*
夫が何らかの依存症になると、その妻もその夫への依存症を発症してしまうものです。
そうすると勝手に夫軸になり、自分のことを放置して、夫のことばかりを考えてしまうようになります。
それはご自身の心身にとっても大きな傷になり、癒着はどんどん強まって行ってしまうので、自分ひとりでは解決できないことを受け入れ、誰かに助けを求めることが必要なのです。
*
今回の記事が自分に似てるなあと思いコメントを書いてみました。
夫がアルコール依存症で度々トラブルを起こすなか、色々な書籍を読んだり、youtube動画を見たりして共依存というものを知りました。
思春期の娘と暮らしながら、こんな生活はもう嫌だ、離婚して普通に平和に暮らしたいと何年も思って来ましたが、外国人で生活の様々な面で私の助けが必要な夫を見捨てることができず、そんな見捨てる勇気の持てない自分も責めつつ 日々過ごしています。
疲れて飲むときは別人のようになる夫。
普段は真面目でしっかり働く夫。
お酒さえ飲まなければ、、、何度そう思ったでしょうか。
何度もお酒でトラブルを起こし、夫はとうとう刑務所に送られてしまいました。
物理的に離れられる!とほっとした一方、あんなに離れたい、離婚したい、と思っていたのになぜ見捨てて新しい生活を始めないのか、、踏ん切りのつかない自分をまたどこかで責めています。
毎日のように夫から送られてくる手紙を見ながら自分の中で複雑な気持ちが渦巻いています。私が夫を見捨てて離婚すれば夫はビザがなくなりもう日本にいられなくなるだろうと思うし、娘とも会えなくなってそしたら私はすごくひどいことを夫にすることになるのではという恐怖も感じます。
根本先生のおっしゃる癒着ってこういう状態でしょうか。
刑務所にいる限り 夫が頼んでくるものなどは送ってあげているのですが、そういうのも一切せずに連絡を絶つ方が癒着を切り離すには、自分の人生に集中していくためには、良いのでしょうか。。
(Mさん)
あらあら夫氏は刑務所入りですかー。
ほんまの事件起こしちゃったわけですね。
で、まあ、それは置いといて「癒着」ってそういう心理を作り出しちゃうものなんですよね・・・。
癒着(共依存)するとどうなるかというと「頭の中が相手のことで支配されてしまう」ということになり、私なんかはカウンセリングの場だと「なんかご主人に憑依されてるみたいっすよ?」なんて言ってしまうものです。
癒着の状態というのは「相手と自分との区別がつかなくなる」んです。
だから、相手のことを自分のことのようにとらえてしまい、頭ばかりか感情も相手に支配されることになります。
Mさんのように「夫がアルコール依存症」というケースだけでなく、「モラハラ夫」とか「ギャンブル依存夫」などもそれに当てはまりますし、「浮気性の夫」や「問題児」もそうなりますし、また、一見良いことに見えそうな「仕事依存症(ワーカホリック)」にでも同じことが起こります。
どうしても相手に合わせざるを得ない状況のため、「夫軸」になってしまうわけです。
で、別角度から見れば「相手に干渉しすぎる状態」を作り出すものですから、過干渉だったり、過保護だったり、心配性になったりするものです。
自分と相手の境目が分からなくなってるんです。
>外国人で生活の様々な面で私の助けが必要な夫を見捨てることができず、そんな見捨てる勇気の持てない自分も責めつつ 日々過ごしています。
確かに外国人の夫が日本で生活する上では妻の協力が必要なのはその通りなのですけれど、でも、それって夫の望んだことのはずなんですよね。
でも、なんで「見捨てる」という表現になるのでしょうね?
彼は彼で大人の男性ですよね?
母国を離れて外国で暮らしていますが、仕事もしてるわけですよね?
彼には彼の人生があって、アルコール依存症も刑事事件も、彼自身の問題ですよね?
