スーパーおかんを持つ悲劇とその才能~すごい母が基準となってしまったことで起こる問題とその解決について~



スーパーおかんを持つ娘はけっこう大変なんです。
仕事も家庭も育児も完璧にこなしても「母にはかなわない」と思ってしまうから。
だから、自己肯定感は地を這うことになるんですが、やってることってすごいことが多いんです。自分がそう思えないだけで。
つまり、隠れた宝物を大量にお持ちの方でもあるんですよ。受け取れないと思うけど笑。

仕事も家庭も育児も完璧にこなすスーパーウーマンを指向する女性はたいてい次の2つのパターンに当てはまるものです。

1)そのおかんがまさにスーパーウーマンである。
2)おかんが見た目上弱かったので強くなければならなかった。

今回の本に登場する井長芽依(いちょうめい)氏は典型的な1)のパターンです。

本には書けなかった心理的背景を今回は紹介していきたいと思います。

2)については直接触れていないのですけれど、2)は母を反面教師にしたものですので、心理的にはとても近いんです。

だから、2)のパターンを持つ方も参考になるかと思います。

つまり、1)の方は、母が右、と言えば、右に行き、2)の方は、母が右と言えば左に行ったと言えるんです。

「母」というのは「娘」にとって欲も悪くも「見本」であり「将来像」であり「基準」になる人物です。

そうすると「スーパーおかん」を持つ娘はそれだけでハードモードの人生を送りやすくなるのです。

人前で緊張したり、焦ったり、自分を出せなかったりするのはスーパーおかんの影響が大きいからじゃない?

ほんとの問題はそれじゃないかもよ?~お金の問題と思っていたらスーパーおかんからの愛をもっと受け取れ!という問題だった編~

スーパーおかんを持つ悲劇 & 引きこもりの怒りで相手を攻撃するパターン

スーパーおかんを持つ苦悩

「それくらいできて当たり前」

スーパーおかんを持つ娘は何に対してもこの思いがデフォルトになるものです。

朝、家族のだれよりも早く起きてご飯の準備をします。
ちゃんと出汁も前日から準備しているし、健康に気を配って鮭を焼いたり、卵焼きを巻いたり、もちろん、旅館の朝飯か!くらいに美しく配膳されるのです。

「だって、うちのおかんがそうしていたから」

家族が起きてくる間にメイクを済ませ、スーツを着て出撃態勢を整え、子どもたちの準備を手伝いつつ、「さっさとご飯食べて!」と促します。

朝食の片付けもサクッと済ませて子どもをチャリに乗せて保育園にダッシュし、その勢いで駅から電車に乗ります。

「まあ、それくらい当たり前でしょ?」

職場に到着すればバリキャリとして仕事をこなします。

時短勤務して子どもを迎えに行くよりも、フルタイムで働いて延長保育代を払う方が得だと気付いてからは思う存分仕事に打ち込めるようになりました。

昼休みも基本、仕事モードです。
残業ができない分、昼休みを削って仕事をすることでより充実感を覚えるようになりました。

後輩女子からは「憧れです!」と目をハートにされ、同僚からは尊敬の眼差しを向けられ、上司たちからは恐れおののかれるスーパーウーマンになるわけです。

「これくらいできなきゃダメだから」

ダッシュで保育園に子どもをピックアップしに行き、家に帰れば晩御飯の準備です。
週に1度、食材を配達してもらっているので買い出しは週末に足りない分を補うだけ。

忙しいからって家族の健康のために手を抜きません。
おかんが出来合いのものを嫌っていたので、彼女だってお惣菜もすべて手作りしますし、冷凍食品は緊急時を除いて使いません。

