思考中心の生き方から自分の心に目を向けられるようになるには?~思考的自信は脆いけど内面的な自信は強いぞ!~



私たちは子ども時代から「思考」を育てることを一生懸命やってきました。その一方で、感情は抑圧され、表面的な自信(思考的自信)は得られても裸の自分には自信が持てなくなってしまいました。
そこからどう変化していくのか?を今日は理屈っぽく語りたいと思います。

こんにちは。以前1度YouTubeで相談を取りあげていただいたものです。
34歳、メンタルダウン再発の夫とうまくいかなくなり、離婚協議中です。
私も激務なのと、人間関係のストレスが限界で私が参ってしまいました。
相談は、自分の人生を損得で考えはじめてしまい、頑張ってきたはずなのに、自分の人生に自信をなくしました。人と比較する、損得勘定をなくすヒントをご教授いただけないでしょうか。
メンタルを安定させないと、私も更に不幸せで参ってしまいそうです。
(Nさん)

逃げるって大事なんすよ?って話、ご存知でしょうか。
自立系あるあるなんですけれど、イノシシの如くハラキリ覚悟で直進していくけど、「逃げるは恥」と思うようなところってないでしょうか?>皆々様。

ストレスが限界で参ってしまったのであれば、夫婦間のゴタゴタも多忙な業務も放っておいて逃げてしまっても良いのです。

それが「自分を大事にすること」につながります。

けど、ほんと日本人って撤退が苦手でして、欧米では「勇気ある退却」という表現があるんですけれど、日本人は「逃げるくらいなら玉砕する精神」を持っているようで、無理しすぎる傾向があるのですね。

ギリギリまで我慢してしまうあなたへ『逃げる技術』(徳間書店)
*セミナー動画:逃げる技術~今よりもっと自由で自分らしく生きられるスキルを習得する~

夫婦関係で「旦那がメンタルダウン」と聞けば、それを旦那さんのみの問題として見ることはあんまりなくて、「そういう旦那の妻にも何かあるんじゃね?」という探りを入れるものです。

パートナーの問題は自分の問題。
すなわち、パートナーって鏡なんだよね、ということです。

さて、なぜNさんが比較や損得勘定が問題だと気づかれたのかは分からないのですが、夫婦関係でも仕事でもやはりそれがネックになってるわけですよね?

損得勘定って思考でするもんですから、どうやらNさんは長らく「気持ち・感情」よりも「思考」を優先されてきたことが分かります。

論理的に思考することが癖になってしまって、心を置き去りにしてしまってきたのかもしれないですよね。

で、そうなると何か問題が起きてもそれを表面的に何とかしようとする意識が芽生えるものです。

Nさんがそうしてるってわけじゃないのですが、よくあるケースをご紹介したいと思います。

例えば、取引先から理不尽なクレームが入ったとします。
「え?なんでそこ?」みたいな話で、感情的には「うわー、めんどくせーなー」という思いから、「あんたアホちゃう?」みたいな怒りから、「こっちは忙しいのに!」という不満から、「誰か何とかしてくれんかなー」的な思いまでいろいろと出てくると思います。

しかし、思考的に振舞う人はそうした感情をすべて“抑え込み”、「どうすべきか?」を考えるんです。

「相手はそこそこ大切な取引先だから無下にはできない。こちらに落ち度がなかったにせよ、何らかの不快感を与えてしまったのだからそこは誠実に謝罪すべきだ」

「もしかしたら誤解を与えてしまったのかもしれない。謝罪に伺うと同時に改めて詳しく説明して、誤解を解かねばならない」

そこに「損得」も当然ながら入ってきますね。
会社や自分の利益を“考える”んです。

そこで、「こうすべき」とか「こうした方がいい」と思う思考に従って行動をするんですけれど、当然ながらそこに「心」はありません。

誠実なフリをし、気持ちの伴わない謝罪をするわけです。
つまりは演技ですね。

そうして一応、謝罪をし、誤解も解けて「良かった、良かった」となれば、この一件は成功体験として記憶され、日常に戻っていきます。

さて、そのとき、当初感じた怒りや不満などはどうなるのでしょうか?

一件落着だから怒りや不満も解消されるのでしょうか?

もちろん、解消される部分もあろうかと思います。
けれど、その感情はちゃんと心の中にとどまったままなのです。

その証拠に、その取引先に対する印象ってとても悪いものになると思いませんか?
次からその会社と接するときは、けっこう警戒しながら接すると思いませんか?

