子どもの私」には子どもなりの理性があるんです。

だから、「お母さんから連絡が来た」だけで、

大人の私の理性・・・そんなの無視すりゃいいじゃん。
大人の私の感情・・・うわー、鬱陶しい。嫌だわ。でも、なんかかわいそうだよね
子どもの私の理性・・・お母さんの言う通りにしといたらいいの!
子どもの私の感情・・・どうしたの?お母さん。何かあったの?心配。

これだけの情報があなたの心の中を行き交うわけですから、まあ、混乱しますよね・・・。

で、どうしたらいいのか?

思春期の頃に「無理やり切り離した部分」を「統合」しましょう、というテーマになります。

自分の中で分離しちゃった私と私とくっつけましょう。

お母さんとの癒着を切って自分と仲直りしましょうよ、というわけです。

ここではインナーチャイルド・セラピーという手法も使うことができますし、癒着を切るアファメーションを延々とやったり、「お母さんを手放すワーク」にじっくり取り組んでもいいでしょう。

方法論はいっぱいあります。

とはいえ、アファメーションは「子どもの私」に有効であっても、「大人の私」モードではさらっと言えてしまうところがあるので、ちょっとややこしいですね(笑)

よく「対話」をお勧めしています。
大人の私と子どもの私との対話。

4~5歳の女の子(男の子)をイメージしてもらえば、そこで浮かぶのが「子どもの私」です。
その子に今の私(=大人の私)が話しかけてあげて、仲良くする感じ。

「お母さんのいうこと聞いて偉いね。でも、しんどいでしょう?」
「お母さんの顔色伺って疲れない?嫌じゃない?」

まあ、何でもいいです(笑)
否定せずに、受け入れつつ、お母さんから切り離させてあげるような感じです。

「もうお母さんから自由になっていいんだよ」
「お母さんはひとりでも大丈夫だから」

そんな言葉をかけてあげるのも効果的かもしれません。

そうして、「大人の私」と「子どもの私」の距離を縮めて行きます。

「自分と仲直りする」はリトリートセミナーの隠れた主要テーマの一つですが、自分の中で戦いが起きてしまうほどしんどいことはありません。

もちろん、この試みはパートナーシップ、ビジネス、お金、人間関係によい影響を与えてくれるでしょう。

思い当たる方々はぜひお試しを。

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