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おかんの影響というものはただでさえ大きいのに、それが何事も完璧にこなしちゃうスーパーおかんだとさらに娘の苦境は深まります。
何をしてもおかんに敵わないから自分のことをダメだと思ってしまうし、干渉されたら言うことをきかなきゃいけないし、なかなか自分を確立するのが難しくなってしまうんですよね。
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自信のある人間になりたいと思っており、相談させてください。
主に仕事の際に焦りが態度に出ていると言われてしまったり(話を聞く姿勢、話し方など)、不安になると相手が聞いているタイミングでどんどん話してしまったりします。
仕事のことであれば、一通りのことならトラブルにも対応できるようになりました。
ですが、まだまだ焦りや不安が態度に出てしまうことがあるという自覚があり、上司からも指摘を受けています。
職場の環境的には恵まれており、きちんと原因と対策を考えられればミスを詰問されることはありません。だからこそ態度に出てしまう自分をなんとかしたいです。
昔から他人の顔色を伺ってしまう傾向があります。また、嫌われたくない、失敗が怖いといった気持ちが心の底にあります。
原因の一つとして、母親が強気で家事も趣味も割となんでもできる人なので、比較して自信を無くしているのではないかというところまでは辿り着きました。
幼少期は反発心で母親に当たり散らしてしまったり大迷惑を掛けていましたが、離れて暮らす現在は、母親の苦手なことが見えるようになり、そこを私がフォローできるようになったり、月一ぐらいは食事をしたりするなど関係は良好になってきたとは思います。
長文で恐縮ですが、ご意見頂けますと幸いです。
(Aさん)
>不安になると相手が聞いているタイミングでどんどん話してしまったりします。
これ、ものすごくふつうで当たり前のことなので、Aさんや共感された読者のみなさまは「ああ、あたしも人間だったのかっ!!!」と喜びの舞を踊っていただければ幸いです。
さて、Aさんのお話の中で重要なポイントは意外かもしれませんが、
>仕事のことであれば、一通りのことならトラブルにも対応できるようになりました。
というところでして、カウンセリング等であれば「ほほー、それは具体的にどういうことなの?どうして対応できるようになったの?その範囲であれば焦ったり不安になったりはしないってこと?それに関してはある程度自信がついてきたってことだよね?ちゃんとそんな自分を褒め称えてる?乾杯してる?」と怒涛の質問責めに合わせることでしょう。
それでもうまく行ってないところに人は目を奪われがちなのですが、大事なのはうまく行ってるところだと思っております。
テストを返された際、日本では間違えたところをもう一度解き直すじゃないですか。でも、北欧のある国では正解だったところをもう一度解かせるんだそうです。できたところを確実にできるようにして自信を付けるために。
大人たちの教育方針も基本的に「ミスを減らす」「できないところをできるようにする」「苦手を克服する」「ダメなところを直す」みたいなところですよね?
そういう環境で育った私たちはどうしても「できてるところよりもできてないところ」を意識しちゃいます。
だから、「一通りのことならトラブルにも対応できるようになった」という偉大なる功績をスルーして、「でも、これができてない、あれがまだまだ、こんなときが全然ダメ」という風に思ってしまうのです。
もちろん周り(上司、同僚など)もできないところに目が行く環境で育っていらっしゃるので、なかなかその見方に同意してくれる人はいないかもしれませんが、そこは自分軸ってやつですね。
そういう周りの人があなたの自己肯定感をあげてくれるわけじゃないので、そこは線引きして「あたし偉いなー。すげえなー。もっと褒められていいよなー。」と思っておくことが何よりも大事ですし、実はそのことがAさんの問題を解決してくれる大きな力になってくれます。
「自信」という力。
「これができるようになったんだからアレもきっとできるようになれるはず。」という希望。
だから、私のカウンセリングはけっこう成功体験を分析していくことが多くなります。
逆に言えば、ささいなことでも成功体験を探し出してそれを希望に変えるべくお話を伺っていくようにしてるのかもしれません。
「なぜ、あのプロジェクトを受注できたんだと思う?何が良かったの?なんでそれができたの?そこで自分はどんな風に成長できたの?」
「なぜ、あの婚活パーティではモテまくってたの?何が良かったと思う?何か工夫とかしたの?その頃の自分ってどんな自分だったか覚えてる?」
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自分のダメなところばかり見ていたら「何も変わってない!あたしはダメなまんまだ!」と自信満々に宣言できるようになるわけでして、だからこそ、できたこと、成長したことを認めてあげることは立ちはだかる壁にぶつかるのは困難になりますよね。
ゲームで言えばファーストステージで苦労して手に入れたアイテムやHPやMPや経験を活用してセカンドステージに向かいますよね?
