かつてのお客様に対して「今の自分だったらもっとうまくやれたのに!」と罪悪感を覚えてしまう心理とその対処法について。



成長したからこそ、そういう思いを感じられることを意識しましょう。
そして、そのお客様のおかげでその成長が得られたとしたら、そこには感謝が生まれると思います。
そして、潜在意識では完全に同意しての出会いなので罪悪感を覚える必要はないんですね。

根本先生、こんにちは。いつもありがとうございます!
11/4の『「弱さ」について~どうしたら自分の弱さを受け入れ、許すことができますか?~』の記事、ちょうど仕事で痛い出来事があって自分の弱さを責めていたところにナイスタイミングで刺さりました(笑)早速自分の弱いと思うところを書き出すワークをやってみて、かなりスッキリしました。ですが、喉に刺さった小骨のように受け入れられない部分はいくつかあり、その中の1つについてご相談させて下さい。

私は、過去に上手くできなかったことを長々と引き摺って後悔する癖があります。
おかげ様で自己肯定感がだいぶ上がり自分の成長を感じられるようになったのですが、そうすると、同時に「あの時、今の自分だったらもっとこうできたのに・・・。」と思ってしまいます。
恋愛に関しては修行の成果かだいぶ無くなったのですが、こと仕事に関しては、昔のお客様に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう時が今でもあります。
自分はあの経験が成長の糧になって良かったかもしれないけれど、未熟だった私が担当したお客さんは踏んだり蹴ったりなんじゃ?とか、自分が恥ずかしい、という気持ちです。
職業が援助職ということも関係しているかなと思います。

そうやって罪悪感を使って自分を責めているのかなあ、とりあえず私ってそれだけ愛が大きいのね、と思っておこう、と思って心が軽くなる程度に自己肯定感もあるのですが、成長を感じる度に後悔するのはつらいし成長を阻害するかもなあと思うのです。どうしたものでしょうか?

よろしければネタに採用して頂けますと泣いて喜びます!
神様仏様根本様、ぜひぜひよろしくお願いいたします~!
(Mさん)

私も長年カウンセラーというお仕事をしているので援助職と言えるのかもしれません。そういう意味では

>同時に「あの時、今の自分だったらもっとこうできたのに・・・。」と思ってしまいます。

という気持ちはとても良く分かりますねー。確かにー。ほんまそれあるー!と共感してしまいました。

でも、同時に「できなかったよなあ。今だからできることはあっても、当時の自分では無理だったよなあ」という思いもあって、申し訳ない気持ちにはそんなにならないものです。
まあ、援助職と言ってもMさんのお仕事では、そういう風に感じざるを得ないものかもしれませんけど。

>こと仕事に関しては、昔のお客様に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう時が今でもあります。

なんぜ、そこで罪悪感を覚えちゃうんだと思います??(ニヤニヤしながら聞いてる)

「なるほどー、じゃあ、Mさんは当時の自分に比べれば抜群に実力が上がったという自覚があるんですね?素晴らしいじゃないですか!」

「今だったらもっとこうできるのに!って思えるくらい、経験積まれたんですよね。素晴らしいですよね!だいぶ成長されたんですねっ!」

「そこで罪悪感が出てくるってことは、それだけお客様に対して真剣で、本気で、ちゃんと向き合ってきたって証拠じゃないですかー!」

殺意を覚えたらごめんなさい。お近くの男子に一発張り手をかましといてください。

**

こんな逸話があります。少し長くなりますがちょいとお付き合いください。

とても優秀な心臓外科医がいました。彼はあまりに優秀なので世界中から彼の元に患者が訪れていて、彼は休む暇もないほどに忙しく1日に何本もの手術をこなしていました。
しかし、彼は優秀であるがゆえに、他の医者が投げた難易度の高い症状の患者さんばかりを担当することになります。
他の医者だったら100%助けられないけれど、彼の腕ならば、という一縷の望みを持って患者さんがやってくるんです。

彼はその思いに必死に応えようとします。
しかし、それほど難しい症例ですからほとんどの患者さんを助けることができず、目の前で亡くなっていく姿を毎日目にすることになりました。

そうすると彼は遺族の元へ行き、事情を説明します。
すると遺族は彼を責めるどころか「先生でも助けられなかったのであれば仕方ありません。先生に診ていただき、あの人も幸せだったと思います。ありがとうございました。」と泣きながら頭を下げます。
そして、彼は遺族とともに20分だけ、遺族を悼み、一緒に涙を流します。

なぜ、20分かと言えば、次の患者さんが待っているからです。
そして、彼は再び手術室に戻り、次の患者さんのために全力を振るいます。
他の医者が投げた絶望的ともいえる症例に真正面から向き合うのです。
しかし、それでも助けられないことの方が圧倒的に多いわけです。

彼は徐々にその罪悪感に押しつぶされそうになっていきました。
確かに助けられる患者さんもいましたが、それは10%にも満たないものでした。
もちろん、その10%未満の助かった患者さんも、彼以外の人が手術をしたら助からない可能性が高かった人たちです。

