なぜ男性たちは「期待させるようなこと」を言うのでしょう?



これにはいくつかの男性心理、女性心理を理解しておく必要があり、短文にしようと思ったら意外と長くなってしまいました。
できるだけ簡潔に書いておりますが、「なぜ男は嘘をつくのか?」という点にもつながりますので、ぜひとも丸腰でお読みいただければ幸いです。

根本先生、こんにちは。
ショートネタかもですが、ぜひお聞きしたいことがあります。

先生のブログから”期待は裏切られるもの”と学びました。
では、なぜ男性たちは”期待させるようなこと”を言うのですか?
私の場合は特にお付き合いしてから言われることが多いです。有言実行しないのに言って、なぜ期待を持たせるのでしょうか?その時に言われた側はどう思えばいいのでしょうか?いっさい信用するなと言うことでしょうか?
そもそもそんな男性を選ぶ自分に問題があるのでしょうか?

ご教示いただきたいです。
(Yさん)

まあ、今日は女子たちの地雷をジャンプして踏む会になりそうなので、とりあえずみなさまは現在携行中の武器類を外していただきまして、その上で本文をお読みいただけますこと、心よりお願い申し上げます。

ちなみに男性だけが「期待させるようなことを言う」と思います?

男性陣に聞けば「いやいや女子も思わせぶりなことけっこう言うでしょ?」と反論されるかもしれません。

だから、本質的には「男性」「女性」として区別して語ることはできないことだと思っています。

ただし、「有言実行しないのに言って、なぜ期待を持たせるのでしょうか?」という点につきましては、(特にお付き合いしてからは)女性にはあまり見られない傾向かと思います。

つまり、「期待させるようなことを言う」ということについてもいろいろと意味があるんですよね。

なので今日のネタは2つの話に言及していくことになるでしょう。

まず、ここは雑に言ってしまえば「大人になる」という話なのですけれど、「人の狡さを受け入れられるかどうか?」という点がポイントなのです。

そうした期待させるようなことを言うのは「責任をとる自信がないけど、気がないわけじゃないよ。あなたがその気になったらそのとき考えさせて。」というほどの心理があると考えられます。

はい。そこで怒らない!イラっとしなーい!まだ早いよ!笑

例えば、お付き合いしている彼から「結婚式ってどんな風にしたい?俺、けっこう派手に祝ってもらうのが好きかもしれん。友達とかたくさん呼んでさ。」みたいな話を振られたら「あれ?結婚のこと考えてくれてるのかな?」と期待しちゃうじゃないですか。

けど、それは「あなたとの結婚を考えなくもないけど、今の方が楽だし、付き合って間もないからすぐってわけじゃなくて、いずれ、もし、そうなったらって思ってるんだよね。それでさっき電車で結婚式場の広告見たじゃん?それで自分はどういうのがいいのか?って考えちゃったんだよね」ほどの意味だと思うんです。

例えば、女子も無意識か意図的か知らんけど「やっぱりお付き合いするなら安心感が大事。ちゃんと仕事して、優しくて、誠実で。そういう人と一緒にいると幸せを感じるし、一生懸命尽くしたいって思っちゃうんだよね。やっぱり旦那様には一緒にいるとき寛いでもらいたいし!」なんて、ちらちらと目を見ながら照れてる風に言われたら、お堅い企業に勤めてるサラリーマン氏はドキッとしちゃって「あれ?それって俺のことかな?」なんて期待しちゃうものですよね。

それも、におわせぶりなことを言って餌をまいてるわけでしょ?
それで、「もっとあたしのこと好きになーれ。もっとあたしに夢中になーれ」っておまじないをかけてるんでしょ?
でも、それってまだちゃんと彼と付き合いたいとか思ってなくて、好きになってもらうことが目的だし、付き合うかどうかはそのとき考える的な発想でしょ?

要するに「※あくまで個人の感想です。」というテロップみたいなものなんですね。

こういう「狡さ」というのを嫌う人も多いと思うのですけど、でも、裏を返せば「要領の良さ」と言えるわけでして、「ああ、うちの妹、めっちゃ要領がいいタイプだから、男に対してもそういう態度とってるのかもしれん」と疑ってみるといいですよ?

自分では手を汚さず(判断せず、決めず)、相手に決めさせようとする狡さが「期待させる」という言動に出るのではないでしょうか?

