厳格な父親と大家族を抱える母親の元で、自分は何を抑圧してきたのだろう?



優等生でいい子なタイプは、自分の状況を常に前向きに捉えるので、苦しくても自分が悪かったり、頑張ろうとしたりしていきます。
その結果、弱音を吐けない、甘えられないなどの問題を持つに至るのです。

ここ半年ほど自分の心と向き合わざるを得ない状況に自らを追い込んでいる、一人プレイが大好きな四〇代M男です。
破局後もいいお友達を続けてきた同じ職場の元交際相手と些細なきっかけから会社を巻き込んだ刃傷沙汰を起こし、会社からの御沙汰を待ちながら日々身悶えております。
さらにこの件で、それまで二人を応援してくれていた上司の後ろ盾を失って昇進話も立ち消えとなり、その後何故か飲み仲間の女性社員からも距離を置かれ、もう後ろ手に縛り上げられ手も足も出ない状態です。
これまで、案外優しいのね、と言われながら比較的オラオラなプレイを得意としてきた自分が何故次々とドMオプションを発注しているのか我が心の真意を測りかねていたところ、昨日「問題が起きるのは子どもの頃からの夢を叶えるため!?」を読み、
長男でしっかり者のリーダー役として主演男優賞を獲得し続けてきたこれまでの半生に「甘え」「わがまま」「弱音を吐く」といったシーンが不足しており、我が心は満たされなかった思いを叶えようと私に鞭打っているのではとの思いに至りました。
ただ、この問題が起きてからずっと両親との関係を振り返っていますが、父親は厳格な公務員だった、母親は大家族を支える専業主婦として大変そうだったという記憶はあるものの、決定打となるような鮮烈なものがありません。
むしろ、それだけ私が抑圧し続けていたものが大きかったということなのでしょうか?
取り上げていただければ、幸いです。
(Yさん)

元ネタはコチラです。

「問題が起きるのは子どもの頃からの夢を叶えるため!?」
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16965

Yさん。なかなか面白い。
ちょっとイタそうな匂いもしますが、面白いです。
自立系武闘派男子と言えるでしょうか。
我が読者の中では貴重な存在と言えますね。
ありがとうございます。

一言で言うと、そういうことってよく起こるんですよね・・・と言っちゃいそうなYさんの事例です。

とはいえ、その刃傷沙汰(にんじょうざた)に至った経緯なんかも実は重要なヒントを与えてくれることが多いんですよねー。

例えば、それまで良い関係だったのに、実は何かしらYさんが地雷を踏んで彼女を怒らせてしまい、フォローしようと思ったけど水をかけてるつもりで実は油をぶちかましてたことが分かり炎上、、、とかね。

男性がよくやりがちなのは「気持ちの読み違い」。
これ、あくまで一例ですけれど「彼女としては復縁したいので何とか彼の気持ちを取り戻そうとあれやこれやと尽くしていたのだけど、彼の方がそこで調子に乗ってしまい、別の女性に手を出したり、彼女のことをセフレみたいな扱いにしたりして、いよいよ彼女、ブチ切れる」とか。

とはいえ、今は会社の御沙汰を待つ身分であれば、神妙にしている他ないですけど。

でも、この件で、後ろ盾を失ったり、飲み仲間から距離を置かれたりするということは、よほど、この一件がYさんのイメージを崩すものだったわけですよねー?
いったい、それまでのYさんの職場での立ち位置や振る舞いってどんなだったんでしょう?
女性との問題を起こすようなキャラではなかったんでしょうか?

ま、会社の体質が「君子危うきに近付かず」という場合もありますけどね。問題起こすともうそこにはいられない、みたいな。

実はそのギャップによって問題が起きた「意味」というのが見えてくるんですね。
それはYさんが見つけた「甘え」「わがまま」「弱音を吐く」はもちろん、それ以外の可能性も教えてくれることがあります。

さて、そういう状況によってYさんは子ども時代のことを振り返られたわけですけど、そして、それは素晴らしいことですが、なかなかその状況と今とを結びつけるのは難しいですよね。

例えば、こんなケースがあるんです。
「うちのオヤジはいつも僕を殴ってたんですよ。でも、どこの家でも同じようなもんだと思ってたんですが、小学校5年生の時に同級生にふとそのことを言ったら異常に驚かれて『僕はお父さんに殴られたことなんて一度もない』って言うんです。それ聞いてこっちがほんとびっくりしちゃって。」

