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お恨み帳(御恨み帳)は心の中に溜め込んでいるネガティブな要素を吐き出してすっきりして前向きに生きられるようになるための「心のメンテナンス・ノート」です。
心に溜め込むくらいですから、当然きれいなものじゃなくて、ネガティブな思いがわんさかあり、その量が多ければ自分でも信じられないくらいの怒りが出てきて引いちゃったりもするんです。
それはとても正しい状態なんです。
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ちょうどお恨み帳についてリクエストを2名の方にほぼ同時にいただいておりましたので、今日はその疑問・質問・不平・不満(!?)にお答えしてまいりたいと思います。
*「【保存版】御恨み帳(お恨み帳)の書き方~心の健康を維持するための素敵なノート~」
お恨み帳って、自分の中にあるネガティブなものを吐き出すために使うもので、一人で完結できるので大変お勧めしているツールです。
過去記事を読み漁った方や「手放し本」をお読みになった方は記憶にあるかと思いますが、このお恨み帳、別名を「便器」と言います。「お手洗い」「トイレ」「便所」「厠」「W.C」等お好みの名前で呼んでいただいて結構です。
別にお恨み帳に「TOTO」とか「inax」とか書いてあるわけではないのですが、機能上、心の便器でございます。(だからってお恨み帳の表紙にご丁寧に「NEMOTO」とか書かなくていいですよ!)
ウンコはみなさんの肛門より排泄されるわけですが、お恨みはみなさんの心から手を通じて排泄されるわけです。(ちなみにカウンセラーは、そうした皆さんが口から吐き出された排泄物を受け止める職業とも言えるわけですね。ええ、あんまり想像したくないですが)
だから、お恨み帳にきれいごとを書こうなんてのは「美しいウンコをする」というものでして、なかなかシュールな光景となるでしょう。
上品で知られる私のブログにはまことに似つかわしくない表現となりますけれど、時には下痢状だったり、なかなかキレが悪かったり、いつ終わると分からないロングな逸品が排泄されたりするわけです。
長年、感情を溜め込んできた方はそれはそれはなかなかの便秘状態になっておりまして、かなり香ばしい匂いをまとっている場合もあるでしょうし、便秘がちな体質(?)の方であれば心の中にたまった排泄物を出し切るにはそれなりの時間がかかることでしょう。
少なくてもそんなきれいなもんじゃないわけです。
その辺が「いい子」「優等生」をしてきた方や「世間体」「人の目を気にする」「自分が周りの人からどう思われているのか気になる」と言った方は自分の中から湧いて出てくるネガティブな感情に対してすごく否定的に見てしまうことが多いようです。
いやいや、それ、あんたが食って、あんたが消化して、あんたが排泄してるものですから・・・ということです。
まあ、私も家族から時々「パパ、おならがクサすぎる。一体何を食べたらそうなるの?腸内環境悪いんじゃないの?」と丁寧なご指摘をいただくわけですが(実話)、それと同様、お恨み帳を書くということは、人にとっては悪臭をまき散らすような現象になることも珍しくないと思ってください。
(もちろん、一人個室にこもって踏ん張るのと同様、一人でお恨み帳をガンガン書きなぐればその悪臭も人には伝わりませんのでご安心を。)
ということで、いただいた質問にお答えして参りたいと思います。
こんにちは。日々、ブログを楽しみにしています!
最近、感情が爆発しそうなのでお恨み帳を書き始めました。そしたら、ものすごいんです、メンヘラ具合が(笑)。
振り向いてくれない男性の悪口等々、まあとてもここには書けない内容ばかりが無数に出てきます。
まあ、その状況を選んでるのは私ですし、それも私なんだーって受け止めなさいって根本先生に言われるのは分かっておりますが、、。
普段SNSとかで気持ちを吐き出すことはしないのですが、お恨み帳を書いていていく中で「私、病んでる人と同じことしてるじゃん」って思えてきて何だか余計に気持ちが暗くなります。
こんなネチネチしてる自分じゃなくて、もっと爽やかに生きられる人間になりたいのに!
お恨み帳は気分が晴れる部分もあるし自分の感情がわかる反面、自分の汚い部分を見て余計に落ち込むのは普通のことなのでしょうか。
余計に落ち込む汚い自分に怒りがこみ上げてきて、自分に対してお恨み帳を書きたくなる無限ループになりそうです。
ネタにして頂けたら幸いです!よろしくお願いします。
(Tさん)
そもそもここに書けるような内容はお恨み帳としてはふさわしくないわけで、お恨み帳を書き始めると多くの方が、
「げっ!あたしの中にこんなにもひどい気持ちが眠ってたのか!」
「びっくりするくらい辛辣な言葉が自分の中から出てきて怖いくらいなんです。」
「あたし、もしかして中二病かしら、と思うくらいなんです」
などの驚きを体験されるようです。
だから、Tさんが「あたし、めちゃくちゃメンヘラじゃない!」と感じるのはごくごく自然な現象ですし、誰もが心の中にあるものだと思っています。
で、おっしゃるように「病んでる人」というのは、そうした心の内側にあるネガティブな感情を制御することができなくなった状態を表していまして(つまり、抑えきれなくなってあふれ出てきちゃった人たち)、誰もが「病む」可能性があるんです。
Tさんもそれくらい心の中にウンコを溜め込んでしまっていたんだな、と気付いてもらえたら幸いなのです。
>こんなネチネチしてる自分じゃなくて、もっと爽やかに生きられる人間になりたいのに!
