穏やかな気持ちで仕事をしたいのに、戦いをしかけてしまいそうな自分が怖い。



私たちはついつい「理想像」を掲げて今の自分を否定して直そうとする癖があるようです。
しかし、まずは「今」を肯定してあげることが大切です。
今はダメだと思う、その方法が、かつては役に立っていた時代があるからです。

根本さん、こんにちは。「権威との葛藤」についての質問をさせてください。

職場で上司や高齢のお客様と接するときに反抗的な態度をとってしまい、居心地の悪い状態になってしまいます。

わたしの父は3歳で亡くなっており、祖母と母の3人で暮らしてきました。
うちで権威者として君臨していたのは祖母だったので、彼女がこの問題のラスボスだろうと思っています。
祖母は物忘れがひどく、通帳を箪笥にしまい込んで見つけられなくなったりすると、「お前が亡くしたんだろう!」とわたしに濡れ衣を着せました。
何か問題が起こるとわたしのせいだと騒ぎ立てられたので、年長者に強烈な不信感があります。
釈明しても意味がないし、母に助けを求めても、仕事で忙しい上に基本祖母の肩を持つ人なので話を聞いてもらえず、真実がうやむやのままなのに泣き寝入りさせられることが多かったです。

新刊も購入して、お恨み帳をひたすら書いたりするのですが、怒りがとめどなく流れ出してきて、職場で正気を保っているのがやっとの状態です。
もっと穏やかな気持ちで仕事したいのに、戦いをしかけてしまいそうで、自分が怖いです。
もっと祖母を、母を、自分を許せということでしょうか
(Kさん)

ま、武闘派ですからね・・・戦いを挑んでしまうのは、まあ、しょうがないですよね・・・。ね?(笑)

ってな感じでまずは自己肯定をお勧めするブログへようこそ!(笑)

セラピー的なアプローチをするならば、

>もっと祖母を、母を、自分を許せということでしょうか

ということになりますね。

でも、その前にやっぱり「そういう自分なんだもんね。」と肯定することは大事です。

「祖母を許さないと穏やかになれない」ということはなく、あちこちで反抗的態度を取ってしまうのが今のあたしだもんね、と肯定することで、穏やかになれます。

「穏やかじゃない」というのは「内なる葛藤」がもたらすものです。

「お客様には丁寧に接しなければならない」vs「あっ?そんなことできっかよ!ムカつくんじゃ、ボケ!」という葛藤がKさんの心を乱すのです。

それを“統合”します。

「お客さまには丁寧に接した方がいいと思うんだけど、今のあたしはついついケンカを吹っ掛けちゃうのよね~!以上!」と。

自己肯定感というのは、自分ができないことやダメなことや理想じゃないことや正しくないことを直すことではなく、「それが今の自分なんだよね」と受け入れ、認めてあげることを言います。

それがいいとか悪いとかではなく、今はそうなんだもんねー、と。

「せっかく焚き火したかったのに雨が降って来ちゃった・・・。くそーっ!でも、まあ、しょうがないよなあ」と受け入れるように。

不器用な自分。
ちゃんとできない自分。
いい子じゃない自分。
武闘派な自分。
お客様を怒らせちゃう自分。

どれも畑から採って来たばかりの野菜同様「新鮮な今の姿」です。
泥が付いていようが、葉っぱがちょっと欠けてようが、虫食いがあろうが、新鮮な食材に違いはありません。

それをまずは受け入れないと、洗ったり、葉っぱを切り取ったりすることはできません。

まずはその姿にOKを出した上で、じゃ、どうするの?という話です。

さて、Kさんにとっては子ども時代はけっこう辛い思いがたくさんあったわけです。
自分の価値観や思いを一方的に押し付けてくるおばあちゃんに、全然味方になってくれないお母さん。
その中で一人辛い思いをされてきたんですよね。

そうすると、私たちは「そんな思いは二度としたくねえ」と自立して、そうならないように自分なりに策を練ります。
それは防衛的態度だったり、理論武装だったり、感情的暴走だったりするわけですが、その家庭環境の中で生き残るには必要な方法だったのです。

つまり、Kさんが年配のお客様や上司に反抗的態度を取ってしまうのは、かつて役に立ってた方法でもあるのです。

それを「良くない」「ダメだ」と否定することは“大人的視点”からは簡単なのですが、でも、それはKさんが必要に応じて身に着けた術であり、かつては役に立っていたものなのです。

心理的に見れば、年配のお客さまや上司におばあちゃんやお母さんを投影しているからこそ起こるものですが、逆に見れば、そういう風にしなければやってられない過去があったということです。

だから、Kさんは何も悪くないわけです。
ただ、そのやり方が今の環境に合わなくなっただけなんですよね。

その点をまずは受け入れましょうか。

そうした上で、さらに内面に入っていきます。
「また、あんな目に合うんじゃないか?また否定されるんじゃないか?また誰も味方になってくれないんじゃないか?」という不安や怖れは心の中に留まっています。

その頃の辛い気持ち、寂しい気持ち、空しい気持ち、怒り、不満、恨み、憎しみ、いろんな気持ちを当時の自分は感じていたと思います。

その気持ちを解放するために「御恨み帳」を提案している私ですが、書いても書いても出し切れないってときは、それくらい溜まってるんだなあ・・・と思って、ひたすら続けてみるといいでしょう。

その一方で、当時の自分に対しても優しい、ねぎらいの言葉をかけてあげることはとても有効な方法です。

インナーチャイルドワークに似ているのですが、要するに「おばあちゃん」や「おかあさん」に対してだけでなく、「かつての私」と向き合うことも効果的です。

〇子ども時代の自分に何て言ってあげたいでしょうか?

〇彼女はどんな表情をしているでしょうか?

〇彼女の気持ちをただ聞いてあげるとしたら、何を語ってくれるでしょうか?

そして、誰も味方がいなかった当時の私の側に大人になった自分が寄り添うシーンをイメージしてみましょう。

そっと肩を抱いてもいいし、ハグをしてもいいし、ただ、隣に座っているだけでもいいです。

そうして、今の自分がかつての自分の味方になってあげるのです。

これは「過去」を扱っているように見えて、実は「今、現在」を扱っています。

当時の行き所の無かった感情が未だに心の中に住み着いているのであり、年上の女性から否定されるんじゃないか?という怖れは今のKさんが感じていることです。

つまり、その過去だと思っているできごとは、今現在進行形なのです。

だから、そうして内なる自分と向き合うことで「今の自分」が救われていきます。

そして、過去は過去として今現在と引き離すことができると、職場での態度も変わっていくのです。

じっくり自分自身と対話してみましょう。
それだけできっと何かが変わり始めるはず。

そんな内なる自分と向き合うならば、

東京:5/27(日)10:00-18:00
大阪:8/4(土)10:00-18:00
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