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こうした慢性的・長期的な問題というのは「なくて七癖」と言われるように、自分では気づけない言動の癖が引き寄せていることも多いものです。
それは自分では「正しい」とか「当たり前」と思っていることが実はトラブルの元になっていたりして、改めて自分を見つめ直してみることが求められるのです。
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メールマガジン、興味深く拝見しています。
メールマガジンを見ていると、ネタはここ数ヶ月、全て女性で、男子禁制なのかと不安に思っています(笑)。
男性の私でも、ネタを提供させて頂いても大丈夫でしょうか。
ここ10年ほど、人間関係に悩まされています。
10年ほど前に今の会社に転職しました。
2年程経ち、難関の国家資格試験に合格したこともあり、課長に昇進しました。
ただ、同じ頃に年下の社員(人望あり)から喧嘩を売られ、そのフロアでかなり孤立した時間を過ごしました。その後輩は2年程で退職しましたので、今はその問題はクリアしています。
同じ頃に、上司(支店長)からパワハラを受け、その後、支店長が変わって別の人になっても、同様にパワハラを受けました。
たまらず専務に相談したところ、専務は私を本社に移動させてくれました。
パワハラはなくなりましたが、今度はかなり仕事が出来る新しい部下が、私に対してあからさまに嫌な態度を取ってきます。
仕事が自分(後輩)より出来ない上司(私)の下に付くのが嫌なんだと思います。
周りも既にそんな雰囲気(ぎくしゃくしている雰囲気)を察しているらしく、親しい先輩からは、勢力的には部下の彼の方が強いと言われました。彼の方が良い成果を出しているので。
彼は自分の気持ちを割と表に出します。
私も中学生の頃はそうでしたが(好き嫌いを態度で示す事が良いと思っていましたが、そうすると自分が苦しいだけだと分かりました)、今はそういう態度をなるべく出さないようにしています。
私は上司なのでコミュニケーションは大切だと思い、こちらから話しかけるようにしていましたが、最近根本さんの本を読んで、嫌いなものは嫌いでいいと知ったので、それ以降は部下には無理に話しかけません。
信頼ある方から、私は1-2年後課長を退き、その部下が課長になるという話を聞きました。私が彼の部下になったら私自身、精神崩壊が起きそうです。
頑張っているのになぁ。
何事にも誠心誠意向き合っているつもりですが、人間関係の悩みが尽きません。
事態もなかなか好転しません。
本当は仕事を辞めたいですが、子供の教育費や老後などを考えると、留まらざるを得ないと思っています。
あと10年から20年、こんな生活をするのかと思うと気が狂いそうです。
私のなにがいけないのでしょうか。
どうすれば精神的な安定を図れるでしょうか。
苦しくて毎日が憂鬱です。
是非ヒントを下さい!
(Hさん)
勇気あるチャレンジありがとうございます。
もちろん男子禁制ではございませんし、むしろ大歓迎なのですが、ここだけの話、どうも筆者には女難の相がでているのか・・・(以下検閲削除。)
あるいは前世で何かやらかしてしまったカルマがあるせいなのか、どうも怖い・・・(以下検閲削除。)
あとたまーに男性からのネタもいただくのですが、ちょっと回答を作りにくい(=ツッコミどころが分かりにくい)曖昧な内容ですので不採用にさせてもらっていることもあります。
よく「ピラニアの池に裸で飛び込むようなもの」と例えられておりますが、そんな中、勇気を出してくださってありがとうございます。
・・・とまあ、何とも歯切れの悪い書き出して御座いますが、そうした事情ですのでどうぞご了承いただけましたら幸いです。
ま、基本的に問題だの悩みだのってのは男女問わずですし、女性だから、男性だから、という区別もなくはないですが、「人として」という部分が大半を占めるのが心理学ですので、女性向けに描かれた文章も適宜男性に置き換えて読んでいただけるかと思っております。
(ま、生地面積の小さい服を着ろ!等の具体的アドバイスはスルーしていただきたいですが。)
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さて、10年も悩み続けるってのは相当メンタルに来ちゃいそうですけど、その点は大丈夫でしょうか?
難関国家試験に合格するってことはとても優秀だとは思いますが、肝心の仕事の中身についてはどんなものなのでしょうか?
課長職ってことになりますと実務の一方で、管理監督業務も多いかと思われますが、そちらは無難にこなせているのでしょうか?
