“恥ずかしさ”という“防衛”

恥ずかしさは自分を隠し、気持ちを隠す隠れ蓑のような役割を示します。
そうするとあなたの本音は全然伝わらず、むしろ、誤解されることも多くなるのです。
そんな恥ずかしさと、それを克服するエクササイズもご紹介しています。

以前、ある男性からこんな話を聞いたことがあります。
彼女を驚かせようと思って、待ち合わせ場所に花束を持って現れたんです。そんな荷物になってもあれだからそれほど大きくないサイズにしたんですね。
喜んでくれるだろうな、と思ってバッと彼女の前に「どうぞ!」って差し出したら、彼女、急に怒りだしちゃったんです。
「今からデートなのに荷物になるじゃないの!それに早めにお水あげなきゃしおれちゃうし、今から食事に行くのに!」
彼は目が点になりました。

また別の時。特に記念日という訳ではないけれど、仕事帰りに彼女と待ち合わせして、普段はなかなか行けないちょっとリッチなレストランに彼女をエスコートしたそうです。
これもサプライズですね。たまには洒落たところで喜んでもらおうと思って。
そしたら、そのレストランの前まで来た時、また彼女は怒りだすんです。
「なんで事前に言ってくれないの?今日はふつうのデートだと思ってたから、ふつうの服で来ちゃったじゃない!こういう店に来るなら、それなりの恰好してたのに!」
結局彼は店に事情を説明して、席をキャンセルしてもらうことになりました。


この例は極端な事例でしょうか。
女性からすれば「なるほど」「確かに」と彼女にも一理あり、と思われるかもしれませんね。

皆さんは好きな人から目を見て「愛してるよ」と言われたらどう反応します?
また、大好きな人の目を見て、素直に「好き」を伝えられますか?
あるいは、好きな人ができたら、素直にその人に近づき、気持ちを伝えられますか?

“恥ずかしさ”というのは日本人の特徴の一つだそうです。
“恥じらい”って大事ですものね。萌えますしね(笑)

しかし、それがアダになってしまうことも意外と多いんです。

冒頭で紹介した事例の彼女。
「花が荷物になる、しおれる」「こんな服じゃこの店に入れない」
確かにそうだと思います。けど、それが本音じゃないんですよね。

「恥ずかしくて、彼の好意が受け取れない」わけです。

荷物になるなら彼が持ってくれるでしょう。
ふつうの店なら、彼らが滞在している間に花がしおれないように水を出してくれるでしょう(むしろ、それがテーブルをいい雰囲気に演出してくれたり)。
服やアクセサリは確かに重要なアイテムですが、彼が案内したのはドレスコードが気になるような格式ばったレストランではなかったそうです。

彼はとても落ち込んでいました。
彼女を喜ばせようとしただけなのに、そんな結果になってしまって。

「めちゃくちゃ恥ずかしがり屋なんですね」と伝えたのですが、「それは分かるんですけど、やっぱりその態度はちょっと・・・」と俯いてしまうんですね。

そんな極端な事例でなくても、例えば、ある人は「好き」って彼に伝えるのが恥ずかしくて、あまり愛情表現をしませんでした。でも、心の中では大好き!と思っていて、好きと言う言葉は言わなくても、自分の行動からちゃんと気持ちは伝わってると思っていました。
でも、ある時彼から言われます。
「俺のこと、そんなに好きじゃないんでしょう?だから、別れよう」
ものすごくショックです。目の前が真っ白になってしまったそうです。
「違う、違う、本当は大好きで」と一生懸命伝えましたが、彼は「え?全然分からなかった」と冷たく言われ、結局彼の心は戻ることがありませんでした。

直接伝えるのが苦手ならば、メールやお手紙で好きな気持ちを伝えられていたらまだマシです。
でも、恥ずかしがり屋さんの場合は、「好き」と言わないだけでなく、態度もツンデレになってることが多いので(デレのないツンツンな場合も多いけれど)、自分が思う以上に気持ちが伝わってないことが多いんですね。

内面にはとっても熱い思いがあるのに、それをクールなガラスでコーティングしてしまっているような感じです。

もちろん、この恥ずかしさはビジネスや親子関係、子育て始め、あらゆる対人関係に影響していきますよ。

「君は恥ずかしいから好きって言えないんだよね。でも、気持ちは伝わっているよ」とか、そういうセリフを吐いてくれる彼ならいいんですけどね。

だから、恥ずかしがり屋さんは、ちょっと気持ちを伝えることには意識的に取り組むことが大事なんですね。

その場では恥ずかしくて固まってしまったとしても、後からでもいいんです。
好き、ありがとう、嬉しかった、と言う気持ちを伝えるんですね。(メールでも可)
さらには「恥ずかしくて固まってしまった」とか「恥ずかしいから何も言わないんだけど、何も思っていないわけじゃないからね」とか言い訳になりますけど、ちゃんと本音を伝えた方が相手は嬉しいです。

少し勇気を出して気持ちを伝えるくらいでちょうど良かったりします。

日本人が恥ずかしがり屋が多い、ということは、そういうカウンセリングやセラピーもよくやっている、ということです。

皆さんもちょっと意識して取り組んでみませんか?

・職場の同僚や友達に、意識的に、「感謝」を伝えてみる。
 「いつも私の仕事を手伝ってくれてありがとう。すごく感謝してる」
 「いつも私の話を聞いてくれてありがとう。○○と友達でいられることが嬉しい」

・同じく、職場の同僚や友達を、意識的に、「褒めて」みる。
 「○○さん。ほんと、作業が早くなったよね。すごい成長だよ。」
 「○○ちゃん。ほんといつも笑顔が素敵で、優しくて。とても魅力的で憧れてます」

・コンビニやスーパーの店員さん、マンションの管理人さん、職場の守衛さんなど、よく行く場所、よく顔を合わせる人の「目を見て」「ありがとう」「おはよう」を伝える。

・ドレッサーの鏡を見ながら、笑顔のトレーニングをする。

・スマホで笑顔を自撮りする。

・この服ちょっと恥ずかしいかな、という服を敢えて選んで着る(周りの視線を感じる)。

・デキる女(男)を意識的に演出して一日を過ごしてみる(みんなの注目を感じる)。

もちろん、カウンセリング的には「恥ずかしさの原因」を見て行くこともできますし、また、そんなトレーニングもできるのですが、まずは、ご自身で試してみてください。

恥ずかしさを少しでも克服できたら、すごく楽に、生きやすくなりますし、何よりも自分の気持ちが伝わりやすくなりますね。

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