桜がきれいですね。なんでこうホッとするんだろう・・・と思いつつ、以前から書きたいのに、なかなか文章にできなかったことをお話して行こうと思います。
それが今日のテーマ。
たとえば、「今まで賃貸に住んでいた夫婦が新築のマンション(または一戸建て)を購入。すると、1年も経たないうちに夫婦関係に亀裂が入り、大問題に発展する・・・」
そういうお話を不思議と幾度と無く耳にしています。
実は私たち夫婦も離婚の危機を迎えたのは、以前住んでいたマンションを購入して1年経たない頃でした。
その危機は何とか乗り越えたんですが、そういう出来事があったもので、似たようなケースには過敏に反応してしまうんですね。
「どうしてなんだろう?」ということを考えてみました。
ちなみに私たち夫婦は一度、住み替えをしてますが、2回目の住宅購入の際は、そこまでの危機は迎えませんでした。
やはり、最初が肝心みたいですね。
「家を買う」「家を建てる」ということが心理的にどのような影響を及ぼすのかというと、シンプルに言えば「逃げ場が無くなる」と言うことだろうと思うんです。
「家を買う」
→「そこに当分の間、もしくは一生住むことになる」
→「この景色、この環境にずっと居続ける」
→「え?それって束縛みたいじゃない?いやだ。自由が欲しい!自由になりたい!」
→「じゃ、離婚しましょう」
『安定』って魅力的なものですが、一方では『変化が無い』とも言えますよね。
そうすると、安定的な関係を求める一方で、情熱的な関係性を求める自分がいると、結果的に“安定を嫌う行動”に出てしまうんです。
もちろん、注文住宅で自分の思い通りに設計された家で、私が好きなように家財道具を仕入れた家だったとしても、この問題は起こりえます。
情熱の女/男ほど、退屈を嫌います。
すなわち、「ここでじっとしてなさい!」と言われると反発したくなるんです。
その結果、家を買うと夫婦関係に危機が訪れやすくなるのです。
*
また、別のケースでは、『安定』がもたらす心理的効果にも注目しておく必要があります。
安定した関係は同時に、それまで溜め込んでいた不平不満を浮かび上がらせることが少なくありません。
皆さんも「わがまま言ったら嫌われるかもしれない」と抑えていた気持ちが、「もう嫌われない」と分かった時点で噴出してくるのは想像できますよね?
家を買うことで安定し、「もう私たちは別れられない」と感じられた瞬間に、「じゃあ、言わせてもらうけど!」とそれまで溜め込んでいたものが吹き出てきてしまうのです。
だから、家を買ったとたん、喧嘩が増えた、なんてことになったりするんです。
(もちろん、同様の意味で結婚したとたん、彼の人格が変わった、とか、喧嘩ばかりするようになった、も同様です。)
*
さて、どうしたらいいのでしょう。
新たなヴィジョンが必要なんです。
夫婦の新たな、とてもワクワクする、素敵な、垂涎のヴィジョンが。
新しい家に住んで、こんなこともしたい、あんなこともできる、という夢をより具体的に描き、それを実現していくことにコミットしましょう。
家を買うことを「ゴール」にしないことがポイントなのです。
それはあくまで通過点。
そこから何を創っていくのかにエネルギーを注ぎ込みましょう。
もちろん、もし、家を買うことで、隠れていた不満が出てきたり、今まで自分でも気づかなかった自分が出てきたりしたら、それを解放してあげることもとっても大切です。
それはよりあなたが魅力的になるプロセスになります。
私がかつて、今住んでいる家を探していた頃のことです。
私にとっては2回目であり、子どもの成長していくので、とても長期に渡って住む家を探すつもりで、かなり慎重に、神経質になっていたんです。
そのときある人は、こんなアドバイスをくれました。
「人生で3回家を買うつもりでいなさい。今回2回目だから、あと1回ある。だから、終の棲家を探すとか、子どものための家を探すとかではなく、あくまで通過点。それに、今が人生のピークならいざしらず、まだ成長する余地があるとしたら、そんなに肩肘張るのはもったいない。これからの人生どうなるか分からないんだから、とりあえず2、3年住める家を探すくらいのつもりでいなさい」
そんなニュアンスでした。
一気に肩の力が抜けたのをよく覚えています。
より素敵な、垂涎のヴィジョンを描き続けましょう。
それが答えのような気がしています。