ハゲてることにコンプレックスを感じるのは自分のことがほんとは大好きだから。



コンプレックスについてのご相談をよく伺います。
なかなか1回のセッションではここまで話はできないのですが、一方的に書き綴れる記事だからこそ言えることが今日のお話です。
抵抗、反発、怒りなどが出てくるかもしれませんが、「そういうもんなのかなあ」という目でお読みいただけたら幸いです。

いつもありがとうございます。惜しげも無く、情報提供をして下さる根本先生に感謝しております。

先生の自己肯定感の本を読み漁っておりますが、どうしても打ち破れない壁があります。それは「ハゲ」です。いわばコンプレックスです。
本を読んで勇気をもらっては、鏡を見てドーンと落ち込む繰り返しで、一歩も前に進んでいません。いい加減諦めたらと思うのですが、自分の諦めの悪さに辟易とします。

うまく行かないのは全てハゲのせいと思ってしまう反面、髪の毛があってもそんなに魅力はないんじゃないかと思ったり、僻んでは自分を責めるの繰り返しです。
しょうもないことで悩んでいることも自覚していますが、人付き合い、仕事などなんか胸を張れない自分がいます。

他人の評価もすごく気になりますし、相手に媚びるようになったのも自信がなくなってからのような気がします。

しょうもない悩みかもしれませんが、コンプレックスについての記事を読ませて頂けないでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
(Tさん)

このところ気が付けば確実に前髪がM字型に後退している私としてもTさんのお話は看過できないお悩みで、お察し申し上げます。
孫社長の「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのだ。」というツイートをハゲみに前向きに生きているところでございます。

コンプレックスについては何度か触れておりますので、検索窓から探して頂けるとまた参考になるんじゃないかと思います。

さて、「このハゲー!!」という発言がきっかけで議員を落選してしまう人が出る日本においては、やはりハゲというのは人を侮蔑するに格好の表現になっています。

それを知っているからこそ、髪が薄くなることを男性陣としては非常に怖れるもので、早い人は20代からその対策を練っているものですね。
ところが、ダイエットと同じで「これぞ間違いない!!」という薬なり方法なりが開発されていないがゆえに、ハゲを克服するための方法を人はこぞって求めているようです。

Tさんも何かされていますでしょうか?

「しょうもないことで・・・」とTさんもおっしゃいますが、でも、実際はしょうもなくないもので、自らのアイデンティティに直結するものですね。

女性に置き換えれば「お肌の衰え」にも似たものがあるかもしれません。

社会的風潮によって「ハゲはダメなことだ」という思い込みが一般的になってるんだろうと思います。

ハゲ始めると周りがひそひそと噂話をし、「可愛そうに」という憐みの目を見せ、ハゲの先輩たちからは笑顔で歓迎されるという風潮もあり、Tさんがおっしゃるように、ものすごく他人の目を気にし、他人の評価が気になり、そして、鏡を見るたびに落ち込むという方もきっと多いでしょう。

とはいえ、それを全然コンプレックスに感じていない人もいて、「僕が来ると世界が明るくなるでしょう?」とニコニコしながら帽子を取って笑いに走る人もいますけれど、Tさんに「それを目指しませんか?」と言っても、気分は沈むばかりでしょう。

私はもともと髪もファッションもあまり気にしないタイプで、奥さんに「その髪で外に出るの?」とちょいちょいハネてる毛を直されたりするくらい無頓着なんですけど、それでも美容室で髪を洗ってもらった直後などには「なにか落ち武者みてぇだな」とガッカリすることも増えてきました。

私のおじいちゃんは私が物心ついたころにはそれはそれは輝かしい頭をされていまして、子ども心に「おじいちゃん、つるつるだ~!!」とからかうと「ほれ~♪」と頭を付き出してきてなでなでさせてくれる人だったので、私の場合はさほどコンプレックスになっていないのかもしれません。
この先は分かりませんけどね。

急に黒々と髪が増えたら「あ、かぶったんだな」と噂して頂けたら幸いです。

さて、心理的に見るとコンプレックスと言うのは自分を否定し、責める格好の材料になります。
それが原因ではないのに、何かうまく行かないことがあると、すべてそこに直結させるほどの引力を持っています。

仕事で評価されないのもハゲのせい。
週末のゴルフに誘われないのもハゲのせい。
彼女に浮気されるのもハゲのせい。
結婚できないのもハゲのせい。
居酒屋で自分が頼んだチューハイが来ないのもハゲのせい。
すれ違った女子高生がくすくす笑うのもハゲのせい。
冬が寒いのもハゲのせい。
道端のウンコを踏んだのもハゲのせい。

全部、ハゲのせいにできます。

そして、それがすべての原因だと思って被り物をしてみたり、増毛してみたりしても、「ほんとは俺、ハゲてるんだよなあ。それをごまかしてるんだよなあ。ウソついてるみたいだ」と新たなコンプレックスに発展させることもよくあります。

この手のご相談も実は多く、例えば、「胸が小さいのを気にして豊胸手術を受けたんだけど、人から胸を褒められるたびにちくちく心が痛んで喜べない」などの話もよく伺っています。

Tさんもお気付きですが、ハゲが本当の問題なのではなく、それをコンプレックスにすることによって、その裏側にある本質的な問題から目をそらしてしまっていることが問題なのです。

だから、表面的なコンプレックスを取り除いたとしても、心の中は変わっていませんから、やはりコンプレックスであり続けるのです。

とはいえ、これでTさんの頭にふさふさとしたものが蘇ってきたら、それはそれで自信になったり、元気になったりすると思いますけどね。

ところが、そうなったらそうなったでものすごい怖れがやってきたりするんです。

ハゲてないのに仕事で評価されなかったら?
ハゲてないのにゴルフに誘われなかったら?
ハゲてないのに女彼女に浮気されたら?
ハゲてないのに結婚できなかったら?
ハゲてないのにチューハイが来なかったら?
ハゲてないのに女子高生に笑われたら?
ハゲてないのに冬が寒かったら?
ハゲてないのにウンコを踏んでしまったら?

