不倫の失恋(3)



ラブ・カウンセリング

さて、不倫をしている間も、心の中にはいつも世間に対してうつむいている自分がいることが多いのではないでしょうか。
友だちにも明かせない方が少なくないですから、辛い思いがあったとしても、一人で抱えるしかありません。

思いあまって友だちに相談したら、「そんなん不倫なんかしてるからやん。別れたら楽になるんちゃう」と軽く返されてショックを受けた方もいます。
そして、ますます行き詰まってしまったんです。


その不倫の失恋の後は、やり残したことがあまりに多く、後悔も強ければ、行き場を失った感情もたくさんあるんです。

だってどうしたって、ベストを尽くした恋ではないから。本気で向き合って、ぶつかった恋ではないから。

不倫の失恋が引きずり易いのは、この点に尽きると言ってもいいんです。
十分に向き合えてない、ぶつかっていない、だから、そこが残るんです。
「もし・・・」がたくさんでてくるでしょう?

もし、奥さんがいなければ・・・。
もし、離婚してくれたら・・・。
もし、独身時代に出会えてたら・・・。

その「もし・・・」がある分、引っ掛かりが強くなるのです。

さて、我慢していた感情は、別れた後、やってきます。

私のカウンセラーとしての経験から言いますと、不倫をしていた期間と、それを引きずる期間は一致しているような印象を持っています。
(つまり3年不倫をしていれば、その感情を3年引きずる、という感じで)

だから、カウンセリングでは焦らずに、一つ一つ、その感情を流していこうとします。
自分を責める気持ち、相手を攻撃する気持ちも解放してあげるのです。

話すだけでも楽になれること、たくさんありますよね。
ずっと言えずに溜め込んできたのであれば、なおさら。

カウンセリングやセラピーというのは“時間短縮”の効果があります。
ふつうならば3年かかるところを1年で乗り越える、みたいな。

例えば、1年前、初めてお会いしたときには2時間のカウンセリングの間ずっと「彼が・・、彼が・・・」と彼の話で100%だったところが、1年経つと「そういえば彼のことはどうなりました?」とお聞きしなければ話が出てこないこともあるのです。

そうして、まずは心の中にある色んな感情を解放していきます。
その上で、おそらく私達は家族の問題や過去の恋愛に目を向けていきます。

「不倫をしてしまう理由は何か?」を探し、その元を癒していくために。
もっと素敵な恋をするための障害を取り除くために。

だから、そういう辛い思いがあるときは、まずは誰かに聴いてもらってください。
あなたの周りに、そういう人が居たとしたら、ただ、寄り添ってあげてください。
きっと彼女は全部分かっています。だから、あなたが責める必要はありません。
そして、少しずつ笑顔を取り戻すのを見守ってあげてください。

不倫の後の辛さはほんとうにしんどいもの。
「もう二度と不倫なんてしたくない」と思う人が少なくないのも頷けます。

不倫の話となると、良し悪しの議論が多くなります。それが世間といえば世間です。
私達は、良いとか悪いとか、いけないとか、いいとかではなく、おきてしまったものをどう対応するの?という見方をしていきます。

だから、自分がそこにはまってしまったとしたら、ふだんよりより忠実に自分の気持ちに素直になって、誰かに話を聴いてもらって、焦らずじっくりと心の痛みを洗い流して行っていただきたいな、と思うんです。

私のクライアントさんにも、長い間、不倫の失恋で辛い思いをされた方がいらっしゃいます。
始めのころは2時間のカウンセリング中、ずーっと泣き通しだったんですね。
でも、その後、そのしんどさを乗り越えて、今はやさしい旦那様と幸せな結婚をしています。

幸せになったとき、その苦しみにも意味が与えられます。
逆に言えば、その幸せのために、今のその苦しみを乗り越えよう、と思えたらよいのです。

今のその辛さを越えて幸せになったとき、あなたは今を振り返って、何て言うでしょう?


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