そして、夫が帰宅して子どもの相手をしてくれている間に料理を仕上げ、家族そろって食卓を囲みます。

「それくらいは誰でもやってるでしょ?」

育児にも手を抜くことはありませんから、食後は食器の片づけを夫に委託して子どもとおしゃべりしたり、遊んだりします。

子どもと過ごせる貴重な時間ですから、すごく大事な時間。
そして、1日の疲れが癒される時間でもあります。

・・・が、子どもはそんな思い通りには行きませんから、あれこれ駄々を捏ねられてイラっとしてつい怒ってしまうこともあるでしょう。

「ダメダメ、ちゃんと子どもと同じ目線で叱らなきゃ」

育児系のサイトに課金しているので、その教えを忠実に意識しているものです。

そして、子どもと一緒にお風呂に入り、ベッドに横になります。
添い寝ついでに寝てしまうこともありますが、できるだけ頑張って起きようと思います。
夫婦の時間も大事だと思っているからです。

子どもを寝かしつけた後は夫との時間。
子育てのためにも、また、家族のためにも大事にしています。

「おかんはここで失敗したから」

スーパーおかんになるほどですから、たいてい父親は存在感が薄いか問題児であることが多いものです。

だから、家事育児仕事では母にかなわないけれど、夫婦関係でなら勝ち目はあると思っています。

夫とは子どものこと、仕事のこと、将来のこと、いろいろと話をしたいと思います。
最近の夫は頼りないけど優しいことが多いので、そんな妻に付き合ってくれますし、尊敬もしてくれています。

そして、レスは夫婦関係にとって危険なサインだと知っているので、疲れて眠たいときも頑張ってしようと思います。

そうして、日付が変わろうとする頃にようやく床に就きます。
もちろん、水を張った鍋に昆布を浸けとくことも忘れてません。

「それくらいできて当然。むしろまだまだできてないことが多いくらい。」

自分をほめるよりも反省会が開かれるものです。
そうして気が付けば眠りに落ちているわけです。

基準が「おかん」なので、おかんがやっていたことはできなきゃいけないし、できて当たり前だと思い込んでいます。

周りの人たちは彼女をすごく評価するんですけど、母が基準になっている彼女にはその言葉は響きません。

むしろ、できてないところばかりが目に付きますし、むしろ、ことあるごとにいかに母がすごいかを思い知らされるほどなのです。

だから、そんなにも頑張っているのに自己評価は下がることになります。

ここで気づいておきたいのはあくまで「子どもから見た母の姿」を見ているってことです。

例えば、スーパーおかんを頑張りつつ、こっそり手を抜いていたとしても子どもとしては気づけないし、ネットがまだなかった頃の時代で今ほど情報に踊らされることがなかったことにも気づいていないかもしれません。

ただ「なんでも完璧にこなす母」をずっと見てきて、そうならねばならないと強く思い込んでいるがゆえに、自分自身に過剰なハードルを課してしまっているわけです。

ここには「期待」が隠れています。

完璧な母は自慢の母だったはずです。
そして、尊敬しつつ、また、「期待」もかけています。

「常に素晴らしい母でいてほしい」

その期待が結婚を機に自分に降りかかってきているわけです。

もう一つはその母からの期待。

娘、特に長女であれば、母は自分自身を娘に投影し、自分と同じように振舞うように期待します。

だから、厳しく躾けられたり、教育ママだったりして、思春期には反抗期もそれなりにあったかもしれません。

ただ、その一方で、そんなすごい母親に期待されることに喜びも感じていたはずです。

だから、頑張ろうと思うし、実際に成果も残してきたと思います。

傍目から見たらしんどそうな関係ですけど、それが当たり前の環境で育った自分としては「そんなもん」と思っていますし、頭が良いものですから、いろいろとうまく理由をつけてしんどいことも受け入れようとするんです。

とはいえ、母はずっとすごい人ですし、その母と比べれば自分は下だと思ってしまいます。

つまり「競争」がやはり隠れているのです。

だから、この競争心は他人に投影されるんですね。

それでずっと誰かと競争し続ける人生になるものです。
同級生はもちろん、先輩、後輩、友達だってそう。
恋人ができれば間違いなく強い競争心をむき出しにしてしまいます。

