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男性には強さを期待する女性からすれば、男性が見せる弱さは嫌なものです。
武闘派女子の中にもそれを「かわいい」と思える人もいますが、気持ち悪いと感じる人もいますね。
そんな弱い男を許すには?を面白おかしく考えてみたいと思います。
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私は職場などで武闘派女子と関わるたび
「こわいよ~防空壕ないの…?泣」
と逃げたくなる、平和女子です。
というか、でした。
自他共に認める穏やかだった私に(どこ行っても「絶対怒らないでしょー!」と言われてた)ここ数年、どうしても許せないことができてしまいました。
それは男の弱音や愚痴です。
彼氏の「あー疲れた…」「仕事行きたくない」とか、同僚の「上司がうざい」とか「家内がいつもイライラしててさー」とか…。
耳にするたび
「文句言ってんじゃねえよ自分で選んだんだろうが!!」
と、胸ぐらつかんで叫びたくなります(たまに叫びます笑)。
なぜか男には、強く折れない強靭さを持っていてほしいのです。寡黙に突き進む人にキュンとします、昔から。
以前彼氏に
「私の前で弱音吐かないで!」
と爆発し
「俺は愚痴のひとつも言えないのか?!」
と殴られた喧嘩もありました。
DVで別れましたが(笑)
思い出すのは、中学生から26歳くらいまでの実家での日々です。
ヒステリックでわめきちらす母親と、それが聞こえるたび自傷行為をして怒りに耐える私、そして母から逃げるように家庭内別居する父です。
当時は母ばかり恨んでましたが、最近になってよく父に対して思うんです。母のヒステリーを黙らせてほしかった、そういう威厳を示してほしかった、と。
男の弱さを許せないと言うと、超自立女子みたいですが、私自身は仕事やお金の悩みが尽きず「誰か助けて…」と宛のない助けを求めて泣くような依存タイプです。
自分の弱さを棚に上げて…と自覚してます…。
男の弱さを許せる、過剰反応しない女性になるには、どうしたらよいのでしょうか。
アドバイスをいただけると幸いです。
(Hさん)
よく男の弱さが許せない、とおっしゃるのはHさんが言うように、まさに自立系武闘派女子の戦闘員たちなわけですが、でも、たぶん、普通の(?)女性も苦手という方が多いでしょう。
そもそもHさんも「私は弱いから防空壕が必要」と言いながら、「文句言ってんじゃねーよ!」と首根っこを鷲掴みできる時点で、自覚のない武闘派である可能性はものすごく高いですね。ふふふ。バレてますよ。
ま、実のところ、自分が強いか弱いかは別として、自分の弱さを許していなければ、相手の弱さを許せない、というのが基本系です。
そう、投影の法則ですね。
しかも、一方で、「ヒステリックなお母ちゃんの影でコソコソしていたオヤジが許せん!」という思いがあれば、強くない男性に対してお父ちゃんを投影するわけで、そうすると「弱い男は許せん!」となるんです。
つまり、ここに「ダブル投影」が起きていることが注目に値するところです。
分かります???
そう、Hさんは弱っちくて根性なしな弱い男どもに対してお怒りなんですが、その背景は、
1.Hさん自身が自分の弱さを許していない
2.弱いお父さんを許していない
という2つの要素が混じっているわけです。
逆に言えば、この「弱っちぃ男を蹴とばしたり、殴り飛ばしたりせずに、優しく許して、受け入れてあげる」ためには、自分自身の弱さを許し、あの情けねえオヤジを許す、という二つのプロセスが待ち受けるわけです。
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また、その弱っちぃ男が許せねえ、殲滅してやる!とHさんが息巻いているのは、理想のパートナーにも表れてますよね。
折れない強靭さを持ち、寡黙に突き進む男がいいんでしょう?
ほら、やっぱり戦場がイメージされますやん。
夫婦コマンド―ですやん。
夫婦そろって火炎放射器で弱っちぃ男どもを焼き払うんでしょう?
こわっ!!
