あえて「一人力」を鍛えるレッスン。ステップ1:自分自身をしっかり持つ~自立する、ということ。



今日のネタはこれらの記事の続編となりますぜ。

*適切な距離感を掴むには「感じる能力」がとても重要
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16706

*人間関係がうまく行かないのはアイデンティティを喪失してるから
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16699

*あえて「一人力」「孤独力」を鍛えるレッスン~一人で居酒屋、バーで飲めますか?~
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16644

人間関係がうまく行かない理由に「自分がない」「距離感が分からない」「自分のことでいっぱいいっぱい」「依存的になってしまう」などが考えられるわけですが、これらは言い換えれば「地に足が着いていない」「自分を喪失している」ということになります。
つまり、地に足が着かずにふわふわしているから、周りに流される、周りの目が気になる、周りに意識が取られる、という状態になってしまうわけです。

だから、「自分自身を取り戻しましょう!」「自分をしっかり持ちましょう!」という提案の元に、あれやこれやと方法を考えて行きます。
「バーや居酒屋に一人で行きましょう」というのもそのアイデアの一つですね。

そもそも「対人関係は母親との関係が7割」という記事も書きましたが、幼少期の環境によって私たちはだいぶ自己喪失をしやすくなります。
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16267

そうした過去を癒していくのも自分を取り戻す方法の一つです。

そうした方法の中でもまず私がお勧めするのは「私は私、人は人」という意識の持ち方です。
私、と、相手の間に明確に線を引くイメージを持ちます。

そして、アイメッセージと言われますが、「私は」「私が」と意識的に「主語」を付けて会話するようにします。

日本語って主語が省略されるでしょう?文脈で誰が主語かが分かるから実際会話では問題ないことが多いのですが、でも、それによって責任の所在が不明確になりやすい、というデメリットもあります。
つまり、距離感が近過ぎたり、責任転嫁しやすくなってしまうわけです。

普段なら、先輩から「お前、ちょっと今日飲み行くか?」と誘われたときに、「すいません。今日は行くのやめときます。」と断るんじゃなくて、「すいません。僕は、今日行くのやめときます。」って言うようにするんです。

「僕は」って付けるだけなんですけど、ちょっと言葉の重みが変わってくるの分かります?

「今日は新鮮なお魚が食べたいなあ」じゃなくて、「私、今日は新鮮なお魚が食べたいなあ」と言ってみてください。

「午後のプレゼン、何とか先方の評価を取り付けるように頑張ります!」ではなくて、「午後のプレゼン、何とか先方の評価を取り付けるように私、頑張ります!」と言ってみてください。

「会いたいなあ」じゃなくて、「私が会いたいなあ」なんです。
「どうしていいのか分かんない」じゃなくて、「私がどうしていいのか分かんない」んですね。

その「主語」という意識をはっきり持つと他人との境界線は引きやすくなります。
けど、やってみると分かりますが、けっこうきついです(笑)
普段からそこを曖昧にしてきた人、「察してほしいなあ」とか「はっきりものを言うのは苦手だなあ」と思ってる人ほどきついです。(逆にそれだけ自分を喪失してるのかも?)
逆に外国語圏で生活していた人にとってはさほど困難を感じないと思います。

また、「自分の希望、願望、意図、意志、思い」を常に確認する癖を付けることも重要ですよね。
特に「流されやすい」と感じてる人、「自分の意見が分からない」という人にとっては、これ、とても重要です。

「自分は今日は何をしたいのか?」
「自分は今、何を飲みたい(食べたい)のか?」
「自分は今週末、どこに行きたいのか?」

これもアイメッセージの続きですけど、「自分は」「私は」「僕は」という意識を持ちながら、自分に希望、願望、意図を聞いてみるわけです。

これ、レッスンの始めは「今日のお昼、何食べたい?」って聞いてみても「・・・・・・。」ってことが多いです。
だって、慣れないからね~

「お前は将来何をしたいんだ?」って自分に問いかけてもやはり「・・・・・・・。」となってしまうでしょう。

でも、私たちって欲求がなくなることもないし、感情が消滅することもありません。
麻痺してしまってそれが分からなくなってるだけなんですね。

だから、自分に問い続けることが大事です。すごく大事です。

指さし確認術って私は呼んでるんですけど、自分が何か行動を起こす時に電車の運転手さんのように指をさして自分の意志を確認するようにしてみます。

コンビニに入って飲み物のコーナーに来たら「紅茶を飲みたいぞ!」ってやってから紅茶を取り出しましょう。
社食があるなら「よし、今日はA定食!」って指さし確認してから食券買いましょう。
ネットを見るとき、テレビを見るとき、これも意識的に「今から○○さんの出てる番組を見る」と意識してからチャンネルを合わせましょう。

もし、人目に触れるのが恥ずかしいという段階ならば心の中でやってみてもいいです。でも、自宅にいるときはぜひ、運転手さんになり切って「お醤油よーし!マヨネーズ準備完了!」とかやってみるといいですよ。

これもけっこう疲れます。そして、意識しないとやるのを忘れてしまいます。
しかし、やってみると分かりますが、私たちがどれくらい普段自分の意図、意志を意識せずに生きてるか?ということです。

やってみると最初、ほんとに戸惑います。分かんないですし、「紅茶が飲みたい」と思ったはずなのに「本当に紅茶なのか?」って疑いが出てくることもあります。
また、どんどんめんどくさくなってきます。
つまり、「自分」を確立するのってそれくらい難しいんですね。だったら周りに流された方が「楽」というわけです。

「今」を意識しましょうね、という話をよくしますよね。
過去も未来も存在してないんです。「今」にしか私たちは生きられないわけです。

「周りに流されやすい」とか「自分がない」ということを自覚してる方は「時間」にも流されてたりしますね。
痛いですね、この話(笑)

だから「私は」という主語を付けるとレッスンをしたら、次は「今」ということに意識を向けるといいと思います。

「私は、今、どうしたいのだ?」
「実は私は今、猛烈な便意を催しているのでトイレに駆け込みたい」
「そ、それはヤバいな。急げ。」
「りょ、了解。私は今からトイレに急行する」

という風に。

これって「自分との対話」になるんですよね。
自分と対話できる、ということは、客観視できてる自分がいる、ということで、これにより「自意識過剰」な状態を抜け出せます。
つまり、自分をしっかり持つことができる、というわけです。

「今に生きる」というお題目は自己啓発、心理学、精神世界ではよく目にする言葉だと思いますが、これを実践するのはこれまた意志の力が必要です。

だから、ずーっとこれをやるんじゃなくて、何かの拍子に思い出せるように仕掛けを作っておくといいですね。

先日、私が今使ってパソコンの1代前のパソコンのデータが必要になったので久々に開けてみたら、モニタの下に「今、何がしたい?」と言うメモが出てきて懐かしい気持ちになりました。
常に「今」を意識するレッスンとして、パソコンのモニターにそれを貼り付けていたんです。(ほかにも「ありがとう」とかいろいろ貼り付けてました)

主語を持つ、意思確認する、今を生きる、、、どれも大事なことと分かっていてもなかなか取り組むのに勇気が要ります。
しかも、これ、継続することが何よりも大切ですから、継続しやすい自分なりのやり方を試行錯誤しながら開発していきましょう。

財布にメモを入れる、スマホカバーに貼り付けておく、手帳の拍子に書いておく、仕事用のデスクにメモを貼っておく、等々。

そうすると「自分」をしっかり持てるようになり、ようやくそこで人との積極的な関わりが可能になっていくのです。
この段階を「自立」と呼ぶのです。

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