「共依存」と「お察し力」の違いを具体的に教えてください。



結論から言うと「お察し力」が高い人で、他人軸で生きている人は、「共依存」関係に陥りやすい傾向があるので、自分軸を確立するようにすると、そのお察し力をいい方向に使えて、人間関係がめちゃくちゃ楽になりまっせ、という話です。

先日、根本先生の著書「人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本」を読みました。「お察し力が強すぎる」など自身に当てはまることが多く、ためになりました。

著書を読み終えたとき、この内容をどこかで既読した記憶があることに気づきました。それは「共依存」です。その時に読んだ著書が「あなたのためなら死んでもいいわ。:自分を見失う病「共依存」(著:水澤都加佐)」です。

この二つが同じように思えるのですが、「共依存」と「お察し力」の違いを具体的に教えて頂けるとありがたいです。
(YKさん)

おー!なんか久しぶりに心理学講座ぽいネタを頂きました。なんか新鮮ですね。
(ネタは何でもどんなジャンル、内容でも歓迎しております!)

で、まず、お断りしておきたいのは言葉の定義についてです。
水澤先生がおっしゃる「共依存」と私が言う「共依存」が同じ意味かどうかは、不勉強によりその本を未読である私には何とも言えない、ということです。
共依存という言葉は私も使っていますので、私なりの解釈に基づいて今日のお話を進めさせていただきます。
その点、ご了解くださいませ。

さて、「共依存」というのは、親子やパートナーシップ、職場などのあらゆる関係性において、お互いが依存し合う関係のことを意味します。

彼が彼女に依存し、彼女も彼に依存している状態ですね。

で、そうした状態は「癒着」とも表現されます。
お互いに依存しあう関係を共依存と言い、共依存の結果、お互いが心理的に癒着しちゃってる状態なので、共依存と癒着はほぼ同じ意味として理解していただいていいと思います。

彼と彼女は共依存の関係にある=彼と彼女は癒着している、です。

で、一方、「お察し力」ですが、その名の通り、「相手の気持ちを察する力」のことを意味します。

人の感情の機微に敏感だったり、場の空気を読むことに長けている方は、このお察し力がとても高い、強い、豊かである、と言います。

で、「共依存」と「お察し力」というのは基本的に無関係なのですが、YKさんがお気付きのように「お察し力が高い人は、共依存関係に陥りやすい」ということは言えそうです。

その前提にあるのが「他人軸」という奴です。

なんか専門用語がつらつらと出てきて、私の記事を読み慣れていない方にとっては「は?お前何わけわからんこと言ってんの??」となるかもしれませんが、しばしお付き合いくださいませ。

他人軸というのは、自分よりも他人を優先する状態で、これが「依存」という状態を作り出します。

「私の気持ちより、彼の気持ちを優先する」
「自分のことより、相手のことが気になってしまう」

という状態が「他人軸」になっている状態で、「相手に振り回される」「自分の気持ちが分からない」「相手の言動が気になって不安になる」「どうしていいのか分からない」という風になります。

「彼に嫌われないか不安で仕事や家事が手に着かない」
「いつも彼のことばかりを考えてしまう」

ということになるわけですね。
従って、他人軸になっている状態だと、会話の主語が自分ではなく「彼」になり、必然的に「~と言われた」「~される」と言った受け身言葉が連発されるようになります。

すなわち、自分がない状態になってしまうわけですね。とても苦しいです。

で、そういう状態になると「彼に依存している」風になります。

そして、同時に彼も同様に「彼女の言動に振り回される」「彼女のことばかり考えてしまう」となっていると、お互いに相手に依存しているので、共依存状態が生まれます。

お互いに自分を失い、相手に意識が奪われるようになるんですね。とても苦しい状態になるわけです。

で、「お察し力」が高い人というのは、相手の気持ちを察する能力に長けているので、相手の気持ちがよく分かってしまうんですね。

「あ、今は放っておいてほしいんだな」
「なんか退屈そうだな」
「ちょっとイライラしているんだな」

なんてことがサクッと分かってしまうわけです。まあ、超能力者みたいなもんですね。

で、そんなお察し力が高い人が、他人軸な状態にあると、相手の気持ちが分かりすぎるものですから、自分のことをどんどん放っておいて、相手のことばかりを気にするようになります。

相手から受け取る情報量がとても多いものですから、相手に振り回される度合いはめちゃくちゃ大きくなりますよね。

相手のことが分かりすぎるゆえに、相手に振り回されやすくなり、それゆえ、相手に依存しやすくなります。

つまり、お察し力が高い人は他人軸になると、めちゃくちゃ相手に依存しやすくなるわけです。

そして、その相手もまたあなたに依存しているならば、共依存関係が完成するのです。

つまり、お察し力が高いからといって、必ずしも共依存になるわけではなく、お察し力が高い人が他人軸で生きていると、共依存関係になりやすい、というわけです。

これが私なりの解釈でございます。

逆に言えば、お察し力が高くても、自分をきちんと持っている「自分軸」でいられるならば、相手に依存することもないので、共依存にはなりえません。

だから、お察し力が高い人にとっては、パートナーシップや子育て、職場の人間関係で共依存関係になって苦しまないためにも、なおさら自分軸が重要になってくるんです。

「疲れた時に読む本」でも紹介したかと思いますが、自分軸でいられるようになると、その高いお察し力は人間関係においてめちゃくちゃ効力を発揮します。

相手の気持ちが分かってしまうのだから相手を喜ばせるようなサービスができるようになるし、その場の空気に応じて適切な行動ができるようになるし、危険も回避できるし、問題が起きる芽を早めに摘むことができるし、その一方で、「今は疲れとるわ」とおもったときは「お察し力スイッチ」をオフにできるわけです。

