イイ人は“イまイちな人”の略!?



最近、こんなお話を伺う機会が急増していまして、ネタにしてみました。どこかで書いたことがあるかと思いますが、そこはご愛嬌です。

「彼はとてもいい人だったんです。穏やかで優しくて、何でも受け入れてくれて。でも、つい他の人に気持ちが移ってしまって振ってしまったんです。それで今は違う人と付き合ってはいるのですが、ものすごく悪い気がしてしまうのです。」

ここでは“振って”ですが、“浮気してしまい”とか“暴れてばかり”“困らせてばかり”などに置き換えられることもあります。


心のバランスによれば、相手がいい人であればあるほど、私は悪い人になってしまうものです。
だから、余計に罪悪感を感じやすいんですよね。

そういう話を伺うとできるだけあっさりとした口調で私はこう言います。

「退屈だったんでしょ?」

そういうと「うっ・・・。ま、確かにそうですが・・・。」と苦笑い、です。

「いい人ってね、いまいちな人の略なんですよね。よくありますよね?友達に男の人紹介されて、後日『彼、どうだった?』って聞かれたら、『いい人だったけど私にはもったいないわ』なんて答えるでしょう?いい人ってそういうことなんですよ」

(ちなみにこの言い方は「いい人を振ってしまって罪悪感でいっぱいな人をカウンセリングする際のやり方」です。その“いい人”がカウンセリングにいらっしゃった場合には当然また違う表現を使います!)

例えば、失恋ですごく傷ついたとき、疲れていたとき、絶望していたとき、そんな“いい人”はとてもあなたを癒してくれます。
しかし、そこはオアシスにはなりうるけれど、多くの情熱的女性にとっては終の棲家とは言い難いのです。
故に、傷が癒えれば、疲れが取れたら、希望が見えたら、そこから旅立ちたくなります。
それは自然の摂理と言ってもいいのです。

また、自分を見失っていてアイデンティティを喪失した状態だと、自分が何者なのかが分からなくなるんですね。
そういう時はそんないい人に憧れを抱いて付き合うこともあります。
そして、付き合っていくうちに自分自身が見えて来るんです。

それに“いい人”をしている彼もまた、演者であることが多いのです。
本当の彼が穏やかで優しくて何でも受け入れてくれる人なのか、それとも、そうしないと愛されないと思ってそうしているのか、その見分けはとても難しい問題です。

彼が本当にいい人で、その穏やかさも優しさも本物であれば、あなたはその彼を振ったり、裏切ったりすることはなかったかもしれません。
本当に穏やかな人は怒るとものすごく怖いものです。叱ることも愛情と知っていますから。
本当に優しい人は厳しさも持ち合わせています。突き放す優しさを知っています。
でも、犠牲で穏やかに優しくしている人は、その芯の部分がありません。
だから、退屈してしまうのです。

もちろん、彼を傷つけたことは事実かもしれません。
後悔したり、自分を罰したくなったりするかもしれません。
でも、どうでしょうか。
自分に素直になっただけ、なのかもしれません。
十分に苦しんだり、悩んだりしませんでしたか?いい人である彼を振るなんて、相当覚悟が必要だったはず。たとえ、はずみだったとしてもね。

よく言います。50/50なんですよって。振る方も振られる方も対等、お互い様、なんです。

それに深層心理で言えば、お互い分かってやっていることなんですよね。
お互いの無意識同士がこんな会話をするんです。
「じゃ、予定通り今度の2/24に別れるんだけど、どっちが切り出す?」
「そうだねー。ま、流れ的に私の方かな。最近ちょっと怒りっぽくなってるしね」
「了解。じゃ、僕が振られる側になるね。よろしく。今までありがとね」
「うん。こちらこそ、ありがとね。」
みたいに。

失恋もまた本来の自分に立ち返るチャンスです。
だから、罪悪感を取り除いてみたら、本当の自分が見えて来ませんか?

退屈は嫌い。いつも情熱的でありたい。恋は燃える方がいい。自分は恋に生きる女。自分に素直に生きたい。ダメなものはダメ。私は一人の女。私は愛したい人。ロマンスがない人生なんて考えられない。私は私。

罪の意識に捉われるのであれば、その本来の自分に気付かせてくれたことに感謝を贈りましょう。

そして、さらに大切なことは彼を信頼すること。
彼もまたこの失恋を機に成長し、そして、本来の自分に立ち返っていくであろうことを。
ここを忘れてはいけません。

また、罪悪感に捉われると、今の彼との関係に集中することができません。
自分を罰することに新しい彼を利用したり、犠牲・補償行為を繰り返して苦しくなったり、今の恋も楽しめなくなりますね。

罪悪感を手放し、自分らしい恋に向き合えることを選びましょう。

「私は、私らしく生きる」
「私は幸せになってもいい」」

そんな言葉を自分にかけてあげてくださいね。
より自分らしい恋ができるチャンスがやってきたのです。

参考になりましたら幸いです。

ラブ・カウンセリング

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