潔癖症について~菌やウイルス、汚いものが体の中に入ったら、という恐怖とどう向き合えばよいか?~



一言に潔癖症と言いましても、その背景は様々なものがあるものです。
こうした問題を解消していくにはいろんな方法がありますが、カウンセリング的な見方をすれば、その裏側にある「感情」を掘っていくのがお勧め、ということになります。
何を恐れてるのか?何に嫌悪しているか?を見ていくのです。

根本先生こんにちは。
少し前にVoicyで根本先生に出会い、過去回も含めて毎日の家事のお供に楽しくそして癒されながら拝聴させていただいてます。
ありがとうございます。
ご質問させていただきます。
それは潔癖症についてです。
私はもともとキレイ好きではありましたが、潔癖症というほどではありませんでした。
ですがちょうどコロナ禍が始まった頃に出産をし、コロナ禍の影響で今まで全く気にしていなかった行動や物にも菌やウイルスが気になり、こまめに消毒や手洗いをしていました。
そしてコロナ禍(マスク生活)が明けた頃、子どもは入園となり、初めての集団生活で月に1回は必ず風邪をひいて、私もたくさんその風邪がうつり、余計に菌やウイルスに敏感になりながら、去年は看病疲れや自分の体調不良などでとても心身共にしんどい一年でした。
この春に夫の転勤で県内ではありますがお引越しをし環境が変わったストレスも少なからずありますが、新しい土地や生活にも慣れ、子どもも風邪をひく回数も減り、なかなか楽しく生活をしているのですが、どんどんどんどん潔癖がひどくなってきているのを感じます。
今までと同じ汚れを見ても感じ方が違い、前は何も感じなかった汚れに今は飲み込まれそうなほど恐怖や不快感を感じて不安になります。
もともと嘔吐恐怖症があるので、特に胃腸炎などがとっても恐くて、菌やウイルス、汚いものが体の中に入ったら…と想像してしまい自分にも子どもにもとても神経質になってしまいます。
このような場合、どう自分を見てあげ、向き合えばよいのでしょうか?
根本先生のお言葉が聞けましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
(Hさん)

コロナ禍からの潔癖症というのはけっこう増えてると思うのですけどみなさまの周りはいかがでしょうか?

また、潔癖症については様々な方が記事やYoutube等で発信されていると思うので、そちらも参照していただけたらと思います。

私の場合は心理面から、そしてカウンセリングというアプローチからのお話させていただこうと思います。

きれい好きを通り過ぎて潔癖症まで行くとあとはとどまるところを知らなくなりまして、「無菌室に住みたい」みたいな思いまでたどり着くものです。

特にコロナ禍でウィルスや菌に対して過敏になってしまった方もとても多いと思いますし、お子さんがいらっしゃればなおさら気になってしまうでしょう。

コロナとは関係ないのですが、保育園で遊びまくって泥だらけになった子どもを触れなくなったママいれば、夫がすごく汚いものに見えてしまい、夫が触れたものに素手で触れなくなっちゃった方もいれば、とにかく家をモデルルームのようにピカピカにすることにこだわり始め、ちょっとした汚れでも気になってしまった方もいました。

で、それぞれお話を伺っていくと3人とも全然異なる心理でして、潔癖症だと思っていてもいろいろと背景が異なるのでした。

表面的なことだけじゃ何とも言えねえ、とつくづく思いますね。

ちなみに1人目は「自分が汚れている」という観念から、2人目は「セクシャリティ」の問題から、3人目は「母との関係」から、「潔癖症なんです」とおっしゃってました。

Hさんのお話もきちんと見極めようと思ったらある程度深堀したほうが良いかもしれません。

元々きれい好きで、嘔吐恐怖症があるとのことですから、そもそも「恐れ」が強い方なのかもしれませんよね。

となると「その状況を改善するなら、その恐れと向き合った方がいいかもしれまへんなあ」という話になるかもしれません。

なんでそんな恐れが強いのだろう?
いつ頃から恐れが強くなったんだろう?

となれば、幼少期や思春期のころのお話も伺いたいなあ、と思うわけでして、そうしてトータルに見ていくのが私の方針でもあります。

さて、

>菌やウイルス、汚いものが体の中に入ったら…と想像してしまい自分にも子どもにもとても神経質になってしまいます。

こういう問題は「感情」で見ていくのが良いものでして、「思考(理屈)」は「感情」に勝てないものですから、なんぼ頭で理解したところで何ら不安や恐れは解消されない仕組みになっております。

例えば、Hさんにとって汚いものって菌やウイルス以外にも何か思いつくものはありますか?

そして、もし、その汚いものが体の中には入ったら・・・どうなってしまうと思っているのでしょう?

風邪を引いたり、別の病気になったりして苦しい思いをすると感じていますか?

その「苦しい思いをしたくない」「病気になりたくない」という思いがとても強く、それで汚いものに対する恐怖心が強くなっているのでしょうか?

あるいは、お子さんが風邪を引いてしんどそうにしているのを見るのも嫌だし、すごく心配してしまうからそれが嫌だ、という気持ちもあるのでしょうか?

それとも、風邪を引いたりすることで予定が狂ったり、やりたいことができなくなったり、周りに心配をかけたりすることが嫌、なのでしょうか?

どれも無理ない思いですけれど、あたりまえと思わずに、自分の気持ちを素直に見ていくのが良いんです。

さらに、その先に何を見ているのでしょうか?