これ、ものすごく怖いですよね。

だから、私たちはコンプレックスにしがみつきます。

「お願い!女の子にモテないのはハゲてるからってことにして!!」と切実なる願いを神様にしちゃうのです。

私たちはうまく行かなかったり、幸せでなかったりしても、「○○だからうまく行かないんだ。幸せじゃないんだ」という理由を見つけると「安心」できます。

この「安心」というのがものすごく厄介なもので、その「安心」のために、うまく行かないこと、幸せでないことを肯定してしまうんです。

つまり、まったくもって変な話になるんですけど「安心感と引き換えに、幸せじゃないことを選ぶ」ということを私たちはふつうにしてしまうんです。

そして、その安心感が強ければ強いほど、その理由(コンプレックスなど)にものすごく執着し、そして、絶対的にその理由が正しいことを主張したくなります。

だから、Tさんに「いやあ、すべてがうまく行かないのってハゲてるからじゃないよ」なんて言ったら、グサッと来て、激怒しちゃったりするんです。

「いや、違うんです!絶対ハゲてるからなんです!!」と言いたくなるんです。

※実際、Tさんはそういう反応は示さないとは思いますが。

この理由はめちゃくちゃたくさん作れます。

太っているからモテないんだ。
お金がないから幸せじゃないんだ。
年齢が行ってるから婚活がうまくいかないんだ。
かわいくないから彼氏ができないんだ。
学歴がないからいい会社に就職できないんだ。

それに対して誰かが「違うよー」なんて言おうものなら、烈火のごとく反論して「あなたには私の気持ちなんて分からないのよ!」と斬り捨ててしまうと思うのです。

さらに「太ってるけどモテる人っているじゃない?」って言われようものなら「その人は特別なの!一般的に行っても太ってる人はモテないでしょ?」と完璧な回答を用意しています。

だから、そこで問うのです。

「そうまでして守りたいものって何だろう?」

もちろん、自分を守りたいんですよ。
自分がこれ以上、傷つかないように。これ以上嫌われないように。

でも、その傷の99.99%は「自分が自分に付けた傷」ってことに気付いていらっしゃるでしょうか?

他人が責める何万倍も自分で自分にナイフを突き立てているのです。

だから、きっとTさんの心はボロボロだと思います。
激しく厳しい否定的な言葉のナイフによって。

だから、まずは「もうこれ以上、自分を傷つけるのはやめようぜ」ということになります。
まあ、いつも言ってることと同じなんですけど・・・すいません(笑)

でもね、もう少し深く潜ってみましょうか。
コンプレックスの奥の奥にあるものに向けて。

コンプレックスによって自分を傷つけ、自分をボロボロにします。
でも、その裏にはある期待があるんです。

「俺はほんとうはこんなもんじゃねえ」と。

もっとうまく行くはずだし、もっと幸せになれるはずだし、もっとモテるはずだし、もっと稼げるはずだし、もっと人から慕われるはずだ、と。

「本当の俺はもっと女にモテるんだよ!でも、ハゲてるせいで、それが叶わないんだよ!」という主張があるのです。

意外でしょ?

ということは、、、ですねえ、、、Tさん、ほんとうは自分の価値をものすごく知っている、ということが言えるんですね。

つまり、自分がめちゃくちゃ価値のある男だとほんとうは知っているのです。

そして、それを言い換えれば「自分のことがほんとうは大好き」なんです。

あら、やだ。
バレちゃった(笑)

まあ、そんなすぐには信じられない話だと思うので、とりあえず聞き流してください。

私の考えなんですけど、あらゆるコンプレックスが苦しいのは、その内と外のギャップからではないかと思っています。

ほんとうは自分には価値があることを知っている。
そして、ほんとうは自分のことが大好きだ。
しかし、うまくいかない。幸せじゃない。
何でだろう?おかしいじゃないか。
あ、そうか、俺、ハゲてるからか。だからなんだ。

そんな思考回路が働いているんじゃねーかと思っているのです。

自分のことを心底価値がないと思っているならば、ハゲがコンプレックスになることはありません。だって、ハゲ以外にもダメなところは腐るほどありますから。
そして、そういう人はたぶんもうこの世からは卒業しているでしょう。

ほんとうは自分の価値を知っていて、自分のことを愛している人だけが、コンプレックスを持つことができるのです。

その価値がなにかなんて考えなくてもいいです。
それはTさんにとってはあって当たり前のモノだから。

だから、

「俺ってほんと価値がある人間なんだよな。俺って自分のこと、ほんとは大好きなんだよな」

これだけを思っておいていただければよいのです。

自分の中の愛とつながるとその瞬間にすべての怖れや罪悪感などのネガティブな感情から解放され、自信が蘇ってきます。
コンプレックスなど一瞬で吹き飛んでしまいます。

もし、ハゲてることが気になったり、鏡を見て落ち込んだりしたときには、このことを思い出してください。

「ほんとは俺、自分のことが大好きなんだよな」と。

これを繰り返すときっと少しだけハゲに対するネガティブな思いが減ると思います。
その「マシになった」という体験をされると、それが自信になりますから、どんどんハゲであることが気にならなくなると思います。

つまり、それを肯定的に受け入れられるようになるのです。

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