シンプルに問題を整理していきますと、
・上司からのパワハラが2回
・年下の人望あり社員から喧嘩を売られる
・仕事がデキる部下から嫌悪感を向けられる
という過酷な状況に身を置かれているようなのですが、なぜそんな現象を引き寄せてしまうのか?についてはどうでしょうか。
パワハラにしても部下から喧嘩を売られるというのも1回きりであれば「まあ、たまたまじゃないっすかね?」という風に流してよいのですが、こうも姿かたちを変えて繰り返し起きるということは、自分の何かに問題があるんじゃね?と捉えたほうが賢明なものです。
自分が起こしているんだったら人を変え、職場を変えたって同じことが起きますよね。
だから、やはり
>私のなにがいけないのでしょうか。
という点について掘り下げていかれるのがまずは重要かと思います。
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ちなみに10年前に転職して今の会社に来られたということですが、前職を辞した理由は何だったのでしょうか?
そこでは人間関係の問題はなかったという理解でいいでしょうか?
だとすると、前の会社と今の会社の違いって何がありますか?
専務はすぐに本社に異動させてくれましたが「直属の上司部下とはうまくいかないけれど、もうひとつふたつ上からは期待される」みたいな傾向ってありますか?
例えば、「直属の上司とはうまくいかないんだけど、その上の部長とか取締役からはかわいがられる」というパターンを持つ方って意外と多いのですね。
その理由としては「直接かかわる上司からすると何かしら鼻につく態度を取っており、それでいて結果を出しているので扱いづらい部下になるが、その上の役職の人からすると勢いのある実績を出す若手として映るので気に入られやすい」みたいなところがあります。
また、これはたいへん細かい話になりますが、難関の国家資格を取得された点は素晴らしいのひとことなおんですが、なぜそれで課長職に抜擢されるのでしょうか?
その資格と課長職というのがそれだけ関係しているのでしょうか?
逆に言えば、課長職になるだけの実力が伴っていなくてもその資格を持っていれば自動的に昇格されるシステムになっているのでしょうか?
もしそんなシステムを会社が採用してるんだったらHさんは不幸ですよね。
仕事ができる係長以下の社員からすれば面白くないですものね。
反発したくなるのも無理はありません。
仮にHさんがそれなりに実績を残していたとしても「あの人は資格を持っているから課長になれた」と解釈されちゃいますものね?
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さて、そんなわけで色々とお聞きしたい点がありますので、ここから先は一般論を交えた「こういう傾向がありまっせ」というお話になる点、ご了承くださいませ。
そういうわけでHさんの文章で気になったのは下記の点ですね。
>私も中学生の頃はそうでしたが(好き嫌いを態度で示す事が良いと思っていましたが、そうすると自分が苦しいだけだと分かりました)、今はそういう態度をなるべく出さないようにしています。
>私は上司なのでコミュニケーションは大切だと思い、こちらから話しかけるようにしていましたが
そういう態度をあまり出さないようにしている、ということはどちらかというと理性的・論理的な話を冷静にしている、ということでしょうか?
つまり、けっこう思考的に自分をコントロールしている状況と言えるでしょうか。
だから「上司なので」という思考的理由によって、部下に自分から話し掛けるようにしてきたのでしょうか?
また、かつてパワハラに遭った部署でも、つとめて冷静に理性的に上司に話をしてきたのでしょうか?
けっこう「正論」とか言っちゃう、もしくは、考えちゃうタイプでしょうか?
頭の中を「~すべき」「~しなければならない」「~すべきでない」といった思考が巡っているところはないでしょうか?
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よく「仕事はできるけれどコミュニケーションは苦手」という方がいらっしゃいます。
私の元にも男性のクライアントさんが紛れ込んでくることももちろんあるのですが、以前、外資系の金融会社でそれなりのポジションにいらっしゃる方が「上司からの評価はSなのに、部下からの評価がE」という状態でカウンセリングに駆け込んで来られました。(まあ、奥様からの紹介と言いますか、脅迫によってお越しになられたのですが)
彼はとても爽やかなイケメンで仕事もデキるいい男だったのですが、「すべき思考」がたいへん強く、自分自身をそれで律しているのはもちろんですが、それを部下に対してもやってしまう上司だったのですね。
彼は優秀で体力もあるからできるんですけど、部下に同じことを求めてもそれは無理じゃね?ということがいっぱいあったわけです。
それで「なんで俺にできることがお前にできないんだ!」と説教をすることも多く、何なら部下の仕事を奪って自分が何とかしちゃうシーンも少なくなかったそうです。
(とはいえ、その仕事の成果を自分のものにすることはなく、部下の功績にしてあげていたそうですが)
「まあ、それじゃあ、部下は付いて来ないよね~」というお話をしていきました。
問題は彼の中にある「無価値感」でした。
自分のことを低く見積もりすぎているがゆえに「俺みたいなデキの悪い人間にできるのだから、優秀なお前は簡単にできるだろう」という視点で部下を見ていたわけです。