すなわち、どんな親であろうと、親ってそういうもの、という順応性を持って子どもたちは大きくなっていきます。
だから、仮に暴力を振るうようなお父さんだったとしても「どこの家でも同じだろう、父親ってのはそういうもんなんだろう」と思って受け入れてしまうのです。

だから、ほとんどの方が「別にうちはふつうだったけどなあ」と思うんです。

明確に離婚、暴力・DV、異性、アルコール、お金、仕事の問題が表面化していなければなおさらです。
そして、実際、そういう家庭が多いのも事実です。

しかし、私たちは「それがふつう」と思っている中で見知らぬうちに我慢をし、犠牲をし、今までやってきている可能性が高いんですね。

例えば、ある女性はうちの母親は子どものに愛情を注ぐいい母親だと思っていました。
習い事も塾もたくさん行かせてくれて、送り迎えもしてくれました。そんなお母さんのことが大好きだったんですね。
でも、思春期になって自分の意志を持ち始めるとお母さんとの衝突が増えていきます。
実はお母さんは「子どもを自分の思い通りにしたい人」だったのです。それで小さい頃から、お母さんに言葉巧みにその希望を叶えるように仕向けられていたことに気付きました。ピアノもお母さんが嬉しそうだから習っていたし、英会話も将来必要だから、と通っていましたが、どちらも本当はあまり好きじゃなかったんです。

それに気付いた彼女は愕然とします。そして、お母さんとの飽くなきバトルが始まるわけですが、とはいえ、小学校時代の彼女に「お母さんのこと好き?」って聞けば笑顔で「大好き!」って答えてくれるはず。

だから、子ども時代の状況ってなかなか分からないんですよね。

さて、Yさんのケースを振り返ってみましょう。

>長男でしっかりもののリーダー役

であり、

>父親は厳格な公務員だった、母親は大家族を支える専業主婦として大変そうだった

ということです。

まあ、これだけでも十分Yさんが弱音を吐けない頑張り屋なヒーロータイプのお兄ちゃんになることは間違いないと言えますよね。

例えば、甘えることってできたと思います??
でも、子どもなんだから甘えたい気持ち、当然持ちますよね。
さて、その気持ちはどこに追いやってしまったのでしょう?

お母さんが大変そうだとしたら、わがままも言いにくくなりますよね。
むしろ、お母さんを助ける側に長男ならば回ってしまうかもしれません。
弱さなんて見せられないし、助けなんて求められないでしょう。

厳格なお父さん。
そりゃあ、期待に応えるしかなかったですよね。
気を使ったり、いい子でいたり、優等生になったり、頑張り屋さんになったりして、何とかお父さんに認められたいと思ってきたのではないでしょうか。

そんな風にコレ!という事件がなくても、子ども時代からの様々な思いが積み重なって、今の自分が作られていきます。

だから、Yさんのようなケースではきっとお父さんやお母さんに対してガマンしていたことが今、こうして噴出して来てるのかもしれません。

さて、ということで、子ども時代の自分と繋がっていきましょう。
Yさんは何を我慢してきたのでしょうか?
どんな子どもだったのでしょうか?

インナーチャイルドワーク的なアプローチを使うならば、Yさんの子ども時代の自分に今、声をかけるとしたらどんな言葉が浮かぶでしょうか?
また、3歳~10歳くらいの自分をイメージしていただいて、その姿を見るとどんな気持ちが湧き上がってくるでしょうか?

また、その子ども時代、お父さん、お母さんをどんな風に見ていたのか、改めて考えてみましょう。

せっかくイメチェンに成功した(?)のですから、新しいキャラに被せて、今までできなかったことをしてみましょう。

「誰かに助けを求めるとしたら誰でしょう?」(職場内外それぞれ)

「弱音を吐くとしたら誰に聞いてもらいたいでしょう?」

「職場内で我慢してきたことを我慢しないようにするとしたら何?」

「会社に入ってから今までで我慢・犠牲してきたことってどんなことでしょう?」

「Yさんの子どもの頃の夢って何だったでしょう?それを今、実現するとしたら何ができるでしょう?」

人生の大きな分岐点になりそうですね。
これから先の人生がより素晴らしいものになるように、自分自身を見つめる時間を作っていきましょう。

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