なぜギャンブルは基本的に負けることになっているのかを心理面から考えてみた。



自分ではそう意識していなくても「ギャンブル=悪」という図式が私たちの中にインストールされてるものですから、勝ったとしても「あぶく銭」だと思っちゃいます。
そして、負けると「ちゃんと罰を受けた」感覚になるのでホッとするんですね。
だから私たちは負け続けてしまうのかもしれません。

根本先生こんにちは!いつも楽しく拝見しています。
今日はお金についてネタにしていただけたらとご連絡しました。
私はギャンブルが好きです。というか、好きとか嫌いとか以前に、お金を増やしたいという思いで謎につぎ込んでいます。もう何も考えずに突っ込むレベルです。
ですが、ほんっっっっっっとうに負けます笑
1/5とか、1/10とかの確率で負け続けます。なんで???笑 完全に赤字です。
仕事では、同年代より多く稼いでいる(その分勤務時間も長いですが…)ので、お金自体にブロックがあるとは思えません。使いたいことには使うし、人からいただくこともあるし、困っても最後はなんとかなると思えるタイプです。
でもなぜか、ギャンブルは負け続ける…どうしてなんでしょう!?お金を擬人化するあれでは、社会人かくるあるべき人間みたいなイメージではありますが、いくらなんでも負けすぎでは!??と思います。謎の力が働いているとしか思えません笑
読者の方の中にもいるであろう、ギャン中を代表し、ネタにしていただけたら幸いです。
日に日に暑くなっておりますが、皆様どうぞご自愛くださいませ。
(Iさん)

あまりギャンブル関係のネタは扱ってなかったなあ、と思いましてネタにさせていただきました。

ギャンブルの何が面白いかというとやはりその刺激でしょう。
当たるか当たらないかのドキドキ感であり、一発で大金が手に入るんじゃねえか?というワクワク感であり、これは堅ぇレースだと大勝負に出たのに外したショックと狙いが見事的中した喜びのギャップに心が躍るし、その刺激を求めてまた勝負に出てしまうわけです。

ゆえにルールが簡単なギャンブルほどハマりやすく、丁半博打などがその際たるものですし、公営ギャンブルで言えば1マークの攻防でほぼ勝ち負けが確定してしまう競艇が最も依存症になりやすいと言われています。

そして、基本的にギャンブルってのは胴元(主催者)が儲かるシステムになっておりまして、例えば、お馬さんが走るレースだと売り上げの25%がJRAに入金されるシステムになっています。

つまり、1000円をツッコんで手に入れた勝馬投票券はその時点で750円分の価値しかなくなるわけです。

そりゃあ1000円を750円に換金し続けてプラスにするのは相当難しいわけで、ゆえに「ギャンブルは勝てないよ」と言われるのです。

ただ、みんなから集めた75%分のお金を人気投票によって割り振るものですから「オッズ(倍率)」というものが登場し、当たれば1000円が10000円になったりするものですから、そこで夢を見ちゃうわけですね。

だから、ギャンブルで生活するプロの方々はものすごくストイックになります。
ふつうにしていれば絶対マイナスにしかならないギャンブルをプラスにするために相当の努力と自制心を働かせているわけです。

私の知り合いに元パチプロの方がいましたが、常に台や店を研究し、1日の上限額を定め、運勢やその日の体調をチェックした上で神社に詣でてから店に行っていたそうです。

そして、勝つことが何よりも目標なので「今日は流れが悪い」と思えば1時間でお店を出ていたそうです。

彼は「ギャンブルは何よりも気力・体力がモノを言う」ということで、常々体調管理には気を使っており、それだけストイックな生活をすることに疲れたという理由で30代半ばでプロを辞めてふつうに就職しました。

また、作家の浅田次郎さんは元々競馬を糧道にしており、エッセイの中で次のような話をされていました。

月曜日から金曜日までは土日に行われるレースの研究をし、当日も朝からべったり競馬場に張り付いて予想をし、絶対これは間違いないと確信できるレースだけを買っていました。

そうすると全レース予想をするものの1日に買うのは2、3レースのみとなり、一勝一敗くらいにまとめればプラス収支になったそうです。

しかも、オッズ(倍率)の荒れる大レースの日には予想はすれど馬券は買わなかったそうです。

「絶対に勝つ!」と気合を入れて競馬場に挑んでいたようで、本が売れ始めてちゃんと予想をするヒマがなくなり、競馬が糧道ではなくストレス発散の場になっていくにつれて負けが込むようになったそうです。

・・・なんて話を聴いてIさんはどう感じられましたでしょうか?
なぜ勝てないのか、負けが込むのかが理解できましたでしょうか?

