好きなのは「今」の彼?それとも「昔」の彼?



何等かの事情で変わってしまった彼。そうすると、その彼を「否定」して、「前の」彼に戻って欲しいと思うようになります。
そこでは「今」をどう愛するのか?が大切なテーマになるのです。

カウンセリングで時々巡り合う事例。

「彼は変わってしまったんです」という話。

『以前は優しくて、穏やかで、そして、まっすぐに愛してくれていた。
でも、半年ほど前から、目線がきつく、冷たく、そして、心ここに非ずになってしまった。
不安になって聞いてみても「何も変わっていない」と言う。
他に好きな人ができたのか、私のことが嫌いになったのか・・・。
でも、まだ好きだから、別れられない、という。』


この話、以前、アメブロの方にも書いた記憶があるのですが、改めて。

もし、こういう恋をして彼に「以前の彼に戻って欲しい」と思うとしたら、残念ながらそれは愛ではなく、執着と言えます。

「今の彼は本当の彼ではない」と“否定”してしまっているのです。

もちろん、そう思わざるを得ないだけの変化を彼はしてしまいました。
でも、案外、こういう変化って私たちの人生で幾度となく起きているのかもしれないですよね。

ある人は就職して(転職して)厳しい会社に入ってから冷たい態度を取るようになりました。。
ある人は家族の不幸に接し、心を閉ざすようになってしまいました。
ある人は震災を機に、自分を見失い、お酒に頼るようになってしまいました。
ある人は原因は分からないんだけど、急に偉そうに、高圧的に振舞うようになりました。

冷たい彼は嫌い。
心を開いてくれない彼は嫌。
自分を見失った彼は彼じゃない。
高圧的な態度は彼らしくない。

自分の心の中に、こうした「否定」があることにまずは気付く必要があるのです。

なぜかというと「否定している人とうまくやりたい」と思うこと自体が矛盾だからです。
だから、こういう関係はうまく行く確率はとても低いです。

「今」の彼を愛する、ことが課題なんです。
変わってしまった彼をどう愛してあげるのか?が今を生きることなのです。

過去にしがみ付いてしまうと、彼を変えようとしてしまいます。
今の彼はほんとうのあなたじゃないの、早く目を覚まして、と彼をコントロールしようとしてしまうのです。

それは争いしか生みません。

今の彼をどう愛するのか?が一番大切なことです。

冷たくなってしまった彼の心の中をちゃんと見てあげること。
彼の本音、彼の声に本当に耳を傾けること。

もしかしたら、冷たくなったのは心が傷ついているからかもしれない。
だとしたら、その痛みに耳を傾けましょう。
「今」傷ついている彼の心を癒すために、自分が何ができるのかを考えましょう。

「今」を大切にしたいですから。
「今」の彼を愛してあげたいですね。

熟考の結果「それは無理だ!」と思ったら・・・、別れることだってできます。
(それが悪い結論ではありませんしね)

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