兄がいる妹は“夢見る夢子ちゃん”になりやすいのか?~兄がいる妹は2回ハートブレイクを経験する!?~



昨日とあるセミナーに登壇させてもらったのですが、その際に「兄がいる妹」についてのご質問を頂きました。
なかなか面白いテーマだなあ、と思い、本に書いたかどうかの記憶がすでにないのでネタとさせていただこうと思います。

よくカウンセリングなどではその問題の原因として親子関係とか思春期の人間関係などにフォーカスを当てるんですけれど、ある時期からそれだけじゃ説明がつかねぇな、と思うことが増えまして、「そうか。それはお姉ちゃんとの関係が原因すね」みたいに兄弟姉妹を考慮に入れると筋が通ってくるケースがたくさんあることに気付きました。

それでこの本を書くに至ったわけです。

「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)

それで色々と考察を広げて行きますとパートナーシップでもビジネスでもきょうだいとの関係が大きな影響を与えてるんだなあ、ということが分かってきたんです。

例えば、あるチームの問題をそのトップの方から相談されたことがあるんです。
組織が大きくなるにつれてそのチーム内での主導権争いが激しくなり、チームが分裂しそうだ、という問題でした。

彼女は3人きょうだいの第一子長女。子どもの頃から親を支え、弟妹の面倒を見るしっかり者の長女でした。

一方、彼女と対立関係になってしまった相手もやはり第一子長女。その方は3姉妹の長女であり、やはりしっかり者で賢いエリートでした。

つまり、第一子長女同士の激しい競争が勃発し、さらにややこしいことに事務方の責任者も「姉妹」の長女であり、誰もが譲らずに自分の主張を押し通していたのでした。

「緩衝材になりそうな人っていないの?例えば、姉のいる弟とか」とお聞きしたら、そのチームは全員女性で構成されており、その他の運営メンバーは妹かひとりっ子で3人の主導権争いを遠巻きに眺めていたそうです。

結局、その直後にそのチームは解散という憂き目にあったのですが、立ち上げメンバーであったクライアントさんは「自分の何がいけなかったんだろう?」とその後のカウンセリングでうなだれていらっしゃいました。

この問題、確かに親子関係なども影響していることは間違いないのですが、第一子長女というしっかり者でまっすぐで一生懸命なんだけど、その分、不器用なところがある性格が災いし、「チームをもっと良くしたい」という思いが衝突してしまった悲劇として解釈すると腑に落ちる点がたくさんあるんですね。

結果論ですけれど、緩衝材になるような弟タイプの人か、相談役とか顧問として3人の長女の「兄」になれそうな人を入れておいたら良かったのかもしれないなあ、と思いました。(本来、清潔感があって頼りになるイケメンというのが最適解なのかもしれませんが、非現実的な解は見ないようにしましょう!笑)

昨日は起業家たちが集まる場所でセミナーをしてきたのですけれど、ちょうど新刊が出たところということもあってきょうだいの話で盛り上がりました。

その主催者の会社はトップが兄のいる弟と、弟がいる姉のコンビの2人なのですが、愛されキャラで自由奔放で明るい弟を、しっかり者で頑張り屋できちんとしてる姉がいい感じで役割を分担しており、とてもうまく行ってます。

いわば、凧のように自由に飛び回る弟の糸をしっかり姉が握ってる、というイメージでしょうか。

私もお二人に関わってそれなりに長いのでそれだけじゃないところも知っているのですが、経営者としてのバランスはめちゃくちゃいい感じだな、といつも思っているんです。

そんな中、ある方から「兄がいる妹は夢見る夢子ちゃんになりやすいの?」という質問を頂きました。
その方の周りにはそんな女子がたくさんいらっしゃるようなんですね。

本にも書いたかと思いますが、「兄がいる妹は兄が思春期に入ったときに大きなハートブレイクを経験する」という傾向にあります。

そして、「その後、妹が思春期に入ると再び人生の転換期を迎える」という段階を経ます。

とはいえ、これも条件が様々ありまして、兄と妹の年の差が近いと精神的成長の早い妹が先に思春期を迎えていたり、逆に離れているときょうだい感があまりなかったりするので一概には言えませんし、母親の存在も大きいので全員に当てはまるわけではありません。

また、「兄がいる妹」だけだと、兄・兄・妹、とか、兄・妹・弟などのパターンも考えられるのですが、3人きょうだいとなりますと若干パターンが変わってくることもあります。

さて、そんな言い訳をしつつ、その心理を語っていきますと、兄が思春期に入るまでは仲の良いきょうだいで、兄が妹の面倒を見たり、一緒に遊んだり、妹も兄が大好きなので甘えたりして親も目を細めていたりするものです。

しかし、兄が小学校4,5年生になりますと思春期に入りまして「妹と一緒に遊んでる」ということが恥ずかしくなってきますし、同級生からバカにされたりすることも増えてきます。

そうすると不器用な兄は露骨に妹を避けたり、拒絶したりするようになるんですね。

妹からすれば青天の霹靂で、当然ながらその行動が理解できず、大失恋をしたようなショックを受けます。

ちなみにそんな記憶はとうの昔に葬り去っているわけですが、その経験が大人になってからの「恋愛がうまくいかねえ」という問題に直結しているケースも少なからずあります。

さて、そんなショックを受けつつも、妹は兄が好きなので、相手にされないまでも一途な気持ちを持ったまま遠巻きに兄に憧れ続けるのですが、そんな妹も小学校3,4年生になれば思春期に入ります。