そして、そういう無価値感をベースに「頑張る」ということをしていたので、彼もまた「こうすべき、ああすべき」「そんなことはダメ」という、自分にも部下にもたいへん厳しい上司になっていました。
しかし、客観的に見れば彼は見た目も良いけど仕事もデキる男でしたので、それを押し付けられる部下からすればたまったもんじゃないのです。
それはまるで井上尚弥選手に「俺はあの相手を5発で倒したんだから、お前は2,3発で倒さなきゃおかしい」と言われてるようなものです。
だから、彼のその無価値感を癒すことを中心に話を進めつつ、自分の感情をもっと大事にすることを勧めていきました。そしたら1年後には上司からの評価は相変わらずSで、部下からの評価がAに急上昇し、米国本社に引き抜かれていくことになりました。
※なお、彼とのカウンセリング中、幾度となく「奥さん怖くね?あんたも女難の相があるの?だって、あの奥さん、相当鬼軍曹だよね?そりゃあ、あんたの無価値感も強くなるよね?」という話をこっそりしておりました。
※なお、余談ではございますが、あろうことか彼がそんな男同士の話を奥様につい漏らしてしまい、その直後に控えていた奥様のカウンセリングが修羅場になったことをここにご報告申し上げます。涙
【業務連絡】
ご主人にカウンセリングを受けて欲しいと思われている奥様方へ。
みなさまの推薦や脅迫によりご主人様が私のカウンセリングを利用されることになった場合、終了後に「どうだった?どんな話だった?根本さんから何言われた?あたしのことも何か言ってた?」という尋問・詰問は避けていただけるよう、心よりお願い申し上げます。
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彼の例はひとつの参考としていただきたいのですが、Hさんはどんなコミュニケーションをされる方なのかな?というのがたいへん気になったものです。
感情を押さえて理性的に話すと、形式的または学術的またはシステマティックなコミュニケーションは成り立つのですが、人と人とのコミュニケーションはうまく行かなくなります。
人と人の関係性は「感情」が作るものだからです。
だから正論ばっかり言ってる人ってのはどこにいっても嫌われることになりますし、感情をあまり表に出さない人はとっつきにくい人との評価を得ます。
だからHさん自身の日ごろのコミュニケーションを振り返っていただきたいわけです。
また、先ほどの彼は会社に上下評価が導入されていたので部下からの評価を知ることになりましたが、Hさん自身は周りからどんな風に見られているのでしょうか?
他人の評価を気にすることはないのですが、ひとつの参考値として見ることもできます。
さらに、上司からのパワハラにご縁がある方は、両親との関係を見つめ直していくことも多いものです。
というのも上司には親を投影しやすいもので、親との関係性を再現していることも多いからです。
一方、部下や年下の社員というのは弟妹を示唆することもありますし、また、「人望あり」「仕事がデキる」という点においてももう少し掘り下げてみたいものですね。
ちょっと痛い話かもしれないけれど、Hさんの人望はどうなのか?仕事のデキはいかほどなのか?という点について客観・主観からお話を伺いたいわけです。
年下のそういう存在というのは何かと気になるものですけれど、Hさん自身は彼らのことをどう見てきたのか?は検討する価値があるものです。
競争心をすごく刺激されていたり、彼らの存在がコンプレックスになっていたりするのであれば、そこもまた深掘りしてみたいところですね。
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さて、
>本当は仕事を辞めたいですが、子供の教育費や老後などを考えると、留まらざるを得ないと思っています。
>あと10年から20年、こんな生活をするのかと思うと気が狂いそうです。
まあ、気が狂うくらいであれば転職しちまった方が良いと思うのですけどね。
気がおかしくなってしまったら教育費とか老後とか言ってられなくなりますよね。
1-2年で立場が入れ替わって精神的に追い詰められそうになるならば、さっさと次の職を探してみるのもアリだと思います。
そもそも今の会社に転職してから人間関係がおかしくなったのであれば、社風に合わない、業務内容もしくは会社のシステムが自分に合わない、というケースもあるものです。
幸い国家資格もお持ちですから、この1,2年で自分の人間関係に関するパターンを見つめ直して改善しつつ、次の職場をこっそり探してみるのもいいでしょう。
そもそもこの「留まざるを得ない」という考え方がそのものがHさんを苦しめていることも多いわけです。
ちなみにこうしたお話は奥様にされてますでしょうか?
男性のこの手の問題って意外と「夫婦関係」にたどり着くことも少なくないのです。
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ということであれこれ質問を投げまくってるのですが、おそらく
>彼は自分の気持ちを割と表に出します。
この辺がHさんにとっての鍵となる項目になるかと思われます。
「感情表現」というものを一度、考えてみられるのはいかがでしょうか?
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