ずっと感情を我慢して生きて来ました。



幼少期より自分の気持ちを抑圧してくると、大人になっても感情を表現すること(たとえば泣くこと)ができません。
でも、決して心は死んでいないんですね。心に意識を向けることで少しずつ溶け始めて行くでしょう。

今日はリクエストにお応えしたいと思います!

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こんにちは。私は幼少期は泣き虫で同年代や大人やあらゆるものが怖くてよく泣いていたのですが、保育園で泣き虫は鬱陶しがられるというの(同年代の男子にはあまりよく思われてなかったし当時の保育園は放任が多かったので)と下にきょうだいが3人も生まれて泣いてたら馬鹿にされる、と思って泣かないようにしてました。まあわがまま言って困らせ親からは泣いて済むと思うな、とよくぶつけられましたが。
そんな調子で数十年、そこから悔し涙はあっても、心からの涙を安心して流したことがないんです。私も泣くのは格好悪いという観念だけ残って、素直になる、ということが馬鹿にされそうで難しく感じてしまいます。恋愛や結婚に縁がないのもそうだからかもしれません。ひょっとすると幼少期からよく泣いてたのは素直な気持ちをさらけだせない辛さの環境があったからかなと思います。同級生や身内や大人のピリピリ加減が本当に嫌だったし、もう昔の環境にいた人とは二度と会いたくないくらい嫌な思い出満載ですが。祖母や叔母が亡くなったときもなぜか疲れ果てて泣けませんでした。
でも少しでも心から素直に何かを感じれば、何かが動くでしょうか?恋愛経験もないし結婚できるかも不明です。多分重たい女になるだろうと思って自分を好きになれないけれど、でもこのまま泣くのを麻痺させてもうまく人とは関われないだろう、と思うので。
(Pさん)
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リクエストありがとうございます~!

とても感受性の強い方でいらっしゃるんですね。様々な言葉からよくそれが伝わってきます。
そんなPさんが感情を抑えなければならないとしたら、ものすごくしんどかったと思います。
下にきょうだいが3人いたりするのも、親の言葉もまた抑圧に拍車をかけますよね。
「泣いたらバカにされる」と思って本当に必死だったと思うんです。
「泣く=恥ずかしい」とか「泣く=誰かを困らせる」ということで、確かに安心して泣けなくなってしまうかと思います。

そうするといつも自分自身で生きられなくなりますから、恋愛はもちろん、人間関係がうまく行かなくなっても無理ないことだよな、と思います。
つまり、ずっと「自分」を殺して「何者か」になってしまうんですね。○○用の仮面をたくさん作ってしまうかもしれません。

昔、「私は人形だと思って生きてきた」とおっしゃった方がいました。
もしかしたらPさんはそれに近い感覚だったかもしれませんね。

おばあちゃんやおばさんが亡くなられたときに涙ではなく、疲れて果ててしまうのもきっと悲しみや寂しさを抑圧する癖が付いてたからではないでしょうか。
感情って抑圧するとすごくしんどいし、疲れるんです。
それがPさんには癖になってしまうから、抑えてるって実感なく疲れが来てしまうのかな、と思うのです。

さて、

>少しでも心から素直に何かを感じれば、何かが動くでしょうか?

と書いてくださっていますが、そう、その通りだと思います。
実際は本当は今もPさんは何かを感じ続けています。
ただ、それを意識しないようにフィルターをかけているような状態です。
だから、少しでも意識を「感じる」という方に向けて、自分なりに心に意識を向けてみると少しずつその塊が溶けて行くと思います。

でも、最初に出てくるのはあまりいいものではありません。
怒りや悔しさや辛さや寂しさ等、ネガティブな感情がわんさか出てきます。
(なぜかと言うと、感じたくなくて抑圧する感情の多くがネガティブなものだからです)

でも、それは変化が起き始めたデトックスの時期なんだ、と前向きに捉えて頂いてその状態をしばらく続けてみてください。

今でもPさんは周りの人の気持ちをちゃんと感じ、その機微を追いかけられる繊細なセンサーをお持ちです。
だから、そのセンサーを有効に使うことが出来れば、きっと人との関係性がぐっと楽になると思うんですね。
今までのように闇雲に気を遣ったり、自分を隠したりしなくても済むわけですから。

そして、「泣く」ことも大切なことですが、それよりも感覚的でもいいので、心や体の変化に意識を向けてみてください。
感情を強く抑圧されてきた方は、涙が出る前に胸が痛くなる経験をされる方も多いんですね。
また、お腹が苦しくなったり、圧迫感を胸に感じたりすることも多いんです。
「感情を体で感じる」という状態です。

また、涙が出始めても最初は安心してたっぷり泣くことはなかなかできません。
今までずっと我慢してきたので、なかなか体が反応しないんですね。
だから、目に涙が浮かぶだけ、スーッと涙が流れるだけなんて状態が続くかもしれませんが、それもOKです。
大人になると誰でも子どもみたいには涙を流せないものですから。

そうして少しずつ自分の心と向き合っていくと徐々に変化が生まれていきます。

ぜひ、自分にそのチャンスを与えてあげてください。
正直に、素直に感情を感じてもいいよ、大丈夫だよって。
もう戦争は終わったんだ、もう平和になったんだ、というくらいのつもりで。

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