権威との葛藤を抱えているパートナーに私がしてあげられることは?


何もできることがないと思っても祈ってあげることはできるでしょう。
コミュニケーションができるならば、褒めて、賞賛して、価値を伝えることはできるでしょう。
「彼を信頼して、自分ができることをする」のがお勧めです。

はじめまして。
「権威との葛藤」というキーワードからこちらへたどり着きました。

この問題を抱えた男性を支えていくために、パートナーはただ寄り添うことしかできないのでしょうか?

「家庭内の権威との関係性を癒すこと」や「男性性の発揮」について、パートナーとして力になれる事はないのですか?

お父さんから暴力を受けて育ち、大人になって職場の権威との間に葛藤を抱えている男性がいます。
仕事ができ社交的なのですが、上司の気分を逆撫でするのか嫉妬させるのか、可愛がられることがなく、いつも悔しい思いをしています。
最近では心身に症状が出始めていて本当に辛そうです。
私としてはお父さんの問題と向き合って、手放して欲しいのですが、そこはやはり彼の問題で私の出る幕ではないのでしょうか?

また、向き合う対象が健在な場合と、そうでない場合(彼のお父さんは亡くなられています)では、その取り組みの難しさが違ってくるものでしょうか?
(Sさん)

権威との葛藤について簡単に説明しようと思ったのですが、諸所の事情(めんどくさい等)により割愛させていただきます。

よかったらこちらの記事をご覧ください。

「権威との葛藤~なぜ、仕事が行き詰るのか?なぜ豊かさを受け取れないのか?~」
https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/23293

さてさて、その男性の心理を簡単に分析してみれば、暴力を受けたお父さんとの葛藤を上司に投影して気分を害するような行動をしてしまい、社交的で仕事もできるのに不遇をかこっている、と見ることができますね。

だから、Sさんは「彼にお父さんと向き合って、手放し、許して、その状況を改善したらいいのにー!心身共々しんどいのだから!」と思うのでしょう。

それは優しさや思いやりですよね~。

彼のこと、好きなのね~(^^)

で、自立系武闘派女子と呼ばれる人々でも、突撃部隊に所属する方は「おら、行け!行かんかい!!」という生き方をされているので、問題が出てきたときも単身その渦に突入されるだけの技を持っています。

そうすると、「それが問題だってぇ、分かるんだけどぉ、でもぉ、勇気がでないってゆうかぁ」ともじもじしている男子を見ると、猛烈にイラッとして、どついたろかいな!と思ってしまうものですね。

で、そういう方々の話を聞くと、「まあまあ、そうは言わずにお茶でも一杯」と手綱を引くことが多い私です。
そのお陰でずいぶん上腕二頭筋が鍛えられてきました。ありがとうございます。

「彼には彼のプロセスがあるんだよね~」

この言葉を「彼を助けたいんです!友達を救いたいんです!」という方々にお伝えしています。

心理学を学んだり、セミナーを受けたりすると自分はもちろんですが、周りの人の問題もよく見えるようになります。(もちろん、それも投影の法則が絡んでいることはいうまでもありませんが)

そうすると「カウンセリング受けたらいいのに」「少しでも心理学を学べばいいのに」と思い、中にはそう進言しちゃう人もいるのですが、たいていは袖にされて「むかっ!!あんたのために言ってやってるのに!!」なんてなるんです。

