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感受性が豊かな人で優しい人は、つい相手のペースに合わせてしまうもの。
波長が合う相手ならばいいけれど、そうでないとうまく話が噛み合わずに頭の回転が悪いように思えてしまうのです。
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「私、頭の回転があまり良くないので、夫に何か言われてもすぐに言い返せないんです」
というお話をよく伺います。
皆さんもそういう思いをしたこと、ないでしょうか?
パートナーの理路整然とした話に何も言えなくなったり、その語気に押されて反論できなかったり。
もちろん、自信がなくて、不安だから、何も言えない・・・とか、何か言ってもきっと分かってもらえないから諦めてしまう・・・とか、そういう場合もあるでしょう。
ただ、頭の回転が良くないから・・・というのは「本当なのかな?」と思ってしまいます。
実のところ、頭の回転が良くないんじゃなくて、お互いの波長が合ってないのですね。
ああ、でもショックを受けないでください。ほんとうによくあることですから。
冒頭の話をしてくれる奥さんも、たとえば、友達だったり、家族だったり、波長の合う人との会話はポンポンできたりします。
いわば、言語が違うようなもんなんですよね。
私は英語が苦手なんだけど、彼は英語でどんどん話してくる・・・みたいな。
それで、うまく上手にキャッチできない上に、ちゃんと英語を分からなければだめだと思ってるので悩んでしまうんです。
それに感受性が強い人は相手の感じてることを上手にキャッチしてしまうので、つい、相手に合わせてしまうんですよね。(これはほとんど無意識に行われるので自分でそう自覚していない人も多いようです)
それは優しさでもあり、相手を尊重する意識でもあり、とても長所なのですが、波長の違う人(ケース)の会話では自分を見失い、何も言えなくなったり、言いたいこと言えなくなったりするのです。
つまり、相手が論理的なタイプなら、自分も論理的に話さなきゃって思うんです。
つい、相手の土俵に上がってしまうわけです。
そりゃあ、うまく行かないですよね。
英語が苦手な人が英語で何とか話そうとしてるのに、相手はふつうに話をしてくるようなものですからね。
感受性が強いタイプの人、女性に多いですね。
理路整然、男性に多いですね。
だから、よくそんな話を伺うんだろうと思います。
感受性が強い人、感情が豊かな人は、心で感じていることを言葉に“変換”するのに少し時間がかかるんです。
英語が苦手な人が、まず日本語を思い浮かべて、英語に変換するように。
そして、感じていることが大きかったり、繊細だったりするので、うまく言葉にハマらないんです。
「この気持ちってなんて表現したらいいんだろう?どう言えばいいんだろう?あれも違うなあ、これも違うなあ。うーん。」
と頭の中でぐるぐるしてしまうんです。
だから、そういうときは「頭の回転が悪いから」と自分を責めちゃうのではなく、お互いのテンポ、波長、ノリ、言葉が違うだけと気付いて、一旦停止し、自分のペースに落としてみるとうまく行きます。
そういう方に覚えて使ってもらいたい言葉は
「ちょっと待ってね」。
そして、深呼吸。
で、自分の気持ちに合う言葉を探して声に出してみるんです。
勇気要りますよね。
だから、まずは深呼吸から始めてもいいです。
相手に合わせなくてもいい、ということです。
むしろ、相手に合わせるからうまく行かない、のです。
相手がイライラしてきたら
「イライラさせてごめんね」
と言っていいんです。
そうして、自分が話すときには自分のペースを掴むようになると落ち着いてきます。
もちろん、それは話を聴いているときから同じです。
相手のテンポに合わせようとするのではなく、自分のペースを意識してみましょう。
難しいでしょ?
そう、ある程度、トレーニングが必要なんです。
だから、今日からできなくても大丈夫。
しばし、「自分ペース」に戻る練習が必要です。
ご主人との会話だけでなく、職場でも、テレビを見ながらでも、「自分のペース」を意識してみる練習をしてみてください。
そう、英会話教室に通うつもりで。
波長が合わない人とも“それなりに”会話が楽しめるようになります。