スーパーおかんを持つ悲劇 & 引きこもりの怒りで相手を攻撃するパターン



今日は2つの主題を絡めています。
デキのよい完璧なお母さんを持つと娘は苦労するよね?という話と、引きこもりの怒りのパターンで相手をコントロールしようとする心理について。

根本先生

こんにちは
毎日、ブログを楽しく拝読しています。

母との関係で衝撃的な発見があったので、先生にメールをしてしまいました。

私の母は、グレートマザーのような人です。
頭が良く、先の先まで考えて準備をします。
自己犠牲的です。

私はそんな母のようには出来ません。
頑張ろうとしたこともありましたが、力が足らなかったり、体調を崩したりしました。
もう無理ーと、“ちゃんとしなきゃ”という思いを手放す方向に向かっています。

頑張り屋の母は、ただ今、絶賛、母方祖父母の介護中。そして、不満をいってもない祖父母に「すいません」「トロくてごめんなさい」と繰り返しがらお世話をしています。それの様子が私は怖い、、、逃げたくなります。
手伝おうと思っても、母のプランや望ましい完成度があり、私にはそれが分からないし、そこまで完璧にできません。結果、母をイライラさせたり、二度手間をかけさせることになってしまします。
そうすると、母が少しでも休めたらと思ってしてるのに!と腹が立ち、「頼ってもらえない」とがっかりし、「すいませんでした」など、母がいつも使う言葉を返してしまいます。
が、、ハタと、「自分が良いと思うように相手が動いてくれないと私は怒っている。謝ることで相手を攻撃してる?」と思い、衝撃が走りました。
衝撃が走ったものの、これをどうすればいいのかわからない、迷子になっています。
もっと素直に母と接したいとは思っています。

長文になってしまいすいません。
根本先生が皆様のメールに丁寧にお返事されているのを見て、メールしちゃいました。
ネタになりそうであれば、ネタがてらコメント頂けるとうれしいです。
(Tさん)

そういう気付きが素晴らしいんです。
どうこうしなくても、それに気付いたことがすごいんです。

「ああ、私はそう思ってやってきたんだ」と思うだけでいいですよ。
そこで、何かしようとするとたいてい混乱を招くだけです。

さて、元々武闘派女子の一派には「スーパーおかんを持つ悲劇」という大好評シリーズがあります。(なのでTさんも立派な武闘派ですね(笑))

同じ女子としてついつい比較・競争してしまう母が、人格的、あるいは、性格的、あるいは、外見的、あるいは、行動的、あるいは、武闘派的にものすごくデキる人だと、勝手に敗北感、無力感、劣等感、無価値感、そして、惨めさ、虚しさ、罪悪感がてんこ盛りになるというパターンです。

ちなみにTさんとほぼ同じ体験をされたFRさんの話が出てくる本があります。

これです!

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

もう読んでくださいましたでしょうか???

Tさんの話に共感される方にはもれなく響きまくると思いますのでお勧めです。

ちなみにこれが今日、一番お伝えしたかったことなので、後はテキトーに流したいと思います。はい。

Tさんもお母さんに対して劣等感や無力感をひしひし、ひしひし、ひしひし感じてますよね?

お母さんを楽にしてあげたいのにできない私。
お母さんみたいに心が広くない私。
お母さんみたいにちゃんとできない私。

そうしたパターンにもすでにお気付きなのがTさんの素晴らしいところで、それを手放しつつあるのもステキです。

うまくやってらっしゃるんですよ、ほんとうに。

>もう無理ーと、“ちゃんとしなきゃ”という思いを手放す方向に向かっています。

そうそう、ほんと、それでいいんです。

お母さんと同じことをしなきゃ!と思うと体壊しますし、あまりうまくいかないものです。

だって「お母さんはお母さん、私は私」ですもんね。そう、自分軸。
違う人間なんです。
似てるところもあるけれど、違うところだっていっぱいあります。
別人なんです。

また時代背景もあります。
お母さんの時代は正しかったこやり方が、今の時代には合わないこともあるんです。

性格の違い。
時代の違い。

だから、同じようにできなくて当然です。

だけど、私たちはついついお母さんのようにやらなきゃって頑張ってしまいます。
母親が女性にとっては「大人の女性のモデル」で、ずっとその背中を見て育ってきましたから当然です。

お母さんはお母さんで素晴らしい。
けれど、私は私で素晴らしいんだ!

これを思い切り自覚されることを推奨いたします。(こういう時、根拠はいりませんので)

なぜ、そんな風にお母さんを追っかけて来たのか?
なぜ、お母さんと同じようにしたかったのか?

そこには「愛」があるのです。

お母さんのことが大好きで、愛しているから、あんなふうになりたい、と思うのです。
もちろん、今ではそんな自覚はあまりないかもしれないけれど。

Tさんがお母さんを助けたいと思うのももちろん愛ですね。

それだけお母さんのことを愛していることを実感されてますか?

