自立したままではパートナーができてもパートナーシップは築けない。



自立同士の恋愛や結婚は自立を保ったまま何とか付き合おうとしてしまうので、役割やルールを決めて不可侵条約を結ぶみたいな感じで「パートナーシップ」を築くことが難しくなりやすいものです。
自立を手放し、信頼して委ねられるよう、意識を変えていくことが求められるのです。

ちょうど1年前に「なぜ、こんな人が私の前に現れたのだろう?~シャドウ?投影?スキルアップ?許し?次のステップ?~」で取り上げていただいたアキです。
根本先生からご教示いただいた「様々な見方」に自分なりに向き合い、「パワハラスタッフ」は相変わらずなのでストレスはありますが、あまり相手にせず、「ここでやりたい仕事」をテーマに邁進しています。ありがとうございます!

今回はヘラクレスネタのリクエストです。8年くらい追い回している「ロックマンと野良猫ミックスな彼」との関係が進展せず、「ヘラクレスオオカブト」ってどこにいるんだろ?私の前には表れないのかな…と『自立系武闘派女子のための恋愛講座~ヘラクレスオオカブトくんとどうしたら出会えるのか?~』を購入して捕獲方法を探っていたところ、「もしかしてこれがあのヘラクレス???」という男性との出会いがありました。
やりたい事も色々あって、なにより行動力があるところに魅かれ、その出会いがきっかけで私も今の仕事を辞めたらやりたいことの方向性も見え・・・
パートナーシップとライフワークが同時にやってくるという都市伝説も本当だったんだ!と喜んでいたのもつかの間。ヘラクレスくんが手がけていた事業が廃業に追い込まれる事態になってしまいました。
現在彼はその事後処理に奔走し、自信喪失、「俺みたいな人生終わった人といない方がいいっしょ」とメッセージが来ました。(本心ではなく、試している感じもします)
お互いに会いたいと話してはいるものの、「今は会いに行くお金もない」というお返事・・・。(車で2時間程度のプチ遠距離です)
私としては、ようやくミックス彼を手放してヘラクレスくんにロックオンと思っていたのに違ったの??ヘラクレスじゃなかった?という気持ちと、ヘラクレス(?)くんとの未来にコミットしてみたい気持ちと・・・混乱中です。

アルコール依存症の父と大黒柱で家庭を支える母との間で育った一人っ子でバツイチ。
もちろん、自立系武闘派女子の自覚はあります。「自分の食い扶持は自分で稼ぐ。誰かに養ってもらう人生なんて怖い」と思って生きてきましたが、先生のブログに出会い、親密感の怖れを癒してサレンダーすることをテーマに、自由に生きております。
もともと男性に養ってもらうという考えがないので、これまで(結婚した相手も)年収などは相手に求める条件に入っていなかったのですが、ここ数年は「お金に困るような相手は嫌だ」という気持ちが出てきました。
これもモヤモヤしている原因だと思います。一人でも楽しく生きていけるけど、私のテーマはパートナーシップかなと思っておりますので、ネタにしていただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
(アキさん)

よく武闘派女子のみなさまはよくワンカップ片手にコンビニの前で「やっぱ人生すんなり行ったらおもしろくねーよな?」「だよなー、分かるわー。やっぱドラマがねえと俺はダメだわ」なんて会話を交わされてるらしいのですが、やはりアキさんもすんなりヘラクレス君を確保するのは「つまんねー」と思っていらっしゃるのでしょうか?

ちなみに8年追いかけてるミックス男のことはどうでもよくなったんでしょうか?

