頑張り屋さんやデキる人ほど、無意識に相手に期待し、相手をコントロールしたくなるもの。



自分ができることは相手もできるはず、という期待を私たちは無意識に持つものです。
そして、その相手を自分の期待通りにコントロールしたくなるものです。
しかも、自己肯定感が低いほど、その期待は強くなり、その分、裏切られた感が付きものになります。
期待が生まれる、ということは実は他人軸である証拠なんです。

以前主人の仕事と人間関係について、私は何ができるのかをアドバイス頂いたAです。
この1年間、主人の仕事を私も手伝い始め、私の知恵をフル回転させて様々な改善を手伝ってきました。
経理や経営の勉強をして資格も取り、義父母(主人は後継ぎ)や税理士さん、従業員の方達と話し合いをし、主人にも問題点と解決策を提示し、我ながら本当に全力で主人のためにサポートしました。
前半期は今までになく仕事の成果が出て、主人も以前より不機嫌なことが減りさぞ頑張っているのだと思っていました。
しかし後半期に入ってから業績が落ちてきて理由を探る中で、実は主人の態度や言動自体は以前とあまり変わりなく感じ悪く、一部の反りの合わない顧客からはまだクレームや不信感が募っているということが分かり、なんか今がっくりきています。
私の前では主人はさもよく分かった風で感じも良いので、気づかなかったというのもあります。
最近はみんな以前より風通しが良くなったからか、文句や主人の良くない面が私の耳までばんばん届く様になり、あれだけ主人の話も聞き、慰め励まし、具体的なアイディアまで出してサポートしていたのになんなんだ、と主人への気持ちが少し冷えてきています。
でも専門技術の必要な仕事なので、結局は主人に頑張ってもらうしかない、というのも辛いところです。
私はというと先生のアドバイス通り、自分の楽しみも定期的に予定に入れては気分転換していますが、
長期戦といえどもあまり成果が出ないとモチベーションを保つのが難しいです。
私はもう気を紛らわすこと位しかできないのでしょうか?先生のご本は常に5冊くらい枕元に常備していますし、1年前のアドバイスも新たな気持ちで再度読ませて頂きましたが、できたら先生の生のアドバイスをまた頂けたら幸いです。
(Aさん)

Aさんの1年前のネタはこちらです。もちろん、これを読まなきゃ今日の話が分かんねーということはありませんので、ご安心を。

『本人が自覚をもって改善しようとしなければ状況は変わらないものなのか?』

>この1年間、主人の仕事を私も手伝い始め、私の知恵をフル回転させて様々な改善を手伝ってきました。

わお!すばらしいですねえ。よく頑張りましたねー!ほんま。
なかなかできることじゃないと思いますし、資格まで取って、関係者と話し合いを続けるなんで、ほんとすごいと思います。

そんな自分を「すげーなー!めちゃくちゃようやってるなあー!めちゃくちゃすげーなー!」ってニヤニヤしながら褒めてあげてます?

自己肯定感もずいぶんと上ったんじゃないかと思うんですけど、どうですかね???

以前から「頼りない経営者の妻はかなり仕事ができる法則」というのを感じておりまして、「旦那がやるより、あなたが社長になった方が会社がうまく回るんじゃね?」という提案を真に受けた方が業績をかなりアップされたこともありました。

なので、Aさんが入ることによって、だいぶ職場の雰囲気も変わったんじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか?

だからこそ、文句や良くない面がAさんに耳に入ってくるようになるわけで、それは良い兆候だと思うんですよね。

さて、そういう前提でのお話になるんですけど、

>長期戦といえどもあまり成果が出ないとモチベーションを保つのが難しいです。

ここでいう成果って何を指していらっしゃるんでしょう?
業績?それとも旦那の働きっぷり?それとも旦那の人望???

よく会社の経営についてご相談を頂く中で、こういう話があるんです。

「旦那さんはどちらかというと職人タイプ。自分の仕事に没頭したいので、経理や人事などの業務には向いていない。従業員に対しても思い通りにいかないと怒鳴りつけたりして、会社の空気はあまり良くない。
一方、奥さんは社交的で人とコミュニケーションをとることが得意かつ上手。元々OLをしていた時代に経理・総務畑にいたので、そうした会計にも明るい。」

Aさんご夫婦がこのタイプかどうかわからないのですが、こんな風に「キャラが正反対」な場合は、よく社長(夫)と専務(妻)との間で感情的バトルば勃発するものです。

でも、よくよく見ればバランスが取れている夫婦なので、旦那を名ばかりの社長にして、実質的な会社の切り盛りは奥さんがやった方がうまく回るんですよね。

で、何がバトルになるか?というと、「コントロール」という問題であり、「期待」という問題なんですね。

私たちは“無意識に”自分ができることを相手もできるだろう、と思い込みます。
自己肯定感が低い人はなおさらその傾向が強くなり、

「私程度の人間にできることなんだから、私よりずっとすごいあの人は余裕でできるはず」

などという期待(思い込み)が生まれるわけです。

「私が社員の方々の話をちゃんと聞いて意見を採り入れようとしてるんだから、あんたもそれくらいしなさいよ」と要求/不満が生まれるわけです。

でも、それは旦那さんの得意なことではないかもしれないのですね。

こうした話は「旦那と息子が脱いだものをその辺に散らかしっぱなし問題」としてセミナーなどではよく笑い話にしてるものと似ています。

「あのさー、あなたの旦那や息子って、脱いだものを洗濯カゴに入れられる能力ってあるの?」ってお聞きするんです。

「そりゃあるでしょ!だれでもできる簡単なことでしょ?」と思われるかもしれないのですが、実はそれも「能力」のひとつなんですね。

コミュニケーション能力もしかり、帳簿を付ける能力もしかり、パソコンのスキルもしかり、地図を読める能力もしかり、カバンのチャックをちゃんと閉める能力もしかり。

自分ができることってついつい人もできるだろうって期待しちゃうんですけど、果たしてそれがその人に可能かどうかは一旦引いてみてみないと分からないわけです。

だから、Aさんにお聞きしたいのは、

>あれだけ主人の話も聞き、慰め励まし、具体的なアイディアまで出してサポートしていたのになんなんだ、と主人への気持ちが少し冷えてきています。

というお話について、「何を旦那に期待していたの?」ということなんです。

ご主人の話を聴いて、慰めて、励まして、散々サポートしてあげたら、どうなると期待していたのでしょう?