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さて、少し話が逸れますが、事例としてとてもいい箇所がありましたので揚げ足を取りますね。
>当時は母ばかり恨んでましたが、最近になってよく父に対して思うんです。母のヒステリーを黙らせてほしかった、そういう威厳を示してほしかった、と。
だいたい人の目は派手な方に向かうんです。
だから、ヒステリックなお母さんの方が問題だ、と多くの場合、認識しやすいんです。
そして、それは間違いではないのですが、ちょっと待て、と、その柱の陰で隠れてる奴はだれだ?おぅ、引っ張り出せや・・・として、いよいよラスボスが登場!というケースもとても多いんです。
例えば、こんなケースもあります。
「お酒を飲んで暴れるお父ちゃん。お母さんはいつも泣いてて可哀想で、いつも、お母さんの味方をしていたけど、よくよく思えば、泣いてばかりで全然私のことを守ってくれなかったし、八つ当たりもしてたよな!ぐぬぬぬぬぬ。私が嫁に行けない理由は父だと思ってたけど母だったのか!!」
表に現れる分かりやすい原因とは別に、その陰に黒幕がいるケースも多いんです。
そして、その存在がラスボスとなることも少なくないのです。
だから、Hさんはずっとヒーローの登場を待ち望んでいた子ども時代だと思うんです。
強くて折れないハートを持ち、このお母ちゃんを退治してくれるスーパーヒーロー。
それを長年、お父ちゃんに求めて来たんだけど、ある時気付くわけです。
「それは幻想だ。お父ちゃんはヒーローちがう!」って。
そして、今度は外の世界にヒーローを求めるようになったんですね。
さて、ここからは大胆な仮説が展開します。
外の世界にヒーローを求めるようになったHさん。当然、理想のパートナーはそんなお母ちゃんを退治してくれるほどの強さを持った存在です。
ところが、なかなかそんな強烈なパワーを持った人はいないわけです。
それくらいおかんがすごい、というのもありますが。
そして、そのヒーローの登場には、もう一つ大事な、大事な、条件があるんです。
何か分かりますか?
そう、私が強くなってはいけないんです。
だって、私が本気出して強くなってしまったら、仮にヒーローが現れても「あれ?俺、役不足っすね。お姉さんの方がはるかに強いっすよ」ってどっか行っちゃうでしょ?
ということは、ナンボ、怪人おかんを倒す力があったとしても、Hさんはウルトラマンになってはいけないのです。
か弱い、何もできない、依存的で、誰かの助けがなければ生きていけない女のフリをするほかないのです。フリですよ、フリ(笑)
それでHさんの内面には立派な武闘派魂が宿っているわけです。
分かった?
誰が最強か?
でも、こういう「男の人に助けてもらうために弱いキャラを演じる」という女子は意外と多いんです。もちろん、意識的にやってる人は確信犯だからいいんですけど、ほとんどの人は無意識にやってます。
だから、色々と矛盾が生じるんですね。
>私自身は仕事やお金の悩みが尽きず「誰か助けて…」と宛のない助けを求めて泣くような依存タイプです。
もし、Hさんが真性の依存タイプであれば、この悩みを解決してくれる人がたちどころに現れ続けるはずです。
だって、それが素なんですから、バランスを取るために、それにふさわしい自立男が「Hi!!!」って登場します。
しかし、ウルトラマンが、「うわぁ、こわーい。怪人とか嫌いだし、あたし、弱いしぃ。だめー、戦えな~い」とか言ってても、説得力もないし、対して弱そうに見えないから、みんなは助けてくれるんじゃなくて、応援するんです。
さて、どっちのパターンがHさんの人生に出現しているでしょうか?
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そう、自分を知るって大事なことですね、ほんと。
弱い、と思っていても、実は強い、ってことすごくあるんです。
「おかしいなあ、私は依存タイプな筈なのに、起きてる問題は武闘派女子が起こす問題で、根本さんのブログが普通に読めるんだよねえ」って思っている人は、そもそもその前提が間違っているのかもしれませんね。
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さて、Hさんは今頃、「違うもん!違うもん!私、武闘派じゃないもん!ほんと依存タイプでいろんな問題抱えてるいたいけな女子だもん!なんで分かってくれへんのじゃボケ!わしがそう言うたらそうやねん!わしが法律じゃ!分かったかボケ!カス!アホ!」って騒いでるかと思いますが、そもそもの命題、
>男の弱さを許せる、過剰反応しない女性になるには、どうしたらよいのでしょうか。
はご理解頂けましたでしょうか?
1.自分を知る
2.投影を取り戻す
この2つのプロセスですね。
特にああ、弱い自分を許していないんだなあ、との気付きは大事ですね。
これで自分を許すプロセスに踏み出すことができます。
また、お父さんを許せていないことに気付けたら、それを新たなテーマにするといいですよ。
ちなみに、お父さんを許すことは、男性を許すことだけでなく、仕事、お金等の問題解決にも大きな影響を与えます。
もしかするとHさんのその他の問題も一様に解決していくかもしれませんね。
とりあえず、「え?バレてた?」と思っていただくところから始めて行きましょう。
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