201903沖縄来訪記



お弟子さん制度3か月目の講座を終えて、オンラインセミナーの収録をして、夕方の便で沖縄にやって来た。れっきとした休暇であるが、諸事情により、いや、例によって仕事を持ち込んでいるので半分遊び、半分仕事というモードである。そして、今回は帰りも羽田便なのでまだまだ旅は続くのである。

今回はANAでの来沖であった。出発前に流れる安全に関するビデオが歌舞伎バージョンとなっていて海外からの旅行者を大いに意識している様子が笑える。思わず見入ってしまったのでANAの戦略はまんまと成功していると言えよう。

空港には例によってもっくんが迎えに来てくれて、いつものようにホテルに荷物を置いてから一緒に飯を食う。

いつもと違ったのは私がスリーピースのスーツを着込んでいたことだ。暖かくなったとは言え、まだ東京ではコートが必要でその下にスーツを着ていても違和感はないが、ここ沖縄ではすでに暑い。この日は1日小雨が降り続いていて沖縄としては寒い日だったらしいが、気温は20度である。私が住んでいる国では20度を寒いとは表現しないので、やはりここは異国なのであろう。

ホテルでTシャツとジャケットに着替えて、もっくんが予約してくれていた焼き鳥屋に向かう。ここは前回満席で入れなかったところでいわばリベンジである。

ホテルから歩いていける泉崎は官庁街で内地からの出張者、転勤者も多く、沖縄らしくない店が軒を連ねている。今回伺った「焼鳥白鳥(スワン)」も寿司屋を意識したカウンターのみの作りとなっていて、席を埋める客のほとんどが内地からやってきた人々だった。

とはいえ、店主の大谷さんはどう見てもウチナーンチュ顔であり、屋台から叩き上げの職人である。沖縄には地鶏がないことに気付いて自ら鳥を飼育しているのだから、そりゃあ旨いに決まっている。しかもそれでいて安いのだから満席なのも頷ける。

この社長、なかなかの個性の持ち主でブログも面白い。

絶品な焼鳥の数々。リピート確定!

他愛もないことから、ちょっと真面目な話もして散会となる。3月の沖縄の夜は暖かい。東京や大阪で言えば5月の下旬くらいであろうか。風は冷たくなく、雨のせいで湿気を含んだ空気が心地よく、どんどん心を緩ませてくれる。

沖縄と言えば青い空と海がイメージされるが、いつしかそれを求めなくなった自分がいる。ここに来て、年中吹いてる風にあたり、街を歩くだけで十分だと思えるようになった。

妻の沖縄移住願望も日に日に強くなっている昨今であるが、私がそれを決断しないのは、ここに住んだら生来の怠け者気質が発揮されてなにもしなくなることを恐れているからかもしれない。もちろんそうなったところで何ら不都合はないだろうけれど。


最近の私はだらだらとだが、ほぼ毎日のようにジョギングをしている。そのお陰で体重もほどよく落ちていて、スーツやシャツがぶかぶかになってきている。

朝起きたら曇り空で海に向かうのもテンションが上がらないので、すぐ近くの奥武山公園を起点に気ままに走ることにした。ここはリトリートセミナーの思い出がつまった場所でもある。

思い出の場所巡り。
ユースホステル、ありがとう御庭、沖宮。

気ままにたらたら走っていたら7.5kmのランになった。途中景色の写真を撮ったり、なんだ?この丘は?と登ってみたらお墓だったり、たらたら走っていたりしたら一時間以上かかっていた。

そうして体を整えたのち、ラウンジに上がって罪悪感本の最終追い込みに入ったのである。

原稿の終わりが見えてきた夕方、サウナに入り、マッサージを受けた。腕のよいおばちゃんに揉みほぐされているうちに、ずっと溜まっていた疲れが流れていったようだ。背中の張りが取れ、軽くなって部屋に戻ると到着したばかりな家族がくつろいでいた。晩飯はラウンジで軽食を頂き、子供たちにはルームサービスを、そして、私は再びラウンジに戻って原稿を仕上げた。

脱稿してホッとしたのち、旅には欠かせないコインランドリーにやってきた。今回は東京での汚れ物も抱えているので滞在2日目にして洗濯が必要になっていた。旅の思い出の一ページは必ずコインランドリーが引っ付いてくる。

そして、乾燥が終わるのを気持ちのいい夜風に吹かれながら待ちつつ、この記事を書き上げたのである。

沖縄に着いて24時間が過ぎて、体もようやくここがどこかを思い出したらしい。だんだんいい感じに心身が緩んできて休暇モードに入ろうとしている。


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