Q&A『二股をした彼を許すには?』



ラブ・カウンセリング

お名前がなかったので「Iさん」と呼ばせていただきます!Iさんからのご相談は↓↓↓

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4年同棲した彼氏に二股されました。
でも、根本先生のブログなどを見て、もう一度二人の関係を修復しようとしました。でも、なぜか心にぽっかり穴が空いてように辛くなります。許したいのですが、許す方法が解りません。
時々彼はこの問題を無かった事にしてるんじゃ無いかと思い悲しくなったりします。
彼は私を安心する為なのかこの秋に結婚しようと言ってくれました。
嬉しい結婚のはずなのになぜか心がすっきりしません。
彼が二股していた時の彼の行動を思い出しては、こんな事が出来る人だったのかと思って怖くなります。
彼を許す前に自分を許すとはどういう事でしょうか?

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すっきりはしないけれど、別れ、という話が出てこないということは、関係を続けていきたい気持ちが強いわけですよね?
まだきっと大好きなんですね、彼のこと。

さて、このテーマでは、自分を許す、というところは随所に出てきます。
主に「彼が二股をかけたのは私のせいだ」という思いを手放すことだったり、「私って二股かけられるくらい魅力がない女」という無価値感や自己嫌悪を手放すことだったりします。
つまり、私は幸せになっていいんだ!ということを許可することが「自分を許す」ということなんですね。

今回のお話でもその要素があちこちに出てきます。

「彼を許すプロセス」を中心にお話させて頂こうと思いますので、あちこちに「自分を許す」というエッセンスを感じていただければ幸いです。

さて、肝心の彼のこと。

そりゃあ、彼のこと、許せませんよね、すぐには。
それが人ってもんだと思います!

感情的には、Iさんには二股(というか浮気?)された痛みがまだまだ強いんだろうと思いますし、それを機に“不信感”というものが生まれたんだと思うのです。

不信感。これが厄介なんですよね。

二股かけられた期間がどれくらいかは別として、それを知ったときのショックと、その影響って甚大なものだと思うんです。

この4年ってなんだったの?的な思いもあるでしょうし、「なぜ?なぜ?なぜ?」と頭の中は「?」でいっぱいになるでしょうし、更には彼の中に私の知らない彼が住んでるように見えて怖くなったりもするかもしれません。

そしたら「結婚しよう」と言われたとしても、全然嬉しくありませんよね。

「また二股かけるんじゃないの?またこそこそ何かするんじゃないの?」て気持ちが払拭されなければ、素直に喜ぶことなんてできないと思うんです。

むしろ、Iさんも書かれてるように「無かったことにしようとしている」ようにも見えて、かえって不信感も募りますね。

・・・これはまあ、「加害者」と「被害者」の関係にはよく起こることなんです。
だから、すぐに許そうとか、結婚をOKして幸せになろうとしないで欲しいんです(←こういう書き方は誤解を招きそうだけれど・・・)

カウンセリングでも、こうしたご相談はよく頂きます。ほんと凄くたくさん頂きます。もう、そればっかり!というくらいに(笑)

時間かけましょう、焦らないでくださいね、というところから始めていきます。
彼への信頼を取り戻すには“時間”も大事なアイテムですから。

あと、誰かに辛い気持ち、むかつく気持ちなどを聴いてもらうことも大切。
感情って話すと解放されるものですからね。だから、友だちとか家族とか、カウンセラーとか、とにかく話を聞いてもらってください。

ただ、彼とは当事者同士ですから、ちょっとこの話題はまだ避けた方が良いです。泥沼化必死ですから!

さて、彼からすれば、Iさんを傷つけた加害者の立場になりますよね。
Iさんのことが好きなのに他の女性に手を出してしまったとすれば、なおさら、その気持ちは強くなります。すなわち「罪悪感」です。

この罪悪感というのはとても厄介な感情で(これと対応してるのがIさんの不信感なんですが)、「申し訳ない。とんでもないことをしてしまった」という思いから、強く自分を責める一方で、その感情を感じるのは辛いので「もうそれは過去のこと」と蓋をしたがる傾向もあるんです。

また、男性と女性は意識を向ける世界が違いますよね?

