もしかしたら私の方から切っていた?



失恋後のカウンセリング。
ひどく辛い気持ちと後悔と絶望と様々な思いが交錯する中で、例えば「どうしてだめになっちゃったんだと思います?」という質問をすることがあります。

そこでは色々な反省の言葉が出てきます。
・自分のことばかりで彼の気持ちを全然考えてなかった
・優しくできなかったどころか、むしろ冷たくしていた
・彼の愛情に胡坐をかいて我儘ばかり言っていた
・何しても嫌われないと思っていた
etc…

もちろん、その言葉通り彼女が全部悪いわけではありません。
彼にも問題はありありですよね。


でも、確かに「振ったのは彼の方だけど、先に切ってたのは彼女の方じゃ・・・」という話をよく伺うのも事実なんですね。

・彼からのデートの誘いをけっこう断っていた
・彼からもらったプレゼントを気に入らないと突き返した
・体の関係を拒否することも多かった
・旅行の約束をドタキャンした
etc…

確かにそれ相応の事情はあったとは思います。
デートを断るのも仕事が忙しかったり、疲れていたり、試験勉強が佳境に入っていたり。
でも、その時に彼の精神的なフォローをしてなければ、彼からすれば「ああ、俺のことはもう興味ないのかな」なんて思われても仕方がありません。

付き合い始めのロマンスの時期を経て、安定期に入り、やがて倦怠期に向かって行く段階で、なんとなく二人の関係性が落ち着いていきます。
デートの誘いは彼女からで、
行先を決めるのは彼で、
ケンカをしたら謝るのは彼の方で、
歩くのは彼が右側で、
手の繋ぎ方はこうで・・・。

そうすると、私の思いはきっと通じてる、とか、彼のことはだいたいわかってる、みたいな雰囲気になってしまうんです。

そうすると「そういうつもりはないんだけど、結果的に彼の愛情に冷や水をかける行為」を繰り返しやすくなるんですね。

それは一種の“甘え”でもあります。
これぐらい分かってよ、と思ったり、これくらい大丈夫だろう、と思ったりね。

2人の間に信頼関係が出来てきて、分かり合えて来てることも事実なのですが、それが行き過ぎてしまうと問題なんですよね。

パートナーとの距離が近づけば近づくほど、私たちは無意識的に“親に対して取っている態度”を彼に対して取りやすくなります。

もし、あなたがお母さんに対して「ねえ、何で○○してくれなかったの?困るじゃん」とよく文句を言っているとしたら要注意!
彼と距離が近づくと、つい、そのセリフをまんま彼にぶつけてしまいませんか???

お母さんだから受け止めてくれる、許してくれる、分かってくれる言葉も、彼だったらどうでしょう?

しかも、これ、無自覚に出てしまうんです。

もし、あなたがお父さんに対して「うっぜーなー!」と思って壁を作ってしまうと、その壁を彼に対しても応用してしまうかもしれません。
彼が寂しくなって甘えてきても、つい自分の都合で拒絶してしまうのです。もちろん、無自覚に。

ということで、皆さんの親子関係、改めて見つめ直してみませんか?
パートナーがいらっしゃる方は、親御さんとの関係と彼との関係を照らし合わせてみませんか?

もし、まだまだ子どもだなあ、親に甘えてるなあ、と思ったら、少しずつ子ども目線から卒業する(親離れする)のもいいでしょう。
例えば、両親を食事や旅行に誘ったり(もちろん、自分持ちで)、誕生日にプレゼントを贈ったり、お年玉やお小遣いをあげたり。

親と“大人”な関係を築けるようになるのも、いい恋をする秘訣、なのですね。

参考になりましたら幸いです。

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