私たちの自由を縛り罪悪感を起こさせる「観念」とその手放し方について~人生を楽しめないのはそれを禁止する「観念」があるから~



私たちは数千にも及ぶと言われる「観念」を持ち、それに縛られて生きています。
もちろん良い観念もあるのですが、自分らしさを殺し、自らをがんじがらめにしてしまうものも少なくないのです。
そうした観念とその取扱い方について簡単に解説しています。

いつも根本先生のブログを読ませてもらってます! 久しぶりにネタ提供させていただきたいと思います!

旦那と3人の子供がいる30代の母親です!過干渉な母親、人の悪口ばっか、否定的な言い方ばかりする父親で育ちました。

家庭を持ってからほとんど遊びに出ることなく、今は年に数回飲み会やらちょっとした予定で、夜子供を旦那にみてもらい出かけることがあるのですが、予定の数日前になると必ず、「自分だけ夜でかけて楽しんで申し訳ない」と子供に対して罪悪感を感じ、予定の日が近づいてくるとさらに罪悪感が強くなります。予定が決まった時は久しぶりに出かけることが楽しみだったのに段々と辛い気持ちになってしまいます。
そうなる原因を考えてもわからず、自分が思い出せる範囲では親に罪悪感を感じたこともありません。
この気持ちを軽くする方法があれば是非教えていただきたいです!
よろしくお願いします!
(Rさん)

そりゃあ、子どもを旦那に押し付けて夜一人で遊びに出かけるなんて言語道断ですよねえ?罪悪感のひとつくらい持ってもらわなきゃ困りますよねえ?笑

・・・なんて言われたらどう思います?

まったくもってその通りだ!と感じますか?
それとも訳の分からん怒りのようなものがこみ上げてきますか?
どちらでもなくひたすらモヤモヤするでしょうか?

けっこう似た話ってよく耳にするんですが、こういうのって旦那や子どもがどう言ってくれてるのか?どう思っているのか?とは全く関係なく、Rさんが個人的に思っていることが罪悪感を生み出してるものなんです。

私たちには「観念」とか「ビリーフ」とか「自分ルール」とか「思い込み」というものがたくさんたくさんありまして、そこに反することを自分が思ったり、言ったり、行動したりするとモヤッとして時には罪悪感を刺激することになっています。

なので、Rさんにとってみれば「母親とは子どもの側にずっといるべきだし、家庭をきちんと守らねばならぬ」という鉄の掟が存在してるのかな?と思うわけです。

さらに拡張すれば「自分ひとりが楽しいことをしてはいけない」みたいなルールも存在してるのかもしれません。

そうした観念が「過干渉な母親、人の悪口ばっか、否定的な言い方ばかりする父親」との関係から生まれたことは想像に難くないのですが、たぶん、他にもそうした観念で自分を縛り付けていることってあるんじゃないでしょうか?

こうした観念は良いモノももちろんあるんですけれど、私たちの思考なり感情なり言動なりをかなり縛り付け、自由を奪います。

この観念については本が一冊書けるほど膨大なネタがあるんですけれどかいつまんで今日はお届けしたいと思います。

こうした観念はある意味「自分を守るもの」として存在していて、傷つかない、嫌われない、失敗しない、迷惑をかけない、困らないために作用するものです。

つまり、ややこしいことに観念は自らの自由を奪う一方で、自分を守る役割も果たしているのです。

こうした観念は主に次のような原因から生まれます。

(1)こういうことをしたら怒られる、嫌われると言った体験から生まれるもの。
(2)こういうことをしたら失敗して痛い思いをするという体験から生まれるもの。
(3)親や周りの人から命令されたことで生まれたもの。
(4)身近な人の失敗などから学び、生まれたもの。

もう少し補足していきましょう。

(1)こういうことをしたら怒られる、嫌われるといった体験から生まれるもの。

子どもたちは自由なので時に親や周りの人から怒られることをやっちまいます。

「急に道路に飛び出しちゃダメ!」「人を傷つけるような言動をしちゃダメ!」「人に親切にしてもらったらありがとうって言うべき!」「人には敬語で話なさい!」みたいなことも始めは「怒られないために」身に着けることが多いものです。

それがだんだん大人になって理解が進むと「確かにそれは危ないなあ」などと理解が進んでくるものです。

こうして自分の身を守ったり、良好な人間関係を築くために必要な観念というものも存在するわけです。

しかし、その一方で「親の言うことをきかないと怒られる」みたいな体験を繰り返すと、誰かから怒られるんじゃないか?という怖れを胸に抱きながら生きることになります。

その結果「好きなことはやっちゃいけない」「自由な行動は制限されるべき」「期待に応えなければならない」「いい子にしなきゃいけない」等々の自らの自由を束縛する観念も生まれてくるものです。

