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特に駆け出しの頃ってのはまだまだ心が定まっておらず、迷いがあるものですし、プロとしてやっていく覚悟もこれからと言ったところです。
そんなタイミングでプロの洗礼とも言うべきトラブルが起きることもあるのですが、それはまさに神様のテストなのです。
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お陰様で自己肯定感が上がり、ライフワークを生きようと、一度諦めたイラストの道を歩み始めました。2年程経って、目標額には達してませんが、ありがたい事に少しお客さんも付くようになったんです。
ところが先日、あるお客さんから私の作品は「〇〇さんのパクリだ!」と指摘を受けました。
確かにその方は私の憧れなので多大な影響を受けており、その人の作品のテクニックを取り入れた部分もありました。その上でオリジナルを作ったつもりでしたが、プロとしてのレベルには達してなかったんだなと反省しました。
その方には返金をし、事なきを得たのですが、それ以来、イラストを描けなくなってしまいました。
何を描いても、「あの人のあの作品に、ここが似てる!またパクリって言われる!」と怖くなって、筆が進みません。憧れの方へも申し訳ない気持ちで一杯です。
指摘された時以上のオリジナリティを出せないって事は、向いてないって事かなと、昔、諦めた時の感覚も戻ってきてしまいました。あるいは、これは神様のテスト?いやいや、好意的に捉え過ぎだよって、頭の中で天使と悪魔が…。
別の道を選ぶにしても、イラストの道を選ぶにしても、自分軸で選びたいと思っているのですが、グルグルしてまとまりません。
こんな時は、どう心の整理をしたらいいでしょうか?また、根本先生もパクられたというか、模倣された経験はありますでしょうか?
自分の未熟さが招いた事態なんだから、自業自得だ!図々しい!という言葉が頭の中で響いていますが、どうにも困り果ててリクエストお送りしました。何かご助言いただけたら幸いです。
(Kさん)
私のお仕事ってのは形があるわけではないので、パクったのかパクられたのかよく分からないのが正直なところです。
ただ、以前、とある方が私の記事を丸々コピーして自分のブログに掲載していたことがありまして、それを見つけた親愛なる武闘派読者様がその方に猛攻撃を仕掛け、「あっしの方で処理しときましたんで」との報告を頂いたことがあります。
まあ、丸々コピーするのはさすがにアレですけれど、私がお話しているようなことに全くのオリジナルなんてほとんどなく(自立系武闘派女子という言葉くらい?)、あとは誰かからパクった話をしているようなものです。
逆に言えば、私の師匠も弟子たちに「どんどんパクりなさい」と言っており、私も弟子どもに「どんどんパクりなさい」と伝えているので、Kさんの参考にはならないかもしれません。
むしろ「あなたのカウンセリングは根本さんに似ている」なんて言われたら、うちの弟子は喜ぶと思います。(・・・。え?あたしは虫唾が走るけど?と思ったお弟子さんは一歩前に出て歯を食いしばってください。)
そして、私自身もセミナーやらなんやらで「ああ、この話し方、間の取り方、例え方はうちの師匠に似てるなあ」と思うことも少なくありません。
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Kさんのような創作物として形が残るものの場合、「パクったでしょ?」と言われるとドキッとしますし、それ以降、創作意欲が萎えたり、作品が完成しなくなったりしてしまうこともよく分かります。
多大なる影響を受けている人に似てると言われたら、多大なる影響を受けているだけに何をしても「その人に似てるんじゃねえか?」と思っちゃいますよね。
ただ、Kさんは今後もイラストをライフワークにしていきたいんですよね?
なんならイラストで飯を食っていきたいんですよね?
ここが重要なポイントでして、カウンセリングであれば真っ先に確認したいことです。
もし、今回のできごとで「イラストはもうやめよう」と思っていらっしゃるのであれば、ここから先は読まなくてけっこうです。むしろ、ちょっと痛い話になると思うので。
逆に何とかこの経験を糧にして這い上がりたい、それで再びイラストを書けるようになりたい、と思ってらっしゃるのであれば、ふんどしを締め直してここから先を読んでいただければと思います。
ちなみに散々Kさんや読者のみなさまの期待を煽っておりますが、「その割にたいしたことない話だったな。たぶん、ベットの上でもその程度なんやろな」とバレないことを祈っております。
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さて、
>ところが先日、あるお客さんから私の作品は「〇〇さんのパクリだ!」と指摘を受けました。
というシーンにおいて、皆さまならどんな反応を示されるでしょうか?