「爽やかな人」になりたいと思えば思うほど、ネチネチした部分を隠さなきゃいけなくなりますよね?
そうすると、その部分を心の中にどんどん溜め込んでいきますよね?
そしたら、どんどんしんどくなりますよね?
それでお恨み帳を書き始めると、思い切りメンヘラな自分が出てきて自分で引いてしまいますよね?
・・・というループは誰もが持っていると思います。
そもそも「爽やかに生きられる人間になりたい」と思うことが矛盾しているのかもしれません(笑)
そんな人間きれいな部分ばっかりじゃないってー!!!と思うんです。
でも、そうした内面にとどまるネガティブな要素を上手に吐き出すことができると、心の中に溜め込んでいるネガティブな感情が少なくなりますから、結果的に「表裏のない、爽やかな人」になることができます。
隠していてもバレちゃうものですから、お恨み帳を使って上手にネガティブな部分を吐き出したいところですね。
>お恨み帳は気分が晴れる部分もあるし自分の感情がわかる反面、自分の汚い部分を見て余計に落ち込むのは普通のことなのでしょうか。
ふつうのことです。
でも、それはTさんや同志のみなさんが「きれいな人でいなければ」という思い込みが強い場合に限ります。
つまり、自分の汚い部分を否定し、隠してきた分だけ、落ち込んでしまうんですよね。
それくらいTさんはずっと「いい人」を演じてこようとしたんじゃないでしょうか?
「ああ、私の中にもこんなにも汚い部分があったのね。そりゃあ、人間だもんねー。当然だよねー」という風に“肯定”できるともっと生きやすくなるかもしれません。
そして、お恨み帳をバンバン書くこともそうですが、そうした「いい人」のメイクを落とすならこの本やワークショップがおすすめですね(なんて爽やかで美しいステマなのでしょう!!)。
↓
*『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』(大和書房)
*セミナー動画:心のメイクを落として本来の自分らしさを取り戻すワークショップ3days
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なお、Tさんが「汚い」とか「メンヘラ」と感じるネガティブな感情群。
それはTさんの心の痛みが作り出した結果でもあります。
それくらい傷ついてきたり、それくらい苦しい思いをしてきたり、それくらい我慢してきたりした自分がいるんですよね。
だから、そんな汚い自分を嫌うのではなく、それくらい傷ついてきた結果だと受け止め、そんな汚い自分を受け入れ、肯定し、愛してあげることが次なる課題かもしれません。
お恨み帳のことでお尋ねことがありメールしました。
毎日嫌なことがたくさんあります。
1件分のお恨み帳に書くことに対して、1時間くらい時間がかかってしまい、お恨み帳を書くという作業が追いつきません。
書いても書いても新たに嫌なことが出てくる、こういう状態を解消する方法はあるんでしょうか。
主に上から目線の発言をされることに怒っています。
相手が目上でも目下でも関係なく、怒りを覚えます。
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また、お恨み帳を書く時に対象者への殺意が芽生え、後半は殺したいという言葉を力任せに何度もなぐり書きするだけの作業になっています。
お恨み帳の使い方として正しいのでしょうか。
私は元々、自分の考えや感情を言葉で表現するのが苦手です。
自分の考えを周りに理解してもらえない、周りからないがしろにされているという気持ちを常に持っています。
お恨み帳を書く時もなぜ怒っているのか、詳しく表現できればもう少し意義ある作業になると思いますが、それができず、殺したいという気持ちを書きなぐるだけになっています。
常識では殺意を覚えるまでもないような出来事であっても、殺したいくらい怒りを覚えます。
(Iさん)
まず「常識」ってのを捨てましょう。
その多くは「幻想」であり、また「思い込み」であり、時に自分を傷つけ、否定するための都合の良い「道具」として使われるものです。
>書いても書いても新たに嫌なことが出てくる、こういう状態を解消する方法はあるんでしょうか。
Iさんもあまり怒りを認められない、我慢してきた方なのでしょうか?
書いても書いても嫌なことが出てくる、ということを「肯定的に」捉えるとするならばどう解釈できると思いますか?
