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チャンスというのは「今の自分が少し背伸びして届くライン」でやってくることが多く、ちょっと頑張らないと手に入れられないものです。
それはちょっと自分がしんどいタイミングであることも多く、そのままにしておくと流してしまいそうになるものです。
そんなときに「後悔しない?」という問いかけをすることで自分らしい選択が可能になるものです。
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仕事でも恋でも「頑張り時」がある。エゴの声が騒がしかったり(そもそもエゴの声とは気付きにくい)、体がしんどかったり(抵抗が激しい)、潜在意識が怖がって逃げようとしているときがある。そういう時は「後悔しない?」という問いかけが案外役に立つ。すっーと自分に戻り、冷静になれるからだ。
— 根本裕幸|カウンセラー・作家・講師 (@nemotohiroyuki) November 2, 2020
カウンセリングって似たような流れが続くことがよくあります。
同じ県の似たような会社にお勤めの方から、これまた内容がよく似た離婚相談をいただいたり、一進一退の婚活事情についてのご相談が連続し、それぞれに「彼って不器用な人なのねえ。それでも好きなら積極的に行った方がええんちゃう?」ってアドバイスしてみたり。
「ずーっと離婚しようかどうか迷ってるんです・・・決められないんです・・・」とか「彼でもういいと思うんですけど、まだなかなか決め切れないんです・・・」という相談が相次いだので、ブログならさりげなく本の宣伝するのになあ・・・手元に今ないしなあ・・・と天井を仰いだりしました。
★そういう人はこの本を熟読せよ!
『7日間で自分で決められる人になる』(サンマーク出版)
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で、私もめちゃくちゃ経験があるんですけど、チャンスって「え?今っすか?」というタイミングでやってくることが多いんです。
「さあ来い!来やがれ!さあ!さあ!」と両手を広げて待ってるときは全然なのに、バタバタして忙しかったり、疲れが溜まってへろへろになったりしているときに、「やぁ!待たせたね!」ってやってくるんです。
なので、そのまま気持ちに流されてしまうと、そのチャンスを「お断り」してしまうことになります。そして、疲れが取れて元気になってきたころに「あーっ!!!!やばいーー!!!!」となります。
それで取り返しがつかないこともありますし、まだギリギリ間に合った!というケースもあります。
もちろん、「うまく行くときは放っておいてもうまく行くんだから、そこで断ったのも別に悪くないんじゃない?縁があればまた話が来るよ!」という理解も可能なので、結局のところ、そこで断っても、頑張って受け入れてもどっていでもいい!ってことになるんです。
※この辺が「ああ言えばこう言う」と言われる心理学の面白くもややこしいところ。結局、どっちでもいいじゃん!というのがベースです。
だいたい飛躍のチャンスというのは今の自分が少し背伸びしないと届かないようなレベルでやってくることが多いんですね。
つまり、ちょっと頑張らなきゃいけないような感じがするんです。
だから、疲れてるときは「ええー、それって今の自分にはちょっと荷が重い」と感じますし、忙しいときは「ああ、やってみたいけど、そこに回す時間がない」と思います。
私の場合、そんなお話がやってくるときは「本の締め切りに追われて神経が逆立っており、週末のセミナーの準備もしなければならず、かつ、オンラインスクール用の原稿も書き上げなければならない」なんてシーンが多いんです。
なぜ、今なのだ?
なぜ、余裕があった先々週ではないんだ?
なぜ、もうちょっと待ってくれないのだ?
というタイミングでやってきます。
例えば今年の6月。作家でもあるので執筆が忙しくなりそうな前半はスケジュールに余裕を持たせるように組んでいました。しかし、なぜか、執筆の予定が繰り延べになり、その期間はものすごくヒマになってしまいました。
ま、いいか、と思っていたら、6月後半、そのお陰で伸びた締め切りが急に間近に迫ってきており、「ヤバい!間に合わん!」と焦り始めました。
すると、そのタイミングで、「その次の本の原稿の直し」「その前の本のフォロー」「以前から話が進んでいた通信講座の動画収録」「オンラインスクールの原稿」「ウェブメディアの取材」×2、「既刊本の文庫化の話」などが一気に押し寄せてきました。
しかも、その頃、「1年ぶりの沖縄旅行」というビッグイベントが控えており、何が何でもそれまでに一応のケリを付けなければなりません。(結局、一部の仕事を抱えて飛行機に飛び乗ることになったのだが)
お店をやっていらっしゃる方は「お客さんは同じタイミングに集中する」という経験をされたことがあると思いますが、作家であり、講師である私のところにも同じ現象が巻き起こるわけです。
その時、仕事量を減らしたり、締め切りスケジュールの調整をしたり、仕事をお断りしたらいいと思うんですけど、結局、すべてを引き受けることにしました。
それは「今が頑張り時だな」と思ったからです。
しんどいけど、大変だけど、ここは腹を括ってぐっと一歩前に出る時だな、と。
そうするとアドレナリンが分泌されるのか、沖縄旅行という餌がぶら下がっていたからなのか、俄然やる気になって仕事に没頭していました。(そのお陰で家族にはけっこう負担をかけることになるのですが)