たぶん、この道何年のツワモノであればKさんとは違う反応を示したはずです。
まだまだ駆け出しで自信がない段階でそういう指摘を受けたらやはりショックですし、ハートブレイクしてしまいますよね?
でも、大事なのは「え?自分はパクったつもりはないですけど?○○さんのことは尊敬していますし、多大なる影響を受けていますけど」という本音です。
まあ、商売上は謝罪→返金というプロセスをとるのが無難な手続きだと思いますので、それはそれでよかったと思うのですが、その本音がめちゃくちゃ重要なのです。
Kさんが○○さんに憧れており、その影響を多分に受けているのであれば、作風やらなんやらが似てくるのは当たり前です。
「ラーメン二郎で修業を積んだ人がラーメン屋を出したら、二郎インスパイア系と呼ばれる店になる」ように。
むしろ、その憧れてる人に似せた作風の作品を創れるということがKさんの才能の一端を表してるとも思います。
つまり「○○さんのパクリだ!」と言われるくらい、上手に○○さんの影響をなぞっていらっしゃるのですから。
だから、むしろ、それは名誉なことであり、自分の実力が相当なレベルにあることを物語っていると思います。
まずは、そういう意識を持つことがものすごく重要です。
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次にKさんの中に「パクリは良くない。パクってはいけない。」という思いがあることがよく分かります。
よく何かとデザインをパクった、パクられたで裁判になったりするケースがあるんですけれど、そのほとんどは確信犯で、「いやあ、たまたま似ちゃいました~」みたいなことってあんまりないはずです。
ちなみにこの辺は法律関係者に聞いてみると分かるんですけど、意匠の模倣を証明するのってめちゃくちゃ難しいらしいです。
そして、「○○さんの影響を受けてるんだから似た作品になるのって当たり前だよね?」という意識がKさんから抜け落ちてるんじゃないかなあと思うのです。
つまり、○○さんをパクってると言われてもしょうがないくらい影響を受けてるんだろうと思うので、その自覚を持つことが必要なのです。
そうすると「ああ、確かに○○さんのパクリと思われても仕方ないですね。むしろ、私としては光栄です。この部分は○○さんからテクニックを学ばせていただいているのでとても似てると私は思います。しかし、この辺りはどうでしょうか?私のオリジナルな部分だと自負しております。」と丁寧に説明することができます。
それを相手が分かってくれるかどうかはどうでもよくて、自分の中で「ああ、ここは師匠のパクリだなあ、でも、ここは自分のオリジナルだなあ」という認識を持つことができれば、パクリだ!と指摘されても動じないのです。
どんな優れたイラストレーターだって100%オリジナルってあり得ないと思います。
駆け出しであればなおさら。
だから、今回の件で、そうした意識の持ち方を“学ばせていただいた”と解釈できれば、また筆を執ることができるようになります。
そして、私からの提案は改めて、○○さんのイラストと向き合うことです。
むしろもっと影響を受けようとするかの如く、○○さんのイラストを模倣することをお勧めしたいと思います。
どうせオリジナルが作れないんだったら、○○さんのイラストを完コピしてみてはいかがでしょうか?