つまり、ネガティブな印象が残ってしまうわけですけれど、それが抑え込まれた感情がなすものなのです。

もちろんそこでも思考が働いて「大切な取引先なのだから、そんな悪い印象を持ってはいけない」とか「仮に悪い印象を持っていたとしてもやはり誠実に接すべきだ」という考えを持つに至ると思います。

また、この1件の影響として「他の取引先からも理不尽なクレームが飛んでくるかもしれない」と思うようになるかもしれません。

つまり、表面的にはトラブルは収まったのだけど、一皮めくれば内面的には何も解決していないのです。

でも、とりあえず表面的には問題がなくなったので、今更その内面と向き合おうとはあまり思いません。

そうして私たちは「思考でどうすべきかを考え、表面的に何とかしようとする一方で、感情を抑え込み、心の中に溜め込んでいく」ということを繰り返していきます。

そして、みなさんご存知のように「感情はウンコと同じ」という法則がありますから、溜め込んだウンコ、あ、いや、感情は何かと外に出たがるものです。

でも、「もう済んだこと」にしてしまっているので、その感情はずっと抑え込まれ、やがて「便秘」になってしまうわけですね。

便秘って経験したことがある方なら分かると思いますが、イライラしますし、不快感が常に伴いますし、常に気を取られたりしますし、便意は来るのに実際は出ないってことを繰り返して不快ですし、いいことはありません。

けど、こうして思考的に振舞うことが常になっていると「感情が便秘状態」になってしまうわけですね。

そして、そうして感情を心の中に溜め込んでいる人はやがて「抑うつ状態」にもなりやすいんです。

ただ、そういう“理屈”はよく分かると思うのですが、それを“実践”していこうと思うと難しいのが心の世界ですね。

日々「やるべきこと」に追われている方ならなおさら自分の心と向き合うのはしんどいし、イヤだと思うのです。

どう向き合っていいかもわからないですし、向き合おうとするのも思考的に方法を考えたり、結果や成果を求めたりしますからね。

「そんなことして何の意味があるの?」とそれこそ損得勘定を発動してしまうわけです。

だから、多くの人はよほど追い込まれない限り、自分の心と向き合うってことはしない、というか、できないものです。

それで何らかの大きなトラブルと出会い、今までの経験と知識を動員して思考しても解決できない状態になり、「これはもう内面と向き合うしかないんじゃないか?」と思い、心に目が向くわけですね。

だから、そう思って心と向き合うようにしても、やっぱり思考癖はすぐには抜けないので、「心のことを頭で考える」ということを始めるようになります。

私もブログはけっこう理屈っぽいので、そういう方には分かりやすいと思うのですが、たぶん、肝心なところで「???」となると思います。笑

理屈では分からない話が突如登場するから。

で、そういうところを何とか理解しようとしたり、手っ取り早く本人に聞いてみようとしたり、本人は怖いからお弟子たちで何とかしようと思ったりしてくださってるんですよね?笑

でも、そうして徐々に心に向き合うことを“実践”していくのが良いことで、そのとき自分でもびっくりするほど心を放置していたことに気付くと思うのです。

だから、今まで損得勘定で生きてきたと自称するNさんや、そのNさんの話に共感しかない読者のみなさまは、これからそんな葛藤を繰り返されると思うのですが、それはとても順調なプロセスです。みんな通るところです。

それで冒頭で「逃げるのもアリだけど?」という提案をさせてもらったわけですけれど、ワケ分からなかったでしょ?

短くまとめてくださったNさんのお話に揚げ足を取ってチクリとさせる話をしちゃうのも私の性格の悪さ(演出)なのですが、

>相談は、自分の人生を損得で考えはじめてしまい、頑張ってきたはずなのに、自分の人生に自信をなくしました。

こういうときの「自信」って、自分が思考的に積み上げてきた実績や経験や知識がもたらしてくれるものなんです。

「裸の人としての自信」ではなく、「自分が創った成果による自信」なのです。

つまり、前者は内面的な自信であり、後者は思考的な自信と言ってもいいでしょう。

だから、夫婦関係がうまく行かなかったり、仕事に忙殺されて「あれ?自分、何してるんだろ?」と疑問に思ったりしたときに、思考的な自信は音を立てて崩れるわけです。

例えば、経営者の方とお話をしているとその人がどちらのタイプかはすぐに分かるものです。

前者の自信を持ってる経営者は「今の事業がうまく行かなくなっても大丈夫」と思っています。自分ならまたゼロから始められるし、自分も周りの人も信頼しているので、何とかなるでしょ?と楽観的です。

