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両親が不仲だったり、問題があったり、弱かったりすると子どもは親を助けるためにめちゃくちゃ頑張るのですが、その結果、親を背負う、という状態が生まれます。
そうするとパートナーシップが片手間になってしまうのですが、問題は親を背負っている自覚が持ちにくいということなのです。
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根本先生お世話になっています。
29歳独身の武闘派です。
男性と付き合ったことがないのが現在の悩みです。
子どもの時から夫婦喧嘩が絶えない家庭で育ちました。
モラハラな父と過干渉な母を持ち、1人っ子の私は時に母と戦い、時に母を守ろうと父と戦ってきました。
昔はパパっ子でおてんばな可愛い女の子でしたが、立派な自武女に育ってしまいました。
ハードワークに疲れていた上、職場の気になる先輩は後輩の女子に取られかけたりとダメージを受けることが多く、何かを変えなければと先日、ほぼ絶縁状態にあった実家に3年ぶりに帰りました。
すると、なんとなんとあの両親が私に涙ながらに謝罪をしてきて、私も号泣!!
小さい頃から願っていた家族との和解が叶ってしまいました。
生まれて初めてといってもいいぐらいの安心感に包まれました。
私は今、親に甘えてもいいのでしょうか?
絶縁状態にある間も、本当に困ったら助けてくれるんじゃないかと内心思っていました。
結局ずっと自立していたつもりが依存だったのか?
なら甘えない方がいいのか?癒着してるの?とか考えてしまいます。
また、素を出せる場所であり居心地が良いと感じていた職場に怒りが湧いてきました。
いじられキャラではあるのですが、もっと丁重に扱えや!という思いが吹き出してきました。
かと思いきや、ひとしきり怒った後は感謝の気持ちが湧いてきたり。
職場では、他人に頼っていいことや、困ったら誰かが助けてくれるということを学びました。
子どもでいさせてもらっているというか。
職場の気になる先輩は、野良猫っぽい人です。
エリートだけど自分に自信がなく、言動がきつく、人と衝突しやすかったり。
私は言動の奥にある優しさがあるように見えて、多少腹立つことがあっても嫌いになれません。
父のことを投影していると思います。
あんなに奢ってやったのに!みたいなお金のことを色々言ってくるところが特にそっくり。
少し前までは、こんなお兄ちゃんがいてくれたら私は家族と戦わずに済んだのにな…と思っていました。
親密になれてきていると思っていましたが、最近他の同僚女性を好きになったらのか、私への態度が優しくなくなってきました。
その同僚の話は聞くのに私の話は聞いてくれなかったり、丁寧に扱われてない感じが悲しいです。
と、同時に愛情を金で表現するタイプなら愛されてるのか?という希望もあったり。
でも同僚には好きに注文しろ!とか言うくせに、私が頼むものには高いだの何だのケチつけてくるよな…とかモヤモヤします。
とりあえず、ちょっとだけ距離を取りつつ言いたいことはハッキリ言うことを心がけています。
長くなってしまいましたが、私の人生の一番の問題だった家族のことが解決したので、次は恋愛を何とかしたいです。
街コンに行ったみたら、「こんなところ来なくてもモテそうなのに…」と引かれ、かといって一般的ないい男とは上手く喋れず。どうすれば男ができるのかさっぱりです。
自分が大人なのか子どもなのか、依存なのか自立なのかもよくわかりません!ご助言くださると嬉しいです!
