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「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)
発売日 : 2022/10/18
ISBN-10 : 4866214295
ISBN-13 : 978-4866214290
*きょうだい間に問題がある方。
*人間関係をもっとうまくやりたい方。
*幸せなパートナーシップを築きたい方。
*ライフワークを生きたい方。
*仕事でリーダーを務めている方。
*パートナーのことをよく知りたい方。
*子育て中のパパ・ママ
*カウンセラー、コーチ、コンサルの方。
きょうだいってあらゆる人間関係に影響を与える関係性なのですが、よほどのことがない限り「兄との関係が原因だ」とは思わないんじゃないかと思うんです。
でも、きょうだいというのは「親の愛を奪い合う関係」であり、時に「永遠のライバル」と化す存在です。
弟妹は母親の愛を奪った相手ですし、兄姉はいつも親から一番に目をかけてもらえる存在ですから、何かと目の上のタンコブになりやすいのです。
また、中間子はどこに行っても浮いてしまうし、一人っ子はなかなか人とのつながりを感じられなくなります。
末っ子は周りから可愛がられるけどいつまで経っても自信が持てません。
第一子は弟妹が増えれば増えるほど親代わりをするので色々と背負い込みやすくなります。
そうすると「ああ、あなたがなかなか結婚できないのは、お姉ちゃんとの確執が尾を引いているようですね」とか「いつも犠牲的になって我慢ばかりしてしまうのは弟の存在が大きいですね」なんてことが見えてくるのです。
もし、今のあなたが人間関係に問題を感じているのならば、きょうだいとの関係に目を向けて見るのもいいかもしれません。
また、チームを預かるリーダーの方にとってはチームビルディングに、そして、きょうだいを育てていらっしゃる親御さんには子どもたちの心理を知るために役立つ一冊です。
カウンセリングをしている中で、「この状態って両親との関係だけじゃ説明が付かないなあ」というケースも多々ありまして、よくよく話を伺っていくと「姉との確執」「妹への嫉妬」「母を弟に奪われた痛み」「いつも兄ばかり可愛がられる問題」などが見えてくることが多いことに気付いてきました。
そこから様々な事例を積み上げて「きょうだいとの関係が人生に及ぼす影響」についてまとめたのが本書です。
あらゆる問題につながる関係性で、みなさまも当てはまることが少なからずあるんじゃないかと思います。(ひとりっ子の方も含め)
【人間関係】
・なかなか心を許せる友人ができない。
・誰に対しても壁を作って接してしまう。
・人との距離感がうまく取れない。
・いつも浮いてしまい、孤立感がある。居場所がない。
・自分から誘わないと、誰も自分を誘ってくれない。
・自分は大人になり切れてないと思う。
・自己肯定感が低く、自分に自信が持てない。
・上から目線で人と接してしまう(マウントをとってしまう)。
・周りからはしっかり者に見られるが自分ではそうは思わない。
・自分が何者かよく分からなくなる。
【パートナーシップ】
・なかなかパートナーができない。
・誰かに奪われるんじゃないかという怖れがある。
・パートナーと何かと張り合ってしまう。
・相手の愛情が素直に受け取れない。
・異性のことがよく分からない。
・異性に対して幻滅している。
・好きになっても異性扱いされない。
・いつも自分が面倒を見る恋ばかりをしてしまう。
・レスになったり、相手を異性として見れなくなることが多い。
・恋をするといつも我慢ばかりしてしまう。
【ビジネス・仕事】
・リーダーシップを取ることに抵抗がある。
・チームプレイが苦手だ。
・いつもリーダーと揉めてしまう。
・可愛がられるが信頼してもらえない。
・前に立つのが苦手でいつも引いてしまう。
・自分を主張すると周りから反発されることが多い。
・仕事を抱え込んでしまう癖がある。
・人に相談したり、頼ったりするのが苦手だ。
・自分がしたいこと、やりたいことが分からない。
・良かれと思っていつも犠牲ばかりしてしまう。
それぞれのジャンルで10個ずつ挙げましたけど、これらの問題の原因が「きょうだいとの関係にある」なんて聞いてもピンと来ないかもしれません。
しかし、よくよく見てみていくと、人間関係のそこかしこにわだかまりのあるきょうだいの姿が見えてくることも少なくないのです。
きょうだいの心理を読み解く上でとても大切な基本をご紹介します。
ただ、これらはあくまで一般論でして「きょうだいの男女構成」「他のきょうだいとの年齢差」「親との関係」が大きく影響してくることは言うまでもありませんので、その点、ご承知ください。
【第一子】
・親にとっては最初の子どもゆえ、慎重かつ緊張感を持って育てられる。
・親から過度な期待をかけられることも多い。
・第二子が生まれるまでは親の愛を独占する。それゆえ写真や動画は一番多くなる。
・何をするのも一番手なのでその分優遇されることが多い。