しかし、彼はそれ以上に助けられなかった90%以上の人たちへの罪の意識を拭うことができませんでした。

そして、彼は人知れず絶望を抱え、いっそのこと死んで、助けられなかった患者さんたちにあの世で謝りたい、という思いに至るようになりました。

そんなある日、彼は仮眠室で不思議な夢を見ます。

荒涼とした大地に独りぽつんと立っている自分がいます。
空はどんよりと暗く、まるで地の果てのような寂寥感あふれる場所です。

すると向こう側から、彼が助けようともがいて、けれど、助けられなかった人たちが列をなして現れたのです。
彼らは治療中に見せた苦悶の表情を浮かべていたり、能面のような無表情だったりしていました。

彼はたくさんの亡くなった患者さんたちが自分に近づいてくる様子を見て、「彼らは私を殺しに来たんだ。むしろ、それは好都合かもしれない。」と感じていました。

瞬く間に彼らは彼を取り囲みました。
彼は「申し訳ない。私の力不足でみなさんを生かしてやれなかった。ほんとうにごめんなさい」と手を付いて謝ろうとした瞬間、亡くなった患者さんたちは口々にこう叫んだのです。

「あんたが死んだら誰があんたを待ってる患者たちを助けるんだ!他の医者がなげた患者ばかりだろ?あんた以外に助けられる人などいないんだ。ここで、あんたが死んじまってどうする!」

「私たちは確かに助からなかったけれど、どっちみちそうなる運命だったんだ。だからあんたのことを責めちゃいないし、むしろ、あんたに診てもらってよかったと思ってるんだ。」

「ここであんたが死んでしまったら私たちの死は無駄死になっちまうんだよ!そんなことも分からないのか?私たちの手術で学んだことがあるだろ?それをこれからの患者さんのために使ってくれよ。私たちの死が無駄じゃなかったって証明できるのはあんたしかいないんだよ!」

口々にそんな叫びを耳にしながら彼は気づくのです。
彼らは自分を殺しに来たのではなく、生かしに来たのだ、と。

そして、彼はハッと仮眠室のベッドで目が覚めました。
気が付くと、大量の涙が彼の頬を伝っていました。

そして、彼は「あの人たちの死を決して無駄にしない!」決意も新たに再び手術室に戻っていきました。

**

さて、この話を読まれてどう思われましたか?

どんな名医でも、当然ながら駆け出しの頃があり、失敗もあり、そして、その経験を糧に成長していくものだと思います。

Mさんも同じではないでしょうか?

未熟な自分に付き合ってくれたお客様がいたからこそ、成長し、今の自分がいるんです。
そして、成長したからこそ、「もし今の自分だったら・・・」と考えることができるんですね。

しかも、当時の自分はそのときのベストを尽くしたと思いますか?今から思えば未熟だけど、その時にできることをできるだけやったと思いませんか?
だから、その当時の自分も認めてあげることって大事だと思うんですよねー。

そして、もう一つ大切なことが。

お客様にも選ぶ権利がある、ということです。

もし、当時のお客様がMさんのことを「この人に任せてたら埒があかん」と思ったら、きっとMさんの元を離れていたことでしょう。

その人も「Mさんで(が)いい」と思って任せてくだったわけです。

つまり、そのお客様の選択をちゃんと尊重し、信頼してあげることが大事じゃないっすかね?という話なんです。

だから、「もし、今の私だったら・・・」と思うのであれば、自分を成長させてくれたその人に感謝の気持ちを持ってみてください。

罪悪感ではなく、感謝を選ぶんです。

もしかしたら、何年かぶりにその人がまたMさんの元にお客様としてやってくるかもしれませんよね。
そしたら「Mさん、腕、上げたねえ!」と言われるかもしれませんよね?

そのときMさんはなんて答えます?
「あなたのおかげです。」と胸を張って言えると思いませんか。

Mさんの話は援助職だけでなく、あらゆる仕事に当てはまることだと思うんです。

学校の先生なら「今の自分だったら、あのときのクラスをもっとうまくまとめられたのに」とか、
営業マンなら「今の自分だったら、あのときもっといいアイデアを提供できたのに」とか、
料理人なら「今のじぶんだったら、もっと美味しい料理を提供できていたのに」とか。

「母親業」「父親業」でもそれに当てはまりますよね。

でも、心理学的に見れば、そのときそのときの出会いはお互いの同意があってのことです。

Mさんとそのお客様が出会ったのは、お互いにすべて承知の上ということです。

すなわち「あたし、まだまだ未熟ですけどいいっすか?」「全然かまわへんで」というやり取りが潜在意識でなされてるから、お客様になってくれたわけです。

そして、このことはきっと将来にもまた起きるんです。

5年後にも「今の私だったら、5年前のあの案件、うまくこなせてたのにな!」と。

つまり、今も成長途上にあり、今も目の前のお客様から学び、そして、未来の自分から見れば、今の自分もまだ未熟なんですね。

今日お話しさせていただいた考え方、見方、捉え方を受け入れることができたら、きっと罪悪感よりも感謝の気持ちの方が上回ると思うんですよねー。

まあ、あとは「罪悪感マニアなんで、やっぱり罪悪感の方がいいっす」ならばしゃあないですけどねー笑

★罪悪感モノ

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今の自分だったらあの時もっといいサービスができたのに。。。


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