現実が辛いときに私たちは「妄想」という形の慰みを求めるもの~ファンタジーとヴィジョンの違いについて~



今が辛かったり、苦しかったりして逃げたくなったときに「妄想/空想」することで自分を慰めようとする心理は誰もが持っているものです。
しかし、その妄想(ファンタジーと言います)、自分が本気で現実化させたいと思えば、実現させることができるものなのです。

初めまして。
親が共働き・不仲・母親の不倫・父親の報復(奇行)から自立を余儀なくされた長女という、こちらの読者の皆さまにあるあるすぎな自立派武闘家女子です。

さて、親の様にならねえ!と自立を選んだはずが、モラハラ旦那と結婚4年目で自身も不倫をし、旦那にバレて問題の真っ只中・・・という状況もなんだかあるあるすぎて・・というのがご相談ではなく、今回の発覚で主人と話しているうちに、自分が都合の良い方には妄想がどんどん膨らんでしまい、期待が勝手に膨らんでしまうという癖(?)に気づき、そんな自演自作に疲れてしまいアドバイスいただけないかということです。

例えば、「旦那から離れて(今は自営旦那の手伝い)転職をしたら、好条件の職場な上皆んなにちやほやされてモテモテウハウハ!」とかなのですが、それがドラマのシーンの様に主人公自分で細部まで、架空の同僚と会話の内容まで想像してしまうのです。
もちろんまだ面接さえ受けていません。勝手に妄想した上に大体は自分が舞い上がっているだけでそんなこと起きるはずもなく後々地に落ちます。
大体が他者から好かれる自分の妄想で、そんな妄想をする自分が恥ずかしいし、疲れます。
それが自分の中で完結するのならまだ良いのですが、行動に移しては旦那に「常識で考えたらそんなんありえんだろ」と言われる始末。自分でも呆れます。

バリバリの他人軸を生きているからなのか・・・
妄想をやめさせる手はあるのでしょうか?
(Mさん)

まずは基本のおさらいなのですが(と言いながら私のブログではあんまりネタにしていないのですが(笑))、

「ああなりたくはねぇ、は、ああなってしまう法則」

というのが心の世界にはありまして、「お袋のようにはならねえ」とか「あんな親父みたいな奴とは結婚しねぇ」と固く誓ったにもかかわらず、お袋のようになって親父みたいな男と結婚しちまうのが江戸っ子、あ、違う、人の心であります。

いろんな説明ができるんですけど、「反面教師」て言葉がありますよね?
「あんな最低な奴にはなりたくねえから、あいつとは反対の道を行くぜ!」という心意気のことです。

ところが「あいつとは反対の道」を目指す時点で基準は「あいつ」です。
「あいつが右に行くなら、あっしは左に行くぜ」と思った時点で、まずは「右」に目をやっているはずで、それはすなわち、「右」をすごく意識することになります。

ってことは、マインド的には「右」を目指すのと同じことになりますので、結果的に「あいつと反対の道を進んでるつもりが、同じ道を歩くことになっちまったぜぃ」となるんです。

他にも「あんな母親や父親の心理を知りてぇ。手っ取り早く、同じ人生を歩んだら、あいつらの気持ちがわかるんじゃねーか?」という「子どもが親を思う愛」からも「ああなってしまう理由」を説明できます。

が、これは本題ではないそうなので、さらっと流して次の話題に行きたいと思います(笑)

さて、そんな妄想癖。
おそらく読者の方の中には日々無駄な妄想にエネルギーを割いていらっしゃる方も多いんじゃないかと思います。
うちのスタッフのKちゃんも「脳内ビューネくん」と名付けたタクミやトモヤとイチャイチャしているらしいです。その後、続々増殖してタケルまで登場したようですので、ぜひ彼女に会ったら「この浮気者!!!」と叫んであげてほしいと思います。

ちなみに「妄想」と言えばアタシよ!という弟子もいるのでヒマな方は彼女の妄想の世界に付き合ってあげるといい感じに笑えると思います(笑)

※根本さんところってもしかして変な人ばかりが集まってくるの?と思った方はぜひ「バランスの法則」を思い出していただけるとよいです。師匠がまとも過ぎるのでバランスを取るために変な弟子やスタッフしか集まってこないという現実をご理解いただけるかと思います。

さて、次の話題に行くと言いながら早速脱線するのが私の良い癖ですね(笑)

>自分が都合の良い方には妄想がどんどん膨らんでしまい、期待が勝手に膨らんでしまうという癖(?)に気づき、そんな自演自作に疲れてしまいアドバイスいただけないかということです。

「ああ、分かるー」という方も少なくないんじゃないかなあ、と思います。特に、

>親が共働き・不仲・母親の不倫・父親の報復(奇行)から自立を余儀なくされた長女という、こちらの読者の皆さまにあるあるすぎな自立派武闘家女子です。

ここに共感された方は。でも、早い時期に自立された方は少なからず、そんな妄想癖を持つものだと思っています。

なぜかというと、その妄想は「なぐさみ(慰み)」になるからです。

心理学では「ファンタジー(空想)」と言います。

辛い毎日を過ごしている子どもは現実を見ると胸がつぶれてしまいそうなのでファンタジーの世界を作って、その世界で遊びます。その世界では現実世界と違ってすごく明るくて、幸せで、みんなが笑顔で優しいんです。
そんな世界を空想すると心が少し落ち着きます。ホッとします。

