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執着を手放すにもやはり仕込みは大事でして、準備ができて初めて取り組めるものです。
その手順を飛ばしてしまうとおっしゃるように傷口が余計に開いてヤバいことになってしまいます。
まずは「自己受容」。すなわち、傷ついた自分をありのままに受け入れ、そんな自分に優しくしてあげることがもっと必要なのかもしれません。
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実は、かなり古くからのブログ読者です。
今日は「執着を手放そうとしても、拒絶された心の痛みがむしろ時間とともに深まっていく気がする」ことについて、書かせていただきたいと思いました。
最近、それまで大変親しくつきあっていた人を怒らせてしまい、数日後にその人からきっぱり「拒絶」のメッセージが届いて、つきあいを断絶されてしまったという経験をしました。
きっかけとなる具体的な個別の事象については、ここでは割愛させていただきたいのですが、私の甘ったれた未熟な行動がきっかけだったと思って下さい。
「自分の大切にしている信念をずっと語ってきたはず。そこを誰よりも理解してくれていると思っていたのに、見事に裏切られた。悲しい。距離を置きたい。連絡もしてくるな」という内容でした。
最初メッセージが届いたときは、ただ呆然としただけでしたが、やがて時間とともに心の中が嵐になってしまったのは言うまでもありません。
その後、執着本にそっていろいろ試みました。ワークに取り組む過程では、「嫌われるのが嫌でしがみついていたのだな」とか、「視野が狭くなっていて、その人のことを神格化していたな」とか、「結構わがまま放題言われて、でも我慢して尽くしていたよね」とか、気がつくことは多々。
でも、頭で分かることと、感情を感じ切ることとは別だとも感じます。「もっと視野を広げて、私は私の人生を生きよう」と、前向きになれる瞬間がある一方で、「怒られるだけならば構わなかった。でも、拒絶されたとなると話は別。もうあなたに心は開けない。それぐらいの傷をあなたは私に与えたのだ」という恨み言を言ってしまいたくなる自分がいます。
もう、つきあいはなくなっているし、焦る必要もないのですが、時間とともに癒える気配が感じられず(むしろ傷の疼きが増す感じ)、我ながら苦しいので、この苦しみをどう手放したらいいのだろうとやっぱり悶々としております。
もしも、ネタになるようでしたら、よろしくお願いいたします。
(Kさん)
みなさまもけっこう似たような体験をされてるんじゃないかと思いまして。
執着を手放そうとして余計に執着しちゃったり、傷口を大きく広げちゃったり、余計に苦しくなっちゃったり。
なぜそうなるかと言えば「早く楽になりたい」「この苦しみから抜け出したい」と思ってやってるからですね。
例えるならば、「じゃがいもやニンジンが生煮えの状態でルーをぶち込んでしまってる」からなんですよね。
つまり「まだ手放す準備ができてないのに無理やり手放そうとしてるんじゃない?」というわけです。
自分の未熟さが原因でこの悲劇を招いたとしても、そこにはしっかり傷ついているKさんがいるわけです。
その傷ついてるKさんをどのように扱っていらっしゃるのかが気になりました。
優しくしてあげてますか?
いたわってあげてますか?
でも、自分が悪かったと思えば思うほど、いたわるよりも責めることの方が多くなるんじゃないかと思います。
そしたら余計に自分を傷つけちゃいますよね。
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手放しのプロセスの一歩目は「自己受容」なんですよね。
傷ついた自分を受け入れる、という段階。
だから、手放し本の中でもまずは自分の感情を吐き出すことを推奨しているわけです。
哀しい、寂しい、ムカつく、惨め、ごめんなさい、辛い、痛い、苦しい、眠れない、ヤバい、等々、そのとき感じている気持ちをありのままに書き出して解放していきましょう、と。
このプロセス、傷の度合いにもよりますけれどそれだけのショックがあるなら数週間くらいは必要じゃないかと思っています。
カウンセリングでも焦って前向きになろうとする方に「まだ早いよ。もう少し傷に浸ったほうがいいよ」とお伝えすることも多いのです。
けど、自立系の方々が頭で考える力が強いし、早く楽になりたいと思うし、それで焦ることもあるので、「方法論」に捉われやすくなるんです。
だから、御恨み帳も数日で「もうネガティブな感情は解放されたはず」と解釈しちゃったりするんですよね。
ま、Kさんがそうなってるのかどうかは分かりませんけどね。一般論としてお読みください。
そう、まずは「傷ついた自分を受け入れる」ということをやっていくんです。
こんなにも大切に思ってたんだー。辛いぜ。
自分の未熟さのせいで大事件を起こしてしまったなー。後悔しちゃうぜ。
心のよりどころを失ったようで悲しいし、不安だし、寂しいし、これからどうしたらいいんだろう?
そんなネガティブな気持ちをまずは受け入れていくのです。
それは苦しいのだけどね。
例えば、怪我をしたときもその怪我の状態をまずは受け入れないと処置もできないでしょう?
骨が折れてるのに「大丈夫っす!次の大会も迫ってるのでテーピングだけでいいっす!」とかやってたらお医者さんにも監督にも怒られるでしょ?
っていうか、体の傷はすぐにお医者さんに見せるのに、なんで心の傷は自分で処置しようとするのかも疑問ですけどね?笑
心の傷ってのをみんな安易に見すぎてるようにも思います。特に自立系の方々は。
カウンセラーに見せるのが勇気要るなら友達や家族にその思いを吐露することも大事ですね。
ま、そうして傷ついた自分に優しくして、いたわって、痛みを受け入れていって、ようやく「手放し」の段階に入れるわけです。
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その心の痛みって目に見えないだけに軽視されがちです。
「この程度の傷で倒れてたまるか!」という武闘派根性はさすがなのですが、両脚複雑骨折してるのに立ち続けたらヤバいと思いません?
だから、まずはそれを受け入れることからなんです。
手放しのプロセスに入るのは心の嵐が収まってから。
傷の痛みも引いてきて、少しずつ前向きになってきたり、怒りが出てきたりしたら準備が大方できたと言えます。
でも、その判断もきちんと状態を見極めることが必須なんですよね。
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手放し本や手放しワークの動画で紹介しているのは「過去の傷」に対するもので、現在進行形の傷についての記述はあんまりなかったと思います。
この「自己受容」があって初めて「感情的理解」や「感謝」に移れるのですが、ここをしっかりやってないと「頭で理解」「頭で感謝」になってしまうんです。
Kさんの状況も詳しく聞いてみないと分からないのですが、余計に辛くなるのはそういう理由なんじゃないかと思いました。
癒える気配がないってことは時間もう少しかけたほうが良さそうですね。
*「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画『本気の手放しワーク』
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