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きれいじゃないから振られたと思いたいものですけれど、実際はそうした自己分析は難しく、たいていは間違っているものです。
自分を客観視するのって難しいですし、それから彼側にも問題があるわけでして、トータルで見ないと分からないのです。
でも、やっぱり理由を探しちゃいますし、コンプレックスのせいにしたくなりますよね。
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大好きだった彼と別れ、希望が見出せない中で必死にネットで様々な記事を検索していた時にこちらに出会い、救われました。ありがとうございます。
私は先日、彼と別れました。結婚前提のお付き合いでしたが振られてしまいました。理由は「一緒にいて楽しいし、人としては好きだけど結婚したいと思うまで気持ちが高まっていない」とのことでした。
「別れたいと思っている」そう告げられた瞬間、私は「魅力が足りないから振られたんだ」と直感しました。もっと痩せていたら、、もっと綺麗だったら、、直接言われたわけではないのですが魅力が足りないから好かれなかった自分を強く否定してしまいました。
私はもともと優等生タイプの長女です。喧嘩の多い両親のもとで育ちました。
数年前から恋愛面で「自己肯定感の低い自分」に気づき始め、心理学の勉強を始めました。これまでずっと自分の感情に蓋をして、人目を気にして生きてきた自分自身に気づき、変わりたいと感じたことがきっかけでライフワークのために公務員を退職し新しい道に進んでいます。(失恋してからライフワークへの意欲がめっきり低下してしまったことも大きな悩みなのですが、、)
自己価値を高めよう、ありのままの自分を愛そうとたくさんのワークを行ってきました。
ようやく自分に自信が持てるようになってきた!変わってきた!と思えるタイミングで最高の彼に出会い、たくさんの愛情を感じながら幸せの絶頂にいたところから急に訪れた別れはあまりにもショックすぎる出来事でした。
別れの理由を何とか分析していく中でたどり着いたのは、「可愛くない自分」に原因があったのではないかということです。
彼に嫌われないように、理解のある彼女でいたい、そんな思いは確かにありました。無意識に我慢していたのかもしれません。
でもそれ以上に「そこまで美しくない私が甘えていいのか」「もっと綺麗になったら自信が持てるのに」という思い込みが強くありました。
こんなこと言うのも何ですが、外見に関して異性にも同性にもよく褒めてもらえます。下の下ではないと思います。それでも私は、「人目に映る私」を見るのが怖いです。昔から人のことを見た目で判断してしまっている自分にも罪悪感があります。
どんなに自己受容を意識しても「今の見た目の自分」を受け入れることができません。
今は諦めてダイエットや自分磨きに励んでいるところです。
私はどうしたら自分の価値を受け取れるのでしょうか。「自分の見た目への強烈なコンプレックス」から脱却したいです。痩せてもっと綺麗になったら解決するのでしょうか?
本音では痩せて綺麗になって彼ともう一度会いたいです。
まとまりませんが、根本さんからのアドバイスをよろしくお願いします。
(Aさん)
幸せの絶頂から地獄まで陥落してしまうのはものすごくつらいものでございますが、そこで「これが原因じゃねえか?」と自己分析した結果は“たいがいが間違っている”ものですので、あくまで自己判断は「ひとつの可能性」として受け止められるのがお勧めです。
何に対してもそうですけどね。
例えば、とある偏差値がものすごく高い大学出身の方がいらっしゃいました。
彼は大学デビューを果たしたがゆえに、成績は落ちこぼれまして留年した経験があるんですね。
とはいえ、その大学で1年留年したくらいでは就活にはほぼ影響はなかったらしいのですが、彼はその経験から「自分はデキが悪い。頭もそんなによくない。」という自己判断をなさっておりました。
思わず「あ!?何言うてんねん!話の続きは事務所でしよやないか」と連れ出してしまうところでした。
話をしていてもたいへん回転が早い方であることは明らかであり、「この人、ほんま頭がええなあ」と思っていたら、受験勉強もそない頑張った感じではなかったようです。
でも彼は「デキが悪い。頭がよくない。」と思っているのです。
つまり、自己判断ってのはあくまで自分基準だから大してあてにならんもんよ、というのが私の見解です。
そして、ご本人にとってはそれが「正しいこと」になっているので、それを前提に思考し、行動し、感情を感じることになっています。
だから、本来の彼らしい生き方からだいぶ離れて行ってしまってたんですね。
それで彼には「地頭がめちゃくちゃいいんだから、もっとその頭脳を活かしてみない?」という提案をいたしました。
本人にとってはコンプレックスでもあったところが、逆にその人の才能を指し示すことってよくあるんです。
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さて、いきなりAさんとは関係ない話をしてしまったのですが、そのお話を読めば、Aさんが降られた理由は外見ではなさそうです。