全然子どもを褒めないスーパーおかんも多いですが、仮にあれこれ褒めてくれたとしても素直には受け取れないものです。

だから、ずっと自己肯定感は低空飛行します。

そんなにもすごいことをしているのに、結果だってたくさん残しているのに、彼女を支持する人たちもいっぱいいるにも関わらず、自分に自信がないんです。

母には全然敵わないからです。

だから、「母に認められたい」という潜在的な欲求を持ちます。

母の存在があまりにも大きく、そして、母も娘に期待していたがゆえに、時には心理的な癒着を起こしていることもあります。

しかし、少なくとも「娘は母に執着している」のは確かです。

「母が認めてくれたら自分を認めてもいい」
「母が褒めてくれたら自身を持ってもいい」
「母が止めてくれるまで、自分は走り続ける」
「母がもう頑張らなくてもいい、と言ってくれたら、頑張ることをやめられる」

ふだんはそんなことは意識しないけれど、潜在意識ではずーっとそんな思いを背負っているんです。

だから、他の誰かが褒めてくれてもダメなんです。母が褒めてくれなければ。

それゆえ、このパターンにハマった方はたいてい破滅に向かって走っています。

体も心も丈夫な方が多いですけど、それで逃げ切れるほど人生って短くないんです。

早ければ、思春期の反抗期に爆発して母と対立し、自立していきます。
が、人によっては30代、40代まで頑張っちゃうことも多いんです。

そして、人からの期待、自分自身への期待を思い切り背負い込んで、どこかで限界を迎えるわけです。

それは夫や彼氏からの「君にはついていけない」という別れ話だったり、健康診断で見つかった婦人科系の疾患だったり、燃え尽き症候群だったり、子どもの反抗期だったり、その母の病や死だったり。

「母にしか自分を愛させないと決めている」

それを手放し、「受け取る」ということ、すなわち「女性性」が問題解決のカギになるのです。

だから、本の中では芽依さんにたくさんの「女性性」な課題を出すことにしました。

サボったり、弱音を吐いたり、セクシーな下着を身に着けたり、自分をかわいいと思ったり、おそらく屈辱的かつ抵抗ありまくりの課題ばかりでしょう。

花を絶やさないことは簡単にできると思うけど、甘えるとか委ねるとか頼るなんてタブー中のタブーになると思います。

一般的にこのタイプの女性は「ふつうにしていても」バランスの良い、魅力的な方であることが多いです。

いろいろあったとはいえ、母親からきちんと躾けられているために「品がある」ことも多く、それだけ頑張り屋さんなわけですから「人望がある」のがふつうです。

母が基準で、母も一応女子なわけですから、自然と女子受けするふるまいを身に着けているのも特徴です。

そして、母が父親を蹴散らしていたわけですから、男子たちを下に見ることも得意です。

それゆえ、女子たちの支持率は抜群に高くなり、「男?いつでも倒せるわ!」という気概ゆえに男子たちからは恐れられる存在になるものです。

男子たちと対等以上に振舞うことができるものですし、男尊女卑の環境は猛烈に嫌悪するんです。

だから、けっこう人気者ですし、意外と女子ですし、かわいい部分もいっぱい持っています。

だから、自己肯定感をあげるためのネタは掘ればどこからでもザクザク出てくるんですけどねー。

だから、「受け取る」ということが生涯の課題となります。

けど、それができるようになるとだいぶ人生、楽になります。

頑張り屋さんなのは間違いないけれど、テキトーに手を抜いて振舞えるようになるし、それまでの鍛錬のおかげもあって、なんでも器用にこなせるものですから、けっこう人生を楽しめるものです。

カギは「受け取る」ということ、つまりは女性性。

そこではとある“夢”があります。

スーパーおかんが成し遂げられなかったことって何だと思います?

それを娘として実現してあげたいと思いませんか?

あの母から自分に託された夢や希望を受け取るということがほんとうの課題かもしれません。

「ひとりで生きちゃう武闘派女子が頼って甘えて幸せになる50のトレーニング: 「頑張らないこと」を頑張りたいあなたへ」(小学館)

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スーパーおかんを持つ悲劇〜完璧主義、自己肯定感低し、抱え込み症候群、頑張りすぎ〜


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