エゴの声との向き合い方~金魚すくいの要領で~



「~しなきゃいけない」という思いは「~したくない」という気持ちから生まれますよね?
したくないから、しなきゃいけないと思うわけで。

仕事しなきゃ→仕事したくない気持ちを抑えて頑張ろうとする言葉。
変わらなきゃ→変わりたくない自分にむちを振るって何とかしようとする言葉。
結婚しなきゃ→結婚に対して不安や焦りを抱える自分を奮い立たせようとする頑張る言葉。

そして、「~しなきゃ」と強く思ってしまうと「したくない」と強く思っているのと同じことになってしまうのです。

だから、勉強しなきゃ、で勉強してもしんどいし、買い物行かなきゃってスーパーに来ても気乗りはしないのです。


一度「したくない自分」を受け入れ許してあげることが大切です。
「せやな、したくないよな。そうだよな」って。

そこでエゴが「それはあかんやろ!せなあかんやろ!頑張れや!」と追い立てて来るかもしれませんが、そこでもまた「そう思うよな、確かにな」とケンカするのではなく、受け入れてあげるのです。

エゴはいっぱい色々な言葉を投げかけて来ることでしょうが、ひたすら受け入れようとしていきます。

「自分に甘いんじゃないの?」
「仕事なんだからできて当たり前でしょ?」
「主婦が買い物しなかったら怠け者もいいところでしょ?」

そんな風にあなたのエゴは語りかけて来るかもしれません

それを「うん。確かにそうだよな。甘いかもな。でも、今はそれでいいんだよ」と自分に返すことが素敵な現実を作るのです。

「どんどん怠け者になるんじゃないの?」
「本当に何もしなくなるけどいいの?」
「そんなことしてたらほんとに現実は変わらないじゃない」

ますますエゴは声を強めて来るかもしれません。
でも、それはあなたの心の痛みから来る声です。
痛い、辛い、しんどい、という心がその声を発しています。

だから、エゴを否定することは、一層自分を傷つけることになるのです。

エゴは不安で、怖れの塊です。
嫌われないように、傷つかないように、見捨てられないように防衛します。

だから、受け入れる。

「怠け者になるかもな。でも、なってもいいじゃん。大丈夫だって。」
「何もしない時があってもいいんじゃない?大丈夫だよ」
「大丈夫。大丈夫。むしろ、その方がうまく行くみたいだよ」

すると『でもでも星人』が登場するかもしれません。

「でも、怠け者になんかなったらダメだよ」
「でも、何もしないってわけにはいかないでしょ?」
「でも、うまく行かなかったらどうするの?」

そしたら、答えは決まってきます。

「うんうん。そうだよね。大丈夫、大丈夫。」

まるで金魚すくいをするようにエゴの声を優しく拾ってあげるのです。

そんな風にエゴの声に辛抱強く付き合ってあげると、最初はむかついたり、悲しくなったり、焦ったり、不安になったりしてエゴに取り込まれそうになってるところから、少し客観的に見えてきて、むしろ、そのエゴの声がかわいくなってくる、というか、むしろ、笑えて来たりする地点があります。

「おれ、何してるんだろ?」
「ま、考えすぎか」

そこが“悟り”のポイントです。

エゴとはケンカせずに、大人の気持ちで受け入れる、ということなのです。
だって、彼は傷ついているんですもの。攻撃したらかわいそうでしょ?

そうすると、仕事がしたくなり、変わりたくなり、結婚したくなります。
モチベーションが回復していくのです。

それは傷が癒えた証拠でもありますね。

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