さて、どこからツッコミを入れて行こうか思案しておりましたのですが、まずはヘラクレスの疑いのある彼の話からにしましょうか。

せっかくいい男捕まえたと思ったのに事業が失敗するって残念な状態になったのですけれど、そこでヨダレを垂らすのが自武女のみなさまなんですかね?笑

どうするかはアキさん次第なんですけれど、廃業に追い込まれたとしても自分で事業を展開できるだけの力がある方ですから再起を応援してあげることもひとつの手ですわね。

車で2時間という微妙な距離ですけれど、彼を支えてあげたり、お手伝いしてあげられることがあるなら手を貸してあげるのも悪くはないかと。当然彼もはじめはそれを拒否するかと思いますが押し倒すのは得意でしょ?(違ったらすまぬ。笑)

彼の立場だと絶望しか見てないし、罪悪感やら自己嫌悪やらでいっぱいだと思うので、その彼の光の部分を見続けてあげる誰かがいてもいいよね、と思うのです。

ここは選択ですよね。

女性性が強い人ほどこの決断は悩むものと思いますが、頭で考えても答えはでないし、結局感情で決めちゃうのが一番だと思うので、「よっしゃ行ったれ!」と思うなら行ったったらいいですし、「退却ー!!!」ならそそくさと縁を切ったほうがいいですし、自分の心で決めるのが良いと思います。

さて、自武女のみなさまにとっては「自分の食い扶持は自分で稼ぐ。」というのは太陽が東から上る以上の常識らしいのですが、まあ、それはそれで良いとしてパートナーとの経済感覚は自分と近い方がいいのは間違いないものです。

「お金じゃないの!愛なのよ!」という昭和のセリフもありましたが、「いやー、どっちも大事っしょ」というのが現実だと思うんですよねー。

だから、堂々と「お金に困るような相手は嫌だ!!!!!!!!!」と思っておいてください。

なんか「お金のことをうだうだ言うのは漢らしくねえ」と思われる武闘派な方もいらっしゃると思うのですが、そういう価値観ならいいですけど、そこで強がったり、見栄を張ったりしてもしんどいだけなので、素直に「お金大好き(はあと)」と宣言した方がいいと思いまっせ。

ただ、

>アルコール依存症の父と大黒柱で家庭を支える母との間で育った一人っ子でバツイチ。

という一文にたいへんなパワーが秘められていまして(苦笑)、母も筋金入りの武闘派だし、その武闘派母に育てられたアキさんももちろん筋金入りでしょうし、やっぱ「お一人様」が人生の基準になりやすいのかもしれませんね。

依存症の父を少なからず助けてきたことからも「問題のある男が好き。」というパターンを持ちやすくなるでしょうし、その男を「あたしが助ける!」と思わず宣言しちゃったりすることでしょう。

だから、ようやく出会った彼が事業を廃業するなんてまさに飛んで火に入る夏の虫ってことですわねえ。もうすぐ梅雨も明けて本格的な夏が来ますねえ。嬉しいですねえ(個人的な感想です)。

でも、やっぱ「お一人様」というパターンが染みついちゃってると思うのですよね。

自分のことは自分で何とかする。
ひとりでも生きて行けるように準備万端整える。
助けを求めてる人には手を差し伸べる。
何ならあたしが背負ってでも相手を助ける。

みたいな思いが板に付いちゃってるのかもしれません。

確かに頼りがいがあり、十分期待に応えてくれる素晴らしい姐御なんですけれど、それだといつまでたってもお一人様から抜け出せないんですよね。

だから、

>親密感の怖れを癒してサレンダーすることをテーマに、自由に生きております。

なんて風に思えるようになったのはほんと素晴らしいことだと思います。

★セミナー動画:ワークショップ「親密感への怖れを徹底的に癒すワーク集」
https://nemotohiroyuki.jp/manwoman-psychology/49020

さて、そんな「お一人様」に慣れてしまった武闘派女子のみなさまに今日は「どうやったらパートナーシップを受け入れられるか?」という点について説教して参りたいと思います。

ご存知の方も多いかと思いますが、「女性性とセクシャリティとサレンダーとコミットメント~実習メインのグループセッション~」を1年半以上続けて参りまして、やっぱこの「サレンダー」というのが皆さん苦手なんだよね、というのがよく分かってきました。