だから親子関係ってめちゃくちゃ大事なんですよね。

参考)子育てだけでなく親との関係も理解できます。
「子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる」(実務教育出版)

(2)こういうことをしたら失敗して痛い思いをするという体験から生まれるもの。

人から言われるのではなく、自らの痛い体験から生まれる観念です。
痛いのはイヤだし、そんな思いは二度としたくないから自ら観念を作り出すんです。

「みんなの注目を集めたくて前に出たら逆にみんなに笑われてバカにされたので、それ以来、前に出ることができなくなった」

「恋人にわがまま言いたい放題してたら失恋してすごくつらかったので、恋人ができても我慢するようになってしまった」

「仲の良い友達に何でも話をしてたらその子が他の子に全部しゃべっててすごく傷ついたから、人のことが信用できなくなった」

「母親が過干渉でヒステリックだったのでいつも母のご機嫌取りをしていたら、いつも人に気を遣いすぎる人になってしまった」

みたいな感じです。これが(1)とつながって「好き放題してたら親からこっぴどく怒られたので好きなことができなくなった」みたいなケースも多々あります。

(3)親や周りの人から言われたことで生まれたもの。

「『あんたはブスなんだから』と親から言われ続けてきたので、周りから『かわいい』と言われても全然受け取れなくなった」

「『お金は怖いもの』と親から言われたので未だにお金に対しての怖れが強い」

「母親が『お父さんみたいな人と結婚しちゃダメよ』と口を酸っぱくして言ってたので、なかなか恋愛ができなくなった」

みたいな感じで親や先生や周りの人がよく言っていたことをそのまま観念に変えているものです。

子ども時代はそうするほかなかったですし、反抗しようもんなら怒られたわけで、こうした「無条件にインストールされてる観念」を私たちは無数に持っているものです。

それが大人になった私たちを束縛し、窮屈にしていることが多々あります。

(4)身近な人の失敗などから学び、生まれたもの。

「親が自営で、お金にすごく苦労していて、自分たちも貧乏生活を送っていたので、安定した会社に勤めることを望むようになった」

「母親が『お父さんと結婚しなきゃよかった』とよく愚痴を言ってたので、結婚に対して消極的になってしまっている」

「兄が自由奔放で親に迷惑ばかりかけていたので、自分だけはちゃんとしなきゃと思うようになった」

自分じゃなくて人の失敗から学んだことで、これも意外とたくさんあるものです。
ただ、ポイントは自分から見るとそれが失敗に見えただけで、ほんとうはそうじゃないケースもあるものです。

つまりRさんのケースに当てはめてみれば親との関係などから「母親はこうあるべき、こうすべき」みたいな観念がたくさんあるんだろうな、ということです。

だから、旦那も子どもたちも「楽しんできてね!」と言ってるのに自分ひとりが罪悪感を抱えることになっちゃうわけですね。

なので、Rさんのお母さんは夜一人で出かけることをどう思っていたのか?もしそういう機会があるならばお父ちゃんはそれをどう言ってたのか?あるいは、それを自分はどう受け止めていたのか?なんて風に見ていくと分かりやすいと思います。

男尊女卑が今よりも厳しかった昔は、母親が一人で夜出かけることは社会的にタブーでしたよね。

母親は家に居て家族の面倒をみるべき!という観念が非常に根強く、家族を置いて一人ででかけることを母親自身も否定的に思っていたのかもしれません。

また、何かと否定的なことを言う父親に「自由にやりたいことをやる」ということにダメ出しされてきたのかもしれません。

それは「楽しむこと」とか「好きなことをやる」とかも含まれているので、楽しみだった集まりに対して否定的な感情が出てくるようになってるのかもしれません。

ここでポイントなのは「独身時代はけっこう好きにやってたのに、家族を持つようになってから途端にそれができなくなった」というケースも多々存在することです。

育った家庭に不自由さを感じて自立して立派な武闘派として好き放題生きていた女子が、結婚して子どもを産んで家族を作った途端、育った家庭を再現するが如く、自分をがんじがらめに縛っちゃうケースって珍しくないんです。

やはり育った家庭がベースになるので、いざ自分が家庭を持つと実家を再現しちゃうんですね。

それが嫌で結婚できない人も実は少なくないんです。

こうした観念を手放していくにも様々なアプローチがあり、そうした背景を考慮しながらひたすら自分に許可を出し続けることがまずはいいでしょう。

「母親が夜一人で出かけるのは全然OKじゃね?」みたいなことを自分に言い聞かせるわけです。

「まあ、自分の母親の世代ではそれはタブーだったけど今はそういう時代じゃないよねー?旦那も子どもたちも歓迎してくれてるんだから素直に受け取ったらいいんだよね!」なんて風に思ってもいいでしょう。

