相手の離婚を待ちわびている方にカウンセラーはアドバイスするのか?



基本、根本は現状を変えるって提案はあまりしません。
今の状況を創り出している背景や理由、意味などをまずは読み解き、そこから手を付けていくのです。
だから、「もっといい人がきっといるから次行きなよ」みたいな友達的アドバイスってしないんです。

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ブログでは、離婚の危機の方、離婚を迫られて辛い方のお話を多く目にしているように思います。その方たちへのアドバイスとしては、「相手から距離を置いて、」「自分を高めることに一生懸命取り組みましょう、」というような内容のアドバイスが多いような気がします。(ざっくりで理解不足でしたらすみません。)

もしできれば、相手の離婚を待ちわびている側へのアドバイスというものをいただけませんでしょうか?
実は私は離婚する「予定」の方とお付き合いをしております。

周りの友達からは、もっと他にいい人見つけなよ、という王道のアドバイスをもらっていますが、根本さんからも、そのような基本に立ち返るアドバイスになりますでしょうか?
(1)そもそも相手が独り身になるまで一度別れるのが望ましいのか

(2)いつまでにちゃんとしてね、と期限を決めて様子をみるか、(現在この状態です。)

(3)罪悪感にまみれても、好きなものは仕方ない、これ以上無理!というところまでとことん付き合うか。

もちろん自分を磨くことに専念する、というのは私の場合も変わらないのかも知れませんが、相手との距離の取り方を迷っています。

先が見えないなら、罪悪感の漬物みたいになる前に離れたほうがいいのか、(その場合、寂しくて死にそうになると思いますが・・)

明るい未来を信じて一緒にいたい気持ちをつらぬく方がいいのか、
離れる寂しさが激しすぎて、彼が大好きだからか、そもそも寂しさを抱えてしまっているのか自分ではよくわからなくなっています。
もし寂しがりなら彼云々ではなく、「独りでいても寂しくない方法」をマスターするべきなのか?と思ったり・・・。

長文失礼しました。
かいつまんで何かに取り上げていただけたらと思います。

ご縁があれば、またカウンセリングをお願いしたいと思っております。
お体大事にしてください。
(Kさん)
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友達同様、王道のアドバイスってのもアリだとは思いますが、カウンセラーって少し捻くれてるので、あんまりそういう見方はしないんですね。
もちろん、「なんで不倫なんかするの!ダメじゃないの!」みたいな説教も当然しません(笑)

「なぜ、王道に反する生き方をするのじゃ?」なんてことを考えちゃうわけです。

「Kさんがそこまでして彼にこだわるのはなぜかな?」
「そういう彼のことを好きになっちゃうのはなぜかな?」
なんてことを疑問に思っちゃうんですね。

さらには、物事の見方の基本である「この状況は自分が望んで創り上げている」という観点から見ますので、
「Kさんはどうして彼に離婚して欲しくないのかな?今の状況を望んでるのはなぜなのかな?」
なんて点に興味を持ってしまうわけです。

そうするとKさんの結婚観について思索することになるんですね。
「結婚ブロックになってるのって何だろう?」

そうした点を掘り下げていきましょうってのがカウンセリングの基本なんです。

例えば「罪悪感の漬物」(←これ、いい表現ですね。頂きます!(笑))って言葉が出てきましたが、もし、Kさんが元々罪悪感が強いタイプであったとすれば、今の状況を創り出して悶絶することで自分を責めていらっしゃるわけです。
とすれば、自分を許す、とか、過去の自分を許す、というアプローチを提案していくでしょう。

罪悪感を少しでも手放すことができれば、より幸せになることを自分に許せます。
そうすると「彼じゃなくてもいいや」って思えたり、待つことが苦痛にならなくなったり、あるいは、サクッと離婚が成立して彼がこっちを向いてくれたりします。
つまり、その時は(1)~(3)の選択肢もより選びやすくなるんです。

また、もし、不倫をすること、あるいは、なかなか結婚に至らないことがKさんの育って来た環境(家庭等)に原因があるのなら、そちらに目を向けることをまずは提案するでしょう。
例えば、お父さんからの愛が全然感じられなくて今の彼が好きになっている、とか、両親が不仲でケンカが絶えず、故に夫婦、家庭に対していいイメージがない、とか、ずっとお母さんからお父さんの愚痴を聞き続けて結婚に対してマイナスなイメージが強い、とか、そういうことですね。

そして、家庭や夫婦、家族というものに対する思いをより幸せなイメージに書き換えることができれば、これまた彼じゃなくてもよくなるか、喜んで待てるか、彼がサクッと離婚して目の前に現れるか、何かが起こります。

またあるいは、昔の恋のダメージがデカすぎる場合にも今の状況は現れやすいんですね。
以前にも書いたことがあるんですけど、離婚した後に不倫にハマりやすいのはこのためですね。
つまり、もう二度とあんな苦しい思いをしたくない、とか、前の結婚みたいに(あるいは前の恋愛みたいに)何も幸せを感じられない関係は嫌だ、とか、まだまだ昔の恋の傷口から血を垂れ流しているような状態だとすれば、やはり今のKさんの状況が創り出されるわけです。

そしたら、じゃあ、その前の失恋の整理を付けていきましょうって提案をさせてもらうんですね。

こんな風にカウンセリングって(1)~(3)のような具体的な行動を提案する前に、その根拠となる背景を見極めていこうとするんです。

逆に言えば、その背景を見つめずに単純に「次の人に行けば?」なんて言えないんですよね。
だって、その原因が改善されなければ、次でもまた「結婚できない人」を好きになっちゃう可能性が高いですから。

そういう意味では私の答えってのは(1)~(3)の選択肢でいれば、「どれでもいいですよ」ってことになっちゃうんです。変な話ですけど。

どれでもいいってのは別にいい加減な意味ではなく、「今の自分に感情が一番フィットする選択をすればいい」ってことです。
頭で考えてする行動って、この場合意味ないですよね。感情が爆発しますから。

だから、寂しくて、辛くて、しんどくなることが分かってるのに「別れる!」のって、めっちゃナンセンスだと思ってます。それこそ自分いじめ!ですし、実際別れられないと思いますから。

こういう理由があるので、私は今の状況をするに変える提案(別れなさい、とか、出会いを求めなさい、とか)はあまりしない方です。

「今の状況って必要で必然でこうなってるんだから、無理に変えても意味がない。今の状況を創り出してる意味を見つめて、読み解いて、受け入れてから行動すればいい。その時はきっと今よりも葛藤は少なく、動きやすくなっているはずだから」

って感じでしょうか。

今日は具体的な話というよりもカウンセラーとしての見方、考え方のお話になりましたね。

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