「弟がいる姉は幸せになれない」は本当なの?



本のタイトルを見てざわついた長女も多いはず。その心理について解説すると同時に、意外かもしれませんが、姉×弟って一番ベストな組み合わせなのかも?というお話に言及させていただきます。

新刊のタイトルが発表された際、自立系武闘派長女たちがざわつき、「おい、どないなっとんねん。なあ?」「おい、著者を呼び出してシメたろやないか?」「あいつ、ついに本音を言い出しよったな」などのLINEが丑三つ時に飛び交っていると聞いております。

同時に「は?姉がいる次女やねんけど、全然幸せになられへんのはなんでや?」とか「弟だけやなくて妹もいる姉はどうなんねん?」という、問い合わせなのか脅迫なのか判別しかねるメールも飛んできており、うちのスタッフ陣(姉がいる次女&兄がいる長女)も「そんなことよりうちの場合はどないやねん?」とキレ気味になっております。

もちろん私も自武女の皆さまとの付き合いが長いため、炎上商法などを仕掛けようものならガチで燃やされる危険があるということくらい理解しておりますので、このタイトルを決定した編集者(弟がいる兄)にこの危機的状況を伝えところ死んだふりをされました。(さすがです。)

ということで、そんな弟がいる長女たちの怒りを鎮められるのか、かえって油を注ぐことになるのかは分かりませぬが、言い訳をさせていただければと思う次第です。

きょうだいの心理を語る際に「年の差」はけっこう重要でして、姉×弟と言っても10コも年齢が離れてしまえば、「ひとりっ子が2人」という状態になり、姉×弟の心理はあまり通用しない部分が大きくなります。

ただ、じゃあ、何歳くらいまで当てはまるか?という点についてはそれぞれの精神的な成長、かつ、親子関係も影響していますので、「5歳差だったら当てはまるけど、6歳差だったら当てはまらない」みたいな明確な基準はありません。

さて、昨日は「兄×妹」の妹にフォーカスを当てたわけですが、その逆である「姉×弟」は同じ男女のきょうだいでもかなり違う心理傾向が見て取れます。

妹が兄に憧れるように、弟も姉に憧れるわけですが、そうすると子ども時代の遊び方も兄主導と姉主導となり、そこには大きな違いがありますね。

すなわち、兄主導であれば激しく動き回る遊びがメインとなり、ごっこ遊びにしてもアクション仮面だったりするわけです。

一方、姉主導であれば、ごっこ遊びもいわゆる「おままごと」的なものとなり、「あたしがお母さんをやるから、あんたは赤ちゃん役ね」と、赤ちゃんのまま赤ちゃん役をやるところから弟の人生はスタートします。

小さい頃は性差の区別はあまりなく、また腕力なども純粋に体が大きい方が強いことが多いので、姉と一緒に遊ぶうちに弟は徐々に姉の行動に支配されるようになります。

お姫様になりたい姉だったら、弟は良くて「理想の王子様役」として仕込まれますが、その次の日は「従順な召使役」、あくる日は「白馬役」などをこなさねばなりません。

口が達者な女の子ですから、幼稚園児にしてすでにセリフを完璧に言い回し、弟が一言でも間違えたら厳しい指導が入ります。

そうして、弟は徐々に「姉の忠実なる下僕」として調教されていくことになります。

その姉が自立系武闘派女子であれば下僕どころか奴隷として扱われることも少なくないでしょう。

それにより弟は姉に絶対服従を誓わされることになるのです。

その結果、お姉ちゃんのご機嫌が良いときはかわいがってもらえるのですが、お母さんと喧嘩してご機嫌が斜めの時はサンドバッグとしてその身をささげる立場となるんです。

それで「弟はあたしのモノ」としていろんな意味でかわいがるわけですけれど、姉にとってそこに忘れてはいけない強力なライバルが存在します。

同性の親である「母」です。

母からしても初めての男の子である息子はかわいいのです。

しかも、しゃべるようになって以来、口が達者な長女よりも、ぷくぷくしてニコニコして穏やかな弟の方がかわいく思えることも少なくないでしょう。

そして、夫に不満を募らせた分だけ母親は「息子を理想のパートナーとして育成する」というプロジェクトに挑むので、「弟はあたしの奴隷だ」と主張する長女とは激しくぶつかることになります。