私たちは潜在的に「死」を恐れているものでして、何かしらの恐怖心や嫌悪感を見ていくと「死」が出てくることが珍しくないものです。

感情ってのは思考と違って飛躍するものですから、例えば、こんな物語も存在するものです。

***

少しでも風邪を引いただけで死んでしまうのではないか?という恐れが強く出てくる。
そんなわけないと(思考で)否定しても、その恐れは強く、でも、結局は数日で治るので、いつもホッとしている。

なぜそんな死を思い浮かべてしまうのかを振り返ってみたところ、思春期の頃に祖父母をはじめ、身近な方々が次々亡くなる経験をして、その喪失感、悲しみ、失望感と共に、死への恐怖が根付いてしまったことに気が付いた。

***

ちなみに私たちが「死」を知るのは思春期なのですが、ちょうどその時期に立て続けに大切な人の死を経験するとなれば、その恐怖心が根付いてしまうのも理解できるでしょう。

少し話が逸れてしまいましたが、なぜそんなにも汚いものが体に入ることを恐れるのか?を見ていくと、本当に恐れていることや、本当に嫌なことが見えてくると思います。

それを知ると少し心がホッとし、恐怖心が和らぎ、潔癖症も少しマシになることもあります。

また、思春期は一般的にも潔癖症になることが多い時期です。

これは「セクシャリティ(セクシャルエネルギー)」が解放され始める時期に、それに対して強い恐怖心や嫌悪感を持つことによって生まれるものです。

女性であれば、生理が始まることで「汚い、気持ち悪い、臭い」という感覚を持ち、それで、その頃から女子は周りの目をすごく気にしたり、お風呂時間が長くなったり、メイクを始めたり、おしゃれにこだわったりするようになるんです。

だから、Hさんに起きてることも、思春期までさかのぼると何か見えてくるものがあるかもしれません。

つまり、手洗いうがい掃除などを頑張るのも良いのですけれど、そうした心理的な要因が取り除かれないと、恐怖心はなかなかぬぐえないんじゃないでしょうか。

神経質になっていろいろと気になってしまうのも、それを家族に言ってしまうのも、相当ストレスかと思います。

私たちは「気になるところに意識を向けると余計に気になるようになる」という特徴がありまして、さっきまでは全然気にしてなかった白パンのシミが、それに気づいてしまうと異常に気になるようになる等の経験からそれがよくわかると思います。

ウイルスや菌が気になり、汚い!と思ってしまうと、汚いのは嫌ですから、どんどんそれが汚いもののように感じてしまいます。

そうしてどんどん神経質になってしまうんです。

気にすることがストレスだって分かっていても気になってしまうのは、やはり、その裏側にある「恐怖心」や「不安感」という感情が動いているからです。

そこで何かで紛らわそうとしても、それはあくまで紛らわせるだけですので、時が経てば戻ってきてしまいます。

だから「気にしないようにする」というのはあまり効果的な方法ではないと思うのです。

また、不安感に対して何か安心できるものをぶつけようってことで、何か安心材料を探したりするのですが、それが仮に見つかったとすると、今度はその安心材料への依存心が出てきてしまいます。

例えば「夫に話すと安心する」と思って、夫に次々話をすることになるのですが、そうすると夫に対して強い依存心が生まれてしまうってことですし、それが「甘いもの」であればどういうことになるかはわかりますよね?

となれば、その「恐怖心」や「不安感」と真正面から向き合ってみようぜ!ということで、先ほど「何を恐れてるの?」という本質的な質問をさせてもらったのです。

感情と向き合う、感情を感じる、ということがやはり本質的な解決になるんじゃないかと思うのです。

結局は似た話に収束するんですけど、汚いものを体に入れたくない、という気持ちは分かるのですが、その一方で、「それって自分の体(免疫)を信頼してないとも言えるよね?」という話もあります。

入れないようにする、という手もありますが、仮に入っても体の機能で何とかする、という手もあるわけでして、そしたら、体を強くすることも大事なことですね。

子どもを保育園や幼稚園に行くと風邪をもらってきて家族みんなが風邪を引くってことはHさんのご家庭以外でもよくありますし、看護師さんやお医者さんも新人の頃はよく体調を崩しやすいって話をよく耳にします。

でも、そうして風邪を引くことで体が強くなるので、2年目以降は全然風邪を引かなくなるわけです。

筋トレってのは、筋肉を敢えて痛めつけて強くするって仕組みですが、それと同じことが免疫システムでも起きてるとすれば、自分の体を強くすることをテーマにしても良いでしょう。

これはよく病気の方をカウンセリングするときに出てくる話なのですが、「病気=悪」という風に私たちはとらえており、病気の治療を「闘病」という風に表現しています。

その思い込みを強く持っている方も多いと思います。

けれど、そこに疑問を呈することもできるわけでして「病気は才能」という解釈に変えていくことだってできます。

となると「それはほんとうに汚いのか?」という風に掘り下げてみることもできますし、違う価値観をインストールすることもできます。

「汚い」というのも要するに思い込みなわけでして、その思い込みをどうしたら変えられるか?を考えていくこともできるというわけです。

即効性のある話じゃなくて申し訳ないのですが、こうした本質的な部分に意識を向けてみると、他の部分でもいろいろと変化が出てくるので、よほど気になるようでしたら腰を据えて向き合ってみるのもお勧めなのです。

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