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夫婦や長い付き合いの上司部下など親密な関係において自立と依存がひっくり返ると、それまで相手が感じていた感情を自分が感じ、自分が感じていた感情を相手が感じるようになるんです。
それでお互いの気持ちを理解し、かつてしてほしかったことを相手に与えることで関係の改善を図れるのですが、このケースに当てはまるかどうかは慎重に検討する必要があるものです。
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今日は自立と依存の逆転劇についてお伺いしたいです。
私が冷めたら追いかけてきた、同じ職場の元カレ野良猫ロックマンのことについて。
当時は復縁したくて、彼のいる飲み会にもお洒落をして、気合い入れまくりだった執着の私。
急に彼への熱意が冷め、「どうでもいいや」と思うようになり、「むしろ彼の姿を見たくない、彼にも私の姿を見てほしくない」と、悉く職場で避けまくった結果、平和な毎日を過ごしておりました。
そしたら元彼はピューっと隙間風が吹いたのか、他の女性社員を呼び出しまくって気を引いたり、自分の席から離れ、毎日私が通る廊下の机に居座るようになってしまいました。
それでも私が現れない時は、通りすがりに席を覗き込んできたり。明らかにこちらを気にしています。
そんな彼に一層「キショッ」と嫌悪感と鳥肌な毎日でしたが、ふと、気づいたんです。
これって自立と依存が逆転して、今私が感じてる感情って、元々は彼が抱いていた感情なのかも、と。
ということは、彼をめちゃくちゃ気にしていた私に対して、気持ちの悪い女って思っていたのかもしれない…って。
しょ、ショックです!!根本師匠、やっぱりそういうことなんでしょうか?
教えてください( ; ; )
(Yさん)
迂闊にそういう話を意地悪なカウンセラーにすると以後「キモい女」呼ばわりされるらしいので気を付けたほうがいいかもしれないっすね!笑
にしても、廊下の机に居座るようになるなんてマジできっしょいですなー。笑
ご指摘のように「自立と依存がひっくり返るとそれまで感じていたこともひっくり返る」なんて法則があります。
よくあるのが夫婦関係や上司部下との関係で、それまで依存にいた妻が奮起して自立し始め、ある時点で自分が自立側に転じます。
そうするとそれまであった執着が消えてなくなり、「別にお前がおらんでも平気や!」みたいな気分になったり、「うわー、なんかイタイ男やなあ」と嫌悪したりします。
一方、相手もそれまでの態度とは打って変わって自分に気を使ってきたり、優しくなったり、感情的な態度を取るようになったりします。
まるで今まで妻がしてきたことを夫がするようになり、夫がしていたことを妻がするようになる感じですが、それは感情も同じで、それまで夫が感じていた感情を今の妻が感じていて、妻がそれまで感じていた気持ちを夫が味わうようになる、ということです。
そうなることでかつての相手の気持ちが理解できるようになり、また、かつて自分がしてほしかったことを相手にしてあげることで関係性を改善することができるわけですね。
その効果を狙って依存側の妻や部下に自立することを促していくアプローチを取ることが多いのですね。
また、ときどき「モラハラ彼氏の態度が急変して猫なで声を使う優しい彼氏に変わった途端、彼女がそれをめっちゃキモく感じて逃げ出したくなる」という話を紹介していましたが、それもまた同じような現象です。
ただ、これほどの影響を与え合うにはそれなりに深い関係が必要でして、夫婦だったり、長い付き合いの恋人だったり、上司部下だったり、という条件が必要になるものです。
だから、Yさんのケースが果たしてそれに当たるかどうかというのはもう少し検討してみないとはっきり言えないかもしれません。
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というのも「野良猫同士の追いかけっこ」というのはこの自立と依存の逆転現象で説明できるかどうかは微妙だからです。
そもそも野良猫な男女は「近づいてきたら逃げる、逃げたら追いかけてくる」という絶妙な距離感の上で成り立っており、確かに逃げる方が自立で、追いかける方が依存という分類も可能ですが、それ以上に生物学上の性質(?)というものが作用するものです。
復縁したくて気合を入れまくっていた頃のYさんは追う立場。
そのときの彼は例によってそんなYさんをスルーしていたことでしょう。
しかし、野良猫系情熱女子であるYさんは何かのきっかけで急に彼への気持ちが冷めちゃうわけですね。
そうすると、今まで「あいつはいつまでも俺に惚れとるなあ」とあぐらをかいていた彼はびっくりして「やば!」と思い、つい彼女のことが気になるようになります。
それであからさまに追いかけてくるのですが、Yさんの気持ちはとっくに冷めているので「きもっ!」となるわけですな。
だから、このあと再びYさんの恋心に火がついて「やっぱ彼がいい!」と捕まえに行けば、彼は踵を返して逃げ出すのは分かり切った事実ですよね。
だから、これはやはり野良猫同士の追いかけっこってことになると思うのです。
