親密感への怖れが「心のドーナツ化現象」を作り出す。



大切な人を失ってもう傷つきたくない、という思いが生まれると、人は親密な関係を作るのが怖くなり、少し距離を空けて人と付き合うようになります。
でも、それがひとりだと満たされないので、どんどん「役割」を作って人をたくさん集めていきます。
そうするとすぐ近いところには誰もいないけれど、少し離れたところにはたくさん人がいる「ドーナツ化現象」が生まれるのです。

根本先生こんにちは(´-`)ご相談お願いします。
家庭環境は働き者で遊び人の父と、高1で他界した奥ゆかしい母がいて、ラスボスには向き合って大嫌いだった両親が尊敬できて好きかも、、までおります。

わたしは独身で、数年不倫の彼と一緒にいました。今も大好きですが、途中で「ずっとこのままなら、新しい男と遊んでもいいんじゃね?」と突如思い、男探しに精を出しました。

長らく不倫&色々な男性と出会ったことで一つ思ったことがあるのです。男性と付き合うとか結婚ってなんだろう…と。
体の関係が欲しいときはセフレ。デートしたいときは遊びを知ってる男友達だったりイケメン。余裕ある生活するなら年上のおじさま。
こうやって役割分担?して遊んでいるうちに色々とわからなくなってきてしまいました。
もし彼氏ができたとしてもこれを全部してもらうとしたらきっと物足りなくなる。。そう感じております。
ぶっちゃけ今いい感じの人がいるのですがその人を選ぶとなると、区切りとしてここらへんの人間関係は清算したいので、結果物足りなくなってしまうのかなあ?と思うと踏み込めずにいます。きっと浮気なるものをしてしまいます。
根本先生の仰るバランスの法則とはよくできてるなあと実感します(笑)
結婚して子供ができれば、子育てするなら子煩悩な人とか、夫とするなら等、、役割って尽きませんね。迷宮入りします。

このあたりの心理を若人に教えてください。。よろしくお願いします。
(Kさん)

>大嫌いだった両親が尊敬できて好きかも、、までおります。

おおおおおーー!すごいねえええ。頑張ったねえ―。読者のみなさんも見習いたいねええ(笑)

ま、きっとそのうち「なんか色んな男に手を出すにも飽きたなあ。そろそろ一本に絞るべかなあ」という気になり、「まー、散々遊んだし、もういいかなー。」と次の興味を見つけ出したりするものなんで、もうちょっと遊んでいたらええんちゃう?と思う私です。

その「いい感じの人」というのも多分、まだまだ物足りないんだろうと思います。
おっしゃるようにそのまま男を清算して結婚したりしても浮気しちゃいますよね。

「おぉ!!こいつだ!!こいつのためなら他を切っても全然痛くねー!!」という超絶ヘラクレスオオカブトくんが登場するかもしれません。

とはいえ、「ああ、結局は男好きだし、男なしの人生なんて考えられないタイプなんじゃね?」と根本先生にニヤニヤしながら言われる人もいまして、要するに今のKさんはまだ結婚を真剣に考える時期じゃないのかもしれません。

Kさんのお話ってうまくまとまってて「賢いなあ、コミュ力高いなあ」とつぶやいてしまうわけですけど、その中でポイントは2つ、3つあるのかな、と思っています。

たいがい役割を求めると一人じゃとても足りないし、むしろ、何人いても足りない、ということになります。
役割を突き詰めていった結果のひとつが「会社」という組織でして、始めはひとりで始めた商売も、今や従業員何万人という巨大企業に成長してたりしますよね。

また、役割ってのは「子育てするなら子煩悩な人」がいいと思うんだけど、やがて「子煩悩で家事もできる人」がほしくなるように、どんどん細分化されます。

人間の欲求は尽きないですから、「セフレ」や「年上のおじさま」だって一人じゃ満足できなくなっていくでしょ?

気が付けば「男が100人至って足りねえ」ということになっちまうわけですよ。

だから、その辺はあれこれ考えるのはやめたほうがいいよね、といういつもながらの結論になるんです。

それで、ここからはちょっと深読みになるんですけど、Kさんは男たちで何を埋めたいのかなあ?と思うんです。

>もし彼氏ができたとしてもこれを全部してもらうとしたらきっと物足りなくなる。。そう感じております。

という風に感じるわけだから。

いろんな男たちに役割分担してもらって、そこを埋めているんだけど、それくらい巨大な穴が心の中に空いてるの?という見方もできるんです。

やっぱりお母さんを失ったこと?
お父さんのことが嫌いだったこと?