人望もさらに厚くなるし、やりたいことができるし、グループをまとめる力も発揮できるし、リーダーシップも取れるし、いいことづくめなんですね。

お察し力の高い人が他人軸だと、めちゃくちゃ苦しいんですけど、自分軸を取り戻していくと、めちゃくちゃ生き易くなるんです。

そんな話を聴くと、私の読者の93%を占める武闘派女子(残りは男子)たちはすぐに「滝行に行くべ」「出家した方がええんちゃう?」「壁に向かって瞑想して悟りを開くのだ!」などと修行道に走りたがるのですが、そこはちょっと待った!でございます。

先ほどもチラッと書きましたが、お察し力が高い人は周りから得る情報量がめちゃくちゃ多いわけですね。
それを思考で処理しようとしても、到底間に合いません。
だから、お察し力が高い人は、考えない、ということがとっても大切で(それが難しいんじゃ!!!笑)、どんどん自分の感覚、直感を使いこなすことが大事なんです。

そして、その原型となるのが「自分軸」、すなわち「私は」という主語を意識することです。
そのやり方は本に詳しく書いたので読んで頂くとして(宣伝です!)、ここでは簡単な方法をいくつか紹介することにしましょう。

●主語を明確にしてコミュニケーションするように意識づける

日本語は主語がなくても文脈から主語を推定することができる言語なのですが、敢えて、主語を意識しながら話をしてみましょう。

「今から東京に向かうんだけど、さっき『エンガワの押し寿司』がお勧めって言ってたから、駅弁屋さんでそれを買ってから新幹線に乗ろう。そう言えば明日のセミナーについて質問が来てたって言ってたから電話しなきゃな。あ、それと、昨日の講座で日本酒をたくさん差し入れて頂いたから、鎌倉さんの店で飲ませてもらえるか連絡しておいた方がいいよな」

この文章では一度も人が主語になってないですよね。でも、何となく意味が通じるでしょう?

これに敢えて主語を付けてみるんです。

「“僕は”今から東京に向かうんだけど、さっき“ベルキャプテンの人が”『エンガワの押し寿司』がお勧めって言ってたから、“僕は”駅弁屋さんでそれを買ってから新幹線に乗ろう。そう言えば“スタッフが”明日のセミナーについて質問が来てたって言ってたから“僕が”電話しなきゃな。あ、それと、昨日の講座で“受講生さんが”日本酒をたくさん差し入れて頂いたから、鎌倉さんの店で飲ませてもらえるか“僕が”連絡しておいた方がいいよな」

むしろ、違和感のある文章にさえ見えてくると思います。
それくらい私たちはふだん主語を意識していないのかもしれません。

それを「私は」「私が」という風に主語を意識的に付けて見るんです。

「今から私はコーヒーを飲む」
「お腹があまり減ってないから私はランチを少なめにする」
「今日の午後はけっこうアポが入っているから、私はひとつひとつ丁寧に仕事しよう」

という風に。

●私はどうしたいの?という問いかけを常にしてみる。

私のセッションではしつこいくらいに「で、どうしたいの?」って聞かれるんですが、その目的は自分軸で考えるようにするためです。

ランチに誘われたとき、彼に感情をぶつけられたとき、まだ16時過ぎだけどお腹が減ったとき、仕事が終わらないのに眠たくなっちゃったとき・・・などなど、いろんなシーンで「で、私はどうしたいの?」って聞いてみてください。

自分の意志、意図を問うことで自分軸になりやすくなります。

●私は私、人は人、というアファメーション

この「人」は「旦那」「社長」「お母さん」など具体的な人名を入れてもいいです。このアファメーションはけっこう効きます。毎日何十回とつぶやくようにすることがお勧めです。

●自分と向き合う時間を毎日作る

日記を書くことも、瞑想したり、ヨガをしたり、ジョギングしたり、泳いだりすることもそれに値しますが、「私自身」に戻れる時間を毎日どこかで必ず作るようにします。

それは他人をシャットアウトして、自分ひとりの世界に入ることを意味します。

お察し力が高い人は無意識に他人に意識を取られるのですごく疲れちゃうわけですから、こうした自分のためだけの時間を作ることはとっても重要です。

共依存とお察し力の関係、そして、自分軸に戻る方法をつらつらと書いてきましたが、少しはご理解頂けましたでしょうか?

まじめな記事だって書けるんだぞ!褒めろよ!という意図を込めて、新潟駅近くの喫茶店にて今日は書かせていただきました。

★自分軸を確立するために使える、自己肯定感をあげる3days!

『自己肯定感をあげる3daysプログラム』

名古屋:10/19(土)、11/16(土)、12/15(日)
大阪:10/20(日)、11/17(日)、12/14(土)

※東京は来年早々を予定しています。

https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/31475

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