「相手に配慮した言動をしているのに、それが伝わらず、なぜか怒られる」というパターンはなぜ生まれるのか?どうしたらいいのか?



人間関係あるあるの一つで、相手の気持ちが分かっちゃう聡い人、敏感な人によくある慢性的な問題ですね。
そこにはコミュニケーションの問題がある一方で、根っこにはやはり親との関係が大きく影響していることが多いようです。

配慮について。

根本先生、こんにちは!

先日、仕事のやり取りをLINEでしていて、「私の言いたいことが伝わらない」とモヤモヤしながらLINEを打っていました。

で、打ったあと「相手からこうしますか?」と提案があり、そうします。ということになりました。

相手からの提案は私にはなかったアイデアで、私に譲歩してくれたアイデアであります。(譲歩だと勝手に私が思っていて、相手にとったらどうって事ない提案かもしれません。)

私は今の状況だと自分がしんどいので、Aの提案をしました。
双方、売上が下がる可能性もあるし、相手も仕事をしやすいようにと考慮した上で、Aの案がいいのでは無いかと伝えていたのですが伝わりませんでした。

これ、仕事だけじゃなくて、恋愛や親子でもあったなと思いました。
(恋愛では最近別れたので、これも原因だったのか?と振り返って思ったりします。)

相手が拗ねて「○○出来ない」と言うと「(あなたは出来ないと言っているし、しんどい思いまでさせたくないし申し訳ないから)もういいよ。」と伝えると「せっかくここまでしたのに」とか。

親だと「せっかくしてやったのに」「育ててやってるのに」「金出してやったのに」「そういう言い方してバカにしてるんでしょ!」とか言われてたので配慮して怒られて、凄く嫌だったんです。

配慮して、いつも怒られてたのでなんで怒られてるのかよく分からないんです。

どうしたら良かったんでしょうか?

私はみんなが良い方がいいなと思っちゃう。

自分の要望は伝えているんですけど相手のことを考えずに?ひとまず伝えた方がよかったのでしょうか?

いつもこのパターンがあります。
伝わらないのも寂しいし、与えても受けたってくれないんか。と思うこともあります。

どうしたらこのパターンは終わらせられるでしょうか?
(Yさん)

これ、あるあるだなあ、と思って読ませていただきました。
きっとスマホの向こうで「分かりみしかない」と思っていらっしゃる同志もたくさんいらっしゃるかと思います。

相手に配慮したのに、なぜか不満を漏らされたり、怒られたりする。

正直「は?なんで?」と思うものですね。

で、こういう風になっちまうのはなぜなんだろう?というのをそのたびに考えるわけですけれど、自分では見えないものなんですよね。

でも、少なくても「相手に配慮ができる」「相手の気持ちを考えられる」「相手の気持ちが分かる」「その上でどうしたらいいのかを考えられる」というのは長所に違いはありません。

理解できない相手の問題であるケースも多いと思いますが、でも、それが繰り返されるならやっぱり慢性的な問題として「自分」を見つめていくのが良いようです。

ちょっと違う話なんですけれどあるクライアントさんが「あたしは知らず知らずのうちに相手を怒らせるらしい」という話をされてました。

自分では相手に配慮して気を遣って言葉を選んで話をしているつもりなのに、気が付けば相手の気分を害しているようで怒られる、と。

それで取引先からは担当替えを言われたり、恋人から別れを切り出されたり、親友からは絶交されたり、辛いことがよく起きてたんですね。

けど、職場ではけっこう人気者だし、男からもモテるし、友達も多いんです。人見知りしないタイプなので、どこでもうまく溶け込んでやっていけるタイプなんですよね。

「へえ、そんなこともあるんやねえ。不思議なことやねえ」と色々と話を伺っていったんです。

そうすると「ん?あれ?」と思う発言がありまして、「たまたまかな?」と思って引き続き話を聴いているとやっぱり「ん?あれ?」と思うことをおっしゃるんですね。

で、もしかして「そういうことってよくあるんじゃね?」と彼女に伝えたら「恋人とか親友からそう指摘されたことがある。けど、自分は全然そのつもりじゃない」とのことだったんです。

それは「今みたいにチラッと上から目線になって相手をディスることってない?」というものでした。

あるときは冗談のつもり、あるときは無意識で、そういう言葉遣いをしてしまうようなんですね。もちろん、悪気なんてありません。

よくよく聞けば彼女のお父さんがけっこうマウントを取って相手を下げるタイプらしく、外では「めっちゃいい人」なんだけど、家では人の悪口言ったり、上から目線でモノを言うことが多い人だったそうです。

