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「私じゃない誰かになりたい」のはなぜでしょう?
それは自分の存在を認められない/受け入れられないがゆえに、違う誰かになって愛されたいと思う欲求なのかもしれません。
「自分は愛されない存在」というセルフイメージが根付いてしまっているのかもしれません。
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変身願望があるわけではなく、他の「この人」になりたい、というわけでもありません。
もしかしたら変身願望かもしれないと思い、
コスプレやモデルの様な事をしたこともあります。でも違いました。
それをやること自体は楽しいのですが、あとで写真を見た人に「美人だ、綺麗だ」と褒められてもあまり嬉しくないのです。
まるで「自分じゃない誰か」が褒められている感覚。写真のなかに写っているのは「私」であって「私じゃない」。そんな感覚に陥りました。
仕事を転々としていた時も、
半年前に妙齢で彼氏と分かれたときも、
「私じゃない誰か」だったらもっと上手くやれたんじゃないか。と思ってしまいました。
昔から私以外の身内(いとこ、妹、弟など)、赤の他人を褒める両親。
そのせいでメキメキ育った自己肯定感の低さから、この「私じゃない誰か」になりたい願望が膨らんでいるのでしょうか。
それとも自分との繋がりが切れてしまっているからでしょうか。
はたまた「自分はもっとできる」という期待の裏返しでしょうか。
「私は私でいい」と思えるようになりたいです。どこから手を着けたらいいでしょうか。
ネタにしていただけると嬉しいです。
(Aさん)
とても象徴的で教科書に載せたいほどのネタをありがとうございますっ!
たぶん、似たように感じていらっしゃる方はとても多いんじゃないかなあ、と推測されるのですがどうでしょうか。
「私じゃない誰かになりたい」という思いの裏には「私じゃダメなんだ」という思い込みがたぶんあって、お気づきの通り、強い強い自己否定があります。
>昔から私以外の身内(いとこ、妹、弟など)、赤の他人を褒める両親。
という点を見ればそれは明らかで、両親がどんな意図でそうしたのかは分かり兼ねますけれど、自分以外の誰かを褒めることは間接的に自分を否定しているように聞こえます。
「いとこの○○ちゃんは△△ができるんですって。ほんと偉いわねえ」という言葉を聞けば、「△△ができない私はダメなんだ。できるようにならなきゃ褒めてもらえないんだ」という思いになりますね。
これは大人になってからもAくんを褒めることによって同席しているBくんを間接的に貶めているように聞こえる場合もあります。
また、昭和の日本人は「褒めるとつけあがるから良くない。むしろ、他人を褒めて本人に刺激を与えて頑張らせよう」という思想がありました。今でも一部にその思想は根強く残っていると思います。
でも、実際は、「妹ちゃんはほんと偉いねえ」とお姉ちゃんに言うことで、お姉ちゃんの自尊心を傷つけることになっているんですね。
ということで、子育て中の親御さん、並びに、部下・後輩・従業員を持つ立場の方はその点ご注意いただければと思います。
ちなみにそういうときの褒め方としては「Bくんはこういうところが素晴らしいし、Aくんはああいうところが素晴らしい」という風に並列に言うか、「別にBくんがどうのこうのではないけれど、Aくんのああいうところを見ると素晴らしいと思うんだよね」という配慮を示すと同時に、ふだんからBくん抜きでAくんをちゃんと認めてあげる発言をしておくことが重要です。
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さて、ブログでも何回か紹介したことがあるんですけど、とある女性の逸話があります。
彼女は誰が見ても美人なのですけれど、自分では全然そんな風に思えておらず、むしろ、自分はダメな奴だと思い込んでいました。
ダメで魅力のない女なので、付き合う男も遊び人だったり、浮気性だったり、既婚者だったりと幸せになりにくい人ばかりを選んでいました。
普段から自分の気配を消して暮らしていましたし、仕事も自分に合わない事務職を長らく続けていらっしゃいました。
なぜかというと幼いころから「あなたのお姉ちゃん、めちゃくちゃ美人だよね」と親・親戚・同級生・先生などから言われまくっていたんですね。
それで彼女は「お姉ちゃんはきれいって褒められるけど、あたしは全然褒められない。あたしはブスなんだ」と思い込むに至りました。
彼女もめっちゃ美人なので「え?鏡って見たことあります?」と聞いちゃうほどでしたが、思い込みってめちゃくちゃ強いんですよね。
つまり外見がきれいかきれいじゃないかではなく、心の問題なんです。
だから、彼女に「いやあ、あんたはめっちゃ美人なんやで」ということを伝えてもあまり意味がないと思いまして、彼女の内面をずっと見つめていくことにしました。
お姉ちゃんへの嫉妬心。仲の良い姉妹なんですけど、心の中にずっとくすぶり続ける嫉妬がありました。
自分を褒めてくれなかった親や周りの人たちへの怒りと失望。彼女のお姉ちゃんは勉強もできる人だったので、彼女自身が周りの人から褒められる機会ってめったになかったと言います。
だから、周りの人たちへの怒りや、自分の中に潜む誰にも言えないネガティブな思いを
どんどん吐き出してもらいました。
その上で彼女の人として、女としての魅力や才能にフォーカスしていくようにしたんですね。
ほんとうに自分が望むこと、ほんとうに自分がしたいこともずっと我慢してきたので、できるところからやりたいようにやってもらうようにしました。
特にファッションやメイクについては「あたしはブス」という思い込みから敬遠してたんですけど、実はとても興味があったんですよね。
なので、メイクレッスンに通い、ファッションも店員さんに協力してもらって似合う服を選んでもらったりして、見違えるほどその魅力が解放されるようになりました。
だんだん自信が付いてきたんですね。
実は性格的に見ると、お姉ちゃんは美人で勉強もできるけどあまり前に出たがらないタイプなのですが、彼女自身は幼いころから目立ちたがり屋でエンターテイナーでした。
そして、セクシャリティもずーっと抑圧していたのですが、実はめちゃくちゃ豊かであることも分かっていました。
で、今度はそういった魅力をどんどん開拓していったところ、結果的に彼女は地元でモデルのような仕事をするようになり、友人も増え、素敵な恋人もできたんです。
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で、そこでどんな心理が働いていたのかというと彼女は“子ども時代”に自分に植え付けたセルフイメージを忠実に再現し続けた結果、“大人”になってからも“子ども時代の評価”にしがみついてしまったわけです。
そこで、「大人になってから改めて自分を再評価」することにしたら、子ども時代に身に着けたセルフイメージを書き換えることが出来たんです。
実際、メイクレッスンをしても、服を選んでもらっているときも、店員さんが鬼ほど彼女を褒めた上に「メイクのモデルになってほしい」とか「今度のキャンペーン用の写真にモデルとして出て欲しい」という依頼に至りました。
「あれ?思ってた自分と違う」という驚きを何度も繰り返すうちに、子ども時代に身に着けた「あたしはきれいじゃない」という思い込みから抜け出すことができたわけです。
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という“Aさんじゃない話”を長々としてきたわけですが、何かヒントは得られましたでしょうか?