(Mさん)
まあ、親に頭を下げられて史上初の安心感に包まれちゃったりしっていわば天変地異のようなことが起こりますよねー。
感情は今まで以上に激しく上下運動を繰り返しているんじゃないでしょうか。
ちょっとした経緯をお話ししますと、それまで親のためにがんばってきたMさんがいて、何なら「親の親役」のようなことだってやってきたわけです。
そこでは子どもなら当たり前に持つ甘えたい気持ちなどは封印され、親を助けたり、面倒見たりすることにエネルギーをぶち込んで来られたわけです。
そんなときに今までのことを両親が謝ってくれたりしたら、その安心感で、自立の蓋が吹っ飛ぶわけです。
そもそも「自立」というのは「依存」を抑圧して生まれたものですから、その自立が吹っ飛べば依存が出てくるのは無理ないこと。
しかも、29年分の依存心が出てくると思えば、そりゃあ、甘えたくて甘えたくてしょうがなくなるでしょう。
その気持ちが今までとは全然違うから混乱してしまうんだろうと思います。
だから、めちゃくちゃ順調っすね!というところなのです。
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さらに言えば、自立している間も依存がなくなるわけではありません。
細かい話ですけれど自立にも2種類あって「自ら望んで自立した部分」と「自立せざるを得なくてした部分」に大きく分けられます。
前者はまあいいんですけど、後者は「ほんとは自立したくないんだけど、依存することもできないから自立するしかない」という後ろ向きの理由です。
そこは最近ちょくちょくブログに登場する「自立の依存」の部分とも言えるので、自立的ではあるけれど、どこか依存の香りを残している状態となります。
この部分があるから、
>絶縁状態にある間も、本当に困ったら助けてくれるんじゃないかと内心思っていました。
という期待があったんじゃないかなあ、と思われるのです。
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で、これでめでたく親を卒業して・・・と言いたいところなのですが、それまで親に満たしてもらってない分だけ甘えたい気持ちが噴き出てくるのも無理はないと思います。
それにその安心感、喉から手が出るほどずーっと欲しかったものだから。
一般的にそうした安心感を親からもらえないときは、パートナーに求めることが多いんですね。
それで対等なはずのパートナーシップが「父と娘」みたいな関係になっちゃうことも多いわけです。
こうしたケースもよく紹介していますね。
そういう意味ではちょくちょく実家に帰って家族をやり直すのもアリかなあ、と思います。
恋愛は恋愛で進めるとして、今まで手に入らなかった家族の温かさを自分に与えてあげるのも良いかもしれません。
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さて、ここからが今日の本題でして、相変わらず前戯が雑なくせに長いという特徴を持つ我が記事でございますけれど、なぜMさんの恋愛がうまくいかないか?を考察してみようと思います。
似た方もいらっしゃるかと思いますので、ぜひガン見していただければと思う次第です。
さて、一人っ子だし、喧嘩ばかりの両親に振り回されてきたMさんとしては、その両親を助けることが優先順位第一位になっています。
絶縁しなければいけないくらい、親を背負って生きてきたわけです。
この辺は自分としては当たり前になっているのでその自覚は薄いというか、思っている以上というか、とにかく「親を何とかせねば!」という心意気でずーっと生きてきたと思ってください。
もちろん、その一方で、そんな親から早く逃れて自立したい自分もいますから仕事も頑張りますよね。
だから、ハードワークして体を壊すくらい仕事に猛烈にエネルギーを注いだりします。
まあ、筋金入りの自立系武闘派女子ということですね。
そんな心理状態だとすれば、恋愛に意識が向くと思います?
どうしたって優先順位が激落ちしてしまうと思いません?思いますよね?ね?
言ってみれば「恋愛は片手間でやるもん」になっちゃうし、「いやあ、忙しすぎて恋愛にまで手が回りませんわ」という状態になります。
親を背負いながらハードワークしてるわけですから、たまの休みは一人でゆっくり休みたいと思うものです。
となるとやっぱり恋愛は「片手間に相応しい男」ということにならざるを得ません。真剣な目で「Mさん。僕と結婚してください。」なんてやられたら「いやいやちょっとそっちまで手が回らないんですよ」というわけですもの。
ということで、恋愛は後回しにしてしまうというのがMさんの心理状態だと思います。
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例えば、Mさんのような状態の方はけっこういらっしゃって、
・親を放っておけないと思って頑張ってきた。
・父が問題児だったので母を守ってきた。
・両親の調整役として振舞って来た。
・何かと母親の精神的な面倒を見てきた。
・母が弱い人だったので自分が母役を頑張った。
・父が不在だったので母の夫役も担ってきた。
・下のきょうだいにとっては母親代わりをやってきた。
みたいな感じで「親」というか「家」を背負ってきた方も多いと思います。
もちろん、今、親を背負っているか?と言われたら「いやあ、一人暮らしもしているし、実家には帰っていないし」と思うんですが、長年の習慣ってのは恐ろしいものでございまして、「親を背負っている感覚」が残っていたり、「親の代わりに会社を背負ってる」なんてことをしてしまったりするものでございます。
そうすると恋愛は片手間になりますから、不倫にハマる、うまく行かない人を追いかける、体だけの関係の人ばかりになる、という状態になったり、そもそも誰ともお付き合いしないことを選択する場合もあります。
「なんであんたに彼氏ができんのやろね?」と思ってしまうクライアント様も多いのですが、けっこうこのパターンに当てはまることが多いんですよね。
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さて、じゃあ、どうすればいいのか?