思春期ってのは大きな変化の時なのですが、家族から自立し始め、視野を広げる時期です。

家族といるよりも友達といる方が楽しくなり、アイデンティティの形成を始めるんですね。

そうすると多くの妹はあることに気付くんです。

「お兄ちゃん、すごくかっこよくて何でもできるすごい人だと思ってたけど、なんか違うくね?」と。

お兄ちゃんよりもかっこいい男子、お兄ちゃんよりも面白い男子、お兄ちゃんよりも勉強やスポーツができる男子がクラスの中にいることに気付くんですね。

そうすると親に反抗するだけでなく、兄に対しても今度は自分から距離を置き始めます。

優しいお兄ちゃんだった場合は露骨に否定的な発言を繰り出すこともあります。

「お兄ちゃんがジャニーズみたいにかっこよかったらいいのに!なんでお兄ちゃんはそんなブサメンなの!!」みたいな。

もちろん、そこで兄は大きなショックを受けるんですけど、兄のプライドと恥ずかしさが相まってそれを素直には認められず、強がって喧嘩になることもあります。

兄とすれば、自分が距離を置いているにもかかわらず一途に自分を見てくれる妹の存在を嬉しく思っていたわけですが、その妹が自分から離れて行くわけですから寂しさもでてきます。

さて、そんな妹は「今まで好きだった人に全然魅力を感じなくなった」という経験をするのですが、そこで「ほんとうにあたしのことを愛してくれる人は誰?あたしの王子さまはどこにいるの?」というファンタジーに走るケースがあります。

それこそジャニーズや韓流アイドルにハマるわけですけれど、その2度のハートブレイクを経て、近しい人に魅力を感じることが“怖くなってしまった”妹は、そこで「夢見る夢子ちゃん」としてデビューを果たすわけですね。

ただ、そこで早くも武闘派女子の片りんを見せ始める妹もいまして、「ファンタジーよりも現実じゃけんのぉ」と悟った彼女たちは、「思春期までは兄に可愛がられていた愛嬌」や「兄を虜にしてきた甘え方」などを駆使して、クラスの男子に近付き、早速恋を実らせたり、男子たちと楽しく遊んで女子から嫉妬されたりするなどの行動に出ます。

その場合は夢見る夢子ちゃんになる確率は低くなるでしょう。

さて、問題は自分が思春期に入ってもなお兄を追いかけ続ける妹です。

すなわち、その兄はそれなりにかっこよくて、勉強やスポーツもでき、面白いキャラなわけで、そうなると妹の心の中には「理想のパートナー」として兄が君臨するようになってしまうのです。

いわゆる「ブラコン」という奴なのですが、これがけっこう厄介な代物です。

※ちなみに私の経験上、マザコン・ファザコンよりもブラコン・シスコンの方がその影響を取り去るのが難しいような気がしています。

そうすると「こちらを振り向いてくれない理想の男」を心の中で追いかけ続けます。

これが「兄×妹」ではなく「姉×弟」の場合ですと、姉がしっかり弟を“調教”していますので、姉が思春期に入ったからと言って弟を遠ざけることもなく、また、弟が思春期に入ったとて弟の絶対的君主であることに違いはないので、「弟を心の中で見つめ続ける」ということはあまりありません。

むしろ、自慢の弟としてあちこち連れまわすことの方が多いでしょう。

さて、その兄を心の中で密かに慕い続ける妹もまたそうした心理から「夢見る夢子ちゃん」になりやすいことは想像に難くないでしょう。

恋をしようにも兄と似た人を探しますし、仮に兄に似た人を見つけたとしても兄には絶対叶いませんから失望してしまいます。

兄を投影する形でジャニーズやお笑い芸人などを追っかけるケースもあり、中にはリアコになっちゃうこともあるんですけれど、それは「手に入らない男」を追いかけるところで兄と一致するからです。

さて、ここまでは分析的な話なのですが、仮に「夢見る夢子ちゃん」になってしまった妹がどうそれを手放すか?というと、兄に幻滅した妹でも、兄に憧れを抱いたままの妹でも、まずは「兄に対する素直な気持ち」を受け入れることから始めます。

好きだったのよねー。
ショックだったよねー。
それって失恋みたいなもんだよねー。
でも、まだ好きなんだよねー。
そこで反抗したんよねー。

自分の人生を振り返りながら兄との物語を改めて意識に上らせます。

そして、ここからは個別論になるわけですが、兄の影響が強ければ兄を手放し、兄に反抗しているのであれば素直さを取り戻し、兄を追いかけ続けるのであれば「自分軸」を強く持って兄と自分の間に線引きをしていきます。

そして、兄からの愛を受け取ったり、兄への愛情を確認したりしながら、徐々に「兄をちゃんと兄の席に座らせる」ということをしていきます。

パートナーシップがテーマであれば、「パートナー」の席に座ってる兄を「兄」の席に座っていただくわけですね。

こうした作業を根気強く一つずつ行っていくと、元々「兄から愛された妹」なので、男性から愛される免疫は十分付いています。

中には「女子といるより男子といる方が楽」という思いをもった妹も多いでしょうから、パートナーシップは思っているよりも案外早く手に入れられるでしょう。

ただ、ブラコン、ファザコンの場合、セックスは当然ながらタブーになるので、知らず知らずのうちにセクシャリティを抑圧してしまってるケースも多々あります。

いつまでもお兄ちゃんに可愛がられる女の子でいたい、という願望がそうさせています。

ということで、兄がいる妹は夢見る夢子ちゃんになりやすいのか?という問いに対しては、そうなる場合もあるし、そうならない場合もあるよ、というお話でした。

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