私たちは子ども時代の濃密な関係の中で「あたしってこういう存在」というセルフイメージを確立させていきます。
そして、そのセルフイメージは思春期により固められ、大人になってからもそれに縛られるようになります。
「あたしってこういう存在」というセルフイメージに基づき、それを証明するような人生を送っているんですね。
つまり、子ども時代の評価を大人になってもずっと引きずってしまうわけです。
それが、大人になって改めて再評価してみると「あれ?全然違うやん」ということに気付くことがたくさんあるものです。
そんな体験、みなさんも少なからずされてるんじゃないでしょうか。
つまり、Aさんは両親が自分じゃない誰かを褒めるのをずっと耳にしてきたので、いつの間にか「あたしはダメなんだ」というセルフイメージを持つに至りました。
そのセルフイメージのまま大人になった今、改めて自分を再評価してみることをお勧めしたいわけですね。
つまり、自分のことを客観的に見て、知ることです。
※ここで他者からの評価を入れてもいいですけれど、最終的には自分で自分のことを評価することが大事です。
自分が何が好きで、何が嫌いなのか。
自分に似合う服は何なのか?
自分がやりたいことは何なのか?逆にやりたくないことは何なのか?
自分の長所や魅力は何なのか?
そういう点を知るということです。
そうして、子ども時代からずっと持ってきたセルフイメージを書き換えていくんです。
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さて、ここからは少し深い話をしたいと思います。
なぜ、Aさんは両親が他の子を褒めたから私じゃダメだと思い込み、それを長らく引きずるようになったのでしょう?
それくらい両親の存在が絶対だったということなのですが、それだけでなく、やはりAさんも両親から自分の存在を認めて欲しいし、愛されたいし、褒めてもらいたかったのですよね。
そして、その思いが今もずーっと心の中に残っているのかもしれません。
で、見方を変えると、Aさん自身がその両親のことを大好きだったがゆえに、大好きな人の評価を鵜呑みにしてしまったとも言えます。
「大好きな人が他の人を褒めている!私も他の人になって褒められたい!」という心理が働いていると見ることができるわけです。
同時に、大好きな両親が他の人を褒めることに嫉妬したり、怒りを覚えたりしている部分もあるかもしれません。
改めて子ども時代に両親に対して感じていた感情と向き合ってみるのも悪くないと思います。
でも、誰でも子ども時代に親が絶対的な存在であることは否めないところですよね。
しかし、大人になるにつれて精神的に自立すれば、親がだんだん絶対的な存在ではなくなり、むしろ、対等な存在に変わっていきます。
もしそこで、親からの評価を相変わらず待ち続けている自分がいると、大人になっても親を絶対的な存在と信じることで、精神的に自立できなくなる場合もあります。
つまり「大人になりきれていない」という現象が生じます。
これはたいへん生きにくいことになっちゃいますね。
だから、親から精神的に自立していくことは、同時に親が絶対的な存在として見なくなるんですが、さて、Aさんは今、そんな両親から自立して大人の女性として生きてる感覚はどれくらいあるでしょうか?
ちなみに、親から精神的に自立したら、今度は恋人を親代わりにして、親からもらえなかったものを恋人からもらおうとする心理もうちのブログではよく登場します。
Aさんはその点いかがでしょうか?
で、子どもにとっては親が絶対的な存在なのですが、自立するにつれてそうじゃなくなります。
恋人を親代わりにして絶対的な存在にするのもちょっと違うわけです。
じゃあどうするか?というと、そこに「自分」が入るわけです。
自分にとって自分を絶対的な存在にするわけです。
つまりは、自己評価がカギを握るんですけど、そこで自己否定ばかり出てくるようだと、自己肯定感は地に落ちちゃいますね。
セルフイメージがネガティブなまま変わらないことになります。
ということで、改めて自分を再評価するというのは、先ほど書いたように自分をよく知るということであり、自分の良い面をちゃんと見つけて評価してあげることなんです。
そうすると「私ではない誰か」になろうとするのではなく、「私が私で良かった!」という思いを感じられるようになるでしょう。
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