Mさんは先ほど書いたように「家族をもう一度やり直す」ということをまずやってみるのがいいと思います。
そうした中で次のプロセスを踏んでいきます。
「自分は娘としてやるべきことはすべてやった」
「娘としての役割はもう卒業しても大丈夫だ」
という意識を持って行きます。
何ならこの意識を思い込みに変えるくらいでちょうど良いかもしれません。
「親からの卒業」をするわけです。
で、ここは実に難しいというか深いというかややこしい現象が起きておりまして・・・
まず、自分がそんなにも親を背負っている自覚って非常に持ちにくいんですね。
ふだんは筋金入りの武闘派女子としてバリバリやってるわけですからなおさらです。
むしろ意識的には男に飢えてて「男はどこじゃー。男はおらんのかー」と日夜徘徊しているくらいです。
これが習慣の恐ろしいところなんです。
しかも、親も年をとって丸くなり、以前ほど問題を起こさなくなっていたりします。
だから今は親との関係にあまり問題を感じてないことも多いんです。
すなわち「もう親からは卒業しました」と思っている方も多いということです。
でも、心の中はそうじゃないわけです。
今も親を背負っているし、心の中にいる親はいつも喧嘩ばかりしているんです。
その感覚のズレがあって、それは手放したときに初めて気付くこともあります。
例えば、Mさんも親が謝ってくれたときに「こんなにも甘えたい気持ちが自分の中にあったのか!」とびっくりされたかと思うのですが、それまではそのような気持ちを持っていることもあまり自覚なかったと思うのです。
それと同様に親を手放そうとして初めてその重みに気が付くものです。
こんなにも自分は親を背負ってきたのか。
そんなにも優先順位を一位にしてきたのか。
こんなにも親のことを心配している自分がいたのか。
未だに親を守ろうとしてる自分がいるのか。
そして、何より「自分から親を背負おうとしていた」ということに気付くんです。
だから、「もう親を助ける役割は終わり!」と宣言していくとほんとに体が軽くなっていくのが実感できます。
その一方で、「え?ほんまにええの?いやいや終わっちゃよくないでしょ?」と思う気持ちや、今まで親にぶち込んできたエネルギーが浮いちゃってどうしていいか分からなくなったり、それが自分の役割だったわけですから「一抹の寂しさを覚える」ということになったりもします。
でも、親に向けていた愛をパートナーに向けられるようにするためには、こうした切り替えがどうしたって必要なんですね。
「自分は十分娘としての役割を果たした。だからもう卒業する。」という覚悟が必要です。
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それと同時に実はセクシャリティの問題がこのテーマには付いてきます。
娘として両親を背負って生きてきたわけですから「女の私」が後回しになっています。
だから、親を手放すと同時に、自らの性と向き合うのも有効な方法です。
それで「女」をふだんから意識しながら過ごせるように日常を変えていくわけですね。
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ただ、親をそれだけ背負ってきたMさんはそれくらい愛の力が豊かにあり、人を幸せにする力を持っています。
そして、セクシャリティもたいへん豊かなのですね。
ということで、パートナーシップに関しては可能性しかありませんから、まずは娘の役割を手放す、親を手放す、というところから始めて行きましょう。
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