ちょいと画面から目を離して考えてみてくださいね。
・・・。
・・・。
「それくらい嫌な気持ちを心の中に溜め込んでいた」ってことですね。
1時間書いても吐き出しきれないくらいの怒りやネガティブな感情がIさんの中に溜まっているんです。
それと同時に「まだ怒りを吐き出すことに慣れていない」のかもしれません。
コミュニケーションってスキルなんだよ!ってあちこちでお話していますが、怒りを吐き出すのもまたスキルです。免許取ってもすぐに車の運転が上手になるわけでもなく、包丁を握ったばかりの人がいきなり上手く千切りができないように、繰り返し経験することでスキルは上達していきます。
>また、お恨み帳を書く時に対象者への殺意が芽生え、後半は殺したいという言葉を力任せに何度もなぐり書きするだけの作業になっています。
>お恨み帳の使い方として正しいのでしょうか。
めちゃくちゃ正しいんですけど、でも、Iさんはなぜそれが正しいのか?間違っていないか?を気にしちゃったのでしょうか。
ふだんから「これって正しいこと?」って正しさにこだわっちゃうところってありませんか?
殺意が芽生え、殺したい感情が湧き上がることを再び「肯定的に」捉えるとしたらどう解釈できるでしょうか?
ちょいと画面から目を離して考えてみてくださいね。(2度目)
・・・。
・・・。
ええ、「それくらい怒りが溜まっちゃってるんですね!」ということに過ぎません。
尾籠な例えではございますが、いわゆるその状態は「ウンコが猛烈に出すぎて流れなかったらどうしよう」という思いと似ているかもしれません。
逆に言えば、それくらいいい人をしすぎじゃありませんか??ということも言えます。
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「怒り」っていやな感情かもしれませんけど、悪者じゃないんです。
そもそも私のブログの主要読者層であられます自立系武闘派女子の方々は基本的に超絶情熱女ですね。
桜島かキラウェアかと言われるくらいフンフンフンフン常に鼻息荒く噴煙を上げている活火山のような方が多いわけです。
すなわち、内面に抱えているマグマの量はハンパない方々なわけです。
そのマグマを「あたし、爽やかで、上品で、清楚なキャラだから~。うふふふ~」ときれいに隠すのは、噴火口にせっせとコンクリートを流し込んで蓋をしようとするもので、かえって危険ですよね。
そのマグマの熱はネガティブに振れたら殺意を覚えるくらいの怒りに変わりますが、ポジティブに見ればそれくらい熱いハートを持ち、ふんだんな愛を持っている証左でもあるわけです。
つまり、殺意を覚えるくらいの怒りを感じられるIさんは、それくらい情熱的に人を愛することができるってことを表しているんです。
因みに、
>主に上から目線の発言をされることに怒っています。
>相手が目上でも目下でも関係なく、怒りを覚えます。
ってことですけれど、もちろん、上から目線で見られて気持ちいいって人はマレだと思うんですが、なんで上から目線だと怒りを感じるんでしょうね??
誰がIさんを上から目線で抑え込んだの?
お父ちゃん?
お母ちゃん?
お兄ちゃんやおねえちゃん?
学校の先生?
もしかしたら、そこにその怒りのルーツがあったかもしれません。
例えば
「親が上から目線で押さえつけるタイプで、子どもの頃はそうと知らず優等生をしてきた。その結果、感情を抑える癖もついてしまい、怒りを心の中に溜め込むようになった。
すると、長じてからも学校や職場で上から目線で命令してくる先生や上司、お付き合いする彼氏もまたそんなタイプで、そのたびに私は怒りを我慢してきた。」
なんてケースもよくあるわけですけれど、そんな方がお恨み帳を書き始めたら、そりゃあ、何冊あっても足りなくなるのがふつうですね。
私はよく母・父・パートナーに対してお恨み帳を書く場合「100均で3冊セットで売ってるノート10冊分くらいは最低でも書いてね。もしかしたら20冊くらい行くかもね!」なんて話してるんです。
*
お恨み帳は心の中のネガティブな要素を吐き出してすっきりさせて、気分を前向きにしてくれる「心のメンテナンス・ノート」なんです。
で、ほんとうは、、、、「感謝のノート」とセットなんですよね。
お恨み帳でネガティブな感情を吐き出したら、今度は「感謝」という形で愛とつながることで完結します。
だから、お恨み帳を書いて少しでもすっきりしたら「感謝の手紙」などを書いてみてください。
それがまさしく「許し」のプロセスになり、「手放し」になるのです。
★お恨み帳を使った手放しのプロセスを体験するならこちらです。
>「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』

今日の話を無料アプリのvoicyで音声でラジオみたいに聴けます!
お恨み帳を書いたときによくある疑問質問、そして、その対処法
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https://youtu.be/EOxLnozv3iI
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