・そうした親の緊張感や期待がゆえに怖れや不安の強い神経質に育つことも多い。
・第二子が生まれると親の愛がすべて奪われたようなハートブレイクを体験する。
・そこから「しっかり者」になる一方で、「我慢・犠牲」が当たり前になる。
・何かとリーダーのポジションに縁がある。
【ひとりっ子】
・親からの愛を独り占めできる。
・大人に囲まれて育つので人の気持ちを考えられず、わがままになりやすい。
・きょうだいに揉まれてないので横の関係が築きにくく、浮いてしまったり、孤独になりやすい。
・親を一人で背負うことにストレスを覚える。
・何かと一人で行動しやすく、協調性に乏しい。
・親に愛された分だけ自立が遅くなることも多い。
・両親を「兄・姉」に見立てると3人きょうだいの末っ子になり、末っ子のパターンも持ちやすい。
【第二子】
・生まれながらに兄姉という強力なライバルがおり、競争心や根性が鍛えられる。
・服やおもちゃがおさがり、一人で映っている写真が少なかったりしていつも自分は大事にされてない感がある。
・姉兄が親との関係で葛藤しているのを見ているので、要領がたいへん良く、器用さを持つようになる。
・兄姉から嫉妬の対象とされイジメられることも少なくない。
・兄姉が親に取り込まれている分だけ自由度が増すので、しがらみのない生き方がしやすい。
・しかし、兄姉が逃亡してしまった場合には、親に完全に取り込まれてしまうこともある。
・第三子が生まれると「中間子」となり、家族の中で浮いたポジションとなる。
【第三子】
・親からすると若干「孫」が入ってくるのでかなり可愛がられることが多い。
・その分、いつまでも子ども扱いされ、大人になり切れない問題をはらむし、自信も持ちにくい。
・そのためチャーマーとしての存在感が抜群になる。
・とても根性を鍛えられるので、精神的には強くなりやすい。
・上の二人を見ながら育つので要領が良くなる。
【中間子】
・家族の中でも浮いてしまう「傍観者」になりやすい。
・それが社会の中でも「居場所のなさ」として出てくることが多い。
・「自分は愛されない」という思い込みを持ちやすい。
・きょうだいの構成や立場によっては「調整役」をこなすことになる。
・個性的かつ冷静な視点を持つ。
・自立心が旺盛なので、あまり実家に寄り付かなくなる。
【末っ子】
・チャーマーとして愛される一方で、いつまでも子ども扱いされるので自分に自信が持ちにくい。
・恋愛面では異性として見られにくくなる問題を持ちやすい。
・責任ある立場が苦手になる。
・後輩や年下との関係がうまく築けないことがある。
・上にライバルが2人以上いるので、精神的にはだいぶ鍛えられる。
・グループに馴染むのは得意になる。
代表的な特徴をいくつかご紹介しました。当てはまるところはあるでしょうか?
ただ、この本を書いていて気づいたのですが、最近の親子関係は昔と違って厳密なものではなく、仲良しな家族が増えている分だけ、「両親を兄姉に見立てる」という前提が入ることが少なくないようです。
例えば、2人姉妹の場合、母と娘たちが仲良いと、まるで3姉妹のような関係性となり、そうすると長女でありながら中間子的なマインドを持つこともあります。
そのため、「自分は長女なんだけど、本を読んでいると次女みたいな傾向が強い」という風になると思います。
さらに「上のきょうだいと年齢が10個ほど離れてる」場合は、第二子でありながらも、一人っ子のようなマインドを持ちますし、いわゆる「末っ子長男」は親や周りの人たちからすごく可愛がられる傾向にあるものです。
こうした幼少期の兄弟姉妹関係で培われたマインドは「恋愛」でも「仕事」でも影響を与えるものです。
いつも何かと張り合ってしまう「長男vs長女」のカップル。
「兄」のことを何かと気にかけてきたので、なぜか恋愛に熱が入らなくなる「妹」。
いつもチームの中で浮いてしまう「中間子」。
後輩の指導係になることを怖れる「末っ子」。
きょうだいの心理がすべてを表すわけではなく、親子関係や思春期の人間関係も大きく影響を及ぼすのですが、これら2つに比べると見落とされがちな心理ですので、この本をきっかけに自分を理解し、また、仕事やパートナーシップで活かしていただけたらと思っています。
はじめに
第1章 私たちのキャラクターは兄弟姉妹につくられた
私たちは兄弟姉妹からどのような影響を受けるのか
人は子ども時代の役割を引き継ぐ/高収入なのにお金が足りないと嘆く女性/子どもは親の価値観をインストールする/目上の人に「親」を投影する/親の愛情を奪い合う敵同士/第一子にとって年長者は未知の存在/実はとても大事な「年齢差」/兄弟姉妹との関係がパートナーシップに与える影響は?
兄弟姉妹の心理はどう変わる?
親の期待を一身に背負う第一子/弟妹誕生による兄姉の大きなハートブレイク/それでも弟妹は兄姉に勝てない/エスカレートする兄弟ゲンカ/第一子は父派、第二子は母派?/満たされない第二子/第一子の失敗から学ぶ第二子/第三子誕生で「順位」が入れ替わる!?/「孫」になる第三子/精神的に鍛えられる第三子/4人目の誕生で変わる関係
家族が担う「5つの役割」とは?