でも、セカンドステージはまったく違うゲームになってしまって、それらが全然役に立たないとしたらモチベ下がると思いません?
そんな風にせっかく手に入れた経験値やアイテムや武器をすぐに投げ捨てちゃってる人って多いんですよねー。みなさんも心当たりありすぎません??笑
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さて、そういうわけで改めてAさんのお話。
>母親が強気で家事も趣味も割となんでもできる人
という問題はいわゆる「スーパーおかん問題」としてちょくちょく議題にあがるものでして、けっこう厄介なんですよね。
同性としてはどうしても比べてしまうし(比べられてしまうこともあり)、大人になるにつれて「お母さんはできることが自分はできない」と思えば劣等感、無力感、無価値感、罪悪感、羞恥心、等々の感情に飲まれるようになります。
「おかんはおかん、あたしはあたし」のはずなのに、自分軸が確立できなくなるんです。
そして、おかんがあまりに凄すぎるから自分が凄いことをしても全然そう感じられなくなります。つまり、先ほどお話したような成功体験に価値を見出せなくなるのです。これはヤバいっすよね?
Aさんのおかんがどの程度強気なのかは分かりませんが、そんなスーパーおかんが過保護過干渉であれやこれやと口を出してくるタイプだったり、自分に絶対の自信を持っていて他人の意見を寄せ付けなかったりすると、娘としては母の前で常に小さくなってないといけなくなりますよね。
いわば、スーパーおかんの元で、ダメなあたしをすくすく育ててるようなものです。
>昔から他人の顔色を伺ってしまう傾向があります。また、嫌われたくない、失敗が怖いといった気持ちが心の底にあります。
そんな環境だったら他人の顔色を伺っちまうのも無理はないと思いますが、不安や焦りが強くなることからもAさんは「完璧主義」や「理想主義」にハマってしまってるんじゃないかと推測できます。
完璧に、ちゃんと、しっかり、物事をこなそうとするので、自分に課すハードルがとっても高くなります。
「ああならなければ」「こういう風にしなければ」と理想的な状態を常に思い描いているので、高すぎる目標を設定しやすくなります。
どちらも自己肯定感を著しく下げる効果がありますね。
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さて、たぶんAさんをカウンセリングすることになれば、こんなことを言ってしまう可能性が高いと思うのです。
「Aさん、お母さんの生霊が憑いてますよ。」
こればかりは実際に話を聴いてみないと分からないのですが、今はお母さんとも良好な関係になっていますが(それは素晴らしいことです!これも赤飯を焚いていいレベル!)、Aさんの行動・思考・感情にどれくらいお母さんの影響が残っているかが気になるんですね。
職場の人たち(特に上司など)には、お母さんを投影しやすいので、仕事をしていても「まるでかつての自分が母親に気を使いまくっていたのと同じように」周りの目が気になってしまうと想像できるのです。
例えば、スーパーおかんの元で育った娘はこういう傾向が現れやすいものです。
・仕事を選ぶ際「おかんが何て言うだろうか?」を考える。
・恋人を選ぶ際「この人ならおかんは文句を言わないだろう」と考える。
・服を選ぶ際「おかんはきっとこんな服嫌がるだろうな」と考える。
・旅行に行く際「おかんにはどんなお土産を買ったらいいか」を考える。
また、おかんの前では「娘」でいることを求められるので「大人の女」というワードがタブーになることも少なくありません。
色気とか性的なものとか恋愛とかに興味があっても何となく遠ざけてしまいがち。
だから、職場の人間関係の相談に来られた方に「ライフワーク」の話を振り、そして「パートナーシップ」に話が転じて、最終的に「セクシャリティを解放するのが今のテーマ」という展開を見せることも少なくありません。
もちろんそのために「おかんの生霊を手放す」ということが前提になることは言うまでもありません。
