境界線問題(バウンダリーの問題)を理解する。



「私は私、あなたはあなた」という話をよくしてます。
お互いの間に線を引いてね、お互いの存在を認め、ちゃんとお互いの自分の足で立って初めて「向き合う」「話し合う」「愛し合う」等の「○○し合う」ということが可能になるのです。

1.依存のおんぶお化けマインド

ところがもし、あなたが依存状態にあるとしましょう。依存の状態というのは「自分では何もできないので相手に何とかしてほしい」という状態です。
そこでは相手にこんな要求をしているんです。

「その線を越えてこっちに来て私を背負って~!!!」

自分からその線を越えるのは怖いし、勇気ないし、自信ないし、できないし、ってことで、相手を動かそうとします。
だから、相手の方から境界線を越えさせて、自分を背負わそうとするのです。
相手に動いてもらわないといけないので、ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー騒ぎます。
泣きます、脅します、叫びます。

イメージとしてはお菓子売り場の前で泣き叫んでる子ども、みたいな感じです。

この状態って、恋愛や夫婦関係では頻発しています。
「あなた、○○してよ。私、できないから」的な感じだったり、特に相手から別れ話が出たときは少なからず依存状態になるので、こうした「絶望。もう何もできない。動けない。」という状態になることもあります。

また、相手が人ではなく、「会社」となると、そういうシーンを目にすることはいっぱいあるでしょう。
「会社がな、もっとちゃとしてたら腰を押し付けて仕事するんだけどな」
「社長がヴィジョンを示さないだからダメなんだよ。俺たちもっと前向きに仕事できるのにな」
「会社首になったらローンもあるし、今の時代たいへんだろ?だから、嫌な仕事でもやるしかないよな」

2.自立の支配者マインド

これが自立すると、相手を支配しようとして今度は自ら境界線を越えて行きます。
相手の状態に干渉的になるわけですね。
「ああしなさい」
「こうしなさい」
「なんでそれができないの?」
「もっとこうしなさいよ」

特に自立の初期は依存マインドも残っているので、相手に対する要求が多くなります。

そもそも依存から自立は「相手にしてもらいたくて頑張ったけど、全然それが叶わなくて、自分で何とかしようと頑張るようにした」という状態なので、「相手にしてもらいたい気持ち」が自立の初期には残ってるんですね。

だから、より相手を動かそうとするのですが、依存と違うところは、論理的で正論を吐いたり、力関係でこっちが上なので相手が自分に対して恐怖を感じていたり、精神的に優位にある点です。

だから、実はとても干渉的で相手は嫌がっているのにそれが分からないのでどんどん支配者になっていく、というケースがよく見受けられます。

典型的なのは「親と子」の関係ですが、当然、恋愛・夫婦でも、職場との関係でもよく出てきます。

境界線を越えて相手を支配したいのは、そうして思い通りに相手を動かしたい(奴隷にしたい)、なぜならば、その方が楽だから、という心理もありますが、相手を信頼できないゆえにすべてを監視しておきたい、という不信感、怖れが隠れています。

3.癒着。

バウンダリーの問題と聞いて、一番真っ先に浮かぶのがここですね。
癒着関係というのは、お互いの間の境界線がなくなってしまってる場合です。
つまり、どれが自分でどれが相手なのか分からない状態です。

「母の存在がずっと頭にこびりついている。服を買うにせよ、食事をするにせよ、いつも母が何て言うかが気になる」
「今、彼が何をしているのかをずっと考えてしまう。ちゃんと仕事してるのか?浮気してるんじゃないか?」
「彼は私がいなきゃダメな人。私が守ってあげなきゃいけない存在。誰にも邪魔させない。私しか彼を助けられる人はいない」

ちょっと極端な表現ですけど、自分の思考の主人公が「相手」になってるのが特徴です。
ところがこれというのは気付きにくく、お互いがお互いを支配し合ってる、依存し合ってる状態なので離れるに離れられなくなっています。

接着剤でお互いをくっつけてるので離れるときには相当の痛みが伴います。
それくらい苦しいんですね。

パワハラ、モラハラ、DVはもちろん、浮気、離婚の問題。子育て、職場、あらゆるところでこの癒着が出てきます。

そのカギとなるのは「罪悪感」や「怖れ(不安)」の感情。

自分が悪いことをした、という罪悪感は自分を奴隷化して癒着を進行させます。
怖れ(不安)が強くなると、その怖れを回避するために相手に依存することでそれを隠そうとします。

だから、癒着というのは「共依存」という表現をすることもあるくらいです。

このバウンダリーの問題を抜け出すには「私は私、あなたはあなた」という意識を持ってきちんと線を引くのが大事です。

その意識を持つことで過干渉だったお母さんは娘の受験を乗り越えることができましたし、癒着関係にあった夫婦はモラハラや浮気などの問題を乗り越えて待望の赤ちゃんを授かりました。

「私は私、あなたなはあなた。
 私はあなたの存在に関係なく幸せになれるし、
 あなたは私の存在に関係なく幸せになれる。
 私は私の道を自由に選ぶことができるし、
 私はあなたの選択を心から支持することができる。」

このようなアファメーションを日々唱えて頂くことで、この言葉が潜在意識に染み込んで気が付けば癒着が手放せるようになるのです。

境界線が分からなくなると常に相手に自分が支配されるようになるので全然自由ではありません。
あらゆることに制約を感じ、そして、窮屈になります。
精神的には重たいですし、疲れやすくなり、イライラしていきます。
それが暴力の問題になることも少なくありません。

癒着が極まると対立や争いが絶えなくなるのです。

自分自身を取り戻す。
そのためにこの境界線問題は解決する必要があるんです。

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