すなわち、弟を取り合う母vs姉の構図が生まれるわけです。

そこには大きな姉のハートブレイクも影響していきます。

弟が生まれるまでは第一子長女として大切に、丁寧に、しかし、神経質に育てられた姉は、ある意味、この世の春を謳歌しています。

お姫様として扱われ、当然ながらパパは自分にデレデレであり、母も若干の嫉妬を感じることはあれど、緊張感を持ちながら大切に育てられます。

しかし、そこに弟という強力かつ絶対的なライバルが突如出現するわけです。

お母さんのお腹の中にいるうちは一緒に遊べること、きょうだいができることに喜びも覚えるわけですが、いざ生まれてしまえば、お母さんの目は一気に弟に目が行きます。

当たり前っちゃ当たり前なんですけれど、弟が生まれてからその待遇は「お姫様」から「平民」に格下げされてしまうわけですからたまったもんじゃありません。

ある日突然「あんたはお姉ちゃんなんだから」という言葉が発せられるようになり、いきなり自立を求められるのです。

しかも、地域にもよりますが「男の子が生まれた」ということで親戚一同が湧き上がることも少なくありません。

そこで「え?あたしって何なん?いらん子なん?」と大きなハートブレイクを持つことも少なくありません。

特に母親が「男の子はほんと可愛い」などと弟をかわいがらるほどに「は?あたしって何なん?」という疑問は大きくなっていきます。

それは家長制度が根深い古い時代ほど強くはないのですが、自分の存在に疑問を持つんですね。

そこで「母の愛を取り戻すため」に、姉が手のかからない「いい子」になることも珍しくなく、母のお手伝いをし、弟の面倒を見ることで母から褒められようとするのです。

このプロセスにおいて姉は「無価値感」を獲得することも多く、それがその後の人生に影響を与えていることは想像に難くないと思います。

「自分は選ばれない」「いつか自分は見捨てられる」「自分だけを見てくれる人はいない」という思いが根付いてしまったり、自分よりも弟にスポットライトが当たる環境から「自分は前に出るべき存在ではない。一歩引いたところにいるのがいい」という思い込みを持つことがあります。

そんなときにパパが姉を可愛がり、相変わらず自分でデレデレで、自ら進んでお馬さんごっこの馬役を買って出てくれるのであれば、無価値感はマシになるのですが、現代のパパは仕事が忙しく、また、家庭内のパワーバランスも圧倒的にママがイニシアチブを握っているわけで、「ナンバー2に愛されてもなあ」という不満を心の中に持つようになります。
(ちなみにここでパパに愛されたことでファザコン化する可能性も高いのですが)

さて、そこで「いい子」になって母に従順に従うことはプライドが許さじ、という突撃部隊所属の自武女の場合、弟を可愛がる母に対して宣戦布告を行い、母×姉の激しいバトルが展開されるものです。

これは幼少期というよりも思春期に入る頃から出てくるのですが、母は母で大人ですし、育てた手前娘の弱点を知り尽くしていますから、安易な攻撃は2倍返しにする所存です。

一方、姉も姉で、母を常に観察しながら育ってきており、母に対抗すべく技を磨いているのでそう簡単には引きません。

すなわち、母が感情的であれば姉は理論的になり、母が理屈で来るタイプであれば姉は感情で押す戦略を取るようになるのですね。

それにより、思春期の母×姉のバトルは父・弟の男子勢が入り込む余地がないほどに加熱するものです。ま、安易に口を出そうものなら、今度は母&姉がタッグを組んで自分に総攻撃を仕掛けてくるのでそれは賢明な措置と言えるでしょう。
(それ故に「父は母から私も守ってくれなかった」と主張する姉も少なくありません。)

そこで母がその圧倒的戦力を用いて姉を抑え込むケースも珍しくなく、その場合は、姉は自らのアイデンティティを失い、人生の迷子になってしまう悲劇を生みます。

ちなみに、特に母親が精神的に大人になり切れていない場合に多いのですが、こうした母×姉のバトルを客観的に見ると、それがまるで「姉×妹」のバトルのように見えてくることがあります。

そうすると姉は第一子長女でありながら、母が姉、自分が妹、そして、弟がいるという「中間子次女」という立場になるケースもあります。

さて、そんな母との競争・葛藤がある中でも、弟のことはとても可愛いし、たいがいの弟はアホなので、母×姉の葛藤など素知らぬ顔で愛嬌を振りまきますので、ますますいとおしい存在です。

すなわち、姉にとって弟は、母を奪った憎き相手であると同時に、たまらなく可愛い下僕でもあるのです。

このバランスにより「完全なるブラコンの姉」になることも想像に難くありません。

さて、そうして母とのバトルを経ながらも、弟を立派な下僕というか奴隷として育て上げられた姉は、気が付けば「お姫様のつもりが女王様になっていた」という状態になります。

その結果、無意識に、世の中の男子に弟を投影するようになるのですね。

すなわち「世の中の男はすべてあたしの忠実な下僕である」という風に。

それがパートナーシップやビジネスの現場で出てしまうと男性とぶつかるようになるのですが、そこは母とのバトルで鍛え上げられてきた口がありますから、そんじょそこらの男には口喧嘩では負けません。

その結果、職場で煙たがられたり、めんどくさがられたり、恋人には逃げられたりする可能性が高くなるのですね。

つまり、プライドが高く、口も立ち、無意識に男を見下してしまい、心の中には弟(もしくはパパ)が大好きなわけですから、そのままだったらなかなか「幸せになれない」と言われても納得できるんじゃないでしょうか?