すべての家族が「役割」を持っている/輝きながらも弱い面を持つヒーロー/ヒロイン/自分を押し殺して我慢する犠牲者/家族から一定の距離を置く傍観者/家族の病を可視化する問題児/いじられキャラで自立できないチャーマー/役割は絶えず変化する/仕事にも現れる5つの役割
第2章 なぜ妹は姉に嫉妬されるのか―兄弟姉妹の基本心理①
兄 × 弟
母の愛を奪い合う兄弟
母親のタイプで変わる兄弟関係
兄弟にとって父親は競争相手
姉 × 妹
正反対のキャラになりやすい姉妹
母も加えた女同士の争い
何でもできる姉に嫉妬する妹
自分の人生を子どもに重ねてしまう母
妹の要領のよさに嫉妬する姉
姉が妹に抱くねじれた感情
母親につかまる姉と家を飛び出す妹
さっさと独立する姉と逃げ遅れる妹
しっかり者の長女が家を背負う
姉が抱える心の闇
家族から自立できない姉
姉より先に独立を果たす妹
チヤホヤされなかった姉の嫉妬
姉に劣等感を抱く妹の戦略
父親の愛をめぐる勝者と敗者
兄 × 妹
兄のあとを追いかける妹
年が近い兄妹は姉弟になる?
兄を言い負かしてしまう妹
親のことは妹任せで家を離れる兄
兄がヒーローになると妹は犠牲者になる?
妹はなぜ自分の価値を見失うのか
優しすぎる兄と自立心の強い妹
優秀な妹の陰で居場所を失う兄
兄は妹の「あこがれ」でありたい?
姉 × 弟
兄妹より仲が良い姉弟
家の中に「お母さん」が2人いる?
弟を召し使いにする姉と干渉をかわす弟
弟は母╳姉バトルの緩衝材!?
弟をめぐる母と姉の争い
男性との距離を詰められない弟
姉と仲良くできなかった弟の運命は
第3章 なぜ3人きょうだいの真ん中は孤独なのか―兄弟姉妹の基本心理②
3人以上で関係性はどう変わるか?
年の離れた末っ子は自信が持てない
最も人間関係が難しい3人きょうだい
同性3人きょうだいは競争が激化
同性3人きょうだいの異性化
少数派の性が孤立するとは限らない
キャラクターが独特な「中間子」という存在
親を自分だけで背負うひとりっ子
双子は「疑似的上下関係」を受け入れる
双子の競争と幸福な関係
第4章 弟がいる姉はなぜ恋愛偏差値が低いのか―恋愛と兄弟姉妹
兄弟姉妹との関係は恋愛にも影響を与える
兄弟は女性にイメージを押し付けがち
「男」という生き物に戸惑う姉妹
妹が兄に寄せる「永遠の片思い」
兄と彼とを天秤にかけてしまう妹
弟がいる姉は「男性」に強く出すぎてしまう
弟と仲良しの姉は恋愛下手?
姉がいる弟は女性に幻想を抱かない
母と姉を虜にしてきた弟はモテ男になる?
妹がいる兄の恋愛は相手次第!?
兄は妹と仲が良くても悪くても恋愛下手に
なぜか格闘技になってしまう姉×兄の恋愛
優柔不断な弟とブラコンな妹の進まない恋
ダメ男ばかり好きになる女性
浮気されやすい女性
結婚できない男性
彼・彼女より友達を優先してしまう人
彼を束縛したがる女
第5章 なぜひとりっ子はチームになじめないのか―仕事と兄弟姉妹
職場にも現れる「家族」の構図
チームビルディングと兄弟姉妹
責任感で何でも抱え込んでしまうヒーロー/ヒロイン
仕事を抱えすぎてダウンしてしまった姉
リーダーにつっかかる兄姉
後輩の存在に戸惑う弟妹
弟妹はリーダーになれないのか
チームの中でも居場所がない中間子
チームになじめないひとりっ子
起業にベストなのは姉×弟の組み合わせ?
重圧がかかる場面で役立つ弟妹のキャラ
強気の交渉は姉に任せろ!
弟妹は根回しや調整で力を発揮
全体を見て物事を進める第一子
会議で暴走する兄を止められるのは?
女性ばかりの職場を束ねる3タイプ
実績のある人は男所帯をまとめやすい
チームの対立をまとめるのは「犠牲者」
お局さまには「弟」をつけておくべし
チームの実力は兄弟姉妹パターンの「掛け算」
第6章 壊れてしまった関係を修復するために
亀裂が入ったままでいいのだろうか
「御恨み帳」に思いを吐き出してみる
もうひとりの自分=シャドウ
相手の長所を書き出してみる
赦すことで世界が変わっていく
おわりに
皆様からの感想・書評をお待ちしております!
送り先は問い合わせフォームより「兄弟姉妹本の感想」としてお送りください。
◎【東洋経済オンライン】「兄弟姉妹関係」でわかる”本当に向いている役職”「弟妹」はリーダーになれない、は本当なのか
☆(本のご感想)どうしたら組織がうまくいくのかというお話も、なるほどと同意するものばかりでした。
★書評:根本裕幸さん著「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」に寄せて(大嵜直人氏)