★あれ?あたしのこと?と思った方のための本。

『人間関係がスーッとラクになる 心の地雷を踏まないコツ・踏んだときのコツ』(日本実業出版)

もしかしたらYさんにも似たようなところがあるのかなあ?と思いましてちょっと思い出した話をさせていただきました。

で、実際にお話を伺ってみればさっきのクライアントさんのように「相手をディスる癖」があることに気付けたりしますし、別の方は「一言多い」とか「張り合ってしまう」とか「相手をバカにしてる」とか、場合によっては「自分を下に置きすぎる」こともあります。

こういうのってなかなか自分では気づかないんですね。

で、そういうのに気づくにはカウンセリングを受けたらいいよ!というのはカウンセラーらしい提案なんですけれど、自立系の方は「とりあえず自分で取り組みたい」という自立らしい考えをするので、こういう提案をします。

「自分がふつうに話してる様子を録音して聴き直してみるといいよ」と。

友達とカフェでしゃべってるときとか、会議や商談の様子とかを録音するんです。

そうすると何気ない会話の中で「なんかこいつムカつく」と思う部分に気付けるかもしれません。

私の個人セッションは録音可なのでちょくちょくスマホなどで録音されてる方もいらっしゃるんですけど、その会話を聴き直してみると自分の話す癖などに気付くものです。
(1対1のセッションは録音可ですが、1対多のグループセッションは他の方の話が入り込んでしまうので録音はNGとさせてもらってます。)

以前もブログで紹介したと思いますが、録音を聴き直したとあるクライアントさんは「あたし、とにかく一言目が『でも』で、なんかすごく恥ずかしいというか情けない気持ちになりました。」とおっしゃってました。

自分の口癖ってあんまり気付かないんですよね。

講演者や講師を目指す人も必ず自分のしゃべりを録画して聴き直す作用をしていまして、そうすると「えーー、が多い」とか「○○という言葉を多用してる」みたいな癖に気付けます。
(本格的な講演者トレーニングでは、聴き直すだけでなく自分で文字起こしまでします。)

なので、チャンスがあったらYさんもふだんの会話を録音して聴き直してみるといいかもしれません。(が、案外緊張しちゃってうまくしゃべれなくなるかもしれませんが。笑)

で、ここからは一般論になっちゃうのですが、こういうケースでよくある背景をご紹介したいと思います。

当てはまるかどうかは分かりませんので、この情報だけで自分がそうだと判断されないようにご注意ください。

で、配慮したのに怒られる、というパターンがある場合、一般的にその配慮が相手に伝わってないことが多いんです。

いわば「言葉足らず」になっちゃうってことなんですね。

例えば「このプロジェクトをうまくやるには○○を採り入れて、△△社にサポートしてもらい、××という形でやるのがお互いにとっていいだろう。そうすれば御社の強みに特化できるし、リスクもコストも抑えられるだろう。担当者さんは他のプロジェクトも抱えているから忙しいだろうし、この方法なら担当者さんの負担は大きくならないだろう。」と考えたとします。

もちろん、実際はもっとたくさんの配慮がなされてると思いますが。

で、その担当者に話をするのですが、この「 」内は何度も自分で練っているので“当たり前のこと”になっているんですね。

それで、前半部分の「○○を採り入れて、△△社にサポートしてもらい、××という形でやりましょう」とだけ相手に伝えてしまうんです。

そうすると、そんな配慮があったことを相手は知らないので字面だけ受け取って「え?それって弊社をプロジェクトから外そうって魂胆があるんじゃね?」とか「それって僕をのけ者にしようとしてる?」みたいな捉え方をされちゃったりするんです。

もちろん、それを言ってくれたら「すいません。そういうことではなくてカクカクシカジカで」と事情を説明できるので誤解は解けるのですが、相手も勝手にそのように判断してしまって怒らせてしまうことがよくあるわけです。

この「相手への配慮は自分にとって当たり前になってしまってるので、言葉にしてるようで実は言葉にしていない」という点が問題になります。

これはパートナーシップでもめちゃくちゃ良くある話ですね。

また、その「配慮」というのが「自己判断」になってしまうこともけっこうあります。

つまり「自分で勝手にそうだと判断してしまう」というケースでして、相手に配慮してるつもりが、相手からすれば配慮になってない、ということです。

例えば、「彼は今週忙しいし、疲れてるって言ってるから週末は一人でゆっくり過ごした方がいいよね。ほんとは会いたいから寂しいけど我慢しよう。」と彼に配慮したとします。