そう思えないところが「癒着」という状態なんです。
>私が夫を見捨てて離婚すれば夫はビザがなくなりもう日本にいられなくなるだろうと思うし、娘とも会えなくなってそしたら私はすごくひどいことを夫にすることになるのではという恐怖も感じます。
離婚したあとにどうするかは彼自身に選ばせてあげたらどうでしょうか?
そこまでMさんが干渉する必要があるんでしょうか?
Mさんは夫にひどいことをすると思ってますけど、ご自身のことは?
夫はMさんにひどいことをしてないんでしょうか?
「癒着」してると「自分」がなくなるんですよね。
自分のことを存在してないことにして、相手のことばかりを考える(心配する)んです。
なので離婚という決断も当然できなくなるんです。
*
例えば、夫のDVに悩む奥様もまた同じような心理に陥ります。
自分は暴力を受けていて、あちこち傷だらけなのに、なぜか夫の心配ばかりをしているし、なぜか自分を責め続けています。
まるで「自分が悪い。夫は悪くない。」と思っているかのようです。
そうしてどんどん状況は悪化していくのですが、癒着も強まっていくので、どんどん夫の心配をし、暴力におびえつつも、自分を責め続けることになってしまいます。
怪我がひどくて病院を受診しても本人は夫の暴力だと言わず、「階段から落ちた」とか「コケて溝にハマった」と明らかな嘘をつくほどです。
そうなると自分の意志では抜け出すことができません。
それで家族だったり、NPOなどの団体の方が半ば強制的に奥さんを連れ出し、シェルターなどに保護することになります。
でも、シェルターに保護されたあとは今のMさんと同じで「ホッとする一方で、夫の心配ばかりをしてしまう」という状態になるんです。
以前、DVや虐待問題に取り組むNPO団体の方から相談を受けたことがありまして、そうした実状をお聞きしました。
で、そういう心理というのは依存症とおんなじなんです、と癒着の説明をさせてもらいました。
だから、その奥様が自分を取り戻すには、アルコール依存症を克服するのと同じくらいのエネルギーをかける必要があるんですよ、と。
*
夫氏はアルコール依存症なわけですけれど、その妻であるMさんは「アルコール依存症の夫依存症」とでも言いましょうか。
なかなか自分ひとりの力ではこの癒着を切り離すのは難しいのかもしれません。
とはいえ、不幸中の幸いと言いましょうか、国家権力によって引き離されている最中ですから、この間にできるだけ「自分軸」を取り戻したいものです。
「わたしはわたし、夫は夫。わたしにはわたしの人生があり、夫には夫の人生がある」
シンプルなセリフなのですが、これを繰り返し声に出して唱えてみてください。
どんな気持ちがするでしょうか?
また、こうした問題には「罪悪感」が必ず付きまといます。
というか、「癒着」というのは「罪悪感」が引き起こしてると言ってもいいくらいで。
夫も罪悪感があるし、妻も罪悪感がある。そこでつながっちゃうんです。
だから変な話、夫婦関係が罪悪感で成り立ってるみたいな状態なんです。
それで、ご自身の罪悪感を解いていくことをやっていくものです。
*「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
*光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~
*
そもそも鏡に自分の顔を映し出してみてください。
どんな表情をしているかをしっかり自分の目で見つめてみてください。
その表情を見て、どう感じるでしょうか?
自分がもうかなりぼろぼろになっていることに気づきますか?
とっくに限界突破してることが分かりますか?
鏡に映っている自分だけを見つめてくださいね。
「これが私」と自分を指さしてみてください。
癒着が強くなると、鏡の中の自分が他人のように見えることがあります。
*
これを今度は目を瞑って、目の前に姿見を想像して、そこに自分を映し出してみてください。
その自分はどんな表情をしているでしょうか?
そして、どんな服を着ているでしょうか?
そのイメージの中で服を脱いで裸になってみてください。
どんな体をしているでしょうか?
傷だらけじゃないでしょうか?
そんな姿を見てどう感じますか?