これでけっこう楽になる場合も少なくないので、こうした観念に気付いたら、そうした「いいんじゃね?」と許可を出し続けることをお勧めしたいところです。

ただ、親との関係から生まれた観念などは非常に歴史が深く、人生の大半をその観念に縛られて生きてることも珍しくありません。

しかも、その観念は意識化されることなく「当たり前のこと」であり「常識」として根付いている場合も多いので、気付くことすらなく縛られ続けてることも多いものです。

それが今の自分を不自由にし、言動に制限をかけたり、幸せを遠ざけたり、自分らしい生き方から離れちゃったりしているので、我々カウンセラーというのはこうした観念に目を付けることが一般的なほどです。

だからもし今の自分が不自由だな、幸せじゃないな、と感じたら、自分がどんな観念を持っているかを調べてみると「なるほどー」というものが見つかるものですね。

さて、それだけ深い観念に縛られているとなんぼ許可を出そうとしたって不発に終わることが少なくなく、「母親が夜外に出るのも悪いことじゃないと思ってはいるんですけど、どうしても家族に申し訳ない気持ちになっちゃうんです」という話になるものです。

特に「罪悪感」というのはいつもお伝えしてるようになかなか厄介な感情で、親から罪悪感を煽られるような接し方をされてきた場合、ほんと自由を感じられません。

だから、やっぱり親との関係に着目するのが王道で、いわゆる「親を手放す」というプロセスが必要になってきます。

未だに親の影響を受けてるなんて!と思う必要はありません。

大人になってもその影響はめちゃくちゃ大きいものですから。

ちなみに「親を手放す」というプロセスはよく提案されるものだと思いますが、ほんとうのところを言えば親そのものを手放すというよりは、親から受けた影響を手放すことが目的であるケースがほとんどです。

そして、改めて大人になった今、親と向き合うと「あれ?思ったよりも全然簡単に手放せたわ」なんてことも少なくありません。

子どもの頃にインストールした観念が、今ではもう古びて役立たずになってるんだけど、それに気付かずずっと使い続けてるだけで、改めて親と向き合ったらすぐに手放せることって意外と多いんです。

未だに古いiPhoneを使い続けていて、カメラの性能も低いし、すぐに充電なくなるし、ネットの接続は遅いし不自由なんだけど「新作は高いしなあ」と見送ってたところ、もういい加減ヤバくて型落ちだけど新しい機種に乗り換えたらめちゃくちゃ快適でびっくりした!みたいな感じのことってよくあるんです。

だから、シンプルに「この親が親で良かったこと、感謝できること」をいっぱい探してみたり、「御恨み帳」を書きまくってみたりするだけで、親の影響を払拭できることって少なくありません。

それでも風呂場の手ごわいカビのようにそう簡単に落ちないものならば、また一段と本格的な手段に挑めば良いのです。

そう、親と向き合うと言っても様々な段階がありますからビビらずにやっていきましょう。

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「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』

さて、原因を探り対処方法を見出だすのは王道の手段なわけですけれど、その際に肝心要な「目標」についても触れておく必要があります。

つまり「自分がどうなりたいか?」という点です。

Rさんにとってみれば「たまの外出なんだから思い切り楽しめるようになりたいぜ!」ということだろうと思われるのですが、それをちゃんと意識することがすごく大事なんです。

よく手放しや許しを扱う際に「なんとなしの目標」でワークを進めちゃうケースがあります。

暗黙の了解で「そりゃそうでしょ」と自分も思うからなんですけれど、ちゃんと「どうなりたいか?」を意識することはワークに取り組む上でもめちゃくちゃ大事なんです。

というのもカウンセリングをしていると「つまりは旦那や子どもを置いて夜出かけることをもっと楽しみたいってことですよね?」なんて話を振った際に「え、ええ。そ、そのとおりです」的な反応を示される方も珍しくないんです。

つまりあまりに観念が強いと「こうなりたい」と思うこと自体に抵抗を覚えるようになるんです。

だから、敢えて「どうなりたいか?」ということを意識することがめちゃくちゃ大事なんです。そのために手放しワークを進めるだけですから。

ということで「観念」と「その取扱い」について簡単にお話を進めて参りましたが、いかがでしたでしょうか?

★観念を手放して自分らしく生きるための本と動画はこちらです。

『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』(大和書房)

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私達の自由を縛る「観念」の話。欲しいけれど手に入っていないものは観念が邪魔してるのかもよ?


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