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ヘラクレスオオカブトの親ってカナブンだと思いますか??
ヒントはそこにあると思います。
それに子育てって様々な親の思い込みに気付かせてくれますよね。
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中学生の長男が反抗期になり、子育てに疲れてしまいました。
生活態度、成績のことで衝突してしまうのです。今の成績では、進学が危うく、高校を選ぶことも出来ないレベルなのが許せません。
「子育てに失敗した、私には子どもへの愛情が無いんだ、そもそも結婚しなきゃ良かった」などなど、勉強をしないでいる長男を見て、毎日毎日ネガティブな思いでいっぱいになってしまいます。
夫は仕事が忙しく、家にいる時間が短いので、勉強を見てやるなど、子育てや家事をする余裕はありません。
私自身の親との関係性は、特別に良くも悪くもなく、恨みもありません。末子なので、甘やかされた方だと思います。ですので、自分の思い通りにならないと、気持ちの上で受け入れられないことが多いとは感じます。
長男に対して、どう接すれば良いか?など、子育て本を読んだり、カウンセラーに相談したりもしました。
前向きな言葉掛けをしなきゃと思いつつも、イライラの方が先走ってしまい、キツめの言葉掛けになったり、悲しみ、怒り、など感情が溢れ涙が出てしまいます。
仕事を減らす。家事を手抜きする。好きなことをする。など、自分の心身の余裕を作ることもして来ましたが、子育てマニュアルを実行出来るマインドにはなれませんでした。
私のような母親が、長男をロックマンや野良猫男子にしてしまうのですね。
もう、疲れてしまいました。どうしたら、子育て本にあるような接し方、愛情ある子育てが出来るのでしょうか。ヘラクレスオオカブトに育てるにはどうすればいいのでしょうか。
(Cさん)
だいぶお疲れのようですね。
旦那さんのサポートがないとどうしても孤軍奮闘してしまいますよね。
でも、これだけは忘れて欲しくないんですけど、
「子育てに疲れる=愛情がある証拠」
なんですわ。
疲れるくらい一生懸命やってるわけでして。
愛情がない親はそこまで子どもに関わりませんから疲れません。
まあ、今日はこれだけでもいいくらいです。
それにCさんは自分のことを振り返り、親との関係を思い出したりしてますよねー。
それだけちゃんと向き合ってるってことです。
「思い通りにならないと気持ち的に受け入れることができない」ってことに気付いているだけでも大きなことです。
私ってそういう奴だもんなあ、しゃあないよなあって自己肯定してあげてください。
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そして、これがとっても大切なことなのですが、楽にならない、しんどい、というのは、実は「現実」や「状況」が作り出しているものではありません。
自分の考え方、価値観、感じ方が作り出しているものです。
だから、まったく同じ状況に置かれても人はしんどくなったり、しんどくなかったりするんです。
解釈の仕方、と言ってもいいです。
だから、自分の考え方や価値観を変えることで状況が何も変わらなくても楽になったり、元気になったりするものです。
この自分の考え方や価値観のことを「観念」と呼んでます。ビリーフ、思い込み、自分ルールとも言われます。
子育ては色々な「自分の観念」に気付かせてくれるものです。
例えば、Cさんのメッセージから揚げ足を取るならば、次のようなことが言えます。
・進学しなきゃいけないと思っている
・子どもは勉強しなきゃいけないと思っている
・夫は家事や子育てに協力できない
・子どもに前向きな言葉をかけなきゃいけない
・子育てマニュアルを実行しなければならない
あと、文章には書かれていませんが、元々Cさん自身、あまり自己肯定感が高い方ではなく、周りの人に合わせたり、みんなと同じようにしなきゃいけないなどの思い込みもあるのかもしれませんね。
ヘラクレスオオカブトに育てたいと思うならば、そうした自分の常識を疑ってみるといいんです。
もし、Cさんをカウンセリングするなら、こういう質問をすると思うんです。
「そういうマニュアル通りの子育てってCさんに向いてると思う?」
「お子さんって、勉強はしないんだけど、他にいいところってないのかな?」
「勉強して進学ってしなきゃいけないものなの?」
「前向きな言葉をかけなきゃいけないの?」
「仕事が忙しい旦那さんに不満とかたんまりあるんじゃないの?」
例えば、個性的で芸術家的な人は、他の人と同じことをするのが苦手です。
「みんな同じようにしなきゃいけない」という場ではとても苦しみます。
でも、「好きなようにしたらいいよ」という場では活躍します。
そもそもエリートというのは、「今の日本の教育システムにたまたま自分の個性がマッチした人たち」だと私は思っているんです。