「絶対外見が理由だ!」と思いたい気持ちも分からんではないのですが、多分、違うでしょうね。
ただ、外見を気にしすぎていること、が原因のひとつになっている可能性はあります。
でも、どうなんでしょうね。
何が原因かってのははっきり分からないことが多いものです。
「これがどうしてもダメ!無理!いや!」となるケースは分かりやすいものですが、いろいろと積みあがって別れたくなった場合、原因はひとつではありません。
あと失恋・離婚に関しては執着があるほど「自分が100%悪い」という風に思いがちなのですが、当然ながら相手にも原因があり、問題があるわけでして、その責任はひとりで全部引き受ける必要はありませんっていうか、そんなことをしてはいけません。
でも、やっぱり理由を知りたいし、それを改善して再度チャレンジしたくなるじゃないですか。
それって「受験」と同じ発想なんですよね。
合格しなかったらどこで間違えたのか、どの分野が弱いのかを分析して、そこを改善・強化しようとしますよね。
それで次の試験では合格しようと挑むわけです。
人間関係ってそんな単純なものではないんです。
「理由」が分かればいいけど、よくわかんないことが多いですし、自分が思う「理由」と相手が思った「理由」が全然食い違っていることなんて頻繁にあるものですし、その「理由」を改善したらよりを戻せるかといえばそんなことはないですしね。
試験と恋愛と何が違うかって、思考なのか感情なのかってところですね。
だってみなさまも「あの人、無理!」となったら、なかなかその思いは変わらないでしょう?
しかも「いい人なんだけど、なんか苦手なの!」という分かるような分からないような理由で「無理!」になるでしょう?
だから、別れ話の際に理由を聞いて、相手がそれを話してくれたとしても、必ずしもそれが本当の理由とは限らないし、それがその理由のすべてとは限らないし、そして、それはあくまでも「相手の基準」によるものなので、結局は良く分からないものなのです。
>理由は「一緒にいて楽しいし、人としては好きだけど結婚したいと思うまで気持ちが高まっていない」とのことでした。
だから、私なんぞは職務上、性格がひん曲がっておりますので、とりあえず「ふーん、まあ、それは彼の言い分として聞いといてあげて。でも、信じる必要はないよ。それがほんとうの理由かなんて分かんないから」という風に思ってしまうわけです。(あくまで職務上なので、ふだんの根本先生はとてもまっすぐな方であるとご認識ください。)
その彼がとても優しい人であれば「ほんとうの理由を言うと彼女が傷つくからあいまいにしておく」という優しいのか優しくないのか分からないことを考えるものですし、「理由なんて別にない。なんか付き合っていくのが嫌になっただけ。」という、どうしたらよかってん!という場合もあります。
そもそも結婚前提だったのに別れを切り出すってことは彼自身に甚大な罪悪感が伴っているはずでして、その罪悪感から思っていることのすべてを表現することは難しいでしょう。
私からすれば「彼って結婚に対するハードルを相当上げてる人なんちゃうかなあ?だいぶ責任感強い人なの?」とか思うわけです。
仮にその言葉が彼の本心だと受け取ってみても、可能性としては次のようなことが想定できるものです。
・結婚に対して過大な期待、責任を感じている
・そもそも結婚に対するイメージがブラックだった。
・結婚するよりも、今は仕事をもっと頑張りたい。
・「人として」ということは、付き合っているうちに「女」として見れなくなった。
・Aさんとの間に「競争」が生まれていて、彼としては負けている感がめっちゃあった。
・彼からすれば、Aさんが主導権を握っている関係だったので、それが嫌だった。
・すごく自分を否定していて、愛情を受け取ってくれないので、もう無理と思った。
・何かとしっかりしていて、厳しいので、一緒にいて安らげなかった。
・彼自身に親密感への恐れがめっちゃあった。
・縛り合ってるような関係が苦しくなって自由が欲しくなった。
・Aさんが自分の愛情にあぐらをかいてるような気がして苦しかった。
あ、これあくまで可能性なんです。
これが正解です!というわけじゃないので自分を否定しないように。
また、どうでしょうか?
ここに代表例をいくつか挙げたのですが、Aさんの分析に出てきたものもありますか?
結婚前提に付き合っていたのに別れるわけですから、きっと理由はひとつではないと思いますし、自分の想定外の理由が影響していることも多いので、やっぱり自己判断に縛られないことは大事なんだぜ!という話なのです。
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そもそもなんで別れの理由を特定したいか?というと、彼とやり直したいからに他ならないのですが、もうひとつ下の層に大きな理由がありまして、それは「理由が分かると安心する」からです。
こいつのせいでダメだったんだ!と犯人が見つかれば安心しますよね。
例えば、クラスの中に泥棒といるとしたら安心して授業を受けられませんよね?