そして、もう一つ知っておきたいのは「男はなぜ嘘をつくのか?」という心理につながるものです。

昨今話題のジェンダー問題を完全にスルーして話をすれば、「男性は結果主義であり、そもそも言葉を重視しない種族」という表現ができるものです。

対して「女性はプロセス主義であり、言葉をたいへん重視する生き物」と言えます。

例えば、芸人さんなどが「おもろくなるんだったら話を盛るのは当たり前」なんて公言してますよね?

その場を盛り上げるためならば嘘をついたほうがいい、くらいのノリです。

つまり「場が盛り上がった」「楽しかった」「面白いと言われた」という“結果”を得るためには、嘘をついたって全然問題ない!という話です。

しかし、女性心理から見れば「結果も大事だけど、どうやってそこに行くのか(プロセス)が大事じゃない?」と思います。

仮に彼の話がすごく面白くて大笑いしたとしても、それが本当のような嘘の話だったら思い切り引いてしまうわけです。(初めから作り話だと分かっていれば問題ないでしょ?)

え?その話信じたのに。全部ほんとうだと思ったのに。と裏切られた気分にもなるし、それだけで相手のことが信用できなくなるものです。

そもそも女性心理というのは「全部知りたい。全部把握しておきたい。」と思うからです。

だから、会社から家に帰ってきたときに「どの経路で、どこで寄り道して、どこで何をして帰ってきたのか?」というのが大事なんですよね。

だから結果だけじゃなくて、プロセスだって全部大事!と思うのです。

そこが男女でバトルになりやすいポイントなんですよね。

「ちゃんと帰ってきてるんだから文句はねえだろ?」
「どこで何をしてきたかが大事じゃない!ほかで女に会ってるのかもしれないし!」

みたいなやり取りは昭和時代から繰り広げられてきた伝統芸能と言えるわけです。

そして、女性は言葉が大事なのは、豊かな感情をきちんと相手に伝えるためにとても言葉を重視します。

目には見えない気持ちをつなげる、通じ合う、共有するために言葉を使うわけですから、感情の言語化に女性は膨大なるエネルギーを使っているものです。

一方、男性は「結果さえ出せば文句は言われまい」という発想をするわけで、言葉はあくまで道具にすぎません。

そして、結果を重視するあまり、表面上(目に見えるもの)が大事であって、中身(プロセス)はあまり大事ではないと思います。

それで男性は「あまり物事を深く考えない」と言われてしまうのです。

こうした温度差が生まれるわけです。

ただ、ジェンダーを無視して今日の話をしてますが、こういう話を読まれると「ん?あたしは男なのかも」とおっしゃる女性が現れるものでして、やはり男性性と女性性の違いと言った方がいいのかもしれません。

また、単純に男女の違いだけで話をしておりますが、当然ながらここにはそれぞれの個性や考え方、生い立ち等の要素が入るものです。

だから、「自分が思う○○と相手が思う○○は同じかどうかわからない」という前提に立ち、「違う」ということを受け入れることがものすごく大事です。

つまり、「違う人間」という当たり前のことを受け入れなきゃいけないわけです。

そういう理解ができると

>「結婚式ってどんな風にしたい?俺、けっこう派手に祝ってもらうのが好きかもしれん。友達とかたくさん呼んでさ。」みたいな話を振られたら「あれ?結婚のこと考えてくれてるのかな?」

という彼の発言に対して、

「それってあたしとの結婚のことを言ってるの?それとも一般論?ふと思っただけ?どれなん?」

というツッコミができるようになり、ひとつひとつ「確認」することができます。

「ああ、結婚式場の広告みたからそう思っただけなんだね?」とムカつきながらも理解することができるでしょう。

そもそも違う人間なので、相手が言っている言葉が日本語だからといって、自分の理解・解釈まで同じとは限らないわけですね。

だから、コミュニケーションをするわけですね。

そして、そういう経験を積んでいけば「ああ、こういう言い方をするときの彼は何も考えてないとき。でも、ああいう言い方をするときはけっこう真剣だからちゃんと聞いてあげなきゃ」ということが分かってきます。

だから、期待を無駄にあおられないためには「確認」という作業が必要だということを覚えていただければ幸いでござる。

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