とはいえ、そこに改めて弟の存在がクローズアップされてきます。

姉の忠実な下僕として育てられた弟は、イヤイヤ姉に従っているのではなく、姉のことが大好きだから下僕に甘んじているんです。

そう、彼、蛙に見えるけど実は王子様なんです。

その王子様は、とんがって不器用に生きてる姉のことを心配しながらも、優しく見守っています。つまり、いつでも味方でいてくれるのです。

母を奪い、母と揉める原因として見れば弟はにっくき相手なのですが、一方で、常に自分の側にいてなついてくる可愛い弟でもあるのです。

だから、ある意味自分のことを自分以上に理解している存在なのかもしれません。

なので、弟の話を受け入れられる姉、つまり、弟にあれやこれやと相談できる姉は非常に精神的な安定を手に入れられるようになります。

兄×妹の場合、兄は妹を放っておいてさっさと自立して距離を空けちゃうことも多いのですが、姉×弟の場合、大人になっても仲良しなケースが多いのは興味深い違いですね。

それはやはり女性性が作る家庭的かつ平和的な空気感によるものでしょう。

実際、年齢を重ねるにつれて弟が頼りがいのある存在であることを実感する姉は多いですね。

そして、女性性によって仮に弟がヤンチャをしても受け入れ、許し、諭すことができる存在であり、弟の良き理解者、応援者になることもできます。

姉ももちろん弟が好きだからです。

そうするとお互いに支え合い、助け合う関係性が築ける可能性が高いんです。

その点では2人きょうだいの4つの組み合わせのうち、最もきょうだい仲が良い可能性が高いと思っています。

さて、そんな心理背景を持つ姉ですが、一本気で不器用でプライドが高いという問題を持つ一方で、弟の存在によってより女性性が強くなり(←弟の面倒を見てきたので)、弟の協力を得て女王様、あるいは女神様として人生を謳歌していくことができます。

「あたしは一人で生きて行くぞ!弟の力なんざいらねーぜ!」と強がるのではなく、素直に弟を信頼し、認め、時には委ねることで、いいコンビになるんです。

そして、そうしたマインドが自らのパートナーシップ、そしてビジネスに好影響を与えることは言うまでもありません。

弟を頼りにしてきたように、他の人に接していくんですね。(全く同様に接することは無理ですからそこまでは求めないでください。)

そもそも弟に愛されてきたわけですから、男性に対しても壁はありません。
この点は「姉×妹」よりもずっと免疫は高くなります。

また、いい意味でのしっかり者の部分は周りの人たちの信頼を集めることに役立つでしょう。

無価値感にハマりやすいところも、アイデンティティを失いがちになるところも、弟からの愛情を受け取りつつ、いい関係を築いていくことでその部分も癒されていきます。

弟に「お姉ちゃんってどういう生き方が向いてると思う?」みたいに聞けたらいいですよねー。案外、弟はよく見てますから的確な答えを返してくれると思います。

そして、そうした関係性がライフパートナー、ビジネスパートナーとよい関係を築く礎にもなるものです。

母とのバトルについても弟を基軸にして改善していくことができます。

そもそもどちらも弟が大好きな女子たちですから、そこは共感できるものですし、弟も2人の女子に囲まれて逞しく育っておりますから(女性不信に陥るリスクもありますが)、上手に二人を扱えるものと思います。

ま、弟はとても要領が良いですからね。

そして、そもそも持ち合わせている女王様だったり、女神様だったりする才能を活かして行くみちを探って行くことが目標となります。

だから一般的には無価値感がそれを邪魔しますけれど一歩引いてサポートに徹するという役割よりも、自分が前に立って引っ張る立場の方が向いているんですよ。

ただ、そこでは一人で暴走してしまわぬよう、自らの首に鈴を付けられる弟的存在を置いておくのが理想的ではありますが。

ビジネスを起業する際に一番いい組み合わせは?というテーマが本の中にあります。
その際、リーダーシップが取れ、しっかり者で信頼を集める姉と、その姉を上手に扱いつつも自由に振舞える行動的な弟という組み合わせが一番いいんじゃないか?という結論になりました。

夫婦関係にも同じことが言えるかもしれませんが。

一姫二太郎と昔から言われますが、それは育てやすさの面だけでなく、そうした関係性にも踏み込んだものだと思えば、古い言葉はほんとうに含蓄があるなあ、と思う次第です。

なお、最後に専門的な話になりますが、エレクトラ・コンプレックスという「父を巡る母と娘との競争」という根深い心理現象があります。

実はこのエレクトラ・コンプレックスの元となったギリシャ神話では「弟」が重要なキーを握っています。

興味ある方は調べて見られると良いかもしれません。wikipediaにも載っているお話ですので。

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