そうすると誰が犯人かをみんなで捜索するわけです。
そうして、ひとりの人物が捜査線上に浮かびあがり、特に証拠はないけどそいつを犯人に仕立てるわけです。
その際、その人がほんとうの犯人かどうかは別にいいんです。
そいつを犯人としたことで、「これで自分のものが盗まれる可能性がなくなった」と安心できることが重要なのです。
だからそいつが本当の犯人である可能性もありますが、そうじゃない可能性だって大きいものです。
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ただ、こうした大きな痛みを負うことで、もともとあった自分の問題がさらにクローズアップされることはよくあります。
>別れの理由を何とか分析していく中でたどり着いたのは、「可愛くない自分」に原因があったのではないかということです。
これはたぶん別れの理由としては正しくないと思うのですが、少なくとも「可愛くない自分」というのがAさんにとって大きな問題であることは確かなようです。
だから彼との関係性は横においといても、これを機にちゃんと向き合っておいた方がいいことは間違いないでしょう。
>私はどうしたら自分の価値を受け取れるのでしょうか。「自分の見た目への強烈なコンプレックス」から脱却したいです。痩せてもっと綺麗になったら解決するのでしょうか?
一般的に痩せて綺麗になっても解決しないことになっておりまして、その結果、美容整形に沼る方が続出してしまっているわけです。
私もプチ整形もいれたら30回以上、美容整形した方にお会いしたことがあるのですが、整形すればするほど気になる箇所が増えるようです。
「痩せて綺麗になった」というのってあくまで主観じゃないですか。
友達全員から「Aさん、きれいになったね」って言われても、自分がそう思えなければだめじゃないですか。
だから、美醜の問題って明らかに「心」の問題なのです。
自分がそう思えなければ意味がないわけですし、ましてや、きれいになって彼ともう一度やり直したい!というのは目標としては悪くないですが、ここまでお話してきた理由により、現実的にはちょっと厳しいかな、と思っちゃうものです。
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>私はどうしたら自分の価値を受け取れるのでしょうか。「自分の見た目への強烈なコンプレックス」から脱却したいです。
ちなみに別れた元カレはAさんの外見について何か言っていましたか?
美醜については過去にも記事にしてるので参考にしていただければと思うのですが、この価値を受け取れねえ!という問題は自立系な方々にとってはすっごく大事なものですね。
まず、、、
その外見へのコンプレックスっていつ頃から出てきたものでしょうか?
なぜ、それがコンプレックスになってしまったのでしょうか?
思い当たるフシはありますか?
周りから「きれい」って言われるわけですよね?
もし、その言葉を受け取ってしまったらどうなってしまうと恐れているのでしょう?
自分がきれいだと思えるようになったら、何がどう変わると思いますか?
また、きれいと思えるようになったときのデメリットってなんでしょう?
また、目を瞑って自分の顔を鏡に映し出してみてください。
そこにはどんな姿の自分が映っているのでしょうか?
その姿はどこから来ていると思いますか?
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外見のコンプレックスの場合は特にそうですが、他の人から何かを言われたことが傷になり、コンプレックスになっていることが多いものです。
親から言われた、同級生からからかわれた、めっちゃ美人がクラスにいてNp.1の地位を奪われた、みたいな感じね。
そこから鏡に映る自分の顔が醜く見えてしまうように見えるわけですね。
他の人からは「きれい」と映っていても、自分には「醜い」と映っているわけです。
自分を客観視するのって難しいですよね。
だから、自分がきれいじゃないと思えば、それは真実になってしまうのです。
外見のコンプレックス(それは顔だけでなく、スタイルとか胸とか毛深いとかもそうですが)って、目に見えるものだけに、やはりリアルに向き合ったほうが早いと思っています。
別に鏡をじーっと見て「かわいい」と思い込もうとしなくてもいいです。
これはたいてい対面のカウンセリングでやっているのですが、「きれいじゃない」と思っている心のブロックを外すってことをするのですね。
ちょっと抵抗は強く出るものですけれど、その分、案外早く抜けられることも多いです。
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そして、コンプレックスがある場合、それが隠れ蓑になっていることも多いのです。
外見の美醜に注目することで、ほんとうの問題を隠す、というのです。
だから、そっち側の問題に注目していくと、美醜が気にならなくなることも多いものです。
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痩せてきれいになる、というのも悪くはない目標ですが、それが心の問題だとしたら、やはりがっつり心と向き合った方がいいと思うのです。
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