だから、日本の教育システムに合わなくて落ちこぼれだったのに、社会に出たり、海外に行ったら大成功した人たちもいるんです。
え?もしかして、うちの子はそんな価値がない!なんて思ってませんよね?(笑)
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まあ、そもそも子育てについては私や私の奥さんに相談するのはちょっと間違ってるんじゃない?と思っていまして。
うちの娘は受験生ですけど、やっぱり勉強はあまりせずにスマホいじって、漫画を描いて、ぼーっと寝転んで夏休みを過ごしています。
ママはその態度に怒ったりしてるわけですけど、根っこに「好きなように生きりゃいいじゃん」という思いがあるので、そんなにガミガミ言うていません。
まあ、ADHDの娘にママはだいぶ鍛えられてきたからかもしれません。
高校だって行きたくなきゃ行かなきゃいいじゃん、という姿勢だし、「行きたい高校があるなら勉強頑張んなよ」って感じです。
うちの娘、今年の2月に生まれて初めて模試を受けまして、偏差値30というなかなか見ない成績を取って来たんですね。
でも、それを面白がって話す娘であり、面白がる両親なので、そりゃあ、がりがり勉強する気にはならんわなあ、と理解しています。
模試が楽しかったそうで、それならいいじゃん、と思ったりもしています。
結局のところ、幸せになったらいいわけで、そのために自分が幸せになれる道を自分で選べるようになることが大事だと思っているのです。
そういう親がこのブログを書いていますので、「この人に相談したらあかんわ」と思われる方はぜひ、今日の記事はスルーしてください。
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もし、Cさんが先ほど挙げた「観念」を手放すことができたなら、どう変わると思いますか?
・進学したくなきゃしなきゃいいよ
・勉強したくないならしなきゃいいよ。
・仕事が忙しいのは分かるけど、父親としてもっと子育てに関われよ!
・前向きな言葉をかけられなくてもしゃあないよね。
・子育てマニュアルは私に合わないから実行しなくても問題ない
それを勧めるわけではないのですが、もし、この観念がCさんを苦しめているとするならば、自分で自分の首を絞めるのは辞めた方がいいと思うんですね。
よく親は「子どもに幸せになって欲しくて自分の思い込みを子どもに押し付ける」ということをします。
いい大学を出てよかったなあ、幸せだなあ、という人は、子どもにもそれを押し付けます。
でも、その背景には、子どもは自分と同じ、という間違った思い込みがありますよね。
自分に合う方法が子どもに合うかなんて分からないですから。
また、周りの目を気にして子供に勉強を押し付けているとするならば、それは誰のことも幸せにしません。そもそもママが幸せじゃないですから。
だから「この子にはどんな生き方、どんな人生が幸せなのかを考えてみてあげませんか?」という提案をしています。
カウンセリングもその人その人に合った方法、生き方を探していきます。
こういう性格なんだから、こういう生き方の方がいいんじゃない?という風に。
息子さんのこと、大好きでしょう?
勉強しないからって嫌いにはならないでしょう?(嫌いにはなりそうになるけれど)
だとしたら、自分の愛にもっと自信を持って欲しいんですよねー。
何かあっても守ってあげたいと思いませんか?
進学に失敗したって見捨てたりしないと思いませんか?
たぶん、自分の息子への愛に気付いたら、それだけでも心は安らぎます。
愛に勝てる感情なんてないですから。
この子がうちに生まれて来てくれてよかったこと。
この子の素晴らしいところ。
たくさん探してみてください。
そして、その可能性を見てあげてください。
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ヘラクレスオオカブトに息子を育てたいと思うならば、シンプルな法則に気付いたらいいと思います。
ヘラクレスオオカブトの親って、やっぱりヘラクレスオオカブトですよね?
カナブンからヘラクレスオオカブトって生まれません。
とすれば、Cさんがヘラクレスオオカブトの牝になる必要があるんですね。
親は見本です。
子どもにこんな大人になって欲しい大人に自分がなることです。
子どもにしてほしい生き方を、今、自分がすることです。
親が好きなことをやって自由に生きていて幸せならば、その姿を見て、子どもはあんなふうに好きなことをやって自由に生きて幸せになりたい、と思います。
だから、もう息子も大きくなりましたし、多少は放っておいても死んだりしないでしょう?
だとするならば、そろそろCさんが自分の人生を生き始めてもいいんじゃないでしょうか。
さて、Cさんがほんとうにしたいことって何でしょうか?
これが今、最も重要な問いかけだと私は思っています。
ほんとうにしたいことを見つけて自分軸で生きるための本
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