しかし、そこで父親の怒鳴り声が聞こえて現実に引き戻されて、また心は悲しくなるのですが。

それがすなわち「慰み」です。もちろん、それは自慰行為の一つとも言えるものです。

例えば、お金がない貧乏な家で育った子は「ほんとうのお父さんはすごくお金持ちで、ある日、僕を迎えに来てくれるんだ」とファンタジーを描きます。

両親が喧嘩ばかりでハートブレイクしている子は「明日の朝起きたらパパとママがニコニコしながら仲良くキッチンで話をしていて『もう安心していいよ。今までごめんね。これからは二人とも仲良くするからね』と言って私を抱きしめてくれる」というファンタジーを思い浮かべながら床に就きます。

一人ぼっちで寂しい思いをしている子は「家に帰って玄関を開けたら家族や友達がみんな僕を笑顔で迎えてくれて楽しいパーティーが始まるんだ」と空想しながら学校から帰ってきます。けど、玄関を開けたら一人ぼっちの現実が待っていることを知っているので、しばらく家の付近をぐるぐる回りながらもう少しだけファンタジーの世界に浸っておこうとします。

「マッチ売りの少女」の物語を思い出された方もいらっしゃるかと思います。まさにそんな世界ですね。

また、子ども時代にいわゆるアニメやファンタジーの世界にハマって、それで現実逃避していた方も少なくないのかな?と思います。(この現実逃避は決して悪いものではありませんよ)

そうしたファンタジーはほんの少しだけでも心を灯してくれるので癖になり、大人になっても何かとファンタジーに慰みを求める人も少なくないものです。

絶世の美女を口説き落として・・・
ヘラクレスオオカブト君に迫られて・・・
彼と毎日イチャイチャして・・・うふっ。
ビジネスが成功して大金持ちになって・・・。
アイドルになってみんなからちやほやされて・・・。

なので、そうしてついファンタジーに走ってしまうとするならば、それくらい辛く、悲しく、寂しく、満たされない時代があったのではないか?と推測してみると良いです。

Mさんは育った家庭だけは収まらず、モラハラ夫の元で苦しい思いをし、不倫に逃げた(?)のに、それがバレて修羅場になって・・・ってそりゃあ、もうめちゃくちゃ苦しいはずです。

その苦しみから逃れるために、その妄想(ファンタジー)が必要なんじゃないでしょうか?
そして、子ども時代から少なからずファンタジーの世界で遊んでいたことがあるんじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか。

そんな妄想に励む自分を恥ずかしいと思う必要はないんです。
もしかしたら、それが唯一、自分を慰める方法なのかもしれませんしね。
もちろん、現実に戻ったら虚しい、寂しい、悲しいといった思いも出てくると思いますが。

>それが自分の中で完結するのならまだ良いのですが、行動に移しては旦那に「常識で考えたらそんなんありえんだろ」と言われる始末。自分でも呆れます。

これって「常識で考えたらありえん」と言われるかもしれませんけど、行動に移せるのはものすごく素晴らしいことです。

ファンタジーも本気で信じたら現実化します。

その典型的な事例がウォルトディズニーですよね。子ども時代に辛い思いをしながらファンタジーの世界で遊んでいた彼は、それをディズニーアニメやディズニーランドという形で「現実化」させました。
ミッキーマウスも彼のファンタジーの中から生まれてきたキャラなんだそうですよ。

ファンタジーとヴィジョンの違いは実はちょっとした違いです。
描いている世界を「現実」だと信じられたらファンタジーもヴィジョンに変わります。

「今」と「想像の世界」がつながっているとヴィジョンになり、それが分離しているとファンタジーになります。

「いつかアイドルになるんだ!」と思って、それをただ空想してるだけではファンタジーですが、そのためにダンスをトレーニングしたり、オーディションを受けたりして現実のものとして描いているならば、それはヴィジョンになります。

どっちもワクワクするもの。楽しいもの。幸せなもの。
違いは現実感があるか、ないか、だけ。

だから、Mさんも

>「旦那から離れて(今は自営旦那の手伝い)転職をしたら、好条件の職場な上皆んなにちやほやされてモテモテウハウハ!」

この想像を「うふふ。絶対現実になるわ!私はその世界に住むのよ!」と思えるようになったら、それは妄想でもファンタジーでもなく、ヴィジョンになり、現実的な目標になります。

「私たちは想像したものを現実化する力がある」という話をよくしています。
そもそも私たちの周りにある、あらゆる商品やサービスは誰かの想像の産物です。

私が今飲んでいるサンペレグリノのペットボトルも、おそらくイタリアのデザイナーさんが頭の中で「色は緑色で、こんなフォントであんな絵柄のシールを貼り付けて、白いキャップを付ける」と頭の中で描いたものをデザインノートに書き出して、それをエンジニアさんが形にしていったはずです。

料理をされる方は、あらかじめ完成形をイメージしながら作るはずです。「なんか知らんけど、テキトーに作ったらビーフストロガノフができたの!」なんてことはないはず(笑)

だから、Mさんがそのような想像ができるのならば、Mさんにはそれを現実化するだけの力があるってことです。

じゃあ、どうしたらそれを信じられるのか?というと、自分が描いた想像が現実化することを知り、自分にはそれを受け取るだけの価値があることを認めることです。

「そんなことあるわけねーよなー!」と一番その想像を否定しているのは旦那さんではなく、Mさん自身ですよね。

慰みに使うのならばファンタジーでもいいですが、ほんとうにそんな未来を手に入れたいと思えば、それを現実化させることを本気で考えてみましょう。

・・・とはいえ、そんな未来が本気でほしいの?というのもありますので、そこはより真剣に妄想してみることをお勧めしたいと思います。

私がほんとうに欲しいものは何?私はほんとうはどう生きたいの?と自分に問いかけてみてください(まさにそれが自分軸ですし、ライフワークですけれど)。

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ファンタジーを描く心理とヴィジョンとの違いについて
 

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