*
そういうわけで、可能であれば、一旦、実家に戻るなどして「心の安全」を確保したいものです。
夫氏と暮らしている家にいるのは癒着を切るためにもあまりよろしくありません。
夫氏に荷物を送るのも、実家の母、もしくは、協力者にお願いしましょう。
頼れる実家がないのであれば、役所の相談窓口(DV対策室みたいのがあるはず)に行ってみたり、弁護士に相談したりしてみてください。
例えば、東京都にはこういうところがあります。お住いの都道府県、市町村にも似たような機能があるはずです。
精神保健福祉センター
また、複数のカウンセラーに相談してみてください。
それから、アルコール依存症を扱っている団体(NPOとか断酒会とか)に相談を持ち掛けるのもいいと思います。
そこで何らかのサポートを期待するというよりも、できるだけこの問題を人に話すことで、客観的に自分の状態を見つめられるようになることが目的です。
そうして距離を取り、問題をオープンにしていくことで、自分が置かれている立場を再認識できるようになると、これからのことも考えられると思います。
少なくともこれらのことはやってみていただきたいと思います。
とにかく誰かに助けを求めることです。
もう自分一人ではこの問題を解決することはできない!と思うことです。
*
離婚というのはひとつの選択肢ですが、まずは「癒着を切る」というところを目指しましょう。
周りから強く勧められて無理やり離婚したって、その後も関係が継続しちゃうことって珍しくないものです。
まずは自分軸を取り戻すことを目標にします。
*
さて、こうした問題ではお子さんへの影響が少なからずあり、夫との癒着もそうですが、子どもとの癒着も強まってしまうことがあります。
最悪の場合、児相で一時預かり処置みたいなことになってしまいますので、子どもの身の安全も考えてください。(なので頼れる実家があればほんとうに良いのですが)
そして、お子さんの心のケアも必要で、そのためにはママが笑顔でいることですから、お子さんのためにも今は頑張り時だと思ってください。
◎東京/大阪:ロックマン対策会議~ロックマン愛好家のみなさまがいかにして幸せになるかを会議する~
東京:1/13(月祝)12:00-17:00
東京:1/25(土)12:00-17:00
大阪:2/2(日)12:00-17:00
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/54372
★自分らしい生き方を模索し、実践していくリトリートセミナーへようこそ!。
◎ザ・リトリートセミナー in 神楽坂~生き方が、人生が、自分自身が変わる3日間~
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/51398
★【新刊】根本の刺さる言葉がかわいく彩られてる本。油断禁物!
「そのままのあなたが、絶対かわいい。 できない自分も好きになる30の「ほめ言葉」」(PHP研究所)
●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
>問い合わせフォームから「根本裕幸へのリクエスト(ネタ提供)」をお選びください。
また、お弟子さんたちのオンラインカウンセリング無料相談「ココロノマルシェ」でも随時ご相談を募集しています。
無料で読める根本のメールマガジン「予約の取れないカウンセラーが送る“毎日使えるココロの講座”」
より深く学びたい方のためのオンラインスクール「根本裕幸のメルマガ&動画で学ぶ、めっちゃ使えるココロの法則」。
*
今日の話を無料アプリのvoicyで音声でラジオみたいに聴けます!
『夫婦関係における共依存(癒着)とはどんな状態か?何をどうすればよいのか?』
*
★Youtubeの公式チャンネルでも同じ内容を公開してます!(チャンネル登録よろしくお願いしますー!)
*
Twitter:https://twitter.com/nemotohiroyuki
Facebook:https://www.facebook.com/nemotohiroyuki/
Instagram:https://www.instagram.com/nemotohiroyuki96/
★根本の個人セッションのご案内。
>根本のセッション
★お弟子さんたちのカウンセリングはこちらから。
>お弟子さんを検索する!
>オンラインカウンセリング無料相談「ココロノマルシェ」
>お弟子さんたちのセッション・セミナー予定