そうして○○さんと向き合えば向き合うほど「ここは同じ、でも、ここは違う」という認識が分かるようになります。
それは素人には分からずともプロには通じるものかもしれませんけど。
そして、○○さんとの違いが認識できるようになると、Kさんのオリジナリティもどんどん表現できるようになっていくでしょう。
むしろ、私は徹底した模倣の向こう側にオリジナルがあるんじゃねえかと思っているタイプです。
そして、こうした経験を積んでKさんはプロのイラストレーターになっていくんです。
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「プロの洗礼」という言葉がありますが、不思議なことにどんな世界でも駆け出しの頃にはいろいろな“神様のテスト”のようなことが起きるものです。
カウンセラーとして意気揚々とスタートを切り、しばらくは順調に推移したのちに、大きなクレームをもらう、みたいな。
職人として順調なスタートを切ったと思ったらとんでもないミスをしでかしてしまうとか。
プロとして自信が付いてきた頃に、鼻をへし折られるような出来事がおきる、とか。
確実に受注できると思っていた仕事が誰かの裏切りによって反故になってしまう、とか。
たぶん、私もかつてそういうことが幾度かあったかと思うのですが、さすがに20年以上前のことなのですっかり忘れております。いや、なんかあったんですよ、ほんまに。でも、マジで思い出せないんす。
こういう話をすると怖くなっちゃう方もいらっしゃいますけれど、でも、実力があるというか才能がある人ほどそういう目に遭いやすいのかもしれません。
でも、そういう話をするとプロの洗礼がなかった方は「え?あたしには才能ないってこと?」と落ち込まれる人もいるので難しいですねー。笑
「神様のテスト」だと思って全然OKなんですけれど、要するに「それでもあなたはプロとしてやっていきたいですか?」という神様からのお伺いだと解釈して構いません。
「あんた、本気でやっていきたいんだろうな?」という確認のようなものです。
こういうできごとは辛いショックなことなのですが、プロとしての様々なことを教えてくれる貴重な体験でもあるのです。
例えば、Kさんは今回のできごとで「○○さんのパクリだと言われる可能性があること」を体験しました。
でも、○○さんの影響を受けてるんだからそれは当たり前で、ちゃんとそれを説明できればよいってことも学びました。
また、それによって○○さんに似てる部分と自分のオリジナルを区別する目を養うことができそうです。
さらには、何がパクリで何がパクリでないかを法律の観点から調べることで知識を付けることもできるでしょう。
ってことで、こうした問題は確実にKさんの幅を広げ、そして、軸を太くする効果があるのです。
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時に人は失敗やトラブルから学ぶことって少なくなくて、成功からは学びきれないことを学ぶ場になります。
今回も「○○さんのパクリだ!」と言われることで背筋が伸びたわけですが、逆にそれすら言ってくれず、何も原因が分からないまま契約解除を言われることもあります。
「ああ、やはり大根は下茹でしとかんかったらなかなか火が通らねえなあ」「ちゃんと羽田に着く時間を考えなかったから空港内をダッシュすることになっちまったなあ」という体験をすることによって我々は学んでいくわけです。
そして、そうした体験からどんどんKさんは「プロ意識」を培っていくわけです。
例えば、20年以上この仕事をしていると弟子から寄せられるトラブルの相談にはたいがい対応できるようになります。
「ああ、そういうことってよくあるよねー。災難だったよねー。こういう風にしときや。何も心配はいらんからー。」みたいな感じで対応できるわけです。
いざとなれば弁護士使えばいいし、とか、手も広いわけです。
それはこれだけ長くこの仕事をしているから分かってきたことで、駆け出しだった頃は私もお師匠たちにあれこれ相談していました。
また、かつての私は立場的に他の人のトラブル処理に当たることもあったのでより知識は広がりましたねー。
だからこそ、最初にKさんにお聞きした
>ただ、Kさんは今後もイラストをライフワークにしていきたいんですよね?
>なんならイラストで飯を食っていきたいんですよね?
という気持ちが大事なんですよね。
こうしたトラブルを乗り越えたいかどうか。
他のお仕事でもそうですが、やはり「プロの洗礼」ってものはある程度はあると思った方がいいです。
そう言えば、車の運転についても「免許取って3年以内に少なくとも1度はヒヤッとする体験をする」みたいな話もありましたね。
パートナーシップでも些細なケンカから別れる別れないの試練が訪れることもありますよね。でも、そうした試練が二人の絆を強めてくれることも皆さんもご存知ですよね?
ということで、雨降って地固まるが如く、今回の体験を大いに「糧」にしていただくべく、自分の意識のあり方を変えていくことをお勧めする次第でございます。(冗長)
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私がちょくちょくお邪魔している料理店から独立された鷹見さんの料理を頂きに行ったときのこと。
その出汁の味、メニュー、そして、その所作がことごとく師匠とそっくりだったんですね。思わず笑ってしまうくらいに。
そのことを話すと鷹見さんは「10年、師匠を見て仕事していましたからどうしても同じになっちゃいますよね。でも、むしろそれは私にとっては誇らしいことで、ここからどう個性を出していくかをいつも考えています。この料理は師匠の影響を受けてますがオリジナルのつもりです。」と堂々と和洋折衷の料理を出してくれました。
○○さんとKさんは師弟関係ではないかもしれませんが、別にそれでもかまわないんです。
中には「○○さんのような作品が欲しくてあなたに依頼しました」という方だって現れるかもしれませんしね。
こうしたプロの洗礼を受けながらどんどん意識を高めていただければと思う次第です。
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●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
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