女性は「過去から近未来」に意識を起き、一方、男性は「近い過去から未来」を見ます。
つまり、女性から見ると、男性は「自分をおいてさっさと未来に行ってしまう」ように感じられたりするんです。

「無かったことにしようとしているように見える」という裏側には、罪悪感と男女の違い、という心理が隠れているわけです。

だから、Iさんの目から見る彼の態度が、必ずしもIさんの思ったとおりとは言えないんですね。
すなわち「彼は全然罪悪感なんて感じてないように見える」かもしれませんが、彼が本当に罪悪感を感じていないかどうかは分からない、ということなのです。

ここは要らぬ誤解を避けるためには大切なことですね。

こういう点ではあれこれど男性心理を学ぶ事をおススメしています。
アメブロならば水曜日に清水君と浅野君が連載してくれてますね。
また、むかつくよね!という女性側の気持ちについては、木曜日の大門が主戦で頑張ってます。
一度、参照なさってみるといいかな。

・・・なんで、こういう彼側の話をさせてもらっているか、というと、「許し」にとって、こういう意識はとっても大切なことだからです。

許しというのは、相手を理解し、受け入れてあげる前向きな選択のことを言います。

だから、彼の今の態度や気持ちを理解し、受け入れてあげること、これは何よりも大切なことなんですね。
でも、そこではよく誤解が起こります。男女の違いもあれば、コミュニケーションレベルの違いもあるでしょう(一般的に女性の方が圧倒的に上手)。

そこで一つ気付きたい点があるわけです。

「なぜ、彼は二股をかけたのか?」

これを感情的に理解することが大切なんです。感情的な理解ってのは「そっかー、そういう心境だったのかあー。だったら、二股かけてもしゃあないわなあ。彼女としてはむかつくけど、人としては理解できんことないなあー」的な感じのもの。

そこでは「彼が二股をかけた原因は、彼だけでなく、私にもある」という謙虚さも必要。
彼だけが悪いわけではないからです。

理由が理解できれば、心はちょっと安心します。
そうすると、Iさんも、彼も、お互いにもうちょっと成長することができます。

このプロセスはとってもむつかしいです。
でも、自分を見つめること、自分の魅力を再発見すること、自分がさらにいい女になること、など、報酬もわんさかあります。

二股っての深いレベルで見ていけば、「あんたはもっといい女なのに、もったいないよ」とか「ちょっと今は無理しすぎてしんどいよ。もっと自然体に生きなよ」といった彼の“無意識”からのメッセージであることが多いんです。

もっとも、ここでは前向きに取り組むことが大切で、いわば「被害者意識」(彼が悪いのよ!私は悪くないのよ!)をいかに早く手放すかも大事なことなんですけどね。
頭で理解するだけでもしんどいし、だから、時間をかけましょうね~と言うわけです。

そうして、心でこの二股の問題を受け入れ、理解していくことが出来れば、ほとんど許しは完成。

「あいつもやり方汚くて間違ってるけどさー、私も私でたいがいなことしてたからね。もうお互い様でしゃあないなあ、と思うんだよねー。」

みたいな軽い気持ちになっていけます。

その上で、彼と話し合うのが理想なんですね。
ようやくここで、彼との話し合いです。

“長らくのご乗車おつかれさまでした”的アナウンスが必要なくらい長かったと思うんですが。

ここでは謙虚になってますからね、お互いのこの期間での成長が良く分かります。
話し合いを進めるうちに、彼を惚れ直すこともあれば、何だかつまらない男だな~と思っちゃったんですよね・・・ということもあります。

許しが進んでいる状態では、フランクに、対等に話しができます。
被害者のうちは、依存の状態ですから、話し合いはできないんです。

そして、ココまで来て、もう一つ大切なことが。

でも、許し、と、結婚は別物。

だから、改めて選択するんです。ここで。そんな彼でよいか?そんな私でよいか?お互いに。

結構、このシーンはドキドキします。
私の経験上、「この選択が一番怖かったし、難しかった」という声、多数聴いてます。

つまり、ここでようやく、「人生を選択する」という地点に立つわけですから。
(許しが進んでいない状態では、そのときの感情に振り回されるので、選択はできないんですね)

読むだけで疲れました?(苦笑)

Iさんの受けたダメージやそれまでの二人の関係にも拠りますが、こうした流れを汲んで向き合っていくことで、むしろ、この問題が二人の絆を強める結果に結びついたりしてくれます。
だから、結論は急がずに、一歩一歩進んでいって欲しいな、と思うのです。

参考になりましたら幸いです。


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