で、そういうことが今までも幾度かあり、「そういうもんだよね」と慣れがあるのも事実ですが、そこで私が自分に問いかける質問があるんです。
「断ったら後悔しない?」
あれこれ考えるよりも、自分にそう聞いたほうが答えが早いです。
もちろん、自分のエネルギーが上向きのときは、
「ワクワクするのはどれ?それって楽しい?」
という質問もたいへん有効です。
けど、自分に余裕がなくなってきているときは「ワクワクする?そんなの分かんねー!」となりやすいので、それをひっくり返して「後悔しない?」と問いかけるようにするんです。
その答えが「多少は後悔するかもしれないけれど、でも、それでもいい」となったら、そのお仕事は断ります。
けれど、強欲な私は「・・・後悔するわな。」と思い、すべて引き受けることにしました。
まあ、その選択には「以前無理を言ったしなあ」とか「この会社にはとてもお世話になってるしなあ」という“他人軸”的な要素が多少は入り込んでいましたけれど(笑)、けれど、断ったらやっぱり後悔するよな!と気付いたわけです。
私は基本的にチャンスは何度でも来ると思っています。
だから、どのチャンスをつかんでもいいと思ってます。
けれど、一度、個人的な事情によりチャンスを逃した場合、そののちにやってくる後悔や罪悪感がなかなか厄介だと思っています。
だって、それを処理してあげないと、次のチャンスを取りに行けないじゃないですか。
その間の時間がとても無駄じゃないですか。
※そういうときは断ったなら断ったことが正解なんだし、そのときの自分にとってのベストな選択だったんだから、後悔せんでもいい!という解決方法があります。つくづく心理学は都合の良い見方を提供してくれるものです。
だから、もし、この文章を読んで「しまった・・・やってもうた・・・」と思われた方には、「しゃあない、しゃあない。それが正解なのよ。それがあなたのベストな選択だったのよ。だから、後悔せんでもいい。そもそもうまく行くときは何やってもうまく行くし、うまく行かないときは何やってもうまく行かない。なるようにしかならないのよ」とお伝えしたいところです。
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さて、一気に話が深くなります。
私が長年学んできた心理学には「痛みを越えて与えることで、その痛みから抜けることができる」という格言があります。
「自分の痛みよりも、相手への愛を選ぶ。」というススメであり、「愛を与えることで、自らの痛みから抜け出すことができる」という教えです。
仕事でも、パートナーシップでも、子育てでも、自分がネガティブなモードになってしまうことって珍しくないものです。
心身が疲れてるときだってあるし、ニーズ(欲求)が噴き出て自分に振り回されてるときもあるし、周りの声に流されそうになるときもあります。
そういうときって「自意識」が強くなります。
自分のことが可哀そうになったり、翻って相手を責めるようになったり、「あたしだってこんなにも頑張ってるんだから!」とニーズが出てきたり、「あたしは悪くない!」と罪悪感が噴き出してきたり。
しんどいんだから当たり前ですけれど、自分のことしか考えられなくなります。
けど、そこで自分がその痛みに引っ張られているとき、目の前の相手は放置されています。
そしたら、その相手は、あなたを助けるか、あるいは、あなたの元を去っていくか、のどちらかになります。
もちろん、相手が元気だったらあなたに手を差し伸べてくれるでしょう。
しかし、自分の痛みにとらわれているあなたは、その手を素直に受け取ることなどできるでしょうか?
きっと、その手がまるで自分を傷つけるようなものに感じられて払いのけてしまうこともあるでしょう。
しかし、たいがい自分がしんどいときって相手もしんどいんです。
自分がニーズにとらわれているときって相手もニーズにとらわれているんです。
だから、そのままお互いがお互いの痛みにしがみついていたら、何も生まれません。
そこで「頑張り時」がやってくるんです。
その痛みを越えて、相手に与える。
自分の痛みよりも、愛を選ぶ。
それはかなり苦しく、しんどいものですけれど、そこで愛を選ぶことで不思議なことが起こります。
ニーズがなくなり、喜びがやってきます。
痛みが消え去り、充実感や達成感がやってきます。
罪悪感が燃え尽き、ただ愛が感じられます。
これが「与えて抜ける」ということです。
高熱にうなされているママも、子どものためにご飯を作り、食べさせます。
不思議とそんなことができてしまいます。
いっぱいいっぱいで余裕がない社長さんも、愛する従業員のために奔走します。
そこでは今まで以上に必死に本気で走り回れます。
そこで、人は一皮も二皮も剥けて成長するんです。自信が付くんです。
たいがい、成長するチャンスってのは自分に余裕がないときにやってくるのですが、その理由の一つは「いっぱいいっぱいのときにチャンスが来たら、その分、器が広がるでしょ?成長するでしょ?」ということだと思います。
「なんで今、そんなことになるんだよー」とか「今、そんなこと言われてもー」とか「おいおい、そんな話、なんで今来るんだよー」などと思われたときにこの話を思い出していただければと思います。
そこでグッと肚に力を込めて一歩踏み出す「頑張り時」が来たのかもしれないからです。
とはいえ、繰り返しますが、そこで「ええー、今はしんどいからやだ」と断ってしまっても全然大丈夫です。
それを見極めるのが「後悔しない?」という問いかけではないかと思っているのです。
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