ということでここからは心理のお話。

なぜ、勝てないことが分かっていながらもギャンブルにお金を突っ込んでしまうのでしょうか?

「お金を増やしたい」という思いだけなのでしょうか?

けど、お金を増やすという目的が主であれば他にも方法はいくらでもありますよね。

なぜ、それがギャンブルなのか?
ギャンブルの何にそんな心惹かれているのか?
そして、ギャンブルをする他の目的はないのか?

この辺をあれこれ深掘りしてみると良いかもしれません。

よくギャンブルで儲けたお金を「あぶく銭」と言いますね。

自分が汗水垂らして手に入れたお金に比べれば同じ金額でも価値が異なるように感じてしまいますし、そこには「罪悪感」という感情が付いてきます。

良くないことでお金を稼いでいる、という感覚があり、すなわち「ギャンブル=悪」みたいな思いが私たちの心の中には根付いているのです。

だからパチンコ屋でも競艇場でも「良くないことをしている」という罪悪感を満載した方々でにぎわっているわけですね。

その辺はいくらJRAがイメージ向上のために清潔感のある俳優さんをCMに採用し、ロマンを売りにしても、その本質が鉄火場であることに違いはありませんから、あまりその空気感は変わらないのかもしれません。

要するにこの罪悪感という感情とセットになっているギャンブルというものは、勝てばより罪悪感が増え、負ければ罪悪感から解放される(ちゃんと罰を受けたから)という心理的システムを生み出していますので、そうした心理からも負けるようになっているのかもしれません。

とはいえ、この罪悪感という感情そのものが刺激物なことは今までもブログの中で語ってきました。

何か悪いことをしているような背徳感というのは蜜の味がすることもあり、その蜜を吸うためにどんどん罪悪感を重ねていくのです。

まさに「罪が罪を呼ぶ」という状態になりますね。

また、この罪悪感という感情があると「自分は悪い奴だ。罰せられるべきだ。」という心理が働き、たいへん後ろめたいものですから、人とどんどん分離していきます。

特に身近な人と距離を置きたくなるものですから、孤独感や寂しさの感情が心を占めるようになるわけです。

ギャンブル場にはそうした罪悪感を抱えた同志たちが集まるものですから、そこで謎の連帯感が生まれて孤独感が癒されるような気がするものです。

だからどんどん通っちゃうんですよね。

そして、家族や身近な人よりも、競馬場で出会う見知らぬ人たちの方が何となく安心するようになるものです。

似たようなことは他のことでも言えますね。

愛煙家の方々は喫煙所で出会う人たちとの間になぞの連帯感を覚えたことはありませんか?

また、不倫をしている方は、同志に会えるセミナーに行くのがとても楽しみになりませんか?

だから、ギャンブルをすることで罪悪感をできるだけ感じないようにすることが心理的に見た勝つ秘訣なのかもしれません。

あくまでヒマツブシのためであり、紳士のたしなみであり、ディズニーランドに遊びに行くような感覚でギャンブルができればいいのでしょう。

無欲のときほど勝てる経験をみなさんしたことないでしょうか?

ビギナーズラックというのもよく仕組みが分からない無欲な状態でやったからかもしれません。

また、約束の時間まであと30分あるけどヒマだなあ、パチ屋で時間潰すかあ、なんてときほど当たりまくって台から離れられなくなるのかもしれません。

そういうときって罪悪感がほとんどないですからね。

あるいは冒頭にお話したプロのギャンブラーたちのように、そのギャンブルと真正面から向き合い、胴元と差しで勝負するくらい本気を出してそれに打ち込むか・・・。でも、そうすると仕事を辞めなきゃいけなくなっちゃいますよね。

そもそも社会的にも「ギャンブルは良くないこと」とされていますから、その罪悪感に抗うのはなかなか難しいのが現実です。

だから大変無難な結論ですけれど「ほどほどに楽しむ」「趣味程度の範囲で遊ぶ」という感覚を持つことがとても大切なんじゃないかなあ、と思うのです。

だって負けることで罪悪感から解放されるわけですから、心理的には「負けたい」という欲の方が強くなっちゃってるわけです。

だから納得できる金額だけ賭けるのが一番心にも良いのですよね。

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