私がそれだけサポートすれば旦那が変わってくれる、と期待していたのでしょうか?
言動を一変させて誠実になり、顧客からのクレームや不信感が激減することを期待されていたのでしょうか?

なぜ、私がサポートしたら、そういう変化が訪れると思っちゃったんでしょう?

これが「期待の罠」であり、その裏に潜む「旦那を変えよう」とするコントロールってことなんですよね。

「あたしがこんだけ頑張ってるんだから、あんたもちゃんと変わりなさいよ!!」とおっしゃってるのかもしれません。

さて、Aさんはそんな風に人に言われて「よっしゃ!やったるでー!!」と思われるタイプでしょうか?それとも「は?そんなの嫌だわ。やる気なくすわ」と思うタイプでしょうか?
旦那さんはどうでしょうね?

この「期待」や「コントロール」というのは、実は思い切り他人軸な状態から生まれます。
これがややこしいのは「私は頑張っている」という思いがあるからで、一見、自分軸に見えるところなんですね。

しかし、その自分が頑張ることによって「相手が変わることを期待している」とするならば、軸は自分ではなく、相手にあるものです。

だから、がっかりしちゃうわけです。それが期待していた証拠ですし、都合のよいことに心理学には「期待は裏切られる」という法則があったりするんです。

頑張りたくて頑張るのはいいし、自分が頑張ることによって社内の雰囲気が変わったのであれば、それは素晴らしいことです。

しかし、旦那は旦那、なんですね。
もちろん、従業員は従業員、なんです。

私が頑張ったからと言って、彼らが変わるかどうかは彼らの問題なんです。

それを何とかしようとするのはコントロールになってしまい、相手に対する不平不満文句愚痴がわんさか出てくる一方で、勝手に悲劇のヒロインになったり、ふてくされたり、惨めになったりしてしまうわけです。

それってほんま「自作自演」で、自分で墓穴を掘ってあらーっ!て落ちるパターンなのです。孤軍奮闘と言えばカッコいいですけど。

なので、何のためにそんなに頑張ってるの?
旦那を変えたいがため?
それとも自分のため?

という意味で、改めて「頑張る意義・意味・目的」を整理してみると良いと思うんですね。

人を変えるために頑張るのは虚しいし、切ないし、面白くありません。
仮に相手が変わってくれたとしても、また新たな「改善点」を見つけてしまうので、ずーっと監視&コントロールしていなきゃいけなくなります。
それもまた自分の自由を奪っていくものです。

なので、旦那は旦那、という自分軸の意識を持ちつつ、「何のためにあたしは頑張るのじゃ?」という点を見つめ直していきましょう。

きっと相当な成果があがってると思うので、そっちを受け取っていくのが大事です。
そうして、自己肯定感があがっていくと「まあ、旦那は旦那でよろしいがな」と一線を引いてやっていくことができるようになります。

そうすると悪評高い旦那さんのフォローに回ることもできるし、何なら、旦那が苦手な業務を引き継いで社外からの評判を変えることだってAさんならできちゃいますね。

自分とはキャラが違う相手のことを理解し、受け入れるのはなかなか難しいもんです。

これは誰にでも難しいもので、特に「パートナー」という種族は自分とは全然違う存在であることが多いもんです。(私もそのことを人生かけて研究しています。はい。)

すなわち、「この人生にやる気がある人ほど、自分とは違うタイプの人をパートナーとして選び、敢えて過酷な環境の下で自らの器を広げ、視野を拡大し、成長しようとしているのである」と偉大なる根本先生がおっしゃっています(笑)

Aさん、今生、相当やる気みたいっすね。

あ、うちの読者様は、そんなやる気満々な人しかいないか(笑)

で、そういうキャラが違う人とパートナーになったり、一緒に組んで仕事する場合には、葛藤、ストレス、不平不満、愚痴、文句が付きものになりますので、そういう時は、少し冷静になって、

「○○だからこそのメリット」

というのに目を向けてみるといいですね。

「融通が利かない頑固者だからこそ、きっちり仕事を仕上げてくる」
「時間にもお金にもいい加減だからこそ、私に対してもあまり文句を言って来ない」
「感情的で時にはヒステリックになるからこそ、情熱的に仕事にも向き合っているし、感動屋さんである」
「一人で抱え込んで自滅するキャラだからこそ、信頼がおけるし、仕事を安心して任せられる」

まあ、メリットの部分はできるだけたくさん見つける方がいいですけれど。

そうして受容し、価値を見、その才能に目を向けていくと、「あら、意外といい人だわね」と自分の意識が変わっていくものです。

変えるのは相手ではなくて自分、ですもんね。

★自分軸を取り戻すなら。

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

★さあ、自己肯定感をバンバンあげて幸せな毎日を実感しようぜ!

『自己肯定感をあげる3daysプログラム』

名古屋:10/19(土)、11/16(土)、12/15(日)
大阪:10/20(日)、11/17(日)、12/14(土)

※東京は来年早々を予定しています。

https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/31475

★そんな旦那への不平不満から解決方法までをお弟子さんたちが提案してくれると思うよ。
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