けど、まあ、この辺ってのはほんとちゃんとお話を聴いて見ないと分かんないんですけどね。あくまでよくある例として捉えていただければと思います。
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さて、Aさんに限らずおかんの生霊をくっつけて生きてる方は少なくないわけでして、そうすると無意識に自分の人生が「おかんの人生」という風になり、まるで「おかんの代理人」としての生き方をすることが少なくありません。
お母さんが生きたかった人生を代わりに歩んでいる人もいるし、
お母さんの目の届く範囲で人生を選んでいる人もいるし、
お母さんに心配させないように行動を制限している人もいるし、
お母さんを喜ばせようとずっとお母さんを見ながら生きてる人もいるし、
お母さんをがっかりさせないように守りの人生を歩んでる人もいるし、
お母さんの敷いたレールの上を歩いている人もいます。
それが幸せならば別に問題ないんです。
それもひとつの生き方ですし、それで幸せなら最高じゃないですか!と思います。
しかし、残念ながらおかんとはちょっとタイプが異なる人は、そうした生き方にしんどさを覚えながらもそれを無視して生きてることが多いものです。
だから、どこかに不具合が生じるようになります。
Aさんの問題をその不具合と言い切るには情報が足りないので、まだ「未確定」ですけどね。
まだ「何かとおかんのことが気になる」と自覚されている人はいいんです。
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ヤバいのは「自分で自分の人生を選んでると思ってるけど、実はそれ、おかんが敷いたレールの上だぜ?」というケース。
無意識に母親が喜びそうな、失望しないような選択をしちゃってるケースってほんとうに多く、それが「生きにくさ」につながってることも多いんです。
しかも、それを「自分に能力がないからだ」「自分がダメだからだ」「努力や頑張りが足りない」「わがままだから」等々に解釈してしまうんです。
さらに、ここで厄介なのは別にお母さんのことが嫌いなわけではなく、むしろお母さんを尊敬し、ふんだんに愛情を持っている場合。
好きな人を悲しませたくないから、自分は少々イヤな思いをしても、好きな人の望む人生を生きる、なんてことを選択してしまうのです。
でも、それって自分が不幸になってもいいからおかんを幸せにしようという戦略ですから、果たして不幸になってる娘を見ておかんは幸せなのか?という命題が残ります。
それが愛なのか犠牲なのかは判断に苦しむところです。
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だから、おかんとの関係を一旦切り離して「自分」を改めて知ることが大切です。
おかんの影響は甚大ですけれど、その中にも「個性」が隠れています。
子どもの頃に好きだった頃。
子どもの頃の性格。
密かにずっと推してるもの。
実家を離れたときにした行動。
友達との関係。
恋愛のパターン。
そういうところに「自分」が隠れているんです。
もちろん、母親からの良い影響だってたくさんあり、それはありがたく頂戴しておきましょう。
Aさんにとっては
>幼少期は反発心で母親に当たり散らしてしまったり大迷惑を掛けていました
ということですから、ほほー、だいぶ気の強い情熱系女子ってことでんな?ということが想像できますよね。じゃあ、その気の強さとか情熱ってのが今、活かされているかどうか?というのを検討していきたいものです。
そんな風に振り返ってみるとだんだん自分というものが分かってくるようになり、自分らしく振舞える機会が増えていくのです。
話がデカくなりましたけど、そういう風に自分を見つめていくと「自分軸」も確立されるようになり、特に仕事面においてはその変化が顕著に感じられるようになるのです。
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