そりゃ怖いよね、というのもあるんですけど、もうひとつ「恥ずかしいの・・・」という奴もけっこうやっかいだよね、というところです。

おかんも筋金入りの自武女で、おとんが頼りない中で「男に頼らずとも一人で生きていく!」という方針で長年生きてきた皆さまにとって、「だれかと一緒」という発想そのものが「キモい!」わけです。

だから、そういう方ほどパートナーには「対等」であることを求め、お付き合いするにしても「え?あたしを今、下に見てない?」ということに大変敏感になり、セックスだって「どっちがイカせるか?」のリング上での戦いとなり、仮に結婚しても「お財布3つ制度」もしくは「家計はあたしが管理」を主張されるでしょう。

もちろん、それ自体が悪いってことはないのですけれど、それは見方を変えれば「意地でも自立し続けようとする姿勢」でもあるのです。

もちろん叩けば埃しか出ない体でしょうから、彼に言えない秘密、見られたくない部屋の片隅、入られたくない心の領域なんてのもたくさんお持ちかと思いますが、あまりに自立にこだわると仮にパートナーができても「1+1=1」という不可解な数式が成り立ってしまうものです。

※ここを正確に表現しますと「1+(1-1)=1」という数式になりまして、もちろん(1-1)という部分がパートナーを表してます。そう、つまり「全部あたしがやる!」と彼を砂糖漬けにしてダメンズにしたり、彼の自信を押しつぶしたりしてゼロにしちまうのですね。ああ、こわいこわい。

まるで契約上の関係と言いますか、あまりお互いに深入りしないように意識する関係を作ろうとしてしまうんですよね。

で、それは「ここから先は入って来ないでね」「それはあんたが自分で何とかしてね」「それはあたしがやるから手を出さないで」「家のお金はあなた、生活費はあたしが出す」という“役割”や“ルール”を作り出すことでもあり、また、「お互いに気を使い合う関係」や「お互いに遠慮し合う関係」になることもありますね。

また時には「激しい主導権争いを繰り広げて疲弊する」なんてこともあり得ますが、最近の自武女傾向としましては冷戦を好むのでその報告数は減っているように思います。

つまり、“パートナーができてもパートナーシップを組むことができない”ってことなんです。
すなわち「同居人」「ルームメイト」「セフレの延長」みたいな感じだったり、仲が良ければ良いで「姉弟/兄妹」「母息子」みたいな関係ってことっすね。

そういうわけでカウンセリングでは「ああ、まだ夫婦になりきれてないって感じっすねー」とお伝えすることも多くなるわけです。

パートナーシップというのは「ニコイチ」であり、「かけがえのない関係」であり、「1+1が2以上になる」強力な関係性です。

相手の弱さを自らが救い、自分の弱さを差し出して助けてもらうことで強固な絆を築き、与え合い、受け取りあうことでお互いの関係を高めていくものです。

ま、それはあくまで理論上のことでして、実際は「ムカつく」「寂しい」「なんでやねん」「悲しいわ」「なんで分かってくれへんねん」「なんか自分ひとりばっかり頑張ってる気がする」「全然サービスしてくれへん」「なんであたしがせなあかんねん」等々の不満を“二人で解消していく”ことによって絆が生まれ、自らを成長させる「ハードモード」の舞台でもあります。

心理学の格言に「パートナーシップはすべてを癒す」とか「親密感はすべてを癒す」というものがあるのですが、それまでのお互いの人生の悲喜こもごもが集中するのがパートナーシップなのですね。

だから、こわい、恥ずかしい、イヤだ、抵抗あることを自分ひとりで抱え込み、いいところだけを共有しようとしてしまうと表面的に仲のいいだけの関係になってしまうわけです。

これがお互い自立同士だと特に顕著になりまして、夫婦の会話が時に会社の経営会議みたいな感じになっちゃうこともあるんですよね。それって味気なくね?