それに気付くだけでもいいんです。

何もできなくても、何かしなくても、愛があることを認めれば大丈夫です。

そうすれば素直に接することができます。

>が、、ハタと、「自分が良いと思うように相手が動いてくれないと私は怒っている。謝ることで相手を攻撃してる?」と思い、衝撃が走りました。

そうなんですよね。
実は怒りの表現のひとつにTさんが気付いた方法があるんです。

怒りって「こらーっ!何しとんじゃー!!」と熱く燃え盛るものもありますが、それだけじゃないんです。

日本人が得意なのは「引きこもる」という怒りの表現。我慢する、と言ってもいいですが。
黙って心の中で怒りの炎を燃やし続けるやつです。

そして、そんな引きこもりの怒りの態度は時に「慇懃無礼」な形で出ることがあります。

「はい。私が悪うございました。申し訳ありませんね」
「すいません。私の力不足でご迷惑をかけてしまいました」
「はい。大丈夫です。あとの処置はこちらでさせていただきますので。」

この文字だけ読めば丁寧な謝罪の言葉、配慮の言葉なのですが、その裏に「怒り」が隠れていることがあるんですね。

むしろ、そうして相手に罪悪感を感じさせて、相手を思い通りにコントロールしようとする策略が隠れていたり、そうして先に謝罪することで相手に攻撃させない防衛的な戦略を隠し持っていたりするのです。

もしかしたら、お母さんもそうなのかもしれないですね。

怒りを面に出すと揉めるし、めんどくさいし、空気も悪くなるし、しんどいです。
それを「私が悪いということに収めておく」ようにすることで、その場は穏便に済ます一方で、何なら相手に罪悪感を感じさせて以後、自分に気を使わせようとする方法です。

こういうことって皆さん、ちょくちょくやってしまいませんか?
私もときどきやってしまうんですが。

本当に申し訳ないと思って謝っているのか、あるいは、自分が下手に出ることで相手に罪悪感を感じさせるという攻撃をしているのか、これはなかなか見分けがつきません。

でも、自分は知っているんです。
でも、気付かないふりをします。

そして、時にはそれに慣れっこになっていて、怒りがマヒしてしまい、そのやり方を頻繁に使うようになります。

ところが、この方法はある種の危険を伴います。
怒りを肚の中に溜め込むことになるのです。
それは時に自己攻撃となって、自己破壊的な行動を採らせます。
あるいはその怒りを解消するために、アンダーグラウンドを必要とします。

こういうタイプの人は一見「いい人」「優しい人」「温厚な人」「心の広い人」として周りから認知されますから、この怒りでドロドロした内面なんてとても出せなくなります。
もちろん自分自身でも清廉潔白ないい人でいたいと思ってます。
だから、表ではその怒りを解消できずにアンダーグラウンドを必要とするんです。
お酒に走ったり、甘いものがやめられなかったり、セックスに依存したり、浮気したり、風俗通いをしたり。

そうして自分自身を自ら傷つけることになるんですね。

ただ、だからといって熱くほとばしる怒りを出せるようになれ!とは言えません。
それもまたその人のキャラだから。

だから、そういうパターンがあり、自分が怒りを溜め込みやすいことを知っておくことがとても重要なのです。

これもまた「自分を知る」ということのひとつです。

そして、安全な場所で怒りを吐き出すようにすればいいのです。
例えば、信頼できるカウンセラーさんに話を聴いてもらうのもありでしょう。
また、御恨み帳にガンガン思ったことを書き出すのもいいでしょう。

もちろん、怒りを封印してきた人はすぐにそれを表現することは苦手なはずです。
だから、すぐにはうまく行かないのですが、それは当たり前ってもんです。
徐々に慣れてきますから、しばらく継続してみてください。

しかし、そうした態度を採る人もやっぱり愛の人なのです。
お母さんへの愛があったように、Tさんも他人に対して愛情深く、優しい性格であることは間違いありません。

その怒りに気付いたとしても、何ら、Tさんは否定されるべきではないのです。

ああ、自分の中にもそういうブラックな部分があるんだなあ。とよしよししてあげるのが一番おすすめですね。

そうして自分を知り、受け入れていくと、お母さんとの距離感も適切なものになっていきます。
競争相手ではなく、大人女子同士の付き合いができるようになります。

だから、今はお母さんへの愛に気付くこと(感謝の手紙を書くのもお勧め)と、御恨み帳をガンガン書くことをお勧めしたいと思います。

『御恨み帳(お恨み帳)の書き方~心の健康を維持するための素敵なノート~』
https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/15692

そして、そういう方が自分軸を確立したり、人間関係を楽にしたりしてくれる本があるんですよ。これも参考になさってください。

再び登場!

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

ワークショップならこれもお勧め。

ワークショップ『自分を愛する、ということ』
東京:1/14(月祝)13:00-16:00
大阪:2/16(土)13:00-16:00
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/27420

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