だから、いろんなチャレンジができます。失敗を恐れません。

それでこういうタイプの人は「人間的に尊敬できる」のです。
自分の実績にはあまり価値を置かず、そこでどんな体験ができたのか、何を学んだのか、を重視します。

なので話をするとけっこう哲学的で人間的な話が出てきます。

一方、後者の自信を持っている経営者は今の事業に対する執着がとても強くなります。
そして、競争心も旺盛で、勝ち負けや上下に非常にこだわります。

何よりも自慢話が多い。笑
俺ってすごいんだぞ、というマウントが好き。

その「すごいんだぞ」というのはほとんどが数字などの目に見える実績です。

だから、事業が傾いたり、世の中が変化したりすることを非常に怖れ、保守的な思考も持っています。

でも、世の中は数字や実績や学歴などがまだまだ幅を利かせているし、そんな心と向き合うことを学校では教えてくれないですから、思考的な自信を持ってしまうのは無理もないことです。

だから、その道で成功してきたエリートほど、いざってときに自信を失いがちです。

ということで、内面的な自信をつけて行きましょう!というのが、Nさんや同志の皆さまのこれからの課題となるんです。

裸になった自分が素晴らしい!と思えるところを目指していくんですね。

それがまあ「自己肯定感」と言えるわけですけれど。

ということで、「感じる」ということをレッスンしてみましょう。

買い物をするときに「自分がいいな、素敵だな、欲しいな」と思ったものをそのままレジに持って行きましょう。値段とかは見ません。

1日5分でいいので、外に出てベンチか何かに腰かけて自分が今何を感じているのかをチェックする時間を作りましょう。風が気持ちいいとか、空がどんよりして重たい気分だとか、みんな歩くの早いなあとか、あいつやっぱりムカつくなあ、とか何でも構わないので、今の自分の気分をチェックしてみます。

「心の日記」をつけるのもお勧めです。
自分が今日どんな気分で1日を過ごしたのか、何を感じていたかを振り返る時間。
できごとなんて書かなくてもいいので、ただ気分だけを書き綴ります。

似てますが「幸せ日記」は自己肯定感アップにも有効です。
今日あった出来事の「幸せ」なことだけを記録していきます。
パスタがおいしかったとか、信号が全部青だったとか、コンビニスイーツが当たりだったとか、お風呂が気持ちよかったとか、お気に入りの服を着て楽しかったとか、そういうこと。

感情を解放するなら御恨み帳は外せないのですが、いきなり書くのは難しいかな?

【保存版】御恨み帳(お恨み帳)の書き方~心の健康を維持するための素敵なノート~

もう少し本格的なものを求めるならば「お手紙を書く」というワークもお勧めです。
今日出会った人に感謝の手紙を書く、今まで出会った人たちに今の思いをつづったお手紙を書くんですね。
実際には出さなくてもいいので。

これを「自分宛の手紙」にする方法もあります。
今の自分、過去の自分、思い付いた自分に手紙を書くんです。

自分宛に手紙を書くついでに、過去の自分を褒めまくることをしてみるのもいいでしょう。

Nさんなら「旦那さんへの感謝の手紙」を毎日書いてみることもお勧めしたいです。
これは離婚を目指しているとしても、いい手放しワークになります。

最近はこうした内面に意識を向ける習慣も一般的になってきて、マインドフルネス瞑想なども一般的になってきましたが、そうした瞑想の習慣を持つのもいいですね。

こうして思考に全振りしてしまう日常の中に、少しだけ自分の心に目を向ける時間を作ります。

でも、こういう方法って時間がかかるというか、終わりがないというか、成果・結果を求めて始めると挫折しやすいんです。

だから、ほんとうはカウンセラーを数人見繕って定期的に心について話をする時間を持つのがお勧めなのですね。

メンタルを安定させる一番手っ取り早い方法だと思います。

「今まで思考をだいぶ軸にして生きてきたんだな、これからはもう少し心に目を向けてあげよう。」

まずはそこからスタートしても構いません。
そうすると「損得勘定」とは別に「自分の気分」を優先させることができるようになります。

「自分のご機嫌を自分でとる」ってのはとても基本ですので、ぜひともその意識をもって実践してみてくださいませ。

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内面的な自信は強いけど、思考的な自信は弱いよね。
 


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