また、お互い繊細同士だと相手の心理を探り合い、先読み、深読みして行動することになるので、「相手のためにやってんだけどそれが相手に伝わらない」「神経を使いすぎて一緒にいるのが疲れる」なんてことにもなります。

さらに親や昔の恋人に満たされなかった点を相手に押し付け合う「依存の競争」に陥ることもあるわけですね。

だから、私のブログ、書籍、セミナー、グループセッション、カウンセリングの中では常々「自立を手放して相互依存に行こうぜ!」という提案を繰り返しているわけです。

とはいえ、それが怖いんですよねー。

相手に委ねて裏切られたらめっちゃ傷つくと思うし、罪悪感が強い人は「自分なんて相手にとって迷惑だ」と思っちゃうし、無価値感が出てくれば「あたしがパートナーですんません」となるし、競争心が出てきて相手の態度にカチンと来ちゃうし、常に相手を疑ってみてしまうし、、、。

自分をさらけ出してサレンダーするってことはそれだけ怖いことなのです。
だから皆さんその話をするとすぐに死んだふりをなさるんですよねー。無理ないっすけどねー。

例えば、グループセッションとか個人セッションとかでイメージワークをやるんです。

パートナーの前で自分を晒すワーク。

いろいろとやり方はあるんですけど例えばこんな感じ。

彼と向き合っているイメージをします。
そこで自分が「言いたいけど言えないこと」を全部彼に伝えます。
実際声に出した方が効果的です。

その次に「これは言いたくない、バレたら嫌だ」と思うことを全部彼に伝えます。
黒歴史だったり、自己嫌悪してる部分だったり、性癖だったり。

特に「お金」「セックス」「お互いの親の将来」についてはタブーになりやすいので、そこは繊細に伝えていきます。

そして、彼の前で荷物を全部下ろし、服も全部脱いで、ありのままの自分を彼の前に晒すイメージをします。

それを彼が受け入れてくれるかってのは実は二の次です。
みんなそれを先に考えちゃうんですけど、そうすると「取引」になっちゃいます。

少なくとも「自分から自分を晒す」という感覚を身に着けていくわけです。

実はこういう部分って「自分が自分を受け入れていないから相手も受け入れてくれない」と思ってしまっているもので、「投影」なんですよね。

さらに、「自分が自分を受け入れられたら相手が受け入れてくれるかどうかはどうでもよい」というのが心理でして、その「どうでもよい」というのは“手放し”に当たるので、結果的に相手に受け入れてもらえるようになる(時間差はあるけど)のです。

だから、ここでは怖れや恥ずかしさと向き合うことであり、罪悪感から自分を許すというプロセスをやってることになります。

これはパートナーがいない人もその準備のためにやっておくとよいですね。

そうして「自立を手放す」ということにチャレンジしていくと、だんだん相手との間にあった壁が薄くなっていきます。

パートナーシップというのは「相手の問題は自分の問題」であり、「自分の問題は相手の問題」になるということです。

多くの自立系な方々はその前者は受け入れられますが、後者に抵抗があるものです。

だからそこは「信頼して委ねる」ということを学ぶ必要があるのですね。

アキさんの話からずいぶんと離れてしまったようで実は離れてないのですが、その新たに現れたヘラクレス君をもう一度捕まえに行くのか、それとも8年追いかけたミックス彼を打ち落とすのか、あるいは第三の男を狩りに行くのかは自由ですけれど、少なからず「自立を手放す」というのは今から取り組んでおくとよいと思います。

さて、8年も追いかける恋愛をすると、追いかけることに慣れてしまうので、「追いかけてこそ恋愛」って思い込むようになっちゃいやすいんですよねー。

さらに、おかんとの癒着、家を背負う的な問題がどれくらい残っているかもチェックした方がいいですよねー。

筋金入りのみなさまは「家もおかんも背負って嫁に行こうとする」というパターンを持ちやすいですからねー。力持ちだもんね、みんな。すごいねー。

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パートナーはできてもパートナーシップは築けてない問題


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