なので、私はもう一歩踏み込んで

「彼を信頼してあげるのはどう?」

という提案をするのです。
自立系武闘派女子たちにとってはとても苦手な「信頼して待つ」ということです。

仕事ができて社交的なのに上司と折り合いがうまく行かなくて心身を痛めて来てる彼ですが、それは彼にとって必要なプロセスなんです。

お父さんとの関係を上司との間でやり直している彼もまた、そこで何かを学び、気付きを得ています。

彼も「どうしたらいいんだろう?」と悩み、それを一人で抱えているのかもしれませんが、それもまた彼が選択した道です。

彼なりに色々と模索したり、考えたりして自分を変えようとしているのかもしれません。

よく「彼もバカじゃないんだから自分の状況は分かってるよ」って話をするんですけど、なかなかその辺て近くで見ていると気付きにくいんですよね。

彼には彼のペースがあって、それが仮に体を病むことになったとしても、別にそれが悪いわけではありません。

そこから気付き、学び、成長することもできるのです。

もちろん、近くにいるSさんが何らかの助言をすることも別に悪いことではありません。

でも、せっかく助言をするならば、言い方も工夫したいですよね。

「上司とうまく行かないのって、あなたのお父さんとの関係から来てると思うんだよね。だから、お父さんと向き合った方がいいと思うんだよ」

って言うよりも、

「上司とうまく行かないって辛いよね~。あなた、すっごく仕事もできるし、社交性もあるのに、なんかもったいないなあって思ってね。自分では何か対策とか考えてるの?」

って言う方が彼は心を開きやすいでしょう。

何が違うか?というと、「彼は何も分かってない!」という思い込みから来る上から目線発言が前者。一方後者は、彼への承認と信頼がベースになってます。

「信頼して待つ」

カウンセラーを目指す人たちによくお伝えしていることでもあります。
その人にはその人のペースがあり、プロセスがあり、そして、相手もバカじゃないんだからちゃんと考えてるって、と。

こっちからしたらイライラしてしまうときもあるんだけど、早くカレーが食べたいっ!お腹空いた!!と思っても、ジャガイモがまだ固いままだったら待つしかないでしょう?

それに、ここがツボなんですけど、彼の問題、別にお父さんと向き合わなくても解決する方法なんてたくさんあるんです。

筋トレとかオシャレとか。

いや、これ、マジっす。

男性心理で「筋肉を付けると自信も付く」というのはけっこうあるあるです。

また、パートナーであるSさんが彼を褒めて、承認して、「すてきだわ~」「愛してるわあ~」ってたくさん愛情をコミュニケーションしてあげることでも自己肯定感があがります。

彼の友達や同僚などに頼んで、ふだんから彼を意識的に褒めてもらえるようにお願いすることもできます。

権威との葛藤を抱えて上司にケンカを売るのも、彼が自分の価値や魅力を受け取れず、いつまで経っても自己承認ができないからです。

逆に言えば、私たちカウンセラーが権威との葛藤を扱うのも、その先に見ているのは、自信の快復だし、自己承認です。

それが目的なのだから、別にお父さんと向き合わなくたってできることはたくさんあるのです。

「パートナーシップはすべての傷を癒す」という格言があります。

権威との葛藤もまた然り、です。
ちなみに権威との葛藤は承認や褒めることだけでなく、セックスを使うとより効率的に深く癒せます。
すなわち、彼とのセックスをより深く、充実したものにしていくことです。

Sさんが彼のパートナーであるならば、彼に対してできることはめちゃくちゃたくさんあります。

寄り添ってあげることもその一つだし、ここでお話してきたようなことをしてあげることもできます。

毎日、祈ってあげることもできます。

うちの奥さんは願い事を書くノートを作っていて、そこに「夫の本がたくさん売れて、読者の方々を幸せにしています。」みたいなことを書いてるそうです。

彼女の野望は「夫を売れっ子にして星野源とお近づきになる!」という壮大なる下心が満載なのですが、実際、本はたくさん売れるようになりました。

で、最後のご質問。

>また、向き合う対象が健在な場合と、そうでない場合(彼のお父さんは亡くなられています)では、その取り組みの難しさが違ってくるものでしょうか?

結局は自分と向き合うので本質的には健在だろうが、亡くなっていようが関係ないと思ってます。
ただ、向き合うという点では亡くなってる方がやりやすいんですよね。

だってもう悪い印象って今以上に増えないでしょ?
生きてたら「お父さん大好き!」て伝えたときに、「は、お前、バカか!」と一喝される可能性があるけど、死んでたらそれはないですからね・・・(笑)

彼を信頼しましょう。
そして、自分が今できることを探して取り組みましょう。

というお話でした。

権威との葛藤と向き合ったり、癒したり、さらに、深い人間関係についても学べる機会。

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