あ、誤解のないようにお願いしたいのですが、その両親を大好きかも!と思えるようになったことはやっぱり素晴らしいし、その恩恵もめちゃくちゃでかいと思うんです。

でも、心の中には両親との関係で得られなかったものがあり、失ったものがある、とするならば、それが強烈な飢餓感になることもあるんです。

「今の両親は大好きだけど、子ども時代はすごく寂しくて辛かったなー」なんて思いがある人は、その寂しさを埋める何かを人生の中で見つけていくんですね。
そして、それを自分なりに埋めていくプロセスで、両親のことを改めて理解し、許せるようになっていくんです。

もし、Kさんがそのお母さんを失った悲しみや喪失感、お父さんとの関係の中にある何かを埋めようと男たちを求めているのだとすれば(男だけじゃなくて他のモノの可能性ももちろんありますよ)、「とても一人の男じゃまかないきれねえ」と思うのも無理はないんです。

それくらい子どもが親に求めるものってデカいんです。

そういうわけで、セッションするならお父さんとの関係をもう少し深く突っ込むでしょうし、お母さんを失ったダメージについて調査してみたいな、と思うんです。

「ああ、それで不倫にハマったし、男たちを漁るようになったんだね」という理解ができると思うので。

そして、じゃあ、その穴を埋めていきましょう・・・と、例えばお母さんとのつながりを取り戻すようなセラピーを考えるかもしれません。

ただ、そうした喪失感や悲しみがあるとすると、人はもう二度とそんな思いはしたくないわけですから、別の問題も浮上するんです。

「親密感への怖れ」

まいどお馴染みでございますけど。

親密な男性ひとりに絞ることができず、不倫相手(ちょッと距離のある人ね)、セフレや遊び仲間、おじさまなど距離のある関係を作ってしまうとするならば、そこにあるのは、その怖れなんです。

私は「心のドーナツ化現象」と呼んでるんですけど、すぐ近いところには誰もいなくて、少し離れたところにいろんな人がいる状態で、周りから見れば「モテモテだねえ」とか「どうしたらそんないい男に出会えるの?」なんて思われる状況なんですけど、実は、すぐ身近なところには誰もいないので、ほんとはすごく寂しいのです。

でも、その寂しさを認めることができない(認めたら何とかしなきゃいけなくなるし)ので、外側のリングにたくさんの人を並べていくんです。
強引な言い方をしてしまえば「質より量」を求めちゃうんですね。

一人の人から得るのは難しいから、10人の人から与えてもらおう、という心理です。
そこで、役割分担、という発想も生まれてきます。

この現象を作るのが「親密感への怖れ」です。
それは、すごく身近で、大切な人を失った人ほど強くなります。

それは「また失うかもしれない」という恐怖心もそうだし、逆に「私がいなくなってしまったら、彼が悲しむ」という思いもあります。

もちろん、それが悪いとかいいとか言う話ではなく、そういう生き方が自分にフィットしている人もいます。
Kさんももしかしたらそういうタイプかもしれないので、はっきりとは言い切れないんですけどね。

とりあえず、やっといて損はないので、ちょっと自分の心に問いかけてみてください。

「今、もしお母さんに出会えたら、どんな話をしたいですか?」

「お母さんやお父さんから欲しいけれど、もらえなかったものって何でしょうか?」

「もし、結婚するなら、どんな夫婦関係を築いていきたいですか?」

「Kさんがほんとうにしたいこと、ほんとうに欲しいものって何でしょうか?」

さて、最後に。

Kさんはそれだけ男性と縁があるから女としての価値を自分にちゃんと見ていると思うのですが、自分の魅力や価値を改めて書き出してみてもらえませんか。

きれい、かわいい、エロい、話がうまい、賢い、人と仲良くなるのが早い、相手の気持ちを察して動くのがうまい、、、、等々。

そして、そんな珠玉の価値を持つKさんが、その愛をすべてパートナーに与える、彼はどんなに幸せでしょうか。

それをちょっと想像してみてほしいな、と思いまして。

何がもらえるか?ではなく、何を与えられるか?に目を向けることは、その心の空虚感や寂しさを埋める特効薬になるんです。

私たちは与えられても心が満たされるのは一瞬に過ぎません。
心を満たし続けるとしたら、それは与え続けることで可能になるんです。

「あたしと結婚する男って幸せだよなー!」って思うでしょ?
それをもっと強化していくために、その想像をふくらませてほしいな、と思うんです。

今日の話を無料アプリのvoicyで音声で聴けますよ!

https://voicy.jp/channel/962/58185

★親密感への怖れ、も大事なテーマです。

〇自立系武闘派女子のための恋愛講座~幸せになる覚悟とは?~

東京:11/10(日)13:00-16:00
大阪:12/1(日)13:00-16:00

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名古屋:10/19(土)、11/16(土)、12/15(日)
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(※東京は来年1、2月から再開します)

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