すごく合う分、合わないところをすごく我慢する件。



「合う」と思うとそれが限定品となり執着心が生まれます。すると辛いことも我慢せざるを得なくなり行き詰るんです。それを手放すと自由が生まれます。でも、これ、恋愛に限った話ではないですよね。

ある女性からのご相談。

「今付き合ってる彼氏とはすごく相性がいい。センスも近いし、好きなものが似てる。
見た目もタイプだし、一緒にいてすごく楽しい。
趣味を通じて知り合ったから、当然、趣味も一緒。なかなかそんな男性は現れないから運命の出会いだと思ってた。
ところが、付き合っていくうちに彼の嫌なところがたくさん見えてきた。気にしないようにしていたけれど、だんだん辛くなってきた。例えば、自己中心的なところ。何だかんだ自分を優先させることが多い。私が病気になっても心配などしてくれずに自分の予定を押し通そうとする。それから、女性関係。浮気とまでは言わないけれど女友達がすごく多くて私に内緒でご飯を食べに行くこともある。それを追及すると『友達とメシ行くのが悪いのか?』などと言われる。彼とどうしたらもっといい関係を築けるのか?」

“限定品”ってすごく魅力を感じますよね?
「ランチ限定10食」とか「先着20名様に無料進呈!」とか「この時期だけの特別ご奉仕」とか。


こんな趣味も同じ、相性もいい、センスが近い、そんな人なんてなかなか居ない!現れない!という思いが強い分だけ、辛いところは目を瞑ろう、と思います。

それは「合う」という思いが強ければ強いほど、「我慢」も強くなります。
そりゃそうですよね。
次はないかもしれないと思っちゃいますから。
限定数が少なければ少ないほど執着してしまうのと同じです。

でも、我慢していても関係は一向に改善されることはないでしょう。余計にひどくなることはあったとしても。だって彼はそれが問題だとは気付いてないわけですよね?
また、その嫌なところを直させようとしてもなかなか難しいですね。コントロールになってしまいますし、関係性はちょっときな臭くなっていくでしょう。

一つ気付いて頂きたいのは、そんな人は現れない、という誤解を自ら解くことです。
そんな人はいないと思うのは過去の経験からだろうと思うし、周りの人の状況から判断してるんだと思います。

でも、1人現れたわけですよね?
てことは、2人目が現れても何の不思議もないと思いませんか?

ほら、台所でよく見かけるG氏にまつわる話、ご存知でしょう?
「1匹見かけたら、20匹はいると思え!」

そう、きっと彼みたいに合う人、少なくても20人はいるってことです。

まずは、「彼以外にいない」という思い込みを手放すこと。
限定品って「執着心」を強めるので、それだけでも辛いんですよね。
「彼だけじゃない」という思いを持つことで、その執着が手放せます。
そしたら、彼との関係をちゃんと見つめられるようになるんですね。

そうすると彼の嫌なところがそんなに気にならなくなることもあるんです!
意外な話でしょう?

それからもう一つ。
彼に見える嫌なところから「学ぶ」んです。

これはちゃんと説明するとすごく字数が必要になるので簡単になっちゃうのですが、あなたが彼の中で感じる「嫌」なところは、もともとあなたが自分自身に禁止しているところなんです。

例えば、今回の例でいえば「自己中心的なところ」「異性と友達付き合いをすること」ですが、ここが嫌だと感じるということは、「自己中にならないように人の意見を聞いたり、時には人の顔色を伺うこともある」ようなパターンを持っていたり、「異性とはなかなか友達になれないというコンプレックスがあるか、彼以外の男友達を切ってきた過去がある」などが背景にあったりします。

だから、私はこんな風に言うんです。

「あなたが嫌だな、と思うところを『師匠』と呼んで学びましょう」

でもそれは彼のように自己中心的になり、他の男の子と内緒でデートしろ、ということではありません。
もっと自己主張をしたり、異性に対する接し方・考え方を改善したりしてみたらどう?って言う提案なんです。

そうするともっと自分らしく生きられるようになっていきます。
つまり、もっと自分らしく彼と付き合えるようになるんですね。

そしたら「なるようになる」と思うんです。
もっといい関係になる可能性も高まるし、もっと素敵な人が現れて彼とは友達になるかもしれないし。
「今の彼ともっとラブラブになって男友達もいっぱい増えて毎日幸せ~!ってハーレム状態になるかもしれないですよ。あるいは、それから今の彼と別れてもっと素敵なパートナーが出来て、でも、今の彼とは友達から時々ご飯食べに行ったりして。もちろん、パートナーはあなたのことを信頼してるから隠す必要もなく、ね?そういう未来だってあり得るんですよね」
なんて話をします。

信じられないでしょ?
夢みたいな話に見えますか?

でも、可能性を封印してるのは自分自身なんですよね。

我慢、はそこに意味を見いだせれば「忍耐」になります。
忍耐は悪いことではありません。意味、価値、可能性を見てるから、苦しくても希望が持てます。
でも、我慢はただただ耐えることで無意味なときに使う言葉です。
だから、精神的には強いダメージを与えるし、報われる可能性は・・・けっこう低いと言わざるを得ません。

「彼とはすごく合う」という思いは単なる幻想で・・・と言ってしまうと思いを打ち砕いちゃいますが、でも、そこに執着するとすごく恋は辛くなります。

さてこの話を「恋愛話」だと思って読んで来られた皆さん。
この彼を「会社」に置き換えても文意は通るんですね。

いかがでしょうか?
皆さんの心の中にはそんな限定品を抱えていらっしゃいませんか?

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