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この野良猫同士の追いかけっこの場合、確かに依存と自立の関係性が成り立ち、立場が逆転することで依存と自立もひっくり返るところは確かにそうなのですが、ここでお話してきたような感情の逆転まで起こるかと言えば、ちょっと距離が空きすぎな気がするんですよね。
かつてはお付き合いされてたとのことですが、今は野良猫同士、ぶひぶひと縄張り争いをする関係ですから、ちょっと距離が空いてると思うんです。
そして、Yさんも彼も親密感への怖れというのをたんまり持っていらっしゃるわけです。
そうすると自立と依存の関係に着目するよりも、親密感への怖れからくる野良猫マインドとして解釈した方が筋が通ると思うのですよね。
だから、Yさんが今彼のことをキモイと思っているから、かつて彼がYさんのことをそう思っていたかどうかは何とも言えないというか、そうは思ってなかった可能性も強いですよ、ということになるのです。
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さて、女心と秋の空と言われますけれど、女性性が豊かな人ってのは突然気持ちが変わるものです。
それまで元カレに執着していた女子が、他に気になる人ができた途端、元カレのことがどうでもよくなったり、ずるずると不倫を続けていた女子が何かのきっかけで気持ちが冷めてあっさり別れを切り出したり、なんとか夫婦関係を修復したいとカウンセリングに通っていた奥さんがある日突然「やっぱ離婚します」と言い出したり。
それまでは「なんでうまくいかないんだろう?どうしたらいいんだろう?」と考えてせいいっぱい努力したり、あれこれ彼の気持ちを考えて戦略を練ってみたり、とりあえず体当たりで彼の心を引こうとしたり、毒を盛ってでもあたしのモノにしたる!と鼻息荒かったりしたのに、なぜか急変するんですね。
ある人はそんな風になった自分を「魔が差したように彼に興味がなくなった」と表現されていましたけど、まさにそんな感じですね。
何かあったわけでもないのに、急にお腹がいっぱいになって「もういらない」となる感じ。
それで「なんでなんでしょう?」と説明を求められても「そういうもんだからしゃあない」としか言えないんですけれど。笑
もう本能的なものとして見るしかないと思うのですね。
で、そのあたりを無理やり解説しても意味がないかもしれませんし、個人的にもめんどくさいのですが、行数を稼ぐにはそれしかねえなと思い当たりましたので、雑談としてお付き合いください。
女性性が豊かな人ってめちゃくちゃ感情感じてるんですよね。
それは量もそうですし、種類もそうです。
「彼と復縁したい―!」という鼻息を荒くしていたYさんの中にも「彼のことがやっぱり好き」「あの幸せな時間が忘れられない」「またくっつきたい」「ずっと一緒にいたい」みたいなそれを後押しする気持ちもあれば、「あたしをこんな目に遭わせよって。死んで化けて出てやろうか」「なんであたしはこの程度の男が好きなんやろか」「他にいい男がいればさっさと乗り換えるんだけどな」「そんなことより推しのライブの準備をしなければ」「やっぱケーキは尊い」「おかんムカつく」「かわいいスカートがほしい」「宝くじあたらねーかなー」「仕事だりぃ」「風呂上がりのアイスは神」等々、様々な感情が渦巻いているわけです。
分かりやすく例えるならばJR貨物が誇る26両の長大編成において、先頭10両は確かに元カレへの思いが詰まってんだけど、残り16両にはその他さまざまな思いが詰め込まれてるという感じ。
だから、元カレのことで頭がいっぱいというのは一見、佐川急便のスーパーレールカーゴのように見えて、実はその先頭10両分を見てるときのことなわけで、そこに気を取られている間も連結されてる他の貨車は堂々と東海道本線を爆走しているのです。
それが吹田や稲沢あたりでその荷物を下ろして、別の荷物に積み替えられ、東京貨物ターミナルに着く頃には彼の思いが詰まったコンテナはとっくになくなってたという感じです。
・・・ん?余計に分かりにくい?え?なんで?
つまり、意識が「彼と復縁したい」と思い込んでいるうちに感情がどんどん消化されていくんです。
感情って感じれば感じるほど解放されます。
情熱系女子は彼に対するあらゆる感情を日々感じまくってますから、意識が気が付かない間に彼への思いも消化しちまってることが多いのですね。
そもそも恋に生きる女子は「味のないガムも、ガムはガム」と誰かを好きでいることを望みますし、「彼のことがどうでもよくなっちゃったらオナニーする際のおかずに困る」ものですから、感情的には執着が切れていても、意識の中で彼を追いかけてることも多いのです。
それが何かの瞬間に「蓋を開けてみれば彼への気持ちなんてないやん!」と気が付くわけです。
それで「気持ちがコロッと変わる」という現象が起きるという説明でどうでしょうか?
要するにYさんは自分でも気が付かないうちに彼への思いを感じまくって執着が切れ、気が済んだんだろうと思います。
それは彼の姿を見たくなくて逃げまくっていたことも奏功したと思いますが。
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