それで彼に「今週は忙しいから週末はひとりでゆっくりして疲れを取ってね。」なんて伝えるのですが、すると彼からは「え?俺と会いたくないの?会うのが嫌なの?」なんて反応が返ってきてビックリするわけですね。

そんなつもりじゃなくて一人の方がゆっくり気兼ねなく休めると思ったからそういう提案をしたのにね。

けど、これは「投影の法則」が絡んだあるあるのすれ違いなんです。

自分が「疲れてるときは誰にも邪魔されず一人でゆっくり過ごした方が疲れが取れる」というタイプだったとすると、その思いを彼に投影して「彼もきっとそうだろう」と思います。

しかし、彼は「彼女と一緒に過ごすほうが気分転換にもなるし、癒されるし、疲れが吹っ飛ぶ」と思うタイプだったとします。

そうすると彼は「金曜日まで頑張れば、土日は彼女と一緒に過ごせる!」と思ってたわけです。

そんなところに「一人でゆっくり過ごしてね」なんて言われたら寂しいですよね。

こういう「配慮してるつもりが自己判断により配慮になってない」ということも人間関係では頻繁に起きていまして、特に自立系な方々は「自分ひとりで勝手に判断する(決める)」ということをやっちまいがちなので注意した方がいいです。

だから、よく「その思いも全部伝えて!めんどくさいかもしれないけど、その提案の裏にある思いを全部伝えて!」という風に言ってます。

つまり、「彼は今週忙しいし、疲れてるって言ってるから週末は一人でゆっくり過ごした方がいいよね。ほんとは会いたいから寂しいけど我慢しよう。」という部分を彼に一番伝えなきゃいけないんですよ。

結論だけ伝えるんじゃなくて、その過程をちゃんと示しましょう!ということです。

そうすると彼も「いやいや、俺は彼女と一緒にいる方が疲れが取れるんだよ。だから会おうよ」と言いやすくなりますね。

ということで再びYさんの話に戻りましょう。

>親だと「せっかくしてやったのに」「育ててやってるのに」「金出してやったのに」「そういう言い方してバカにしてるんでしょ!」とか言われてたので配慮して怒られて、凄く嫌だったんです。

という親だった場合、次のような感じが想定されるんですけどいかがでしょうか?

「親はあたしの話をほとんど聴いてくれずに、自分の価値観を押し付けてくるタイプだった。」

「親は何をしても受け取ってくれず、被害者意識が強くて、良かれと思ってやったこともすべて悪意として受け取るタイプだった。」

「親はあたしの気持ちを理解しようとしたことはなく、自分の思い込みで全部を判断する人だった。」

仮にそういうタイプだったとすると、このパターンそのものが癖になるんですよね。

親って一番近い存在だし、人間関係の基礎を作る大切な関係です。

だから、Yさんの親がもしそういうタイプだったとするとYさんの中にこういう思い込みが生まれます。

「親はあたしのことを理解してくれないし、あたしの話を聴いてくれない」
「親は自分のことで手いっぱいで、あたしのことなんてどうでもいい」
「親は自分を感情処理班だと思てる」

この思い込みが「投影」され、この「親」の部分が「人」になるんですね。

そうすると人間関係はどうなるでしょう?

「どうせ人はあたしのことなんて理解してくれない。」
「あなたもあたしのことなんてどうでもいいんでしょ?」
「あたしには何を言ってもいいと思ってるんでしょ?」

という思いで人と接するようになるんです。

「どうせ理解してくれないんだから」という前提で話をし、「自分のことを大切にしてもらえない」と思って相手に接するわけですから・・・ね?そういうことが繰り返し起きても不思議じゃないと思いませんか?

それで「配慮してるのに怒られる」という慢性的な問題が生まれているのかもしれません。

となるとやはり問題は親との関係でして、「頑張っても報われない」「配慮したのに分かってもらえない」「自分の気持ちなんて理解されない」等々の思い込みがたくさん生まれてると思うのです。

そうして「その思いを手放して行こうぜ!」というテーマが生まれるわけですね。

だから、根っこにある親子関係を見つめ直していくことがやっぱり大切なのかなあ?と思う次第です。

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